Webエンジニアとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説
Webエンジニアの仕事について、「Webのプログラムを書く仕事」という漠然としたイメージはあっても、具体的な業務内容まで把握している方は少ないかもしれません。
この記事では、Webエンジニアの概要から、仕事内容、キャリアパス、年収まで幅広く解説します。Webエンジニアへの転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
Webエンジニアの仕事データ
収入
年収
416.2万円
「IT/通信系エンジニア」職種の平均年収は444.5万円
年間ボーナス
86.7万円
残業・休日
月間残業時間
20.3時間
年間休日
119.4日
Webエンジニアとは?
私たちはスマートフォンやパソコンを使い、情報収集やショッピングなど、さまざまな目的でWebサイトやサービスを利用しています。Webエンジニアの仕事は、Webサイトを作ったりWebシステムが動くためのプログラムを書いたりすることです。社会のDX(デジタルトランスフォーメーション)化に伴い、Webエンジニアを含むIT人材の重要性はますます高まっています。
Webエンジニアの仕事内容
ユーザー側の目に見えて操作できる部分を実装するのがフロントエンドエンジニア、フロントで得た情報に沿ってシステムを動かすバックエンド部分を開発するのがバックエンドエンジニアです。フロントエンドとバックエンドのどちらにも対応できるエンジニアのことをフルスタックエンジニアといいます。
ここからは、それぞれの仕事内容について解説します。Webのアプリケーションを開発するエンジニアについてはこちらの記事で解説していますのであわせて参考にしてください。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアとは、Webサイトで利用者から見える部分を構築するエンジニアのことです。HTMLやCSS、JavaScript、PHPなどの言語を用いて、使いやすく魅力的なWebサイトを構築します。
似た職種として、Webコーダーが挙げられます。厳密な定義があるわけではありませんが、HTMLやCSSという言語を使ってデザインをWeb上で閲覧できるようにするのがWebコーダーで、JavaScript、PHPなどのプログラミング言語も扱えるのがWebエンジニアと位置付けられることが一般的です。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアとは、Webサイトのユーザーから見えないサーバ側で実行されるプログラムを作成するエンジニアです。例えばショッピングサイトの場合、購入した商品情報をサーバに送信し、決済するようにプログラミングを行うのがバックエンドエンジニアの仕事です。
代表的なプログラミング言語は、Java、Python、C#、Goなどで、Web開発に必要となる機能、基本的な骨組みをまとめたフレームワークや各種ライブラリを扱える能力、データベースの知識も必要になるでしょう。
フルスタックエンジニア
フルスタックエンジニアとは、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアの両方の役割を担うエンジニアのことです。フルスタックエンジニアには、Web関連の技術全般に精通していることが求められます。
Webエンジニアとシステムエンジニア(SE)との違い
システムエンジニアとは、どのようなシステムにすればよいかを考え、顧客とすり合わせを行いながらシステムの全体設計や開発プロジェクトの管理を行うエンジニアです。
Webエンジニアは、システムエンジニアが設計した仕様に基づき、プログラミングを行ってWebサイトを構築していくエンジニアと捉えるとよいでしょう。
Webエンジニアに求められる能力・素質
Webエンジニアに必要な能力・素質について解説します。
プログラミングスキル・Web全般の知識
基本的なプログラミング言語はもちろんのこと、フレームワークやライブラリを使いこなすスキルも必要です。プログラムにエラーが発生した際には素早く原因を特定し問題を解決するために、デバッグやシステムテストのスキルがあると品質の高いプログラムを実装するのに役立ちます。プログラミングだけでなく、Webマーケティング、デザイン、SEO対策など、Web関連の幅広い知識があると望ましいでしょう。
コミュニケーション能力
Webサイトやアプリの開発はチームで作業を行うことが多く、開発チーム内での連携や進捗共有が欠かせません。また、QAエンジニアやWebディレクター、Webデザイナーなどさまざまな職種と連携することも多いため、コミュニケーションを取りプロジェクトを進めていく能力が必要となります。チームワークを発揮してプロジェクトをやり遂げられた際には大きな達成感を得られるでしょう。
スピード感、柔軟性
Webサイトやアプリの開発には「できるだけ早くWebサイトやアプリを作ってリリースしたい」と考える顧客のプロジェクトを担当することも少なくありません。
開発を進める中では、解決が難しいエラーへの対応や、時には仕様変更が発生することもあるかもしれません。Webエンジニアには、さまざまな状況に迅速かつ柔軟に対応できる力が求められるでしょう。
学習意欲
Webの世界は技術の移り変わりが激しいため、「数年前までは主流だったものがほとんど見かけなくなった」ということも珍しくありません。通常の業務がある中で、能動的に最新の動向をキャッチしてスキルや知識を身につけていくことが求められます。
Webエンジニアのやりがい
