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エンジニア キャリアビジョンのイメージ

エンジニアがキャリアビジョンを描く必要性と面接での伝え方

エンジニアをこの先も続けていくために、キャリアビジョンについて考えたことはあるでしょうか。転職活動の面接では、将来のキャリアについて質問されることはよくあります。ここではキャリアビジョンとは何か、キャリアビジョンを描く重要性や描き方、面接で実際にキャリアビジョンを伝えるために準備しておくべきことをご紹介していきます。

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キャリアビジョンとは?キャリアプランとの違い

キャリアビジョンと類似した言葉にキャリアプランがあります。まずは2つの違いを知っておきましょう。

キャリアビジョンとは

ビジョンという言葉には「理想像、未来像、展望、構想」という意味があります。キャリアビジョンとは今後なりたい姿、キャリアの未来像や構想のことをいいます。

例えば、以下のように今後どのような仕事をしてどのような自分になりたいかということを明確にします。

  • 「語学力と仕事のスキルを磨いて、グローバルに活躍できるエンジニアになりたい」
  • 「ITを使って社会課題解決の助けになるような仕事をしたい」

キャリアプランとは

キャリアプランは、キャリアビジョンを実現するための具体的計画と考えると良いでしょう。
例えば前項の「語学力と仕事のスキルを磨いて、グローバルに活躍できるエンジニアになりたい」というキャリアビジョンを持っている場合、以下のように具体的な計画を立てることをキャリアプランといいます。

  • 2年後を目標にTOEIC800点を目指す、そのためにいつまでにどのような勉強をする
  • AI分野のスキルを磨くためPythonを学習し、AIに強い会社に転職する

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エンジニアにとってキャリアビジョンが重要視される理由

企業の面接では、新卒、転職にかかわらずキャリアビジョンを聞かれることも多くなっています。なぜエンジニアにとってキャリアビジョンを描くことがなぜ重要なのか、その理由を確認していきましょう。

企業にとってマッチする人材か判断しやすい

企業はキャリアビジョンを知ることで、人となりが垣間見え、自社の社風や事業に合う人材なのか判断しやすくなります。その人の考え方や軸、キャリアビジョンの実現に向けて具体的に行動をしているのか否かによって熱意の有無も分かり、また、計画どおりに行動できる人なのかどうかも見て取ることができます。

将来の方向性や軸を自覚することができる

IT技術の急速な発展に伴い、人々の生活を支えるさまざまなWebサービスが次々と展開され、IT業界を取り巻く環境は非常に複雑化してきています。

技術の細分化が進み、キャリアの選択肢が増える一方で、すべての技術をエンジニアが1人で網羅することは難しくなってきているのが現状です。将来どうなりたいのかキャリアビジョンを定めた上で、自分の強みを明確にしたキャリアを磨いていくことが、時代に流されないエンジニアとして長く活躍し続けるためには必要です。

自身の社会人人生について考え、すべきことを明確にできる

キャリアビジョンを明確にし、キャリアプランを立てる過程では、自分自身を見つめ直す作業が必要になります。自分にどのようなスキルがあって何が足りないのかを冷静に分析する機会になり、現状を客観的に把握することができます。

自身のキャリアの軸や方向性、また目標が固まるため、今やるべきことが明確になります。キャリアビジョンを実現するために必要な技術やスキルを理解できれば、幅広いIT技術をやみくもに勉強するのではなく、自分にとって必要なスキルを効率的に学べるでしょう。キャリアビジョンを描かず、目の前の仕事をこなすという方法では得られない道や選択肢を得られる可能性があるといえます。

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エンジニアがキャリアビジョンを描くには

「キャリアビジョンとは」で述べたように、キャリアビジョンは理想像や将来像です。既に理想像を描けている人はキャリアビジョンがあるといってよいため、キャリアプランの検討を進めます。

ここでは、理想像や将来像がまだ具体的な言葉になっていない方に向け、キャリアビジョンを描くために、具体的にどのような切り口で考えていけばよいのかを確認していきます。

好きな分野や技術を明らかにする

キャリアビジョンを描く際、5年後や10年後をイメージしましょうという提案をよく目にします。しかし漠然としているため、なかなかイメージしづらいものです。また、スピードの速いIT業界では新たな技術に興味が湧いたり、業界予測が難しかったりなどで思ったとおりにならないのが常です。

そのため、現時点で興味のある分野、好きな分野や技術を明らかにします。キャリアビジョンは取り繕った理想像ではなく、将来こうありたいというパッションが必要です。そのため「好きであること」は大事な要素です。そのスキルがどのような業種で活かせるのか、需要はあるのかなどを調べ、将来像を描いていきます。

「DX白書2021」(※)では「デジタル事業に対応する人材の「量」の確保状況」として、プロダクトマネージャー(PM)、ビジネスデザイナー、データサイエンティストが「大幅に不足している・やや不足している」とした企業が55%を超えています。

その他、テックリードや先端技術エンジニア、エンジニア/プログラマーも「大幅に不足している・やや不足している」が40%以上と高い数値を示しています。これらは日本における数値であり、米国は全く数値が異なるため、海外を視野に入れている場合は注意しましょう。
このように、好きな分野と現在の市場状況のデータと照らし合わせ裏付けしておくことで、面接などでも自信を持って語ることができます。

(※)参考:DX白書2021_第3部_デジタル時代の人材 P6図表31-5

目指すポジションから方向性を見定める

技術とあわせて自分がどんなポジションを目指すのかも考えましょう。

エンジニアの場合、特定の技術の専門家としてより高い知識やスキルを極める「スペシャリスト」志向なのか、プロジェクトを管理してメンバーを統率したりクライアントと交渉したりするような「ゼネラリスト」を目指すのかなど、目指すポジションによって習得すべき技術や経験も変わります。

