美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)とはどんな職種? 仕事内容/年収/転職事情を解説
美容関連職と一口にいっても、理容師や美容師、エステティシャン、マッサージ師などさまざまな職種があります。中には、資格保有を必須としている仕事もありますが、美容が好きで人をきれいにしたいと思う気持ちがあれば美容系の仕事を目指せます。
この記事では、美容関連職の概要から、仕事内容やキャリアパス、年収まで幅広く解説します。美容関連職への転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)の仕事データ
収入
年収
286.1万円
「販売/サービス」系職種の平均年収は330.1万円
年間ボーナス
20.4万円
残業・休日
月間残業時間
16.1時間
年間休日
110.6日
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)の仕事とは
美容関連職はお客さまのなりたいイメージに近づくために施術をする仕事です。具体的な職種としては、美容師や理容師、美容部員、エステティシャン、マッサージ師、ネイリストなどさまざまなものがあります。昨今では、メンズやシニアなどターゲットが拡大しています。専門学校に通い、国家試験に合格して資格を取得しなければならない職種もあれば、資格がなくてもチャレンジできる職種もあります。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)の仕事の種類
美容関連職の仕事はどれもお客さまの身体に対し施術する点は同じですが、その仕事内容は多岐にわたります。ここでは、代表的な職種として「理容師・美容師」「美容部員」「エステティシャン」「マッサージ師」の4つを紹介します。
理容師・美容師
理容師は「頭髪の刈り込みや顔そり」、美容師は「髪の毛のカットやパーマ、カラーリング、化粧」を行う仕事と位置付けられていますが、カットやヘアカラーなど提供する施術は共通しています。
理容師・美容師になるには免許が必要です。免許の取得には、都道府県知事指定の理容科または美容科の養成学校(中間・夜間課程2年以上、通信課程3年以上)を卒業した上で、理容師国家試験、美容師国家試験に合格しなければなりません。
どちらの免許取得にも年齢の制限がないため、これまで別の職種に就いていた人でも年齢を問わずに目指せます。ダブルライセンスを取れる養成学校も増えており、昼間課程に3年以上通うことで理容師・美容師免許両方の取得が目指せるようになりました。
免許を取得していなくてもアシスタントとして働ける場合はありますが、お客さまの髪に触れることはできません。免許を取得していないアシスタントは、受付や掃除、在庫管理など現場での経験を積みながら免許取得を目指します。
理容師・美容師として働きたい人は理容院・美容院の店舗で働くケースが一般的です。しかし、近年ではフリーランスとして業務委託で働いたり、さまざまな事情で店舗に来られないお客さまに向けて訪問型でサービスを提供したりといった働き方も増えています。
理容師・美容師で共通するキャリアパスとしては、入職後にアシスタントから経験を積み、ジュニアスタイリスト、スタイリスト、トップスタイリストとキャリアアップして最終的に店長や独立を目指すケースが多く見られます。また、資格や経験を活かしたキャリアチェンジとして、美容院やエステ向けのシャンプー・トリートメント、カラー剤、はさみなどを扱うメーカーの営業職に進む人もいます。
美容部員
美容部員は、百貨店や専門店、ドラッグストアなどで化粧品の販売を行います。化粧品販売のプロフェッショナルとして、お客さまの悩みを聞く「カウンセリング」、実際にお客さまにメイクアップをする「タッチアップ」なども行い、お客さまに最適な化粧品を提案する仕事です。昨今では、美容やメイクに対する意識の変化に伴い、男性の美容部員も増えてきています。
美容部員になるために必須の資格はなく、化粧品メーカーや百貨店、ドラッグストアなどの採用試験に合格すれば働くことが可能です。より知識を身につけたい場合は、日本化粧品検定やスキンケアアドバイザーなどの資格を取得することで、提案の幅が広がるでしょう。
美容部員として働いていると、常に新しいトレンドアイテムや流行のメイク方法などを把握できるため、最先端の美容情報を得ながらスキルアップを目指せます。
美容部員のキャリアパスとしては、美容部員を経験した後にリーダーや店長などの管理職になる、トレーニング担当として社員の教育に携わる、本社で商品開発や店舗開発を行うなどが挙げられます。
エステティシャン
エステティシャンは、お客さまの悩みに合わせて美容やリラクゼーションなどの施術を行う仕事です。施術内容は、主に顔から首、デコルテまでを施術する「フェイシャルエステ」や、全身をマッサージすることでむくみが取れてリフレッシュ効果の高い「ボディケアエステ」、セルライトを除去する「痩身エステ」などが挙げられます。近年では、メンズサロンの増加に伴い、男性エステティシャンの活躍の場も広がっています。
エステティシャンとして働くために必須の資格はなく、未経験から応募可能な求人もあります。しかし、「日本エステティック協会(AJESTHE)」や「日本エステティック業協会(AEA)」などが認定する資格を取得することで技術・知識の証明となるため、資格手当の支給や転職に有利になるなどのメリットがあります。
エステティシャンのキャリアパスとしては、経験を積んだ後に店舗のリーダーや店長、教育トレーナーなどの管理職を目指したり、独立してエステサロンを開業したり、店舗・サロンを統括する本社での勤務にキャリアチェンジしたりすることが挙げられるでしょう。また、エステティシャンの経験を活かしてエステ機器を扱う企業に営業として転職する人もいます。
マッサージ師
マッサージ師は、体の痛みや凝りなどの症状に悩むお客さまに対して、主に手のひらや指で押し・もみ・たたきなどのマッサージを行います。
