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IT業界とは?職種や企業分類、年収、将来性などを未経験者向けに解説

IT業界は急速に成長を遂げ、今もなお新しい技術とともに発展し続けています。総務省の調査によるとすでに日本のGDPの約1割を占め(※1)、今後も市場規模の拡大が予想される成長業界です。転職活動でIT業界を志望する人も多いのですが、産業構造が多彩で複雑なため、IT業界の一部しかイメージできていないこともあるようです。この記事では、IT業界のビジネスモデルや業態、事業内容について、代表企業名を挙げながら具体的に紹介します。IT業界ならではの職種についても分かりやすく解説していきます。

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IT業界とは?

「IT」とは「Information Technology」の略で、コンピュータやデータ通信に関連する「情報技術」の総称です。コンピュータやネットワークを使って情報の収集や処理、保存、通信を行う技術や手法を指し、それを活用してさまざまなサービスや製品を開発、提供します。

ITを取り扱う業界を「IT業界」と呼びます。IT業界では、ソフトウェアやハードウェアの開発や提供、システム開発、ネットワークの構築や運用、サイバーセキュリティ対策、AI(人工知能)の開発や活用など、非常に幅広い分野をカバーしています。

IT業界の動向・将来性

・インターネット上でサイトを閲覧・検索するためのプラットフォームの提供

・インターネット上で電化製品や日用品を購入するサービス

・食事をアプリで注文したら、家まで届けてくれるサービス

・外出していても家のエアコンをスマホで起動させることができるサービス

・カーシェアリングやレンタルスペースの予約管理サービス

・新しいパソコンやOS、スマホの製作

・ファイルの共有、メールの送信サービス

・会社の給与計算を自動的に行ってくれるシステムの提供

・AI(人工知能)を搭載したチャットボットがユーザーの質問や問い合わせに自動的に回答するサービス

上記のようにさまざまな事業が生まれた結果、IT業界の名目GDPは2022年時点で54.7兆円となり、全産業の10.1%を占めています。(※1) 2012年時点のIT業界の名目GDPは45.7兆円で全産業の9.3%だったことを考えると、この10年間で確実に成長傾向であったことが分かります。(※1)

新しい技術が次々と生まれ、驚異的なスピードで発展しているのもIT業界の特徴です。直近では特にAI技術の発展が注目されており、イラストの生成、文章の作成、データ分析などといった高度な作業も自動化できるようになってきました。これによってさまざまな分野で仕事のやり方が大きく変わるといわれています。

※1 出典:総務省「 令和6年度版 情報通信白書 第Ⅱ部 情報通信分野の現状と課題
(IT業界は日本の産業区分でICT(情報通信産業)に分類)

キャリアアドバイザーによるIT業界の採用動向の解説記事をチェック!
転職市場予測 IT・通信

IT業界は人材不足

このように成長著しいIT業界ですが、業界を支える人材については不足傾向が続いています。経済産業省の資料によると、2030年までのIT人材の不足は約16万~79万人もの規模になると試算されています。その要因の一つとされているのが若年層の人口減少です。試算では、ITの市場規模は今後も拡大を続ける一方で、IT人材の平均年齢は2030年まで上昇の一途をたどって高齢化が進展するため、需要との需給ギャップが広がって人材不足が進むとされています。(※2)

※2 出典:経済産業省「 IT人材需給に関する調査 調査報告書

このような状況を見越して、IT産業を担う企業では長期的な視点での人材確保が急務とされており、採用活動の拡大が期待できます。特に経験者の確保は難しいことから、経験を積めば給与や福利厚生、リモートワークの導入など、待遇や労働条件の面で有利な交渉が可能です。また、IT業界の企業は柔軟なキャリアパスや職種転換を許容する傾向が強いので、自分の希望や得意分野に合わせてキャリアを構築しやすいという特徴もあります。

