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ITエンジニアのキャリアパスはどう描く?将来の考え方と転職モデル

転職活動がうまくいかず悩んでいる…、もしかしたらそれはキャリアパスが明確に描けていないからかもしれません。この記事では、長年ITエンジニアのキャリアカウンセリングや転職支援に携わるキャリアアドバイザーへの取材・監修のもと、システムエンジニアを中心に、運用保守、コンサルタント、プロジェクトマネージャーなどのITエンジニア職の人が、どのようにキャリアパスを描いていけば良いかを解説します。

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なぜITエンジニアはキャリアパスを考えたほうがいい?

転職意志の有無にかかわらず、自分が10年後、20年後にどうなっていたいかという、具体的なキャリアパスを描けていない人は実は結構多いものです。

ITエンジニアの業界は所属する企業の商流や職種によって分業されており、そこで求められるスキルも異なってきます。そのため、自分が望む働き方や業務を担当するには、先を見据えてキャリアを選び取っていくことが必要になります。

自分のキャリアパスを考えることは、どのようなメリットがあるのでしょうか? 下記はその一例です。

  • 思い描く将来像と今の自分の経験・スキルを比較して、ギャップを把握できる
  • 自分にとって必要な経験やスキルが明確になり、日々の業務の中でもスキルアップにつながる行動が取りやすい
  • 転職先企業を適切に選べるようになり、入社後のミスマッチが減る
  • 面接・書類の志望動機に説得力が出て、転職活動が成功しやすくなる
  • 周囲の変化に惑わされず、自分らしい働き方を実現できる
  • 目先の収入に惑わされず、計画的に生涯の年収アップに向けた行動を取れる

ITエンジニアのキャリアは、ほかの職種と比較して選択肢が非常に多く、残業時間などの働き方の改善や収入アップといった条件面のみを軸にして転職すると、転職先企業とのミスマッチが起こる可能性があります。

入社から数年経って、進みたいポジションに就くためのスキルが足りない、転職後に年収が頭打ちになってしまった、などの事態が起こり得ます。それを避けるには、最終的にどのような仕事をしたいのか、どの業界で働きたいか、などに合わせた総合的な将来像を描くことが大切なのです。

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2020年代のキャリアパスはどうなっているの?

dodaで長年エンジニアの転職支援をしているキャリアアドバイザーに話を聞くと、今のエンジニアはひと昔前と比べて、多様なキャリアパスを描ける状況になっているといいます。IT業界の変化やトレンド、ITエンジニアのキャリアを簡略的にまとめたマップから、その多様性を見ていきましょう。

多様化するITエンジニアのキャリア

かつてのエンジニアはSIerや汎用機メーカーにプログラマーとして入社し、システムエンジニア、プロジェクトマネージャーと昇進して、より上流工程を担当することを目指すのが一般的でした。

しかし、2000年代以降、ITエンジニアのキャリアデザインは多様化しています。例えば、Webサービスを提供する事業会社をはじめとして、より多くの企業が就業先として選べるようになり、クラウド環境への需要の高まりを受けて、クラウドエンジニアなどのより専門的な職種が生まれました。

業務フロー(企画・要件定義~プログラミング)のどこを担当するかという従来の選択肢に加え、ITに参入する企業の増加に伴う業界の広がり、新技術や高度な技術が生まれたことによる専門職の広がりによって、さまざまな選択肢が増えたのです。

IT企業では多様化するキャリアに対応するために、人事制度も変化しています。マネジメント職だけではなく、技術をより専門的に突き詰めていく「スペシャリスト職」としてキャリアアップする道も選べるようになりました。

IT業界の変化やトレンド

日々技術が進化し、トレンドの移り変わりが早い業界なので、キャリアパスを考えるときには今後の業界ニーズを押さえておくことも大切です。

経済産業省の調査によると2020年以降は、今までのITシステムの受託開発や、システムの保守・運用といったサービスは減少すると見られています。一方、AIやビッグデータ、クラウド、IoTなどの最先端領域は今後も需要が高まり、2020年代後半には現在のITサービス市場の過半数を占めると予測されています(※1)。

