法務/知的財産/特許とはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説
会社やその事業に関わる法的手続きを担当しています。「法務」は通常業務で発生する契約書チェックや取引に関する法務相談を通じて、適法な企業活動を担保します。また、新規事業、M&A、海外進出など、積極的な事業展開にも法務の観点が欠かせません。さらに近年コンプライアンス強化のための法務の役割はより重要になってきています。新たな事業領域や相手国の法律にのっとってビジネス展開をするにはどんな方策があるのか、事業企画や経営企画と検討することもあります。
「知的財産/特許」は、国内外からの知的財産侵害を防ぎ、自社がほか社を侵すこともないよう、製品、ビジネスモデル、技術、アイデア、ブランド、クリエイティブなどの資産価値を守っています。
法務/知的財産/特許の仕事データ
収入
年収
627.6万円
「企画/管理」系職種の平均年収は517.6万円
年間ボーナス
161.1万円
残業・休日
月間残業時間
24.2時間
年間休日
128.7日
法務/知的財産/特許の仕事内容とは
「法務」と「知的財産/特許」の仕事はどちらも法律に関するものですが、取り扱う内容は異なります。
法務
「法務」は、企業活動に関わる契約・取引や訴訟対応などの業務において法律面でのすべての判断を行う仕事です。担当する業務内容は業種や会社規模によっても異なり、多岐にわたります。
売買契約や秘密保持契約など契約文書のチェックや、トラブル発生時の訴訟や交渉など紛争への法的な対応のほか、従業員に対するコンプライアンス研修の実施やマニュアル作成、子会社設立や株主総会などの組織法務なども担当します。
また、企業を取り巻く環境の変化やグローバル化によって、トラブルを未然に防ぐ予防法務や企業買収などの戦略法務など、経営の意思決定に積極的に関わる機会も増えてきています。今後は、法律と企業の利益の両者を踏まえて判断するバランス感覚がますます求められるでしょう。
知的財産/特許
「知的財産」には「特許権」「商標権」「著作権」などがあり、中でも「特許権」「商標権」などは産業財産権と呼ばれ、出願し権利化することができます。開発した技術やブランドが自社の利益となるよう、知的財産を戦略的に権利化・保護することが、知的財産/特許の主な業務です。
自社で日々開発される技術や製品のうち、どの発明を特許出願するかを検討する出願戦略、特許出願するための明細書などを作成する出願準備、競合他社の特許を侵害しないための出願前の技術調査など、知的財産権の出願手続きや権利関係の管理を行います。
自社だけでなく他社を含めた市場の技術動向や権利化の傾向などの知識を活かし、事業や研究の方向性を決める事業戦略に関わることもあります。研究者、技術者、特許事務所など社内外の関係者と調整する機会も多いため、技術的な知識や法律の知識だけでなく、高いコミュニケーション能力も必要とされるでしょう。
法務/知的財産/特許の年収
平均年収
平均年収
627.6万円
「企画/管理」系職種の平均年収は517.6万円
「法務/知的財産/特許」の平均年収は627.6万円で、「企画/管理」系14職種中「内部監査」「経営企画/事業企画」に次いで3番目です。業務上専門的な知識や経験が必要とされることから、年収が高くなると考えられます。
年収分布
- この職種の平均
- 「企画/管理」系職種の平均
未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
万円未満
以上
最も多い年収帯は、500万円台と400万円台が同じ19%で、次いで600万円台が14%となっています。1,000万円以上の割合が10%以上になるのは、職種図鑑全体でも11職種しかありません。
年間ボーナス
年間ボーナス
161.1万円
夏のボーナス…78.6万円
冬のボーナス…82.5万円
「法務/知的財産/特許」の年間ボーナスは161.1万円で、「企画/管理」系14職種中トップとなっています。職種図鑑全体でも2番目に高いボーナスです。
法務/知的財産/特許に転職した人はどんな人が多い?
転職年齢
転職年齢
35.6歳
「企画/管理」系職種の平均年齢は33.5歳
- この職種の平均
- 「企画/管理」系職種の平均
「法務/知的財産/特許」に転職した人の平均年齢は35.6歳です。年齢の内訳を見ると最も多い年齢層は30~34歳で32%となっています。
前は何の仕事をしていた?
順位
職種
割合
-
1
54.0%
-
2
14.3%
-
3
5.8%
-
4
2.6%
-
5
2.1%
-
5
2.1%
転職前の職種も同じ「法務/知的財産/特許」が54.0%で最多ですが、職種を変えて転職したケースも少なくないようです。
何回目の転職だった?
「法務/知的財産/特許」に転職したのがはじめてだった人が42%で最多となりました。
どんな資格を持っている?
順位
資格
割合
-
1
ビジネス実務法務検定試験2級
5.4%
-
2
宅地建物取引士
5.0%
-
2
行政書士
5.0%
-
4
知的財産管理技能検定2級
3.2%
-
5
日商簿記検定2級
3.0%
「法務/知的財産/特許」になるために必須の資格はありませんが、保有資格では、「ビジネス実務法務検定試験2級」や「行政書士」「知的財産管理技能検定2級」など、法律に関連する資格が上位を占めました。 法務の仕事に就くためには契約や取引に関する法律的な知識が必須であることから、業務を円滑に進めるためにも資格を保有する人が一定数いることが分かります。例えば、許認可申請などの公的手続きは、行政書士の資格があるとスムーズに進められるため、保有していると企業からも高く評価されることが期待できるでしょう。
TOEIC(R)スコアの平均は?
TOEIC
756.3点
「法務/知的財産/特許」におけるTOEIC(R)受験者の平均点は756.3点で、「企画/管理」系14職種中3番目に高くなっています。
法務/知的財産/特許からの転職
次に就いたのはどんな仕事?
順位
職種
割合
-
1
81.0%
-
2
4.8%
-
3
3.2%
-
3
3.2%
-
5
1.6%
「法務/知的財産/特許」の次に就いた職種も同じ「法務/知的財産/特許」が81.0%で最多で、多くの人が同じ仕事に転職しています。2位以下も同じ「企画/管理」系職種が多く、培ったスキルや経験を活かして業界や企業を移る転職をする人が多いことが分かります。
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■平均年収、男女比、転職希望者の年齢
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約700,000人
■TOEIC(R)テストの点数、持っている資格
- 調査対象
- dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2019年7月~2020年6月
- 有効回答数
- 約310,000人
■転職後の職種、転職した人の年齢、転職回数
- 調査対象
- dodaエージェントサービスを利用して転職した
ビジネスパーソン
- 調査期間
- 2020年7月~2021年6月
- 有効回答数
- 約26,000人
■冬のボーナス・夏のボーナス、残業時間、年間休日
- 調査対象
- 20~59歳、正社員のビジネスパーソン
- 調査方法
- ネットリサーチ会社を利用した
インターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを
元に実施、doda会員登録は不問)
- 調査期間
- 2021年8月
- 有効回答数
- 15,000人