ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)とはどんな職種?仕事内容/なり方/年収/転職事情を解説
ゲームが好きな人ならば「ゲームクリエイターになりたい」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。ゲームクリエイターにはさまざまな職種があるため、転職する際は各職種の特徴や必要なスキルを把握しておくことが大事です。
この記事では、ゲームクリエイターの概要から、仕事内容、キャリアパス、年収まで解説しています。ゲームクリエイターへの転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)の仕事データ
収入
年収
380.6万円
「クリエイティブ」系職種の平均年収は391.8万円
年間ボーナス
97.1万円
残業・休日
月間残業時間
25.8時間
年間休日
123.2日
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)とは?
ゲームクリエイターとは、ゲームの制作に関わる専門職の総称です。個人でゲームを作る場合を除き、ゲームソフト・アプリの制作では多くの専門職が作業を分担しており、協力して一つのゲームを作り上げます。
ゲームのハードやジャンル、楽しみ方、ビジネスモデルは多様化しており、昨今はゲームでの対戦をスポーツ競技として捉えたeスポーツも注目されています。ゲーム市場の拡大に伴いゲームクリエイターの活躍の場は今後もますます広がっていくでしょう。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)の種類と仕事内容
モバイルゲームなのか家庭用ゲームなのかによって職種の名称が異なる場合もありますが、ゲームクリエイターの主な職種として「ゲームプロデューサー・ゲームディレクター」「ゲームプランナー」「ゲームデザイナー」「ゲームプログラマ」「サウンドクリエイター」「デバッグ(デバッガー)」の6つが挙げられます。それぞれの仕事内容について解説します。
ゲームプロデューサー・ゲームディレクター
ゲームプロデューサーはプロジェクト全体の責任者で、ゲームをヒットさせるために初期の企画提案から発売後の宣伝活動までプロジェクト全体に関わります。具体的な仕事内容は、予算調達、協力会社との交渉、スケジュール管理、スタッフ編成などでゲーム制作の中身というよりは外側を整える仕事が中心です。
ゲームプロデューサーよりも制作現場に近いのがゲームディレクターです。ゲームディレクターは、ゲーム制作の監督的な立場として、プログラマやデザイナーなどへの具体的な指示、細かなスケジュール管理、品質管理などを行い、制作を進めていきます。
プロデューサーと同じく、ディレクターにもマネジメント能力やリーダーシップが求められます。実際に開発作業を行うわけではありませんが、プログラマやデザイナーなど開発側の仕事内容を理解していることも重要です。
ゲームプランナー
ゲームプランナーは、ゲームの企画書や仕様書(ルール、シナリオなど)を作成したり、ゲーム難易度の細かなバランス調整などを行ったりしながら、ゲームの面白さを追求していく職種です。オンラインゲームやアプリの場合では、何年にもわたってゲーム内容を改良していくため、市場調査を的確に行う力やユーザーニーズを読み取る分析力、そして何より「面白いゲームを作りたい」という探究心が求められます。
ゲームデザイナー
ゲームデザイナーは、ゲームのビジュアル面を担当する職種です。キャラクターや背景、アイテムなどをデザインする「イラストレーター」、デザインを3Dモデルに起こす「CGデザイナー」のほかに、メニューやゲーム画面を設計していく「UIデザイナー」、演出効果を担当する「エフェクトデザイナー」、キャラクターの動きを再現する「モーションデザイナー」などに細分化されます。
担当する分野にもよりますが、デザイン業務に当たる以上、デッサン力は必須です。また、デザイン系のツールやゲームエンジンの使用経験も重要視されます。近年は特に3Dのニーズが高まっているため、Mayaのような3DCGソフトウェアの使用経験があるとよいでしょう。
ゲームプログラマ
ゲームプログラマは、仕様書に基づいてゲームが動作するようプログラミングを行う職種です。