最先端領域は業務経験者が少ないので、今、積極的に経験を積んでおくことは大きなアドバンテージになるでしょう。

転職市場としてはコロナ禍の影響で、一時期は未経験者層よりも即戦力となる層の採用を重視する傾向が強まりました。依然として即戦力となる方へのニーズは強いものの、未経験者の中でもエンジニアとしてのキャリア形成に意欲的で、そのための自己研鑽ができている方は、キャリアチェンジの実現にまで至っています。

一方で、一部の企業では2023年4月ごろから改めて未経験者の採用ハードルを上げるケースも見られるようになりました。理由はさまざまですが、一つには採用した未経験者の教育面で課題を感じる企業が出てきているという点が挙げられ、それゆえに未経験者を育成できるレベルのエンジニアのニーズが高まっています。

例えば、未経験者への適切な実践機会と定期的なフィードバックの提供、マニュアルや教育素材の作成、ノウハウや学びを共有する勉強会の実施など、育成者としての経験も積んでいけると、転職を意識する・しないにかかわらず、キャリア形成において意義を持つでしょう。

※1)経済産業省「IT人材育成の状況等について」

「転職市場予測」最新のマーケット動向を解説します

2020年代ITエンジニアのキャリアマップ

ITエンジニアが転職先として選べる企業にはどのようなものがあるのでしょうか? それぞれの企業分類ごとに求められる経験・知識を、ビジネスモデルや業務フェーズで一覧化したマップをご紹介します。

ITエンジニアのキャリアマップ

企業 代表的企業名 ビジネスモデル 業務フェーズ
BtoB BtoC 上流 下流 業務
知識
開発
スキル
コンサルティング アクセンチュア/
EYストラテジー・アンド・
コンサルティング/
PwCコンサルティング/
KPMGコンサルティング/
デロイトトーマツ
コンサルティング/
アビームコンサルティング/
日本IBM
品質保証 SHIFT/バルテス/
ベリサーブ
システム監査 EY新日本有限責任監査法人/
有限責任あずさ監査法人/
有限責任監査法人トーマツ/
PwCあらた有限責任監査法人
ソフトウェア/
パッケージベンダー
日本マイクロソフト/
日本オラクル/オービック/
ワークスアプリケーションズ/
サイボウズ
メーカー系
システム
インテグレーター
富士通/日本電気(NEC)/
日立製作所
企業 代表的企業名 ビジネスモデル 業務フェーズ
BtoB BtoC 上流 下流 業務
知識
開発
スキル
独立系
システム
インテグレーター
大塚商会/TIS/富士ソフト/
ネットワンシステムズ/
DTS/Sky/
NSD/システナ
ユーザー系
システム
インテグレーター
NTTデータ/
野村総合研究所(NRI)/
伊藤忠テクノ
ソリューションズ(CTC)/
SCSK/日鉄ソリューションズ/
電通国際情報サービス(ISID)
Web系
インテグレーター
IMJ(アイ・エム・ジェイ)/
メンバーズ/セラク/
ネットイヤーグループ/
ミツエーリンクス
ITアウトソーシング テクノプロ/メイテック/
トラストテック/
アルプス技研/VSN
Webサービス ヤフー/LINE/
サイバーエージェント/
楽天/Amazonジャパン/
Google合同会社

事業会社
(社内SE職)
ファーストリテイリング/
ミスミ/
セブン&アイ・ホールディングス/
村田製作所/ソフトバンク
  • ビジネスモデルの凡例
    その業界の経験・スキル・知識を活かせるか否かを判定 
    〇活かしやすい 
    △活かせる機会がやや少ない 
    -当てはまる企業が少ない
  • 業務フェーズの凡例
    その業務の経験・スキル・知識を活かせるか否かを判定 
    ◎非常に活かしやすい 
    〇活かしやすい 
    △業務内容によっては活かせる 
    -当てはまる業務が少ない