ただし、リモートワークについてはコロナ禍の影響が大きかったピーク時からはやや趣が変わってきています。リモートワークできる企業の数や、ハイブリッドワーク(オフィス出社とリモートワークの併用)でのリモートワーク可能日の比率が下がっているなどの傾向が見られます。

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IT業界の企業分類の仕方

IT業界は、事業の範囲が広く、業種や業態が多岐にわたり複雑化しているため、全体像が把握しにくい業界です。ここでは、産業構造の全体像が把握できるように、以下の3つの軸でIT業界を説明します。

1.ビジネスモデル
2.企業業態
3.事業分野

IT業界の企業形態

③事業分野 ①ビジネスモデル
BtoB BtoC
②企業形態 ②企業形態
事業会社 ベンダー 事業会社 ベンダー
Webサービス Amazon、Alibaba、
GMO、楽天、LINE、
Yahoo!JAPAN、
ASKUL、UberEATS
LIG、カヤック、
アライドアーキテクツ、
IMJ、BASE、Shopify
Amazon、Google、
Meta(旧 Facebook)、
Apple、楽天、
Yahoo!JAPAN、
UberEATS、
Spotify、Netflix
個人向け
Webサイト制作会社など
SIer(情報処理) - NTTデータ、富士通、
日立製作所、
Sky、日本IBM、
日本ユニシス
- -
パッケージ
プラットフォーム
Microsoft、Linux、
Google(Android)、
NTTdocomo、
ソフトバンク、KDDI
協立エクシオ、
マカフィー、
トレンドマイクロ、SAP、
OBIC、 Salesforce、
日本オラクル
Microsoft、
NTTdocomo、KDDI、
ソフトバンク、
ガンホー、DeNA
-
ハード 日立製作所、
EPSON、コマツ、
東芝、三菱電機
フェニックスエンジニアリング、
インテル、CISCO
Apple、富士通、
Samsung、
NEC、Panasonic、
SONY、DELL
-

1. ビジネスモデルによる分類

IT業界もほかの業界と同様に、誰に対してサービスを提供するのかという点で次の2つに分類することができます。

■BtoB企業

「Business to Business」の略。企業向けに製品・サービスを提供

■BtoC企業

「Business to Consumer」の略。個人(消費者)向けに製品・サービスを提供

ただし、IT業界では企業と個人のどちらに対しても製品やサービスを提供する企業が多いことも覚えておきましょう。例えば、Amazonは個人向けのインターネット通販サービスで知られていますが、同時に企業向けにクラウドコンピューティングサービスを提供しています。一般的にカメラ製品で知られるキヤノンは、MRI・CT装置などの医療機器も製作しています。

【BtoB企業】

企業に対して、製品、サービス、ソリューション(課題を解決するプログラムやシステム)などを提供します。提供するものは、システムの設計・開発・運用・保守、ITコンサルティング、ソフトウェア、インターネット通信(ネットワーク)など多岐にわたります。企業が顧客なので、ひとつの案件の規模が大きく、予算も多いのが特徴です。

IT業界の主なBtoB向けサービスとして、システムやソフトウェアの受託開発があり、案件の規模が大きいほど多くの人材が必要です。子会社や協力会社のエンジニアに協力をあおぎ、二次請けや三次請けの企業としていくつもの会社が関わって業務を進めていきます。

例えば、次の図はある企業が社内申請をすべて電子化するために、システムの開発を依頼した場合の業務の流れです。

BtoBのシステム開発業務の例

BtoBのシステム開発業務の例

まずクライアント企業からプライムベンダーが直接相談を受け、プライムベンダーが子会社や中堅ベンダーへ依頼、そこからまた三次請け、孫請けの企業に業務を依頼するという構造になります。

【BtoC企業】

個人(一般消費者)向けに製品・サービスを提供します。主に提供するものは、オンラインゲーム、ストリーミング動画、SNS、インターネット通販、ポータル検索サイト、インターネット金融、個人向けソフトウェアなどです。サービス利用料として個人ユーザーから直接収益を得たり、広告費として企業から収益を得たりします。