医療機関で患者のけがや関節の痛みなどの治療を目的としたマッサージ行為を行うには「あん摩マッサージ指圧師」、ツボや皮膚・筋肉に刺激を与えるために針や灸を用いた治療を行う場合には「はり師」「きゅう師」の国家資格が必要です。一方、身体の疲労を回復させるのを目的としたもみほぐしやリラクゼーションなどは、資格を持っていなくても施術が可能です。
マッサージ師のキャリアパスは多種多様です。まずはマッサージ院やスパ施設などでの施術者として仕事に就いて経験を積んだのちに独立して開業したり、経営に携わったりするほかに、スポーツトレーナーなどの分野に進む人もいます。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)に求められる能力・素質
美容関連職の仕事は、お客さまと直接やりとりをするため、さまざまな能力が求められます。主には、下記の4つの能力が求められるでしょう。
- ・傾聴力
- ・目標達成力
- ・向上心
- ・トレンドを押さえる力
ここでは、4つの必要な能力について解説します。
傾聴力
美容関連職は、お客さまと直接会話をしたり、カウンセリングを行ったりしてなりたいイメージや悩みを読み取ることが重要なため、傾聴力が求められます。
お客さまがどのようなことに悩んでいるのか、改善したいことはないか、正確に把握するためにもまずはヒアリングを行います。また、何げない会話や表情などからも悩みを読み取れることがあるため、お客さまに寄り添い、親身になって話を聞くスキルが重要です。会話やカウンセリングを重ねることで、お客さまの悩みや好みを理解でき、ニーズに応じた施術ができるようになります。
また。場合によっては必要以上の接客やサービスを「行わないこと」も大切です。お客さまの中には、会話を楽しみたい人もいれば、静かにゆっくりと過ごしたいという人もいます。要望は人それぞれのため、お客さまのニーズやサロンの雰囲気に合わせた適切な接客が求められます。
目標達成力
お客さまにサービスを提供し、満足してもらうことは大前提ですが、自身やお店の成長のためには店舗予算や個人予算などの設定された目標を達成することも大切です。目標達成に向けて、サービスやプラン、商品提案を行うことが求められるでしょう。
例えば、お店の売り上げを上げるにはどのような工夫が必要か、アシスタントから次のステップに進むには自身に何が不足しているのかなどを洗い出し、目標を設定した上で達成に向けて努力することが欠かせません。
向上心
美容関連職の仕事は、知識や技術力が必要な上に、情報のアップデートも欠かせません。そのため、自分のスキルアップやお客さまに喜んでもらうために常に向上心を持ち、練習会や講習会などに参加したり、自主練習を行ったりすることが大切です。
質の高い技術を提供できるようになれば、お客さまの満足度も高まるでしょう。
トレンドを押さえる力
トレンドは日々変わっていくため、常に新しいトレンドを押さえる力が求められます。お客さまからアドバイスを求められる場面も多いため、トレンドに敏感な人は美容関連職に向いているといえるでしょう。普段からSNSやテレビなどをチェックしておくと、提案の幅も広がり、より一層お客さまからの信頼も厚くなります。
また、お客さまの中には何げない雑談も楽しみにしている人もいるため、美容に関連すること以外にも流行っていることやニュースなどの情報を把握しておくとよいでしょう。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)のやりがい
美容関連職には必要な能力も多くありますが、お客さまから直接感謝の声をいただくなど、やりがいも大きい仕事といえるでしょう。ここでは、美容関連職の主なやりがいについて紹介します。
自分のアイデアやセンスを形にできる
美容関連職のやりがいの一つは、自分のアイデアやセンスを形にできることです。カットやメイクなどを通して、自分のアイデアやセンスが形になったときには大きなやりがいを感じられるでしょう。
お客さまの要望をもとに、自分のアイデアを取り入れて理想のスタイルに仕上げられるアーティスティックな部分に魅力を感じているという人も多いようです。
また、美容部員であれば売り場の配置やディスプレイを工夫する、エステ勤務やマッサージ師であればサロンの雰囲気に合わせて空間づくりをするなど、自分のアイデアを活かすことが可能です。
お客さまから感謝の言葉をもらえる
美容関連職は、直接お客さまと関わる仕事だからこそ、「ありがとう」と伝えてもらえたときだけでなく、お客さまの表情から感謝を受け取れたときは達成感や幸福感を得られるでしょう。
お客さまのイメージを反映して施術したり、商品やサービスを提供したりして相手に喜んでもらえた際は大きな喜びを感じられます。また、お客さまの満足そうな姿を見たりすると、達成感も味わえます。
リピーターに指名してもらえる
リピートのお客さまに指名してもらえたときにもやりがいを感じられます。お客さまに喜ばれる提案やイメージどおりの施術を行えると、「またお願いしたい」とリピーターとして再来店してもらえることがあります。
指名されることは自信につながり、仕事へのモチベーションも上がります。また、そのお客さまからの紹介で新規顧客の獲得につながる可能性もあるでしょう。リピートしてもらえることは、お客さまとの信頼関係が築けるだけでなく、売り上げにも直結するため、大きなやりがいとなります。
お客さまの大切なイベントに携われる
お客さまの人生の節目ともいえる大切なイベントに携われることは美容関連職ならではのやりがいといえます。日常での施術だけでなく、時には卒業式や結婚式など、お客さまにとって人生の節目となるイベントにヘアセットやメイク、着付けなどで携わる機会もあるでしょう。
大切な日に自分の技術を信頼して任せてもらえたことや、これまでのお付き合いへの感謝を込めて施術することは、大きなやりがいにつながります。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)の厳しさ
