転職市場予測 人事の転職市場動向 2026上半期
人事、採用・教育、給与計算・社会保険、労務、人事制度…など、2026年上半期(1月~6月)の人事の求人数の増減や求人トレンド、採用ニーズなどの転職市場予測をご紹介します。
2026年上半期、人事の求人数は増える
2026年上半期の人事の求人数は、増加することが予想されます。人事の転職市場が活況な理由としては、以下の4つが挙げられます。
長期的な視野で人材獲得に注力する企業の増加
多くの企業が成長を目指して新たな人材を必要としています。
IT業界、物流業界、介護業界など多くの業界で、働き方改革の時間外労働の上限規制などの影響から人材不足が深刻です。
また、団塊ジュニア世代が定年退職を迎え、労働人口が減少することが懸念される「2040年問題」を見据え、長期的な視野での人材獲得を目指す企業が増加しています。特にミドル層・マネジャー層の将来的な減少を見据えて、採用を強化する企業が増えてきています。このような背景から、「採用」ポジションの求人が増えると見込まれます。また、入社手続きや労務管理などの業務が増えることから「労務」ポジションの欠員補充や増員も進んでいます。
加えて、人材不足が課題となる企業では、従業員に長く働き続けてもらうための施策がキャリア支援、働き方改革の両軸で進められています。キャリア支援の観点では、個人のキャリア開発に限らず、組織全体のエンゲージメント向上や、適材適所の人材配置に力を入れる企業が増えています。具体的には、従業員の個性や能力などの情報を経営資本として管理し、評価や育成を行う「タレントマネジメント」や従業員の属性データや行動データなど収集・分析し、人事領域のさまざまな施策や課題解決に活用する「ピープルアナリティクス」(※)を活用する企業が多く見られます。
※パーソルグループ「ピープルアナリティクスとは|導入メリットと効果、進め方を解説」
働き方の面では、転勤がない「地域限定社員」を選択できたり、転勤一時金が導入・増額されたりといったケースも増えています。また、男性育休制度の推進や賃上げに伴う賃金規定・評価制度の見直し、フレックスタイム制度の導入など人事企画の多様化と複雑化が「労務企画・人事制度」の人材需要を高めており、求人の増加を後押ししています。
そのほか、女性の働きやすさ向上やシニアの採用・受け入れのための就業規則を含む人事制度の変更などに取り組む企業も増えており、「人事全般」の増員が予想されます。
新しい技術に対応できる人材へのニーズが高まる
デジタル技術やAIの導入が進みIT人材のニーズが高まる中、人事部門でも新しい技術に対応できる人材が引き続き必要とされています。ポジション別では、「労務・労政」の場合、給与計算システムやクラウドツール、エンゲージメントツールの活用スキルなどが求められています。
「採用」では、選考状況を一元的に管理できるATSツール(採用管理システム)の活用に加え、SNS・マーケティングといった採用広報の経験など、AI・データ・ツールの使用経験がある人材のニーズが高まっています。また、IT人材の採用を強化したい企業の増加に伴い、応募者のITスキルを評価・判断できるような知識を持つ人材を求める傾向にあります。
時期による求人動向の変動
人事の求人数は、12月~1月にかけて増加する傾向があります。その後2~4月は緩やかに減少するものの、5~6月にかけて再び上昇するという流れをたどるのが一般的です。
12月~1月にかけて求人数が増えるのは、新年度の採用計画に対する人材の不足や前年度の採用計画の遅れを取り戻す動きが活発になるためです。一方、2~4月は、新卒社員や組織改編の受け入れで多忙になることから、人事の求人は一時的に減少します。そして、これらの業務が落ち着く5~6月に採用活動が再開され、求人数が増える傾向にあります。
なお、新卒・中途採用を同じチームで担っている企業は、上記のような時期的変動が大きい傾向があります。一方、中途採用専門のチームやリクルーターがいる企業では、年間を通じて安定的に採用が行われやすくなっています。
人的資本に関する情報開示の義務化が人事のニーズを後押し
「人的資本経営」の広がりにより、新たな人事の需要が生まれています。「人的資本経営」とは、「人」を知識やスキル、経験などを持って生産力や経済活動に価値をもたらす重要な存在(資本)と見なし、その力を引き出す経営の考え方(※1)です。2023年3月期決算からは、金融商品取引法第24条の「有価証券の発行者である会社」のうち大手企業約4,000社を対象に「人的資本に関する情報開示」(※2)が義務化されました。
そのため、人事部門にも従来以上に“経営とつながる力”が必要とされており、経営企画や財務部門と連携しながら施策を立案・実行した経験を持つ方のニーズが高まっています。
(※1)参考:パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社「人的資本開示とは?7分野19項目とウェルビーイングを高める4つのポイント」
(※2)金融庁:第1回 金融審議会ディスクロージャーワーキング・グループ(令和7年度)「事務局説明資料」31p
2026年上半期、人事の転職で評価につながる経験・職種
2026年上半期の人事職の転職で求められる経験や資格をポジション別に説明します。
「採用」ポジションは、ダイレクトリクルーティングの導入といった採用手法の選定や改善などの経験が評価されやすい傾向にあります。また、近年はダイバーシティの推進が求められているため、採用の観点からダイバーシティを推進してきた経験があれば、アピールしましょう。