2. 企業の業態による分類

IT企業の業態は、大きく事業会社とベンダーに分類できます。

■事業会社

自社開発した製品やサービスを提供する事業で利益を上げている会社

■ベンダー

自社開発ではないコンピュータシステム、ソフトウェア、ハードウェアを販売する会社。販売後の運用までサポートする企業も多い

ただし、IT業界では、事業会社とベンダー、両方の側面をもつ企業も増えてきています。例えば、富士通やNECは自社開発したパソコンを販売する事業会社であり、企業からシステム構築の依頼を受けて開発を行うベンダーでもあります。

3. 事業分野による分類

IT業界は、「どのようなサービスや製品を提供しているか」という事業内容によって、主に「Webサービス」「SIer(情報処理)」「パッケージ/プラットフォーム」「ハードウェア」の4つに分類できます。

■Webサービス

インターネットを介してWebブラウザやアプリからサービスを提供

■SIer(情報処理)

SIer(エスアイヤー)とは、システムインテグレーター(Systems Integrator)の略。企業や行政から依頼を受けて、要望を実現させるシステムを開発

■パッケージ/プラットフォーム

PCのOSに代表される、目に見えないソフトウェアの開発・販売

■ハードウェア

PCやスマートフォンに代表される、有形の機器や装置を開発・販売

この分類は、IT業界の構造を解説する際によく用いられますが、今では複数の事業を展開している企業が増え、すべての企業を明確に分類することは難しくなっています。

例えば、Appleは「Webサービス」としてiTunesを、「プラットフォーム」としてiOSを、「ハードウェア」としてiPhoneやMacを提供しています。このように大規模なIT企業であるほど、複数の事業やサービスを手掛けることがスタンダードになりつつあります。気になる企業があれば、ぜひ会社概要の事業欄を確認してみてください。

Appleが展開する複数事業

Appleが展開する複数事業の図

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IT業界の主な4つの事業内容

ここからは、3つ目の軸「事業分野による分類」でご紹介した「Webサービス」「SIer(情報処理)」「パッケージ/プラットフォーム」「ハードウェア」の4つの事業とはどんなものなのか、具体的なサービス例を挙げて解説します。

IT業界の企業形態

③事業分野 ①ビジネスモデル
BtoB BtoC
②企業形態 ②企業形態
事業会社 ベンダー 事業会社 ベンダー
Webサービス Amazon、Alibaba、
GMO、楽天、LINE、
Yahoo!JAPAN、
ASKUL、UberEATS
LIG、カヤック、
アライドアーキテクツ、
IMJ、BASE、Shopify
Amazon、Google、
Meta(旧 Facebook)、
Apple、楽天、
Yahoo!JAPAN、
UberEATS、
Spotify、Netflix
個人向け
Webサイト制作会社など
SIer(情報処理) - NTTデータ、富士通、
日立製作所、
Sky、日本IBM、
日本ユニシス
- -
パッケージ
プラットフォーム
Microsoft、Linux、
Google(Android)、
NTTdocomo、
ソフトバンク、KDDI
協立エクシオ、
マカフィー、
トレンドマイクロ、SAP、
OBIC、 Salesforce、
日本オラクル
Microsoft、
NTTdocomo、KDDI、
ソフトバンク、
ガンホー、DeNA
-
ハード 日立製作所、
EPSON、コマツ、
東芝、三菱電機
フェニックスエンジニアリング、
インテル、CISCO
Apple、富士通、
Samsung、
NEC、Panasonic、
SONY、DELL
-

IT業界の主な事業内容①Webサービス

多くの人が日常的にサービスを利用しているため、いちばんイメージしやすい事業でしょう。Webブラウザやアプリで利用できるインターネット上のサービス全般を指します。

IT企業の最大手といわれるGoogle、Apple、Meta(旧 Facebook)、AmazonなどもすべてWebサービスを提供しています。また、昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れで、ITに関わりのなかった企業も続々とWebサービス事業を開始。生花卸販売やフラワーショップ事業を展開する日比谷花壇が始めた、花の定額制サービスの「ハナノヒ」などはその一例です。