※ プラットフォーマーの役割を果たすことが多いため

【キャリアマップの見方】

このマップは、ITエンジニアの主な就業先である企業を業種ごとに分類し、それぞれの企業でどのような経験・知識・スキルが身につく、または活かしやすいか、ということを「ビジネスモデル」「業務フェーズ」の列で項目ごとに◎〇△―で判定しています。

例えば、「メーカー系システムインテグレーター」では、BtoBの業務経験、業務の上流工程や業務知識が一般的に活かしやすく、下流の経験や開発スキルは業務によっては活かしやすい、と判断することができます。分類軸の分け方、◎〇△―の記号の意味は下の【軸の分け方と記号の見方】で紹介します。

※このキャリアマップは編集部独自に作成。「代表的企業名」は会社四季報をもとに掲載しています。

【軸の分け方と記号の見方】

・企業軸
…ITエンジニアの主な就業先企業を業態や提供サービスに沿って分類

・ビジネスモデル軸
…企業向けのサービスを提供しているBtoB(Business to Business)と、一般消費者向けのサービスを提供しているBtoC(Business to Consumer)に分類

記号の意味(ビジネスモデル軸)
その業界の経験・スキル・知識を活かせるか否かを判定
〇活かしやすい 
△活かせる機会がやや少ない 
-当てはまる企業が少ない

・業務フェーズ軸
…システム開発における企画や要件定義、進行管理を「上流」、プログラミングやコーディング作業を「下流」と分類。金融など固有業界の知識や、他部署・顧客と折衝する上での知識の有無を「業務知識」、開発の実作業に関する知識レベルを「開発スキル」として判定

記号の意味(業務フェーズ軸)
その業務の経験・スキル・知識を活かせるか否かを判定
◎非常に活かしやすい 
〇活かしやすい 
△業務内容によっては活かせる 
-当てはまる業務が少ない

【キャリアマップの活かし方】

自分が今所属している企業や、将来目指したいポジションで、一般的に身につきやすい、または必要とされる経験・知識・スキルを把握することができます。また、表をダウンロードして、現職企業と業務フェーズ、将来目指したい企業や業務フェーズの位置をマークしてみましょう。転職しやすい業務や企業が明確になり、目標地点までに足りないスキルを把握することができます。

このキャリアマップは、ITエンジニアがキャリアパスを描きやすくするために簡略化したものです。実際にはこの表に当てはまらないような転職パターンやキャリアがありますので、あくまで目安としてご覧ください。

もし、このマップよりも細かく自分のキャリアや将来について知りたいのであれば、転職エージェントの利用もおすすめです。キャリアアドバイザーに相談すれば、業界でのあなたの立ち位置を教えてもらえ、希望に沿ったキャリアを一緒に考えることもできます。

次の章からは、このキャリアマップを活かしつつ、実際にどのように自分の将来像を考えるのかを解説します。

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ITエンジニアのキャリアパスの描き方

以下の4つの手順に沿って、自分のキャリアパスを考えてみましょう。

STEP1 自分の志向性を確認する

まずは、自分がプロジェクトの管理やチームの育成も担う「マネジメント」と、技術的な幅広さや専門性を深めていく「スペシャリスト」の、どちらに進みたいのかを考えることから始めましょう。ただし、完全にどちらか一方に決めてしまわなくても大丈夫です。どちらかといえばマネジメント寄りに進みたいが、最新の技術や言語についての知見も深められる環境で働きたい、といった志向を整理することが大事です。

自分の志向性がなんとなく把握できれば、転職先や働き方を選ぶときの軸のひとつにすることができます。転職エージェントなどのサービスを利用する場合でも、この志向性を伝えることで適切な企業を案内してもらえる可能性が高まります。

