
更新日:2025/1/31

プリセールスとはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

「プリセールス」は、顧客にITシステムなどを提案する営業に同行し、技術の専門家として成約までのプロセスをサポートする仕事です。エンジニアのキャリアパスのひとつとして、IT業界で注目されている職種です。
この記事ではプリセールスの特徴、仕事内容や年収、キャリアパスなどの転職事情について解説しています。転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
プリセールスとは?
「プリセールス」とは、製品やITシステムを販売する自社の営業担当者に同行し、技術的な面から案件の受注を支援するエンジニアで、企業によっては「プリセールスエンジニア」と呼ばれることもあります。プリセールスは、エンジニアならではの専門知識を活かし、顧客に対してITシステムやサービスの技術的な説明・質疑応答を行います。営業担当者と協力し、商談をスムーズに進め成約を後押しするのが役割です。
「プリセールス」の「プリ(pre)」は英語で「前の」という意味で、「セールス(受注)の前段階に関わる仕事」を指します。主な活躍の場は、システムやサービスを開発する専門性の高いIT企業などです。
プリセールスの仕事内容
営業担当者が自社製品やITシステムの導入を検討している顧客にアポイントを取り、具体的な提案の段階になるとプリセールスの出番です。
営業担当者とともに顧客先を訪問し、技術的な側面から自社製品やシステムの特徴、導入プロセスについて分かりやすく説明します。また、顧客の抱える課題や、導入にあたっての不安・疑問点などをヒアリングする場面でも、テクニカルな部分では技術面のプロとして確認・フォローを行います。
エンジニアとしていかに顧客の興味を惹き、成約を後押しできるかがプリセールスの腕の見せどころです。「導入すればこんなふうに課題解決ができる」といった具体的なメリットの提示や、顧客が実際に製品・サービスを利用した場合を想定した動作イメージの紹介など、技術者ならではの視点や方法で魅力を伝え、顧客に安心感を与えることが求められます。
成約後のシステム開発や構築に関しては、開発担当チームに引き継ぐのが一般的ですが、顧客の細かい要望を開発チームに伝えることもプリセールスの重要な仕事です。
プリセールスとセールスエンジニアとの違い
「プリセールス」と混同されがちな職種に「セールスエンジニア」があります。どちらも営業に関わるエンジニアの職種ですが、プリセールスは商談から成約前までの営業活動をサポートすることがメインである一方、セールスエンジニアは成約後の導入支援やフォロー、トラブルシューティングまで行う点が異なります。
プリセールスに求められる能力・素質
プリセールスの仕事には、技術とビジネスの視点を持ちながら課題に向き合っていくバランス感覚が求められます。具体的には下記3つの能力が求められます。
コミュニケーション能力
プリセールスは、製品やサービス導入前の商談の際に顧客と直接やり取りをする仕事です。初めて導入する顧客に対しても技術的な情報を分かりやすく説明したり、顧客のニーズを正確に把握したりするためには、高いコミュニケーション能力が不可欠となります。
技術的知見
営業担当や顧客を技術的にサポートする立場のため、製品に関する深い理解と技術的知識を身につけることが求められます。
問題解決能力
顧客の課題やニーズに対する最適なソリューションとして自社の製品を提供するためには、問題解決能力が重要です。顧客の抱える問題をていねいに聞き出し、迅速かつ効果的に解決策を見つけ出す能力が求められます。
プリセールスのやりがい
プリセールスに限らず、仕事を長く続けていくためにはやりがいが重要です。ここでは、プリセールスの主な3つのやりがいについて紹介します。
顧客の課題解決に貢献できる
プリセールスは、顧客がシステムなどに求める要件や抱えている悩みを直接ヒアリングしながら、顧客に合ったソリューションを考えることができます。顧客に寄り添う立場として伴走し、課題解決できたときの達成感は大きいでしょう。
技術と営業の両方に携われる
プリセールスは技術面でお客さまの課題解決に携わることもできるだけでなく、顧客と折衝して案件を受注する営業的なやりがいも同時に得られることができるでしょう。
多様な業界やプロジェクトに関与できる
特定の業界に特化した製品ではない場合、さまざまな業界やプロジェクトに携わることが可能です。自分のスキルや知識を広げる機会が多く、成長を感じられるでしょう。
プリセールスの厳しさ
プリセールスの仕事は大きなやりがいを得られる一方で、厳しさもあります。
技術の研鑽
プリセールスは新しい技術や製品の知識を常にアップデートし続ける必要があります。自ら手を動かすこともあるため、技術に対する知的好奇心を持ち続けることが大前提です。
売り上げ目標
基本的には営業担当者が売り上げ予算を持っていることが多いものの、プリセールス側にも目標が課せられる場合があります。目標をクリアするためにプレッシャーを感じることもあるでしょう。
顧客対応
商談が決まったあと、導入までの進捗報告の窓口をプリセールスが担うケースもあります。技術的な質問に対して迅速な回答を求められたり、トラブルを発生させないよう配慮したりと、細やかな対応に精神的負担を感じることもあるかもしれません。
プリセールスになるには?