【どんなサービス?】

・インターネット通販サービス(ECサイト)

自社や他社の商品をインターネット経由でユーザーに販売
企業例: Amazon、ZOZOTOWN、楽天など

・コンテンツ提供サービス

動画や音楽、書籍などの電子データを販売。定額制のサブスクリプションサービスが人気
企業例:Netflix、Spotify、Amazon(kindle)など

・マッチングサービス、シェアリングサービス

条件に合った個人同士や、個人と製品を結び付けて販売・購入してもらう
企業例:メルカリ、Uber EATS、タイムズ(カーシェア)、Airbnb(民泊)など

・検索エンジン、ポータルサイト

ブラウザによる検索や専門情報の蓄積により、ユーザーの求める情報を提供
企業例:Google、Yahoo! JAPAN、リクルート(SUUMO、ゼクシィなど)など

・フィンテック(インターネット金融)

キャッシュレス決済や個人間送金、クラウドファンディングなど金融とITを組み合わせて新しいサービスを提供
企業例:PayPay、CAMPFIRE、freee(クラウド会計ソフト)

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IT業界の主な事業内容②SIer(情報処理)

IT業界に限らずさまざまな企業や行政から依頼を受けて、要件定義からシステム開発まで一括で請け負うシステムインテグレーションサービス(SI)を提供する企業のことをSIer(エスアイヤー)と呼びます。

例えば、ある企業から工場の入出庫数や製品販売データを一括管理したいという依頼がきた場合、まずは集めるべきデータはどれか、どのようなデータに加工できればよいかなど、顧客と向き合って課題を洗い出します。対話の中でシステムの全体設計ができたら、さらに別のSIerやハードウェア企業に依頼して、複数の会社でシステムを開発する、という業務フローが一般的です。完成したら導入支援や運用まで行います。

このようにひと口にSIerと言っても、請け負う範囲や得意分野が異なるのが特徴です。また、近年ではSIerでありながら、同時に自社でソフトウェア製品などを開発し、販売する企業も増えています。

【どんな企業がある?】

・メーカー系SIer

ハードやソフトのメーカーがシステム開発も手掛ける場合や、子会社化したもの。
自社や系列企業の製品を使ってシステムを提案。
企業例:日立製作所、富士通など

・ユーザー系SIer

企業の情報システム部門が依頼を受けるうちにSIerとして成長し、子会社化や分社化したもの。親会社以外の依頼も受ける。
企業例:NTTデータ、野村総合研究所など

・独立系SIer

SI事業を目的として設立された独立した企業。提案内容が系列企業の製品などに縛られないので、自由度の高い提案ができる。
企業例:Sky、日本ユニシスなど

IT業界の主な事業内容③パッケージ/プラットフォーム

ソフトウェアとは、PCなどの内部でさまざまな処理を行うプログラムをまとめたもの。基本的なPCの操作を可能にするOS(オペレーション・システム)と、Excelなど個別の目的に沿って開発されるアプリケーション・ソフトがあります。このアプリケーション・ソフトを独自に開発して「パッケージ」として販売する企業がここに分類されます。

企業の業務効率化やコスト削減を目的に、会計自動化ソフト、グラフィック制作ソフト、勤怠管理ソフトなどを制作します。近年ではそういったソフトウェアをクラウド経由で提供する、SaaS(サース)と呼ばれる事業形態も大きく広がっています。

一方、インターネット通信を提供する通信事業者もここに分類されます。あらゆる経済活動の基盤となりつつあるインターネット環境を「プラットフォーム」として提供すると同時に、その通信基盤を活かしてさまざまなWebサービスを提供しています。

【どんなサービスがある?】

・業務ソフトウェア販売

セキュリティなど専門分野で強みを発揮する企業のほか、OSからアプリまで幅広く手掛ける企業も
企業例:Microsoft、日本オラクル、トレンドマイクロなど

・SaaS(サース)