さらに、採用する職種の専門知識や採用経験があると、より評価が高くなりやすいでしょう。例えば、IT業界の知見があれば、転職希望者の使用可能言語や担当してきた案件などから自社が求めている技術を持っている人物なのかを判断できるため、エンジニア採用を強化したい企業から即戦力として評価してもらえる可能性があります。中には、人事としての就業経験がなくても、エンジニアとして働いていた経験があれば歓迎するという求人もあります。
「労務」ポジションの場合、給与計算や社会保険手続きなどの実務経験に加えて、システム導入やExcelを利用した業務効率化の経験が求められます。なお、転職に必須ではないものの、「社会保険労務士」や「衛生管理者」などの資格を持っていると、さらに評価が高まります。資格取得を目指して勉強している方は、その意欲をアピールしましょう。
「労務企画・人事制度」ポジションは、人事制度の策定や改定、法改正への対応に加えて、制度企画や働き方改革、労務相談の対応などの実務経験が求められます。社員の定着や離職防止に課題を持っている企業も多いため、定着率向上のために取り組んできたことや導入した制度などがあれば、積極的にアピールしましょう。例えば、賃金規定の改定や評価制度の見直し、フレックスタイム制度や副業制度の導入、転勤制度の見直しなど、具体的に取り組んできたことがあれば職務経歴書に記載してください。
「人事」を未経験で目指す場合
近年は即戦力採用の傾向が強まっているものの、「採用」や「労務」の人材を未経験から採用し、育てようとする企業も見られます。
「採用」のポジションで評価されやすいのが、採用に関する理解やコンサルティング型の営業職の経験がある方です。人材紹介・人材派遣・採用代行の営業職・キャリアアドバイザー職といった職種であれば、採用に関する知見やノウハウをアピールしましょう。また、コンサルティング型の営業職であれば、抽象度の高い課題を解決まで導いたり、数値目標から逆算して行動計画を立てたりした経験を伝えましょう。1社の採用経験ではなく、人材業界などで複数の会社の多様な採用課題を解決してきた経験をより重視する企業も見られます。
「労務」では、事務業務の経験と労務に関する基本的な法律知識が求められる傾向にあります。給与計算実務能力検定や社会保険労務士の資格取得に向けた勉強をしていることなどをアピールすると、知識や意欲を示せるでしょう。
経験年数が少ない場合でも、ポテンシャルに期待してもらえることも多くあります。周囲や世の中の動向にアンテナを張り、主体的に行動できることや、臨機応変に対応していける柔軟さをアピールできるとよいでしょう。
人事は経営層と現場の橋渡し役として双方の立場に立ち、円滑に業務を進めていく必要があるため、さまざまな立場の人と円滑にコミュニケーションを取れる力が求められます。また、それぞれの立場や状況を理解しながら業務を進められるスキルを見られることも多くあります。未経験者でも、これまでの経験で複数の関係者を巻き込んだり、調整しながら進めた仕事などがあったりする場合はアピールしましょう。海外展開している企業も多いので、TOEICのスコアがある方は、応募書類に記載してください。
「人事」の経験者が異業界を目指す場合
人事の経験者が今までと違う業界に転職する場合、「業界の今後の動向について予想し、人事としてどういうことが求められるのか」などといった先見性や柔軟な対応力を見られる可能性があります。特に、「採用」「人事制度」のポジションを希望する方は、面接に備えて準備しておくとよいでしょう。
人事を募集する企業では、従業員が働きやすい環境づくりが進む
従業員の満足度の向上や離職防止のために、企業はさまざまな取り組みをしています。
人事などのバックオフィス業務は、明確な成果指標を設定しにくく、評価が難しい傾向がありました。しかし、最近は評価制度を見直し、年功序列ではなく成果や頑張りに応じて評価される仕組みをつくろうとする企業が増えています。
人事制度の充実を図る企業も多く見られます。例えば、残業時間の削減やメンタルヘルスケアの充実、産休や男女を問わない育休制度、副業支援、時短勤務などがあります。また、コンプライアンス意識の向上から、労務相談やハラスメント対策の強化に力を入れたり、健康経営の推進など従業員が心身ともに健康で長く働き続けるための仕組みづくりに取り組んだりする企業も増えており、2026年上半期も従業員が働きやすい環境づくりを推進する企業は多いでしょう。
さらに、業務の効率化も進んでいくことが予想されます。AIやシステムを利用したDX推進のほか、業務の一部を社労士事務所やシェアード企業にアウトソースし、自社内では制度企画系のコア業務に集中する企業も増加傾向です。
2026年上半期、人事の採用は活況。自分の強みを明確にしてチャンスをつかもう!
2026年上半期の人事の転職市場では、自分の希望に合った企業選びがかないやすくなっています。一方、採用が充足し始めるとより慎重に選考を進める企業もあることから、転職活動ではしっかりと自分の強みを企業に伝え、組織や会社にどれだけプラスの影響を与えられるかをアピールすることが重要です。
これまでの経験の中から目指す業界や企業にフィットする強みや可能性を見極めるには、転職エージェントを利用してキャリアアドバイザーに相談すると効率的です。プロの力を活用して、転職を成功させましょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
国家資格キャリアコンサルタント
【経歴】
新卒でパーソルキャリア株式会社へ入社し、キャリアアドバイザーとして従事。主に人事・総務・法務などの管理部門の方の転職をサポートしている。また、営業職や製造業・ITエンジニアの方の転職をサポートした経験もある。多角的な情報提供とアドバイスに努めている。
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