ゲームの根幹となる作業を担当するため、高いプログラミングスキルが求められます。プログラミング言語はゲームの種類や制作会社にもよりますが、家庭用ゲームならC++、アプリならC#やJavaScriptなどが多く使われています。
サウンドクリエイター
サウンドクリエイターは、テーマ曲やBGM、効果音などゲームで使う音楽全般を担当する職種です。キャラクターに声を入れるのは声優が行いますが、ボイスデータの収録や編集はサウンドクリエイターの仕事です。
デバッグ(デバッガー)
デバッグは、ある程度ゲームができた段階で本番に近い環境でゲームをプレイし、仕様書どおりにゲームが動作するか、バグがないかを検証していく仕事です。ゲームのデバッグを専門に行う職種はゲームデバッガーと呼ばれます。
似たような職種にゲームテスターがありますが、ゲームテスターはテストプレイを行うことがメインの仕事で、ゲームデバッガーは発見したバグの修正まで担当するという違いがあります。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)に求められる能力・素質
ゲームクリエイターに求められる共通した能力・素質について解説します。
発想力
さまざまなクリエイティブ職の中でも、面白さを追求しなければならない仕事のため、ゲームクリエイターには発想力が求められます。
そのためには、日ごろからゲームだけではなくいろいろな分野に興味を持ってインプットしていくことが大事です。また、その発想の面白さを制作関係者に共感してもらうための言語化能力やプレゼンテーション能力も大切です。
ゲームに対する熱意
「ゲームが好き」ということもシンプルながら重要な要素です。クリエイティブな仕事の性質上、面白さを追求するがゆえの生みの苦しみを感じることもあるでしょう。繁忙期には残業が多くなってしまうこともあります。厳しい状況を乗り切るためには、「ゲームが好き」「面白いゲームを作りたい」という熱意が不可欠です。
ただし、「どのようにすれば売れるのか?」「制作工程をどう効率化するか?」といったように、「好き」だけでなくビジネス視点も持ち合わせていなければいけません。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)のやりがい
ゲームクリエイターに限らず、仕事を長く続けるためにはやりがいが重要です。ここでは、ゲームクリエイターの主なやりがいについて紹介します。
自身の制作したコンテンツが世にリリースされ、ユーザーに楽しんでもらえる
ゲームクリエイターのやりがいは、何といっても自分の作ったゲームをユーザーに楽しんでもらえることです。
ゲーム開発は長期間に及ぶ上に、さまざまな困難と向き合うこともあります。しかし、ゲームのレビューサイトやSNSなどで自分が携わったゲームが話題になっているのを見ると、大きな達成感を得られるでしょう。
自身の好きなものに携われる
仕事をする中で好きなものに携われることはモチベーションにつながります。好きという気持ちがあるからこそ情熱を持って仕事に取り組むことができ、つらいことを乗り越えられるでしょう。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)の厳しさ
ゲームクリエイターの仕事に携わることの厳しさについて紹介します。
働き方が不規則になりやすい
ゲーム業界に決まった繁忙期はありませんが、ゲーム開発は厳しくスケジュール管理されており、進捗状況によってはかなり忙しくなる時期もあります。特にリリース直前やバージョンアップしたばかりのアプリにバグが発覚したときなどは、突発的な対応に追われてしまうこともあるでしょう。ゲームが好きでゲームクリエイターになる人が多いため、プライベートで好きなゲームをする時間が削られることがつらいと感じることもあるでしょう。
ただし、ゲーム業界でもワーク・ライフ・バランスを重視する傾向は年々強まっており、リモートワークやフレックスタイム制など、柔軟な働き方を取り入れている会社も増えてきています。
自分の好きなゲームに関われるとは限らない
ゲームクリエイターになったからといって、必ずしも自分が好きなゲームタイトルやジャンルに関われるとは限りません。
配属先を選べないのはほかの業界でもいえることではありますが、ゲームクリエイターの場合はゲームが好きでなっただけに、モチベーションを保つのが難しいと感じることもあるようです。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)になるには?