Software as a Serviceを略した名称で、クラウド経由でサービスを提供。労務管理からメール、ファイル共有など急速に拡大中
企業例:Google(Gmail)、Sansan、SmartHRなど

・ゲームソフト

自社で開発したゲームコンテンツを販売。スマホアプリでゲームを提供する企業も多い
企業例:ガンホー、DeNA、スクウェア・エニックスなど

・通信インフラサービス

通信回線の提供事業以外にも、通信に関連するさまざまなWebサービスを展開
企業例:NTTdocomo、KDDI、ソフトバンクなど

IT業界の主な事業内容④ハードウェア

PCやスマホ、周辺機器など、目に見えるハードの部分を作る分野です。物理的な回路、装置、機械、設備、施設などを提供します。近年は工場の機器や重機などさまざまな製品・設備にプログラムが組み込まれているので、その範囲はPCを製作する企業だけにはとどまらなくなっています。家電のIoT化など、ソフトウェアの領域にも手を広げる企業が増えているのもトレンドのひとつです。

【どんな企業がある?】

・PC・スマートフォンメーカー

PCやスマートフォン製品を開発して販売。内蔵OSを製作している場合もある
企業例:Apple、Dell、Samsungなど

・電子機器メーカー

最近はハードウェアメーカーが、ソフトウェア領域にも手を広げていることが多い。スマート工場、家電IoTなど、近年のトレンドを牽引
企業例:三菱電機、Panasonic、コマツなど

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IT業界の職種と身につく専門性

IT業界の職種は、大きくエンジニア職とエンジニア以外に分けられますが、やはり特徴的なのはエンジニア職です。では、それぞれにどんな仕事があるのか、どんな専門性があるのかを解説します。

また、IT業界のエンジニア職については以下の記事でも紹介しています。スキルチェンジ、キャリアチェンジをお考えの方はあわせてご覧ください。

ITエンジニアとは?種類や仕事内容、スキル、キャリア検討のポイントについても解説

エンジニア職

エンジニア職は技術領域によって職種が分かれています。経験を積めば専門的な技術が身に付くので、同職種であれば転職でもそのスキルを活かすことができます。また、現在はサーバがクラウドへと移行しつつある状況です。クラウド環境への知見があるエンジニアは、企業から今後より求められることになるでしょう。

■アプリケーションエンジニア、Webエンジニア

社会的なインフラシステムや、企業内の業務システム、Webシステム・Webサービスの企画・設計・開発を行う。

Webエンジニアとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

アプリケーションエンジニアとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

■プログラマー

システムエンジニアの設計に従い、言語を用いてプログラミングを行う。

プログラマー(PG)とは?仕事内容や年収、資格、将来性など、未経験者向けのポイントを解説

ゲームプログラマーになるには?仕事内容や平均年収から、必要なスキル、目指す方法を解説

■インフラエンジニア

サーバ、ネットワーク、データベース、OSなどのアプリが動くための基盤を構築する。

インフラエンジニアとは?仕事内容や年収、未経験からの転職のポイントなどを解説

■組み込み系エンジニア

家電などの独立した電気機器に搭載するプログラムを設計・開発する。

組み込みエンジニアとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

■社内SE

自社内の情報セキュリティやIT知財管理などを行う。

社内SEとはどんな職種? 仕事内容/年収/転職事情を解説

■プロジェクトマネージャー

プロジェクト全体の進行・品質の管理を行うマネジメント職。

プロジェクトマネージャー(PM)とは?仕事内容やスキル、年収についても解説

■ITコンサルタント

顧客の課題を見つけて企画を提案し、プロジェクトの進行管理も担う。

ITコンサルタント(アプリ)とはどんな職種? 仕事内容/年収/転職事情を解説

インフラコンサルタントとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

データ分析系専門職

ビジネスシーンでもビッグデータが活用されるようになり、注目が高まっているのが「データアナリスト」「データサイエンティスト」といったデータ分析系の職種です。比較的新しい職種のため、企業によってどのような業務を担当しているかは異なりますが、「適切なデータを収集、分析、活用し、課題を抽出・解決する」という点は共通しています。統計学の知識や、データ分析のためのプログラミング言語スキルが必要になることも。