美容関連職の仕事は、お客さまをきれいにするため大きなやりがいを得られる仕事ですが、一方で厳しさもあります。ここでは、美容関連職に共通していえる仕事の厳しさについて見ていきましょう。
土日が繁忙のため、休みは平日が多い
美容院やエステなどの美容関連のサービスは、土日に多くの人が利用するため、美容関連職に就くと休みが平日となるケースが多数です。
そのため、土日休みの友人や家族と予定が合わせにくかったり、土日に開催されるイベントに行きづらかったりと、ストレスを感じるときもあるでしょう。しかし、平日は商業施設やレジャー施設が混雑していないケースが多いため、のんびりと過ごせるのはメリットといえます。
また、シフト次第では毎週ではなくとも土日に休みを取得できる場合もあります。そのため、職場・職種によっては土日休みをかなえられるでしょう。
勤務時間が長い場合も
すべての美容関連職に該当するとは限りませんが、大変さを感じることの一つに、勤務時間の長さが挙げられます。美容関連職は、サロンや店舗の営業時間の前後に準備や片付けを行うため、拘束時間が長い職場が多いのが実情です。
また、美容関連職は、技術レベルがキャリアや収入に大きく影響するため、技術向上のための練習が必要です。例えば、美容師の場合には、営業時間の前後にシャンプーやカット、カラーリングなどの練習を行うことも多く、そのため、プライベートの時間が取りにくくなってしまい、大変さを感じることもあるでしょう。
キャリアパスの具体的なイメージが持ちづらい
美容関連職は技術職として、プレイヤーの期間が長い傾向にあります。そのため、店長やオーナーなどその先のステップを見据えている場合に、どのくらいの期間がかかるのか、体力が持つのかなど不安に思い、具体的な将来の姿をイメージするのが難しいという人もいるでしょう。
また、アシスタントとしての下積み時代が長かったり、年収がなかなか上がらないと感じたりした際に将来への不安を感じることもあるかもしれません。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)への転職に役立つ関連コンテンツ
ここまで美容関連職について解説してきました。自分が美容関連職として働く姿をより具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。dodaでは、美容関連職の転職にチャレンジしたい方に向けて、応募書類の作成や自己PRにきっと役立つコンテンツを用意して転職をサポートしています。ぜひ活用してください。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)の年収
平均年収
平均年収
286.1万円
「販売/サービス」系職種の平均年収は330.1万円
「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」の平均年収は286.1万円で、「販売/サービス」系11職種中11番目です。
年収分布
- この職種の平均
- 「販売/サービス」系職種の平均
未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
以上
最も多い年収帯は300万円未満の59%で、次いで300万円台が32%、400万円台が7%となっています。
年間ボーナス
年間ボーナス
20.4万円
夏のボーナス…10.3万円
冬のボーナス…10.1万円
「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」の年間ボーナスは20.4万円で、「販売/サービス」系11職種中9番目です。
美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)に転職した人はどんな人が多い?
どんな資格を持っている?
順位
資格
割合
-
1
美容師
6.7%
-
2
管理美容師
1.0%
-
3
日商簿記検定3級
0.8%
-
4
秘書技能検定2級
0.7%
-
4
認定エステティシャン
0.7%
「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」になった人が保有している資格では、仕事に就くうえで必須な「美容師」やさまざまな資格を取得している傾向が見られました。
TOEIC(R)スコアの平均は?
TOEIC
574.4点
「美容関連職(理美容/エステ/マッサージ)」におけるTOEIC(R)受験者の平均点は574.4点で、「販売/サービス」系11職種中10番目です。
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■平均年収、男女比、転職希望者の年齢
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約700,000人
■TOEIC(R)テストの点数、持っている資格
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2019年7月~2020年6月
- 有効回答数
- 約310,000人
■転職後の職種、転職した人の年齢、転職回数
- 調査対象
- dodaエージェントサービスを利用して転職した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約26,000人
■冬のボーナス・夏のボーナス、残業時間、年間休日
- 調査対象
- 20~59歳、正社員のビジネスパーソン
- 調査方法
- ネットリサーチ会社を利用した
インターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを
元に実施、doda会員登録は不問)
- 調査期間
- 2021年8月
- 有効回答数
- 15,000人