Point過去や未来を思い浮かべてみましょう

  • 過去に手掛けた案件を思い浮かべて、楽しいと感じたり、つらいと感じたりした部分を掘り下げましょう。志向性を整理するヒントになるかもしれません。
  • 自分の志向性が、「マネジメント」「スペシャリスト」のどちらにどのくらいの割合で強いのかを知っておきましょう。「この開発の全体像を把握できる技術力を身につけたうえで、マネジメントにチャレンジしたい」など、具体的に例を挙げてみると考えやすいかもしれません。

STEP2 キャリアの棚卸し・自己分析

次にダウンロードしたキャリアマップを使って、自分がどのポジションに位置しているのかを知りましょう。まず、「企業」の縦軸から自分の所属する企業を選び、その後は横軸を順にスライドして「ビジネスモデル」「業務フェーズ」の縦軸の条件を見ていってください。一般的にその企業で経験しやすい業務フェーズやビジネスモデルに〇や◎が付いています。

業務フェーズの経験範囲は職種や立場によって異なるので、◎が付いていても、ご自身はその業務の経験が浅い、または経験がない場合もあると思います。そこはご自身で判定を変更してみてください。

現職の企業軸から、自分のポジションを把握するイメージ

現職の企業軸から、自分のポジションを把握するイメージ

もっと詳細にキャリアの棚卸しや自己分析を行えば、より精緻なキャリアパスが描けるかもしれません。下記の関連リンクを参考にしてみてください。

STEP3 目指すポジションを知る

マップ上での自分の立ち位置を確認した後は、自分が「目指すポジション」について考えてみましょう。企業軸で自分が最終的に働きたい企業形態を選んだら、ビジネスモデル軸や業務フェーズ軸で、「自分の興味がある業務」を見てみてください。そこが「自分のキャリアパスの到達地点」と考えましょう。

また、自分の立ち位置の◎や〇重なれば重なるほど、今までの経験を活かせて転職しやすい「目指しやすいポジション」と考えてください。

自分のポジションと目指したいポジションを把握するイメージ

自分のポジションと目指したいポジションを把握するイメージ

【このキャリアマップから読み取れること】

・コンサルティングファームで働くには、要件定義などの上流工程の経験が足りない
・コンサルティングファームで働くには、業務知識ももっと蓄える必要がある
・ユーザー系のシステムインテグレーターなら、すぐにでも転職して即戦力で働けそう

Point目指すポジションと現在位置のギャップを確認

  • 目指すポジションと自分の位置の評価を見比べてみて、「目指したい位置では〇や◎なのに、自分のポジションでは満たしていない項目」が、今の自分に足りないスキルや経験です。
  • 自分のポジションで〇や◎の項目があっても、目指すポジションでそれが△やーの場合は、今の経験を活かせる機会が少ないかもしれません。

STEP4 目指すポジションを実現するルートを計画

最後はSTEP3で把握した目指すポジションにたどり着くための道筋を探りましょう。3つの方法に分けてご紹介します。

目指すポジションと自分のポジションにギャップがない場合

自分の位置と目指すポジションの◎〇△評価に差がない場合は、今持っている能力を存分にアピールすれば、即戦力人材として企業から評価してもらえるでしょう。転職先の企業との共通点を洗い出して、即戦力になることを具体的な業務エピソードとともに伝えてください。

目指すポジションとのギャップを、現在の会社で埋める場合

目指すポジションの判定と差があり、採用されるにはスキルや経験が足りない場合、まずは現在の職場で経験を積むという方法があります。

例えば、目指すポジションに採用されるためには、上流工程の経験が足りないと分かったら、社内で積極的に手を挙げ、要件定義などに挑戦するといったスキルの積み方があります。

目指すポジションとのギャップを、キャリアアップを目的に転職を重ねて埋める場合

現在の職場ではこれ以上経験を積めない、または今の職場を離れたいという人は、転職を重ねて最終地点に到達する方法があります。次の転職先で、現在不足している経験やスキルを身につけ、1社、2社とステップアップしていくとよいでしょう。