データサイエンティストとは?仕事内容や平均年収、必要スキル、キャリアパスなどを解説

バックオフィス/営業/マーケター

IT企業の事務・法務・総務などのバックオフィス職、営業職やマーケターは、ほかの業界と業務内容自体はさほど変わりません。ただし、採用選考などにおいてはIT業界の知識や興味が加味されることもあります。特に、技術的な視点から製品やサービスを営業する「セールスエンジニア」をはじめ、営業やマーケティングでは業界を深く理解していることは強みになるでしょう。

IT営業とはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

プリセールスとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

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IT業界の平均年収

IT業界に転職した場合、どの程度の年収を期待できるのでしょうか。dodaの「業種分類別の平均年収ランキング」では、IT業界に相当する「IT/通信」の2023年12月時点の平均年収は446万円で、全業種のうちの4番目に高い水準となっています。

業種別の平均年収

業種 平均年収
金融469万円
メーカー466万円
総合商社464万円
IT/通信446万円
建設/
プラント/
不動産
432万円
専門商社424万円
インターネット/
広告/
メディア
423万円
メディカル408万円
サービス377万円
小売/外食359万円

IT業界の年代別平均年収

年代 IT/通信 全業種の平均
20代378万円378万円
30代499万円447万円
40代618万円511万円
50代以上747万円607万円

年代別の平均年収は、20代が378万円、30代が499万円、40代が618万円、50代以上が747万円となっており、経験を積むことで顕著に年収が上がることが分かります。特に40代以上では、全体の平均年収(40代で511万円、50代以上で607万円)を大幅に上回ります。

職種別の平均年収については、次の「平均年収ランキング(職種・職業別)」を参考にしてください。エンジニア職は「IT/通信」に分類されていますが、営業やマーケティングのような非エンジニア職については分類が異なることもあります。

年収の高い職業は?平均年収ランキング(職種・職業別)【2023年版】

未経験からIT業界に転職できる?

未経験からIT業界に転職することはできるでしょうか。結論からいえば、未経験だとしてもIT業界の職種への転職を目指すことは可能です。前述のように、IT業界は常に人材不足の傾向にあるため、職種によって程度は異なりますが、未経験者にも門戸を開く企業は少なくありません。

また、IT業界と聞くと理系出身者やプログラミング経験者ばかりが活躍しているイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。職種によって求められるITスキルに違いや差はあるものの、文系のバックグラウンドを持つ人でも、適切な知識やスキルを身につければ活躍するチャンスは十分にあります。

中でもニーズが高いのがエンジニア職です。プログラミングやサーバー管理などの技術的なスキルが求められ、スキル習得の難易度に個人差はありますが、学ぶための教材はオンライン・オフライン問わず数多く存在します。最近では無料で試せる・学べるオンライン教材や、国からの給付金が出るプログラミングスクールなどもあるため、エンジニア職への転職に興味を持ったならば、まずは学習を始めてみるとよいでしょう。

プログラミングを独学で身につける方法は?学ぶステップや勉強のコツを紹介

また、すでに触れたとおり、IT業界にはエンジニア以外の職種のニーズもあり、各企業の事業領域や扱う製品・サービスの特色も異なることから、異なる業界からの転職であっても前職で身につけたスキル・経験が活かせるケースは少なくありません。

未経験から転職を目指す際には、自分の強みが何なのかを見極め、その強みが活かせるような職種を探してみるといいでしょう。そして、目指す職種に合わせた学習計画を立て、しっかりと基礎的な知識やスキルを身につけることが大切です。

IT業界に向いている人

どのようなタイプの人がIT業界で仕事をするのに向いているのでしょうか。IT業界が関連する分野は多岐にわたるため、一概にどういったタイプがいいと断言はできませんが、一般的な特徴としては次の3つを挙げることができます。

