転職市場予測 IT・通信(ITエンジニア)の転職市場動向2023下半期
SE・プログラマ、ITコンサルタント、社内情報システム、データベースエンジニア、ネットワークエンジニア…など、2023年下半期のIT・通信業界における求人数の増減や求人トレンド、採用ニーズなどの転職市場予測をご紹介します。
2023年下半期、ITエンジニアの求人数は増える
2023年下半期のIT・通信エンジニアの求人数は、アプリ・インフラともに増えることが予想されます。日本企業に求められているDX化とその未達成により起こりうる問題「2025年の崖(2025年問題)」などを背景に、クラウド化やDX推進の風潮は今後もつづくでしょう。クライアントが業務効率化を進めるにあたっても不可欠なITエンジニアは、景気の波が生じても根強く必要とされつづけるはずです。
事業会社の社内SEや情報システム部門の求人数はその業界の好不調や各社の業績によって影響を受けますが、SES、SIer、コンサルティングファームに関しては規模感を問わず、景気動向よりも人手不足の影響が大きく、堅調な売り手市場の継続が予想されます。
2023年下半期、ITエンジニア(アプリ・インフラ)への転職で評価されやすい資格・経験とアピールすべきポイント
ITエンジニアには共通して、コミュニケーション能力と主体性が求められます。主体性とは、自らスキルアップのための自己研鑽をする姿勢とプロジェクトを自分ごととして捉え、そのゴールに向かって自分の頭で考えて開発を進められる能力の2つを指します。
アプリケーションエンジニアでは、ERP(SAPなど)、クラウド(AWSなど)、CRM(Salesforceなど)の導入経験や知見、Java/Python/PHPの開発経験、アジャイル開発やDB設計経験などが評価されやすいです。その背景には事業会社におけるDXニーズの高さがあります。レガシー環境からのマイグレーション・リプレースやOMOの推進、モノからコトへのビジネスモデルの変化などその領域はさまざまです。
インフラエンジニアでは、LPIC2~3/LinuC2~3、CCNP、AWS認定ソリューションアーキテクトアソシエイト、IPA関連資格(基本情報技術者、応用情報技術者、情報処理安全確保支援士など)、CISSP、CISMなどの資格や実務経験が評価されやすいです。加えて、プロジェクト内での具体的な業務内容や能動的な姿勢を伝えられたり、需要が伸びているクラウド、セキュリティ領域の業務経験や関連資格をアピールできたりすれば、より高い評価が期待できるでしょう。
未経験者であってもITエンジニア不足を背景に、クライアントワークを行う受託開発企業や育成体制が整ったSES企業、大手SIerでの採用の門戸は広がっています。ただし、エンジニアを志望するビジネスパーソンは増加しているので、開発エンジニアを目指す場合は、質の高いポートフォリオを作成し、エンジニアとしてのポテンシャルをアピールしましょう。また、インフラエンジニアを目指す場合は、先に述べた資格のほかに、自宅PC環境で仮想のサーバやネットワークの環境構築をした経験などがあれば評価につながることがあります。重要なのは、資格の勉強をする中で培った知識がきちんと実用できるレベルで身についていることです。そのため、資格取得のみで満足するのではなく、自宅に環境構築するなどして実際に操作してみることをおすすめします。
ほかにも、アプリエンジニアはOracle Certified Java Programmer、 Silver SE 11、LPICなど、インフラエンジニアはLPIC/LinuC1、CCNA、AWS認定クラウドプラクティショナー、Azure Fundamentals(AZ-900)といったベンダー資格のエントリークラスが自己PRの材料となります。基本情報技術者などのIPA国家資格も共通して評価につながることがあるでしょう。また、ユーザーニーズをくみ取る能力やビジネススキルもアピールし、AIや他者との差別化を図ることもおすすめします。
経験者の場合はマネジメントやリーダー、プロジェクト推進、あるいは開発の一連のサイクルや特定の言語・製品の3年程度以上の経験が評価されやすい傾向にあります。
ベテラン人材は事業課題の解決や事業の新規立ち上げにかかわるポジションでニーズが高まっています。特定の言語・製品・業務・ドメインの知見や、メンバー育成、組織・事業マネジメント、改善活動などで身につけたマネジメント力など、ひとつの分野で腰を据えて培ったスキルがあれば需要は高いでしょう。
企業に評価されるポイントは技術力に限りません。技術を活かしてビジネスをどう変えていきたいのかといったビジョンや、運用設計や運用改善、フロー見直しにより業務効率化やミス低減など具体的な成果につなげた経験もアピールしていきましょう。
2023年下半期のIT・通信業界ではベースアップや女性活躍推進が予想される
2023年下半期のIT・通信業界に向けて、さまざまな企業で見られるのがベースアップの動きです。各社の待遇の改善を背景に、転職で年収アップがかなうケースも増えてきています。また、ポジティブアクションとして女性活躍を推進する施策や女性の採用も活発になってきています。新型コロナウイルスの5類感染症移行に伴い、出社とリモートワークの比率が変わるなど、一部の企業では就業スタイルに変化が見られますが、完全にリモートワークを取りやめる企業は多くありません。
転職者の希望する働き方の変化としても、アフターコロナでの勤務スタイルの変化によって転職を考えるケースが散見されます。フルリモート、すべて出社、ハイブリッド型など自分に合った勤務スタイルを求める転職者は増えているようです。

キャリアアドバイザーの活用は選考通過だけでなく強みの発見やキャリアの開拓にもつながります
ITエンジニアの転職にあたってキャリアアドバイザーを活用することは、職務経歴書や面接の質を高め、選考通過の可能性を上げるだけでなく、現在の転職市場の正確な理解や自分の強みとなる経験・スキルの把握、意外なキャリアの方向性の発見につながります。今後の中長期的なキャリアを見据え、情報収集を目的にキャリアアドバイザーを活用することももちろん可能です。ぜひお気軽にエージェントサービスにお申し込みください。
- 希望をかなえるには?キャリアアドバイザーに相談する
- エージェントサービスに申し込む(無料)
- あなたに合った働き方や企業風土を知ろう
- キャリアタイプ診断(無料)
- ITエンジニアの求人はこちら
- 求人を見る
この記事を監修したキャリアアドバイザー

ITパスポート
【経歴】
前職では金融業界で個人向け営業を担当。その後、より個人の人生に寄り添いたいという思いから、パーソルキャリア株式会社に入社。入社以来、IT領域専門のキャリアアドバイザーとして、アプリエンジニア、ITコンサルタントの方を中心に、年間300人以上の転職支援を行う。近年では、DX化を推進する事業会社のシステム部門における採用支援業務にも携わっており、累計200社以上の人材採用の要件定義・求人作成も行っている。

【経歴】
新卒で商社系SIerへ入社し、拠点間ネットワークや大規模ネットワークに携わるインフラエンジニアとして約4年従事。在職中に受けたキャリアカウンセリングをきっかけにパーソルキャリア株式会社に入社。現在は、IT領域の中でもインフラエンジニアやセキュリティエンジニア(主にネットワークセキュリティ)を中心に、スキルアセスメントを踏まえたキャリアプランの提案を強みとして転職支援を行っている。
ステップで分かる転職ノウハウ
転職に役立つ!テンプレート・ツール集
なるほど!転職ガイド
人気ランキング
-
1
-
2
-
3
-
4
-
5