一度の転職で、目指すポジションを手に入れるのが理想かもしれません。しかし、求められる経験・スキルとの差が大きいまま転職活動を続けても、時間がかかるばかりで実現しないということも。最終地点へ到達するために、考え方を切り替えて1ステップ挟んだ転職をするほうが、結果として近道になることもあるのです。

Pointキャリアパスは難しく考えすぎず、気軽に転職エージェントへ相談を

  • 今のキャリアでは目指す企業・職種への転職がかなわない、とあきらめることはありません。キャリアパスを描くことは、今後のスキルアップやアピールポイントの見直しタイミングだと考えましょう。
  • 「自分の目指すキャリア像が浮かばない」「なりたい職業はあるけれど、足りないスキルをどう埋めたら良いのかが分からない」とお悩みなら、ぜひ転職エージェントを利用してみてください。ITエンジニア専門のキャリアアドバイザーがあなただけの答えを導くお手伝いをします。

転職エージェントから、どんなサービスが受けられる?エージェントサービスについてご紹介します

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ITエンジニアの5つの転職モデルケース

ここでは、具体的にどのような職種や業務を担当していた人が、どのように考えて自分のキャリアパスを選び取っていったのか、代表的な5つのケースをご紹介。あわせて、転職を成功させたポイントについて、キャリアアドバイザーに聞いてみました。

  • ケース1:転職活動で気づいた、自分の志向を活かす品質保証職へのキャリアチェンジ
  • ケース2:同じシステムエンジニアでも、キャリアアップできる環境に転職
  • ケース3:計画的に経験を積んで、二次請け企業からITコンサルタントへ
  • ケース4:BtoCのWebサービス開発を目指して、Webインテグレーターへステップ転職
  • ケース5:未経験でも自己研鑽や学生時代の研究を活かしてキャリアチェンジ

ケース1:転職活動で気づいた、自分の志向を活かす品質保証職へのキャリアチェンジ

【転職前】独立系システムインテグレーター/システムエンジニア
【転職後】品質保証/品質保証コンサルタント

もともとの転職理由は、納期に追われ、長時間の残業が強いられる職場環境の改善。普段のシステム開発業務の中で、数をこなすよりシステムの品質向上に注力したいという思いがあったため、品質保証を専門に行う企業へコンサルタントとして転職。

【キャリアアドバイザーに聞くキャリアパスのポイント】

転職活動当初は、条件の改善がメインで社内SEなどに応募していましたが、狭き門なこともあり難航していました。話を進めていくうちにシステムの品質管理に強いこだわりをお持ちということが分かり、品質保証会社をご紹介。一般的なテスターのイメージがあったようですが、BtoBで他社へ品質のコンサル業務を行うことを説明して、自分には向いているかもとご納得いただきました。結果として残業時間が減り、休日・休暇も取りやすくなったことで、ご自分が当初望んだ働き方を実現できています。先入観で業務内容を決めつけず、一度応募したり話を聞いてみたりすることで、思いがけない出会いが見つかるかもしれませんね。

ケース2:同じシステムエンジニアでも、キャリアアップできる環境に転職

【転職前】独立系システムインテグレーター/システムエンジニア
【転職後】メーカー系システムインテグレーター/システムエンジニア

同僚の転職に影響されて事業会社の社内SEを目指していたが、採用枠も狭く、業務の幅は企業により異なることが分かった。そこで、自分が携わりたい上流工程の経験を積めるプライムベンダーに的を切り替え、システムエンジニアをやりながらキャリアアップを目指すことにした。