ただし、必ずしもこれらの特徴が必須なわけではなく、適切なトレーニングと実践を経ることで誰でもIT業界でキャリアを築くチャンスは得られます。

それぞれ特徴を個別に見てみましょう。

技術への興味・理解があり、学習意欲が高い人

たとえエンジニアではなかったとしても、IT業界で働く上では、技術に関する基本概念を理解していることは極めて重要です。特に、ITの世界は非常に進化が速いため、常に新しい技術やツールの導入にチャレンジし、自分の知識やスキルを磨き続けることが求められます。

したがって、技術やトレンドに対して興味を持ち、新しいことへのチャレンジを楽しむ意欲がある人は、高いレベルでモチベーションを保って仕事をすることができるでしょう。特に、新しい技術や製品の発表でワクワクするタイプの人は、IT業界に向いているといえます。

論理的思考ができる人

IT業界に求められる本質的な役割は、ITを活用して顧客やユーザーが抱える課題を解決することです。複雑な問題や課題をひもといて解決に導くためには、論理的な思考が必要になります。論理的な思考とは、事実や情報に基づいて一貫性のある形で問題を分析し、適切な結論を導く思考の仕方です。IT業界では、一方的な思い込みや感情に任せて判断するのではなく、論理的にアプローチして問題を解決に導ける人が求められます。

コミュニケーション能力がある人

IT業界では、複数人でチームを組んで一つのプロジェクトに取り組むことが多いため、チーム内で円滑に意思疎通や情報共有ができるコミュニケーション能力は重要です。また、顧客やベンダーなど、多岐にわたるステークホルダーがいるケースが多いこともITに関するプロジェクトの特徴です。ステークホルダー同士の意見の調整を行ったり、顧客のニーズや要望を聞き取って新しい提案をしたりする際などには、相手の理解度や情報量に応じたコミュニケーションが必要です。

IT業界を目指すなら押さえておきたい用語

IT業界について調べ始めると、普段は見慣れない用語をたくさん目にすることになります。この記事でも初めて見る用語があったかもしれません。IT業界で使われる特有の用語をすべて挙げるのは難しいので、ここでは押さえておいたほうがいいトレンドの用語を3つだけ紹介します。

DX

「DX」は「デジタルトランスフォーメーション」の略で、デジタル技術を活用して企業や組織の業務プロセスやビジネスモデルを変革し、新しい価値の創造や競争力の向上を目指す取り組みを指します。DXは単なる技術導入にとどまらず、組織全体の変革を伴うという点が重要です。

DXの取り組みは多岐にわたります。例を挙げると、情報のデジタル化をはじめとして、ITを活用した業務の効率化や自動化、データ分析による意思決定のサポート、パーソナライズされたマーケティングの実施、リモートワークの導入による働き方改革などが挙げられます。これらの取り組みによって新たなビジネス機会を創出し、顧客満足度の向上や市場での競争力の強化を目指します。

クラウド

「クラウド」とは、インターネットを通じてデータの保存やアプリケーションの実行、コンピューティングリソースの利用を可能にするサービスのことです。正式には「クラウドコンピューティング」といいますが、省略して「クラウド」と呼ぶことが多いです。

現在のインターネットを使ったシステムやサービスでは、手元のデバイス(PCやスマホなど)とインターネット上のサーバーが通信し合ってさまざまな機能を実現しています。インターネット上ではサーバー同士でも通信し合っています。この仕組みをさらに推し進め、インターネット上にあるデータやストレージ領域、計算能力などのリソースを、あたかも手元にあるかのようにオンデマンドで利用するのがクラウドです。

クラウドを利用することで、コストの削減や、リソースの柔軟な拡張、場所を選ばないアクセスの容易さなどといった多くの利点があり、ビジネスの効率化や迅速なサービス展開が可能になります。

