スマートフォン版で表示

現在、お知らせはありません。

【全100職種】あの職種とはどんな仕事?doda職種図鑑
企画/管理

内部監査とはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

近年では、コンプライアンスやガバナンスの強化が企業経営で優先度の高い課題になっており、組織の健全な運営と成長を支えるために「内部監査」が重要な役割を果たしています。

そんな内部監査の具体的な業務内容については、詳しく知らないという方も多いかもしれません。

この記事では、内部監査の仕事内容や、やりがい、厳しさ、年収まで幅広く解説します。内部監査への転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

内部監査の仕事データ

収入

年収

671.0万円

「企画/管理」系職種の平均年収は517.6万円

年間ボーナス

160.3万円

残業・休日

月間残業時間

20.7時間

年間休日

112.9

内部監査とは?

①自社の経営や業務に不正や誤りがないかを調査し改善提案をする ②内部監査には業務スキルだけでなく高い倫理観・正義感が求められる ③組織を仕組みから支えるというやりがいがある

内部監査とは、監査の対象となる部門とは別の担当者が、社内で法令や社内規定に違反する行為や潜在的なリスクがないか、日々の業務が適切かつ効率的に行われる仕組みがあるかを客観的な立場で調査・評価して助言を行ったり、経営陣の意思決定をサポートしたりする業務のことです。内部監査の担当者は「内部監査人」や「内部監査員」と呼ばれます。

内部監査は健全な組織運営のための重要な役割を担っており、法的に実施が義務づけられている上場企業・大企業以外でも、自主的に実施する企業が増えてきています。内部監査を実施するタイミングや間隔には決まったものはありませんが、年に1~2回、定期監査を行うことが一般的です。

内部監査の対象範囲には、組織のすべての業務活動が網羅される必要があります。そのため、対象部門は社内のすべての部門や資本関係のある関連会社にも及びます。

関連リンク

「内部監査基準」一般社団法人日本内部監査協会

内部監査の仕事内容

内部監査の流れや具体的な活動は、大まかには以下のような流れで行われます。

1.監査計画
内部監査責任者・内部監査人の任命や、監査対象部門、実施する頻度・スケジュールなどを検討・決定する
2.実地調査に向けた準備
内部監査計画書を作成し、関係者に周知する(不正を調査する場合は周知せず抜き打ちで行うこともある)。ヒアリングする内容をまとめたチェックシートを作成し監査チームで共有する
3.実地調査の実施
対象部門に出向いてヒアリングや資料の収集を行い、チェックシートをもとに監査基準が満たされているかを確認する
4.報告、是正処置
内部監査報告書を作成し、監査対象部門や経営者・取締役への報告を行う。不適合と判断された事項について、対象部門へ改善提案をし、その後も改善の取り組み状況をフォローする

内部監査に求められる能力・素質

内部監査に関わる技術や専門知識はもちろんですが、それ以外に大切な能力や素質にはどのようなものがあるのかを解説します。

倫理観・正義感

内部監査は悪い点を指摘することに躊躇したり、対立を恐れたりする人には向かない仕事です。監査対象部門の担当者や経営陣に対しても忖度せずに是正を求めることができる強い倫理観や正義感が求められます。

コミュニケーション能力

監査対象部門の担当者とコミュニケーションを取り、理解を得たり信頼関係を築いたりすることは有効な内部監査を実施する上で不可欠です。もし、内部監査を実施する意義が現場で理解されていなければ、内部監査による指摘事項も「面倒なこと」だと受け止められ、改善に向けた本質的な取り組みが期待できないためです。なぜ改善が必要なのか、不正行為が発覚したらどのような結果になるかを論理的に説明できる能力が求められます。

内部監査のやりがい

内部監査は、組織の業務プロセスや内部統制が適切に機能しているかを確認・評価し、組織の健全性を保つために重要な役割を果たします。内部監査を実施することによってトラブルを未然に防ぎ、組織全体の土台を強固にすることに貢献できるため、会社を仕組みから支えているという実感が得られるでしょう。

内部監査の厳しさ

内部監査はほかの部門の不正や誤りをチェックする役割であるため、理解が得られていない場合には協力を拒まれたり、改善提案をしても聞き入れてもらえなかったりすることもあるようです。また、コミュニケーションが重要な内部監査は、部門の担当者や経営陣とそりが合わないと実務に影響することが少なくなく、信頼関係が構築できなければ業務を円滑に進めるのが難しくなることもあります。

内部監査になるには?