【キャリアアドバイザーに聞くキャリアパスのポイント】

社内SEは非常に人気の職種ですが、企業によって社内システム開発の企画を担当するところもあれば、機材管理や運用保守だけのところも。労働環境や年収だけを見て転職すると、やりたい仕事とは違ったというミスマッチが起きるかもしれません。この方の場合は、上流工程の業務を希望していたものの、要件定義や顧客折衝の経験は豊富ではありませんでした。そのため、将来的に近い経験ができるプライムベンダーにシステムエンジニアとして転職し、徐々に上流の工程も経験していくというプランに変更されました。ここで経験を積めば未来の選択肢も大きく増えるでしょう。

ケース3:計画的に経験を積んで、二次請け企業からITコンサルタントへ

【転職前】ユーザー系システムインテグレーター/プロジェクトリーダー
【転職後】中堅コンサルティング会社/ITコンサルタント

二次請けのシステムインテグレーターに勤めていたが、より上流の工程を経験したいという希望で転職。二次請け企業でもプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーとして、数多くの案件で顧客折衝や要件定義を経験していたことが評価されて、見事希望の職種に内定。

【キャリアアドバイザーに聞くキャリアパスのポイント】

所属されていた会社は商流としては下流でしたが、豊富な案件進行の経験が買われて採用に至りました。この方の場合は、自分のやりたい仕事がはっきりしていて、社会人になった当初から上流工程に携わっていたことが強みになっています。今の中堅コンサルティング会社で経験を積めば、いずれはBIG4と呼ばれる企業も十分射程圏内です。コンサルティング職は上流経験の有無が採用の判断基準になるので、早くから経験を積めるよう意識しておくことが大切です。

ケース4:BtoCのWebサービス開発を目指して、Webインテグレーターへステップ転職

【転職前】メーカー系システムインテグレーター/システムエンジニア
【転職後】Webインテグレータ―/システムエンジニア

BtoB向け業務システム開発を行っていたが、BtoCのWebサービスの開発を志して、Webサービスを提供する事業会社にしぼって転職活動を開始。紆余曲折の結果、BtoBとBtoCのどちらのサービスも受託開発するWebインテグレータ―へ内定。

【キャリアアドバイザーに聞くキャリアパスのポイント】

当初望まれていたWebサービスの事業会社へ転職するには、Webサービスの開発経験と、BtoC向けシステムの開発経験が不足していました。特にBtoCとBtoBでは開発スピードや勘所も変わってくるので、経験の有無が重要視されるのです。Webインテグレータ―であれば、今までのBtoBのスキルも活かしつつ、BtoCの案件やWebシステムの開発に携われるので、経験を積むにはもってこいです。今は少しずつ知識やスキルを増やして、数年後にまたWebサービスの事業会社を受けてみると、採用される可能性はぐっと上がるでしょう。

ケース5:未経験でも自己研鑽や学生時代の研究を活かしてキャリアチェンジ

【転職前】独立系システムインテグレーター/システムエンジニア
【転職後】パッケージベンダ―/データサイエンティスト

新卒で小規模な案件を手掛ける業務系システムインテグレーターに就職したが、下請けの案件ばかりでやりがいを感じられず転職を決意。大学で専攻した統計学と、勉強会への参加などの自己研鑽力をアピールして、データサイエンティストとして採用。

【キャリアアドバイザーに聞くキャリアパスのポイント】

大胆なキャリアチェンジでしたが、20代前半というポテンシャルを見込まれたことと、募集職種がまだ世になじみ切っていないデータサイエンティストという職種だったということが幸いしています。こういった機械学習やデータサイエンスなどの新しい分野は業務経験者が少ないため、学生時代の研究や自己研鑽による学習も評価されやすい傾向にあります。もし目指す職業が新しい技術であれば、積極的に知識をインプットすることで転職が有利になることもあるかもしれません。

これら5つの転職モデルケースに限らず、ITエンジニアのキャリアパスには、多くの選択肢と可能性があります。自分でうまくキャリアパスが描けないと悩んでいるときは、転職エージェントに登録してキャリアアドバイザーに相談してみましょう。

自分では気づいていなかった選択肢や志向性が明らかになって、自分らしいキャリアパスを描けるかもしれません。

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