AI

「AI」とは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と呼ばれ、人間の知的な活動をコンピューターで再現する技術や研究分野を指します。具体的には、学習、推論、認識、判断といった人間の知的行動を、大量のデータの解析やパターンの認識などによって実現します。近年では、機械学習やディープラーニングなどの技術の発展によって、画像認識や音声認識、自然言語処理、音声アシスタント、自動運転など、さまざまな分野でAIが活用されています。

AIはすでに業務の自動化や効率化において広く利用されており、医療や金融、教育などといった産業での活用にも期待が高まっています。また、画像生成や文書作成、作曲などといったクリエイティブな分野でも採用され始めています。

IT業界のよくあるQ&A

Q.エンジニアとしての経験が少ないのですが、どのようにアピールすればよいでしょうか?

A.
経験年数や経験範囲が浅い場合は、業務以外での資格取得や自主制作したシステムなど、自己研鑽のエピソードを書いてアピールしましょう。仮に、職務経歴書に業務経験を誇張して書いたとしても、面接の場で具体的な話をした際にすぐ分かってしまいます。

Q.独学で勉強した場合でも、データサイエンティストなどの求人に応募してもよいでしょうか?

A.
応募すること自体は問題ありません。実務経験がない場合でも、データサイエンスに使われている言語でプログラムを組み、Webで公開するなど、業務につながりそうなアウトプットを提示できるとよいでしょう。学生時代の経験などがあれば記載するようにしてください。

Q.エンジニアとして保守運用の業務を担当しています。不具合対応やメンテナンスで深夜休日に働かざるを得ません。この状態を変えることはできるでしょうか?

A.
状況を変えるには大きく2つの手段が考えられます。1つ目はスキルアップして業務内容を変えることです。年齢とともに割り振られる業務が変わる可能性もありますし、自己研鑽して保守運用以外の業務も覚えていくことで、キャリアアップできる場合があります。

2つ目は転職して就業環境を変えることです。社内SEであれば保守運用業務でもあまり厳しい環境ではないことが多いです。ただし、社内SEに転職できるだけの実績を積む必要があるため、1つ目のスキルアップと同時進行で進めるのがよいでしょう。

Q.未経験から転職を目指す場合、どのように志望動機を考えればよいでしょうか?

A.
一般論として、志望動機は次の3つのステップでまとめるのが良いとされています。

・転職理由との一貫性があるか
・応募する企業に魅力を感じているか
・これまでの業務経験や学習した内容をどうやって活かしていくか

一貫性という意味で重要なポイントは、自分のやりたいことが、なぜIT業界であれば実現できると思ったのかを明確にすることです。IT業界への単なるあこがれだけではうまくいきません。その上で、知識やスキル、業界の事情を踏まえて志望動機を考えるのがいいでしょう。

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まとめ

この記事では、IT業界の企業分類や事業内容、主な職種やそれぞれの専門性などについて解説しました。また、これからIT業界への転職を目指す人に向けて、最近の動向や将来性、平均年収やどのような人が向いているかなどについても取り上げました。

IT業界は今後も市場規模の拡大が予想される成長業界ですが、非常に幅広い分野をカバーする業界なため、未経験者にとってはどの職種を目指せばいいのか分かりにくいという事情もあります。もしIT業界での仕事やキャリアプランで悩みや疑問点がある場合にはdodaエージェントサービスにご相談ください。IT業界における求人の市場動向などの情報提供や、具体的な求人情報のご提案、面接対策など、転職活動のお手伝いをいたします。

この記事の監修者

dodaキャリアアドバイザー・富田 理久(とみた・りく)

ITパスポート

2021年にパーソルキャリア株式会社に新卒入社。キャリアアドバイザーとして主に転職を考えているIT系職種の方々の転職活動などをのサポートを行う。SIer、コンサルティングファーム、社内SEなどを中心に、累計100人以上の転職成功を支援した実績がある。法人営業と共に求人企業との打ち合わせに同席し、人事部門だけでなくエンジニア部門の方々とも会話する機会も多いため、各社のシステム環境や技術的な強みも把握している。

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