Webエンジニアに限らず、仕事をする上でのやりがいは重要です。ここでは、Webエンジニアの主なやりがいについて紹介します。
創造性が発揮できる
ユーザーが利用しやすく、魅力的だと感じられるWebサイトを提供するために、どういった技術を使えばよいかや、どういったプログラムの組み方をすればよいかなど、多くの点で創意工夫が可能です。自分なりのアイデアやスキルを発揮し、形にして残せることは、大きなやりがいといえるでしょう。
成長実感が持てる
Webエンジニアのやりがいとして、自分が成長していることを実感しやすいことも挙げられます。新しい言語を覚えて開発に活用したり、難しいプロジェクトを乗り越えたりするごとにスキルが磨かれていき、一回りずつ大きくなっていく自分に気付けるでしょう。
ユーザーの反応が分かりやすい
携わったWebサイトやシステムが形として残り、多くの人々に利用される点でWebエンジニアの仕事は成果が目に見えて分かりやすいといえます。そして、Webサイトの「解析ツール」を用いれば利用者の閲覧状況などを詳しく把握することができ、そこから問題点を探りUIやプログラムを改良する、といったことが可能です。実際の利用者の反応を見ながら改良を繰り返すことによってエンジニアとしてのノウハウもたまっていくでしょう。
Webエンジニアになるには?
未経験者がWebエンジニアになるためには、プログラミングの基礎知識を自分で身につけておくとよいでしょう。プログラミングの経験がない場合は、入門者向けの参考書やオンライン講座などで事前に学んだり、実際に自分でWebサイトやアプリケーションを作ってみたりするなど、能動的に学ぶ姿勢を持つことが大切です。もし、個人的に何かしらのWeb開発の経験があれば、未経験でも企業からの評価につながることがあるため、転職活動の際にはポートフォリオの作成やスキルの洗い出しをしておきましょう。
そのほか、IT関連の職種経験があるとWebエンジニアへの転職で有利に働くこともあります。例えばアプリケーションエンジニアやインフラエンジニア、IT営業、テクニカルサポート、ヘルプデスクの職種経験者は技術的な理解と問題解決能力があると評価される傾向があります。また、WebマーケティングやWebデザインの業務経験はWebエンジニアに活かせる経験として評価される可能性があります。
転職に役立つ資格は?
Webエンジニアへの転職に役立つ資格には、Web開発関連の資格、情報処理系の資格などが挙げられます。Webエンジニアになるために必須ではありませんが、取得しておくことで転職に有利になるでしょう。
Web開発関連の資格
Web開発関連の資格で有利になりそうなものは、HTMLやCSS、JavaScript、PHPなどの基礎知識を認定する資格、特定のフレームワークやプログラミング言語に関連する資格です。これらの資格は、基本的なスキルや知識の習得を証明するのに役立ちます。
例えば、「CIW JavaScript スペシャリスト」「HTML5プロフェッショナル認定試験」「Oracle認定Javaプログラマ」「PHP技術者認定試験」などが当てはまるでしょう。
情報処理関連の資格
情報処理関連の資格としては「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」、プロジェクトマネジメントの資格(例:PMP)、アジャイル開発の知識を証明する資格(例:スクラムマスター)などが挙げられます。これらの資格は、プロジェクト内のリーダーシップやプロセス管理のスキルを示すのに有効です。
Webエンジニアのキャリアパス
Webエンジニアのキャリアパスで代表的なものは、Webエンジニアとしてフロントエンド・バックエンドのどちらかに特化するか、フルスタックエンジニアになる道筋です。また、Web開発からアプリ開発に軸を移すケースも多く見られます。
Webエンジニアからソフトウェアアーキテクトになることもキャリアパスの一つです。ソフトウェアアーキテクトとは、大規模なプロジェクトの設計やアーキテクチャを担当するエンジニアです。システム全体の設計や技術的な判断を行います。
ほかにも、プロジェクトマネジャーやテクニカルリーダー、ITコンサルタント、社内SEなどの職種、またはWebエンジニア部門のリーダーやマネジメントのポジションに進むことも可能です。
Webエンジニアへの転職に役立つ関連コンテンツ
ここまでの解説を通して、Webエンジニアとして働く姿をより具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。dodaでは、Webエンジニアへの転職にチャレンジしたい方に向けて、応募書類の作成や自己PRにきっと役立つコンテンツを用意して転職をサポートしています。ぜひ活用してみてください。
Webエンジニアの年収
平均年収
平均年収
416.2万円
「IT/通信系エンジニア」職種の平均年収は444.5万円
「Webエンジニア」の平均年収は416.2万円で、「IT/通信系エンジニア」12職種中10番目です。
年収分布
- この職種の平均
- 「IT/通信系エンジニア」職種の平均
未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
以上
最も多い年収帯は300万円台の36%で、次いで400万円台が22%、300万円未満が18%となっています。
年間ボーナス
年間ボーナス
86.7万円
夏のボーナス…43.1万円
冬のボーナス…43.6万円
「Webエンジニア」の年間ボーナスは86.7万円で、「IT/通信系エンジニア」12職種中10番目です。
Webエンジニアに転職した人はどんな人が多い?