プリセールスになるために必須の資格はありません。
プリセールス経験がない場合は、システムエンジニアやネットワークエンジニア、クラウドに関する技術職での経験・資格があると、プリセールスへの転職に有利になり得ます。
また、顧客とのコミュニケーションや交渉力が求められるため、ヒアリング能力やプレゼンテーションスキルを活かした営業経験があると役立つでしょう。
プリセールスのキャリアパス
プリセールスはスキルを活かしてさまざまなキャリアを築くことができます。ここでは、プリセールスのキャリアパスの事例を4つ紹介します。
プロジェクトマネジャー
顧客対応や技術的な知識を活かして、セールスではなくSE寄りでプロジェクト全体を管理する役割に進むことが可能です。
セールスマネジャー
プリセールスの経験を活かして、営業チームを率いる役割に進むケースもあります。
ITコンサルタント
特定の製品ではなく、幅広いソリューションを提供するITコンサルタントとして活躍する道もあります。
IT/DX企画部門
顧客の課題解決で培ったノウハウを活かし、自社のDX戦略を練っていく道も考えられます。
プリセールスの年収
平均年収
平均年収
665.7万円
「IT/通信系エンジニア」系職種の平均年収は455.1万円
「プリセールス」の平均年収は665.7万円で、「IT/通信系エンジニア」系12職種中トップです。
年収分布
- この職種の平均
- 「IT/通信系エンジニア」系職種の平均
未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
以上
最も多い年収帯は400万円台と500万円台が18%で、次いで1,000万円以上が16%となっています。
プリセールスに転職した人はどんな人が多い?
転職年齢
転職年齢
32.2歳
「IT/通信系エンジニア」系職種の平均年齢は31.7歳
- この職種の平均
- 「IT/通信系エンジニア」系職種の平均
「プリセールス」に転職した人の平均年齢は32.2歳です。年齢の内訳を見ると、最も多い年齢層は25~29歳で42%となっています。
前は何の仕事をしていた?
順位
職種
割合
-
1
11.7%
-
2
10.6%
-
2
10.6%
-
4
7.4%
-
5
6.4%
-
5
6.4%
転職前の職種は「アプリケーションエンジニア」が11.7%で最多となっています。2位以下も同じ「IT/通信系エンジニア」職種が多く、培ったスキルや経験を活かして業界や企業を移る転職をした人が多いことが分かります。
何回目の転職だった?
「プリセールス」への転職がはじめてだった人が47%で最多となりました。
TOEIC(R)スコアの平均は?
TOEIC
714.1点
「プリセールス」におけるTOEIC(R)受験者の平均点は714.1点で、「IT/通信系エンジニア」12職種中5番目です。
プリセールスからの転職
次に就いたのはどんな仕事?
順位
職種
割合
-
1
24.1%
-
2
18.5%
-
3
13.0%
-
4
11.1%
-
5
5.6%
「プリセールス」の次に就いた職種は「社内SE」が24.1%で最多です。2位以下も同じ「IT/通信系エンジニア」職種が多く、培ったスキルや経験を活かして業界や企業を移る転職をする人が多いことが分かります。
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クリエイティブの職種(5職種)
■平均年収
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2023年09月~2024年8月
- 有効回答数
- 約400,000件
■TOEIC(R)テストの点数
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2023年09月~2024年8月
- 有効回答数
- 約50,000件
■持っている資格
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2023年09月~2024年8月
- 有効回答数
- 約100,000件
■転職前の職種、転職後の職種、転職した人の年齢、転職回数
- 調査対象
- dodaエージェントサービスを利用して転職した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2023年09月~2024年8月
- 有効回答数
- 約40,000件
■冬のボーナス・夏のボーナス、残業時間、年間休日
- 調査対象
- 20~59歳、正社員のビジネスパーソン
- 調査方法
- ネットリサーチ会社を利用した
インターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のモニターに対し実施、
doda会員登録の状況については不問)
- 調査期間
- 2024年8月
- 有効回答数
- 15,000件
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施