ゲームクリエイターになるために必須の資格はありません。ただし、スキルや実務経験が重視されるため、ゲームディレクターやゲームプログラマ、サウンドクリエイターなど、未経験で挑戦するには厳しい職種もあります。
ゲームプロデューサーやゲームプランナーは未経験転職のチャンスも
ゲームが好きというのは大前提として、未経験からでも転職のチャンスがあるかもしれないのはゲームプロデューサーやゲームプランナーです。
どちらも重要視されるのは、論理的思考力やゲームをビジネスとして捉える力です。もし何らかのプロジェクトの制作進行管理やプランニング経験があればアピールしましょう。アシスタントからキャリアを積み重ねてゲームプロデューサーやゲームプランナーになっていく道筋もあります。
また、デバッグ(デバッガー)も少数ながら未経験可の求人があります。ゲームが好きで一定のプログラミングスキルがあれば挑戦しやすくなっています。
ゲームデザイナーは専門スキルが必須
ゲームクリエイターの開発職は基本的に経験者でないと難しい職種ですが、中でも経験が求められるのがデザイナー職です。デザイナーは制作ツールを使いこなせることが前提になっているため、未経験可の求人があった場合でも、学校で専門的に学んでいることやポートフォリオの提出が条件になるでしょう。
詳しく挙げると、画像編集ソフトのIllustratorやPhotoshop、3DCGデザインのMayaやHoudini、動画編集ソフトのAfter Effectsなどのようなツールの経験は問われるでしょう。最近ではUnity、Unreal Engineなどのゲームエンジンの使用経験を歓迎する求人も増えています。ゲームエンジンは無料で使えるものもあるため、独学でも慣れておくと転職の際のアピールになるでしょう。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)の年収
平均年収
平均年収
380.6万円
「クリエイティブ」系職種の平均年収は391.8万円
「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」の平均年収は380.6万円で、「クリエイティブ」系5職種中「プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)」「編集/記者/ライター(出版/広告/Web)」に次いで3番目です。
年収分布
- この職種の平均
- 「クリエイティブ」系職種の平均
未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
以上
最も多い年収帯は300万円台の32%で、次いで300万円未満が30%、400万円台が19%となっています。
年間ボーナス
年間ボーナス
97.1万円
夏のボーナス…49.9万円
冬のボーナス…47.2万円
「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」の年間ボーナスは97.1万円で、「クリエイティブ」系5職種中トップとなっています。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)に転職した人はどんな人が多い?
転職年齢
転職年齢
31.2歳
「クリエイティブ」系職種の平均年齢は31.9歳
- この職種の平均
- 「クリエイティブ」系職種の平均
「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」に転職した人の平均年齢は31.2歳です。「クリエイティブ」系5職種中最も年齢が低くなっています。年齢の内訳を見ると最も多い年齢層は25~29歳で41%となっています。
前は何の仕事をしていた?
順位
職種
割合
-
1
63.3%
-
2
6.3%
-
3
5.1%
-
4
3.8%
-
4
3.8%
転職前の職種も同じ「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」が63.3%で最多ですが、「クリエイティブ」系職種以外に転職したケースも見られます。
何回目の転職だった?
「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」に転職したのがはじめてだった人が41%で最多となりました。5回目以上の転職だった人の割合がほかの職種より多めの14%となりました。
どんな資格を持っている?
順位
資格
割合
-
1
基本情報技術者試験
1.0%
-
2
ITパスポート
0.9%
-
3
色彩検定3級
0.8%
-
3
日本語能力試験1級
0.8%
-
5
実用英語技能検定2級
0.6%
「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」になるために必須の資格はありませんが、仕事に直接役立つと考えられる「基本情報技術者試験」や、スキルアップ、キャリアアップに必要な資格を取得している傾向が見られました。
TOEIC(R)スコアの平均は?
TOEIC
695.7点
「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」におけるTOEIC(R)受験者の平均点は695.7点で、「クリエイティブ」系5職種中3番目です。
ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)からの転職
次に就いたのはどんな仕事?
順位
職種
割合
-
1
65.8%
-
2
10.5%
-
3
3.9%
-
3
3.9%
-
5
2.6%
-
5
2.6%
「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」の次に就いた職種も同じ「ゲームクリエイター(Web・モバイル・ソーシャル)」が65.8%で最多で、「クリエイティブ」系職種以外に転職するケースも見られます。
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クリエイティブの職種(5職種)
■平均年収、男女比、転職希望者の年齢
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約700,000人
■TOEIC(R)テストの点数、持っている資格
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2019年7月~2020年6月
- 有効回答数
- 約310,000人
■転職後の職種、転職した人の年齢、転職回数
- 調査対象
- dodaエージェントサービスを利用して転職した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約26,000人
■冬のボーナス・夏のボーナス、残業時間、年間休日
- 調査対象
- 20~59歳、正社員のビジネスパーソン
- 調査方法
- ネットリサーチ会社を利用した
インターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを
元に実施、doda会員登録は不問)
- 調査期間
- 2021年8月
- 有効回答数
- 15,000人