内部監査は業務の専門性の高さから、即戦力となる経験者が求められる場合が多い一方で、なり手が非常に少ない状況のため、未経験でも可能性が閉ざされているわけではありません。経理・財務・法務といった管理部門の経験者、コンサルティングファームや監査法人の出身者、ITシステム・ネットワーク・サイバーセキュリティー分野に精通している人などは経験を活かしやすいと考えられます。

内部監査への転職で求められる資格は求人によってケース・バイ・ケースですが、有利となり得るものとして、内部監査士(QIA)、公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)やシステム監査技術者などが挙げられます。

内部監査のキャリアパス

内部監査は経営陣との距離が近く、監査業務を通じて組織全体を見渡す視点を持つことができるため、内部監査の経験者を将来の幹部候補と位置づけている企業もあります。しかし内部監査の専門家はまだまだ少ないため、どの企業でも共通しているキャリアパスがあるわけではありません。

内部監査の年収

平均年収

平均年収

671.0万円

「企画/管理」系職種の平均年収は517.6万円

「内部監査」の平均年収は671.0万円で、「企画/管理」系14職種中トップです。前回調査した時(2019年7月~2020年6月)よりも、22.4万円アップしました。

年収分布

  • この職種の平均
  • 「企画/管理」系職種の平均
300万円
未満
3%
9%
300~400
万円未満
12%
23%
400~500
万円未満
18%
24%
500~600
万円未満
15%
16%
600~700
万円未満
11%
11%
700~800
万円未満
10%
6%
800~900
万円未満
7%
4%
900~1000
万円未満
7%
3%
1000万円
以上
16%
5%

最も多い年収帯は400万円台の18%で、次いで1,000万円以上が16%、500万円台が15%となっています。1,000万円以上は16%となっていますが、10%以上になるのは職種図鑑全体でも11職種しかありません。

年間ボーナス

年間ボーナス

160.3万円

夏のボーナス…76.3万円

冬のボーナス…84.0万円

「内部監査」の年間ボーナスは160.3万円で、「企画/管理」系14職種中2番目です。職種図鑑全体でも3番目に高いボーナスです。

内部監査に転職した人はどんな人が多い?

転職年齢

転職年齢

40.3

「企画/管理」系職種の平均年齢は33.5歳

  • この職種の平均
  • 「企画/管理」系職種の平均
~24歳
2%
4%
25~29歳
10%
33%
30~34歳
28%
27%
35~39歳
26%
16%
40歳以上
35%
20%

「内部監査」に転職した人の平均年齢は40.3歳です。年齢の内訳を見ると最も多い年齢層は40歳以上で35%となっています。

前は何の仕事をしていた?

順位

職種

割合

転職前の職種も同じ「内部監査」が32.6%で最多です。2位以下も同じ「企画/管理」系職種が多く、培ったスキルや経験を活かして業界や企業を移る転職をした人が多いことが分かります。

何回目の転職だった?

はじめてだった人47% 2回目:16% 3回目:12% 4回目:21% 5回以上:5%

「内部監査」に転職したのがはじめてだった人が47%で最多となりました。

どんな資格を持っている?

順位

資格

割合

  • 1

    日商簿記検定2級

    5.8%

  • 2

    日商簿記検定3級

    5.3%

  • 3

    CIA(公認内部監査人)

    4.0%

  • 3

    証券外務員一種

    4.0%

  • 5

    宅地建物取引士

    3.5%

「内部監査」になるために必須の資格はありませんが、仕事に直接役立つと考えられる「日商簿記検定2級」や、自身のキャリアの可能性を広げるためのさまざまな資格を取得している傾向が見られました。

TOEIC(R)スコアの平均は?

TOEIC

703.4

「内部監査」におけるTOEIC(R)受験者の平均点は703.4点で、「企画/管理」系14職種中11番目です。

内部監査からの転職

次に就いたのはどんな仕事?

「内部監査」の次に就いた職種も同じ「内部監査」が60.0%で最多です。2位以下も同じ「企画/管理」系職種が多く、培ったスキルや経験を活かして業界や企業を移る転職をする人が多いことが分かります。

転職したい職種と、自分の志向性は合ってる?
キャリアタイプ診断を受ける
希望する職種に転職できる?キャリアアドバイザーに相談しよう
エージェントサービスに申し込む(無料)
やりたい仕事を探そう!内部監査の求人
求人情報を検索する

ほかの職種図鑑を見る

職種一覧

営業の職種(16職種)

企画/管理の職種(14職種)

事務/アシスタントの職種(11職種)

IT/通信系エンジニアの職種(12職種)

モノづくり系エンジニアの職種(10職種)

建築/土木系エンジニアの職種(6職種)

素材/化学/食品系エンジニアの職種(4職種)

医療系専門職(6職種)

金融系専門職(3職種)

コンサルタント/不動産専門職(2職種)

コンサルタント/不動産専門職2職種のデータです

販売/サービスの職種(11職種)

クリエイティブの職種(5職種)

調査概要 ※記事中の割合データは、四捨五入の関係で合計値が100%にならない場合があります。

■平均年収、男女比、転職希望者の年齢

調査対象
dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
調査期間
2020年7月~2021年6月
有効回答数
約700,000人

■TOEIC(R)テストの点数、持っている資格

調査対象
dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
調査期間
2019年7月~2020年6月
有効回答数
約310,000人

■転職後の職種、転職した人の年齢、転職回数

調査対象
dodaエージェントサービスを利用して転職した
ビジネスパーソン
調査期間
2020年7月~2021年6月
有効回答数
約26,000人

■冬のボーナス・夏のボーナス、残業時間、年間休日

調査対象
20~59歳、正社員のビジネスパーソン
調査方法
ネットリサーチ会社を利用した
インターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを
元に実施、doda会員登録は不問)
調査期間
2021年8月
有効回答数
15,000人
シェアする
このエントリーをはてなブックマークに追加

ステップで分かる転職ノウハウ

  • ボーナス平均支給額調査【2024年版】