転職年齢
転職年齢
31.7歳
「IT/通信系エンジニア」職種の平均年齢は31.5歳
- この職種の平均
- 「IT/通信系エンジニア」職種の平均
「Webエンジニア」に転職した人の平均年齢は31.7歳です。年齢の内訳を見ると最も多い年齢層は25~29歳で39%となっています。
前は何の仕事をしていた?
順位
職種
割合
-
1
37.2%
-
2
35.1%
-
3
6.1%
-
4
2.6%
-
5
プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)
2.2%
転職前の職種は「アプリケーションエンジニア」が37.2%で最多となっています。2位以下も同じ「IT/通信系エンジニア」職種が多く、培ったスキルや経験を活かして業界や企業を移る転職をした人が多いことが分かります。
何回目の転職だった?
「Webエンジニア」に転職したのがはじめてだった人が44%で最多となりました。5回目以上の転職だった人の割合はやや多めの12%となりました。
どんな資格を持っている?
順位
資格
割合
-
1
基本情報技術者試験
8.3%
-
2
応用情報技術者
3.6%
-
3
ITパスポート
1.9%
-
4
日商簿記検定3級
1.1%
-
5
Oracle Certified Java Programmer,Silver SE 8 認定資格
1.0%
「Webエンジニア」になるために必須の資格はありませんが、仕事に直接役立つと考えられる「基本情報技術者試験」や、スキルアップ、キャリアアップに必要な資格を取得している傾向が見られました。Webエンジニアの保有資格は「基本情報技術者試験」「応用情報技術者」「ITパスポート」が上位3位を占めており、情報処理関連の資格が人気となっています。 Webエンジニアの仕事内容とアプリケーション開発を担うエンジニアには多くの共通点がありますので、これら上位3位の保有資格のラインアップはアプリケーションエンジニアとまったく同じでした。
TOEIC(R)スコアの平均は?
TOEIC
677.6点
「Webエンジニア」におけるTOEIC(R)受験者の平均点は677.6点で、「IT/通信系エンジニア」12職種中4番目です。
Webエンジニアからの転職
次に就いたのはどんな仕事?
順位
職種
割合
-
1
42.8%
-
2
18.5%
-
3
16.9%
-
4
4.6%
-
5
2.3%
「Webエンジニア」の次に就いた職種は「アプリケーションエンジニア」が42.8%で最多です。2位以下も同じ「IT/通信系エンジニア」職種が多く、培ったスキルや経験を活かして業界や企業を移る転職をする人が多いことが分かります。
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■平均年収、男女比、転職希望者の年齢
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約700,000人
■TOEIC(R)テストの点数、持っている資格
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2019年7月~2020年6月
- 有効回答数
- 約310,000人
■転職後の職種、転職した人の年齢、転職回数
- 調査対象
- dodaエージェントサービスを利用して転職した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約26,000人
■冬のボーナス・夏のボーナス、残業時間、年間休日
- 調査対象
- 20~59歳、正社員のビジネスパーソン
- 調査方法
- ネットリサーチ会社を利用した
インターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを
元に実施、doda会員登録は不問)
- 調査期間
- 2021年8月
- 有効回答数
- 15,000人