転職市場予測 化学・素材の転職市場動向 2025上半期
化学・素材などの研究、開発、品質管理、品質保証、技術営業、分析・評価…など、2025年上半期の化学・素材業界に関する求人数の増減や求人トレンド、採用ニーズなどの転職市場予測をご紹介します。
2025年上半期、化学・素材の求人数は好調のまま横ばい
2025年上半期の化学・素材の求人数は2024年下半期と変わらず好調のまま横ばいとなる見込みです。各業界の動きを見ていきましょう。
化学業界では、2023年度の決算が苦しかった企業も2024年度はおおむね業績好調に転じている傾向があります。業績が好調になった背景には、市況が好転したことに加え、コスト削減、新規事業に注力したことなどが影響しています。
また、半導体、農業、バイオ医療/ヘルスケアなど、今後、社会課題になり得る問題に対して事業をどう展開していくのか、各社が打ち手を検討しています。さらに、少子高齢化による労働力人口の減少が懸念されることから、AI活用やDXなども積極的に推進されるでしょう。これらのことから、即戦力採用のニーズが高まると予想されます。また、拡大しているDXや新規事業の立ち上げ経験を持つ人材を増員する見込みです。
化粧品業界の国内市場は個人消費が持ち直しており、直近では、円安の後押しを受けて外国人旅行者が増え、インバウンド需要が増加するポジティブな動きが見られます。
自動車業界は、社会全体で「カーボンニュートラル」や「脱炭素」の実現に向けた動きがあることから、電気自動車(EV)の普及を進めており、「二次電池」に関する技術を持ったエンジニアのニーズが高まっています。
そういった背景で2024年度に好調となった求人は、2025年上半期も引き続き好調が予想されます。
2025年上半期、化学・素材業界の転職でニーズの高い職種・経験・スキル
2025年上半期の化学・素材業界の転職で、アピールすべき経験やスキルを職種やポジション別に紹介します。
経験者の場合、研究・開発職では、「重合・合成・配合」など自身が保有するスキルを明確にアピールすることが重要です。研究内容や情報収集の方法、使用した分析機器、必要な技術、携わった製品が市場に出たか、などについて詳細に伝えるようにしましょう。詳細に伝えられない場合は、社外秘に配慮した上で可能な範囲でアピールしてください。特許出願に至った経験や論文発表の経験があると、さらに高く評価されます。また、直近では、DX事業に携わった経験のある方、データ分析経験者、新規事業立案の経験者など、トレンドに合った経験があると評価につながる可能性が高くなります。
品質管理・品質保証では、「ISO9001・ISO14001など共通規格に基づいた監査経験や運用経験があるか」が選考のポイントとなります。分析機器のスキルや「品質管理検定(QC検定)」の資格がある方は、応募書類に忘れずに記載しましょう。また、労働安全衛生規則の一部改正で化学物質管理者の選任やリスクアセスメントの実施・対策が企業に義務付けられたことから、リスクアセスメントの経験を持っているとチャンスが高まります。
分析に関しては、これまでに使用した分析機器の種類や年数に加え、分析結果を用いて社内・社外への提案まで結び付けた経験があると、より評価されやすくなります。職務経歴書には分析対象物も記載し、転職先との親和性をアピールすることも重要です。分析実行数の向上やフロー改善などの業務経験があると、さらに転職に有利になるでしょう。
未経験者の場合、学生時代も含めてこれまでに学んできた領域との親和性を求められる傾向にあります。資格面では、「品質管理検定(QC検定)」を持っていると化学・素材などの業界にチャレンジできる可能性が高まります。
若手の場合、業務を行う上で最低限必要な知見やバックグラウンドが求められており、大学・大学院での研究内容と現職での実務経験が選考のポイントとなります。学生時代に特許出願の経験があると、さらに高く評価されるでしょう。
中堅になると、扱っている製品・分野・素材に関する専門性の高さが重要視されます。具体例を挙げると、研究職なら「新技術・新素材の研究に関して、論文発表や特許申請までたどり着いているかどうか」、品質管理・品質保証だと「ISO9001・ISO14001など共通規格に基づいた監査経験や運用経験を持っているか」がポイントとなるでしょう。
最近では、新たな研究開発拠点を地方に開設する大手企業も増えてきており、そこから雇用が生まれています。こうした企業では、未経験歓迎の研究職・開発職の募集もあり、チャンスが広がっています。
化学・素材業界では企業とのマッチングを促進する動きやポジティブ・アクションなどが広がっている
化学・素材業界の採用活動では、企業が工場見学などを実施するなど、社内の雰囲気を知る機会を増やす動きが見られます。また、面接や内定時の条件面談でていねいに説明をすることで応募者に仕事への理解を深めてもらい、会社や仕事内容とマッチしていると感じてもらえるようにする取り組みも進んでいます。
そのほかにも、女性の活躍を推進する「ポジティブ・アクション」のための女性管理職採用や応募の段階で明確な職種や業務内容を特定しない「オープンポジション」の採用といった動きもあります。選考の過程で柔軟に職種や業務内容を決めていくオープンポジションでは、応募者に自社の情報を気軽に知ってもらうためにカジュアル面談の実施も増えています。
また、転勤に対して不安を持つ方のために、一方的な転勤の言い渡しを避けるなど、総合職でも限定した地域のみを配属先とする制度の導入といった取り組みも進めています。
業界専門チームがサポートするキャリアカウンセリングを活用しよう
2025年上半期の化学・素材業界の転職市場は活況で、経験者・未経験者ともに一歩踏み出すチャンスです。dodaエージェントサービスでは、化学・素材業界に特化した専門チームがあなたの転職活動をサポートします。
スキルや経験にマッチした求人を紹介してもらえるほか、職務経歴書の添削や、ポイントを押さえた面接対策を受けられます。転職を決意した方はもちろん、これまで転職活動をしてみてうまくいっていないと感じた方も、ぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
【経歴】
新卒で、鉄鋼メーカーに入社。東京本社で、主に法人営業/企画/新卒採用などの業務に従事。その後、転職を希望される方の人生や企業の長期的な発展に貢献できる人材業界への挑戦を決意し、パーソルキャリア株式会社へ入社する。メーカー出身の知見を活かしながら、キャリアアドバイザーとして化学、化粧品、食品、消費財業界で技術職に従事している方の転職サポートを担当する。技術職のステップアップに加え、キャリアチェンジ(営業、ITエンジニア、コンサルタントなど)の支援も得意とする。
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