転職市場予測 電気・機械エンジニアの転職市場動向2024下半期
機械設計、回路設計、組み込み、生産技術、生産管理、技術営業、ものづくりエンジニア全般…2024年下半期の電気・機械エンジニアの求人数の増減や求人トレンド、採用ニーズなどの転職市場予測をご紹介します。
2024年下半期、電気・機械エンジニアの求人数は増える
2024年下半期、電気・機械エンジニアの求人数は増えると予想されます。少子高齢化による人材不足をはじめ、団塊ジュニア世代の引退を見据え技術継承可能なミドル層への需要増が生じていることや、景気動向が堅調なことが求人の増加を後押ししています。また、円安を背景に利益が好調な企業も多く、そのことも採用の活発化につながっています。
日本の製造業の中で大きなシェアを占める自動車業界ではEV化を筆頭に「CASE」や「MaaS」といった考え方が広がっており、こうした変化に対応するため、採用ニーズが高くなる見込みです。海外の半導体メーカーの設備投資も進んでおり、それに伴って日本に強みのある半導体製造装置メーカーの需要が高まれば、さらに売り手市場化は進むでしょう。
自動車業界経験者はもちろん、各社が強化に乗り出している電気やソフトウェア系のエンジニア、高い品質基準や安全管理に関わる人材は、業界を問わず需要が高いと考えられます。売り手市場の現在、これらの職種はニーズに合致すれば大幅な待遇改善やキャリアアップが見込めるでしょう。
「CASE」とは?
「CASE」はConnected・Autonomous/Automated・Shared・Electricの4つの英単語の頭文字で構成されており、それぞれコネクティッド(ネット接続)・自動運転・シェアリング・電動化を意味します。
「MaaS」とは?
「MaaS」は「Mobility as a Service(サービスとしての移動)」の略称で、複数の交通手段を最適化し、検索から決済まで一括のサービスとして提供することを意味します。
自動車業界は現在100年に一度の大変革の時代に入っているといわれ、その変化の筆頭が「CASE」や「MaaS」です。
2024年下半期、電気・機械エンジニアの転職でアピールすべきことは?
2024年下半期、電気・機械エンジニアで最も採用ニーズが高い組み込みソフトウェアエンジニアでは、大規模のプロジェクトをリードした経験や仕様検討から評価まで一通り携わったこと、扱える言語の多さ、ハードウェアの知見などが評価されやすいでしょう。特に、C言語、Java、MATLAB/Simulink、Pythonなどのスキルは、そのニーズの高さから個人やスクールでの学習経験であってもアピールしたいところです。
堅調に需要のある機械系エンジニアは、最も経験の親和性が必要とされるポジションです。製品の材質やサイズ、製造プロセス、CADソフトの種類など詳細に述べ、キャリアと志望先のマッチ度を示しましょう。スキル面では仕様検討から量産までの経験や駆動部など複雑な構造の設計技術、生産過程や素材、コストまで意識した設計ノウハウなどが評価ポイントとなります。また、サプライチェーン全般に関わることも多い機械系エンジニアは、営業や商品企画、購買などエンジニア以外の職種にキャリアチェンジする転職事例も最近は比較的多く見られます。
ソフトウェア・機械エンジニアには一定の英語力も求められ、TOEIC500点以上がその目安となります。英語力が必要な理由は、製造業は海外進出をしている企業が多く、メールや会議で英語を使う企業も多いためです。中には、英語力を昇格の基準の一つとする企業もあります。
電気系エンジニアもニーズが高まっており、それは設備などを取り扱う強電、製品内の回路を取り扱う弱電のいずれのポジションでも変わりません。経験者は、電気工事士、電気主任技術者などの資格、PLCの経験、回路設計であれば仕様検討から評価まで一連の設計開発経験があると評価されやすいでしょう。
未経験からの転職では、プログラミング言語、電気工学、機械工学、力学、CADなど各領域で必要な知識を学習していること、身につけていることを学生時代や自己研鑽も含めて示しましょう。社内外におけるコミュニケーション能力や、自らPDCAを回す姿勢などポータブルスキルを具体的に業務に活用した経験とともにアピールすれば、高評価につながるはずです。
現場を引っ張るリーダー候補であるミドル層は、専門性に加え、業務を前に進めるスキルや後輩指導力、チームや組織のことも考えられる視野の広さも求められます。ただし、近年は専門技術を活かしたエキスパートとしてのキャリアを選択できる企業も増加傾向にあります。スキルの専門性が高まればそれに伴い収入増も期待できるため、専門家としてのキャリア形成も有力な選択肢といえるでしょう。
ベテラン層では、専門性の高さやマネジメントスキルがアピールになります。特に、中小企業やベンチャー企業では、ベテランの方が持つ専門性やマネジメントスキルを会社に採り入れ、さらに会社を発展させていきたい理由から、採用ニーズが高くなっています。
こうしたニーズに応えるべく、大手企業を早期退職し、中小・ベンチャー企業の管理職へ転職する方も増えてきています。
2024年下半期の電気・機械エンジニアでは、自身の適性や志向に合った企業選びが重要
電気・機械エンジニアでは、プロジェクトマネージャーや管理職を中心に、仕事や職位柄多くなりがちな他部署との調整・書類作成・プロジェクト管理といった仕事から、プログラミングなどの実務に仕事のウエイトを移したいと転職を考える人が増えています。また、今後盛り上がりが予想される新しい分野の技術を経験したいというニーズから、Web系アプリケーションソフトウェアや機械学習言語へ挑戦したいという声も多く聞かれ始めています。
他部署との調整・書類作成・プロジェクト管理、設計やプログラミングといったそれぞれの実務の割合は企業によって異なるため、自身の適性や志向に合った働き方を選ぶには企業研究や企業選びが重要なポイントとなります。
2024年下半期、電気・機械エンジニアでは従業員満足度を高める取り組みが活発化
2024年下半期、電気・機械エンジニアは、企業間の人材獲得の競争率が上がっていることを受け、従業員満足度を高める動きが活発になるでしょう。直近では、賃上げ・ベースアップの動きに加えて、希望の部署に社内異動を希望できるFA制度の導入を進める企業も増えています。
また、技術や経験があれば、直近技術者としてブランクがある方や休職していた方も採用する動きも見られます。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
【経歴】
12年間メーカーで主に開発系エンジニアとして従事し、キャリアアドバイザーとなってからは製造業エンジニアの転職支援を一貫してサポート。キャリアカウンセリングでキャリアチェンジのご相談を受けることも、多数。自らの実体験も踏まえ、キャリア形成の観点やメリットやリスクも踏まえながら、多くの人にとって分からないことも多い転職活動についてアドバイスしている。
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