例えば、ゼネラリストにどのようなスキルが必要かを確認すると「DX白書2021」(※1)では「企業変革を推進するためのリーダーにあるべきマインドおよびスキル」として、リーダシップが50.6%で1位、次いで実行力が48.9%、コミュニケーション能力が43.8%、戦略的思考が43.4%、意思決定能力が41.0%となっています。

これらも参考にしながら、ゼネラリストとしてどのような業種で活躍したいのかということも考えておきましょう。IT人材は2030年までに最大で79万人不足するという予測(※2)があり、どの業種でも需要はあるともいえます。

(※1)参考:DX白書2021_第3部_デジタル時代の人材 P3 図表31-1

(※2)参考: IT 人材需給に関する調査 P20 図 3-11

自身の「理想の働き方」を考える

パソコンさえあれば場所を選ばず仕事ができるエンジニアは、働く環境をご自身の希望に沿った形に変えやすい職種ともいえます。

例えば、オフィスに出社するかリモートワークを中心にするかなど、理想とする働き方を考えて将来を設計することも一つの方法です。もし、リモートワークを希望するのであれば、業界やプロダクト、システムによってリモートワークのしやすさが変わってくることも留意しましょう。

金融のようにセキュリティに厳しい業界のシステムであればリモートワークへのハードルは上がりますし、Webサービス開発などと比べて、実機やテスターなどの物理デバイスが関わってくる組み込み開発はフルリモートが難しい、といった傾向があるため、こうした点を踏まえてキャリアビジョンを描きましょう。

また、フリーランスという働き方も選択肢の一つです。フリーランスを目指す場合は、フリーランスに見合ったキャリアプランを検討する必要があります。「DX白書2021」(※1)では「現在の仕事に役立っているあなたの知的素養」として、ITフリーランス(先端IT従事者)では「技術」が88.3%で、企業所属者(先端IT従事者)の64.3%と比較して高い割合になっています。

次いで「数学」が52.5%で、企業所属者(先端IT従事者)の33.9%と比較して高い割合になっていることから、フリーランスエンジニアとして働く場合、より高い専門性を身につける必要があるといってよいでしょう。

(※1)参考:DX白書2021_第3部_デジタル時代の人材 P70 図表32-39

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面接でキャリアビジョンを伝えるために整理しておくべき4つのポイント

キャリアビジョンを描いた理由やキャリアビジョンを描くまでの過程について実際に面接で聞かれると、どのように答えてよいか分からない場合もあるでしょう。

面接官がキャリアビジョンについて質問するのは、長期的に自社で活躍してくれる人材かどうか、目標に向かって行動できる人材かどうかを見極め、採用のミスマッチを防ぐためです。

ここでは、面接で上手に伝えるためにご自身のキャリアビジョンを整理する方法をご紹介します。

整理ポイント1:「3年後の自分」をイメージする

現代社会は変化のスピードが速く、先々の見通しを立てて予測するのが難しいVUCA※の時代といわれています。

※Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(あいまい性)の頭文字を取ったビジネス用語。

キャリアビジョンで5年先・10年先の自分像を描いていたとしても、面接ではあまり先のことばかりではなく、まずは3年後の自分をイメージしてどうありたいのかを伝えられるとよいでしょう。「キャリアビジョンを描くには」で解説した「好きな分野や技術を明らかにする」ことができていれば、3年後もイメージしやすい状態になっているでしょう。

将来なりたい姿を提示した上で、そのためのステップとして「3年後にはプロジェクトリーダー(PL)として経験を積み、マネジメント能力をつけて次のステップを目指したい」など、具体的に伝えることが大切です。

整理ポイント2:「なぜ」そのビジョンを持ったのかを整理する

将来なりたい自分は、どのようなきっかけでイメージしたのかを考えてみましょう。

例えばあこがれの上司によるものなのか、周囲の先輩の一言なのか、または携わった案件で思い入れを感じることがあったからなのか、など過去の経験を振り返って整理してみます。キャリアビジョンに影響を与えたきっかけが分かれば、ご自身が大切にしている価値観や仕事観が生まれた理由としてうまく伝えられるでしょう。

整理ポイント3:「何ができて」「何ができないのか」を整理する

今のご自身がキャリアビジョンを実現するためのステップの中でどの位置にいるか、「できること」と「できないこと」を整理しておきましょう。

採用担当者は、あなたが自社で戦力となりうる人材かどうかを見ています。「できること」は会社に貢献できることとして、「できないこと」はこれから努力して習得していきたいこととして明確に分けて説明し、会社に貢献するとともに高い目標を持ってさらに努力することをアピールしましょう。

整理ポイント4:「できないこと」を「どうやってできるようになるのか」を計画しておく

面接でキャリアビジョンを聞かれるのは、自主性やビジョンに対する本気度を確認する目的もあります。

「いつまでに」「どうやって」できるようにするのかという行動計画を伝えられれば、目標に向かって計画ができる人材と認識されます。さらに、既に計画に着手できている場合、自主的に目的意識を持って行動できる人材としてさらに評価される可能性が高まるでしょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

小田部 大輝(こたべ・ひろき)

新卒でウェディングプランナーを4年経験した後、パーソルキャリア株式会社に入社。現在はキャリアアドバイザーとしてIT領域の方々を中心に支援を行う。一人ひとりの状況や感情に寄り添ったサポートを得意とする。また、自分自身の転職経験も踏まえ、転職活動のリアルなアドバイスや転職を希望する方々と同じ目線に立ってのフィードバックなどを通じて伴走することを心がけている。

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