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【全100職種】あの職種とはどんな仕事?doda職種図鑑
営業

MRとはどんな職種? 仕事内容/年収/転職事情を解説

MRは医師や薬剤師の方々に医薬品情報を提供する仕事で、営業職の一種です。MRの仕事に興味はあるものの、「ほかの営業職と何が違うの?」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。本記事では、MRの種類や仕事内容、求められる能力・素質などについて解説していますので、MRへの転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

MRの仕事データ

収入

年収

717.5万円

「営業」系職種の平均年収は450.7万円

年間ボーナス

155.5万円

残業・休日

月間残業時間

13.7時間

年間休日

121.8

MRとは? 仕事内容は?

MRとは
①医師・薬剤師と接点をつくり医薬品情報を提供する仕事(価格交渉はできない)
②薬や医療に関する情報を継続的に学習する必要がある
③MRの活動を通して、間接的に人の健康や命に関わる医療に貢献できる

MRの読み方は「エムアール」で、「医療情報担当者」を意味する「Medical Representatives(メディカル・レプリゼンタティブ)」の略です。製薬会社などに所属し、医師や薬剤師などの医療関係者に対して医薬品の情報を提供することが主な仕事内容。扱う医薬品は医師が処方箋を出し、薬剤師が処方する「医療用医薬品」です。ドラッグストアやコンビニで購入できる「一般用医薬品」は扱いません。

顧客は一般病院や、大学病院、クリニック、調剤薬局などに所属する医師や薬剤師など。それらの顧客へ自社医薬品の適正使用や、医薬品の品質・有効性・安全性などの情報を提供します。それと同時に、顧客から医薬品の効果や副作用に関する情報をヒアリングし、自社の新薬開発担当にフィードバックするという重要な役割も担っています。

顧客と接点をつくり信頼関係を構築していく点は、ほかの営業職と共通していますが、商品である医薬品を直接販売することはありません。1991年の独占禁止法改正により、医療機関との価格交渉は医薬品卸売業者のみに限定され、MRは行えないためです。MRは医薬品卸売会社の営業(MS)と連携して営業活動を行います。

MRの種類

MRは所属企業や扱う領域などによって分類されることがあります。

所属企業による分類

MRには製薬会社に所属するMRと、コントラクトMRに大別できます。コントラクトMRとは、「CSO(Contract Sales Organization)」と呼ばれる医薬品の営業、マーケティングを専門に請け負う会社に所属するMRで、製薬会社に派遣されて営業活動を行います。

領域による分類

プライマリーMRとスペシャリティMRに大別できます。プライマリーMRとは、いわゆる「町のお医者さん」「かかりつけ医」と呼ばれる、風邪をひいたときや体調が悪いときに相談に乗ってくれる地域医療に関わるMRのことです。総合的な医療が求められるので、この領域のMRが扱う医薬品は幅広くなります。

一方、スペシャリティMRとは、がんや希少疾患、難病など特定の病気に関する領域を担当するMRです。大学病院などの専門医などが顧客になり、扱う医薬品は1~2品目程度に絞り込まれます。その分、各疾患や医薬品に対する高い専門性が求められます。

MRとMSの違い

MSの読み方は「エムエス」で、「Marketing Specialist(マーケティング・スペシャリスト)」の略であり、医薬品卸売会社の営業職です。

MRと異なるのは、医薬品の価格決定権の有無。どちらも商品は自社が取り扱う医療品・医薬品で、顧客が医療機関や調剤薬局の方々という点は同じです。ただし、MRは医薬品に関する情報の提供がメインの役割で、価格の交渉・決定の権限はありません。それに対して、MSは医薬品の安定供給がメインの役割なので、価格の交渉・決定が可能です。

立場は異なるものの、MRとMSはパートナーのような関係にあります。MRは自社製品の特徴をMSに伝え、MSは営業活動で収集した顧客のニーズをMRに伝えます。両者で製品に関する打ち合わせをしたり、顧客の下へいっしょに訪問したりすることもあります。

MRに求められる能力・素質

医療現場で専門性が高い方々と接するMRの仕事は、次のようなスキルや素質が求められます。

専門知識、学習力

MRの顧客は医師や薬剤師といった医療の専門家です。疾患や医薬品に対する深い専門知識を持っていなければ、信頼関係を構築するのは難しいといえます。医学・薬学は日々進歩するため、MRは医学、薬学、医療制度や関連法規、自社医薬品に関する知識や情報を常に学習し続ける必要があります。

周囲を巻き込む推進力

MRにとってまず重要なのは、顧客である医師や薬剤師、看護師などと接点をつくることです。そのために、社内のMSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、KAM(キーアカウントマネジャー)といった関係者と連携しながら戦略を練ります。このように、営業活動の中で多くの人々を巻き込みながら動かしていく力が必要です。また、医療現場の方々と限られた時間内でコミュニケーションを取り、情報提供をするスキルも重要になるでしょう。

分析力

営業活動の一つに「講演会」の企画・立案があります。この講演会は医師に登壇してもらい、自社の医薬品をPRしてもらうことでほかの医師への認知を高めることが狙いです。効果的な訴求をするためには、自身の担当エリアの課題を分析する必要があります。担当病院の医師が関心を持つような、地域のニーズに密着した企画を立案できるかどうかがカギになるといえるでしょう。また、現場での困り事について分析し、解決案を提供することもMRに期待されています。

MRのやりがい

専門性が高いだけに、MRはやりがいがある仕事です。特に人の健康や命が関わる医療に貢献できることに喜びを感じる方が多いようです。

自身が医師に提案した医薬品によって患者さんを救えると、医療に貢献できたことを実感できるでしょう。また、MRは医療現場から情報を収集して、自社の開発担当にフィードバックするのも大事な仕事です。それが医薬品の改良や新薬開発につながれば、今はまだ治療法がない患者さんを救える可能性もあるのです。

MRの厳しさ

やりがいを感じられる一方、もちろん厳しさもあります。

継続的な学習が必要

「MRに求められる能力・素質」で解説したように、医師から信頼を得られるレベルの知識が求められ、かつ最新情報を追い続ける必要があります。さらに医薬品や疾患以外にも、独占禁止法や「医療用医薬品プロモーションコード」という守るべき行動基準などの把握は不可欠。そのため、常に勉強し続ける努力が大切ですが、忙しい営業活動の中で勉強時間を捻出することに厳しさを感じる人もいるかもしれません。

転勤が多い

「MRは転勤が多い仕事」といわれます。特に大手の製薬会社は全国規模での転勤があります。製薬会社は全国に支店があり、戦略やキャリア形成の一環として人員配置を換えるためです。転勤頻度は5~10年に一度が目安といわれています。

転勤を望まない場合は、先述した「コントラクトMR」を目指すと良いかもしれません。CSOの正社員として派遣されるので、自分の意思で勤務地を選べるからです。

MRになるには? 未経験で転職できる?

MRの仕事に就くために必須の学歴や資格は限定されていませんが、求人の内容によっては資格が必要なケースがあります。未経験からMRに転職したい場合は、資格や経験の有無が関係するのか、募集要項をしっかりとチェックしましょう。

中でも製薬会社のMRへの転職は狭き門です。公益財団法人MR認定センターが発表した「2023年版MR白書」によると、2023年時点で製薬会社所属のMRの人数は減少傾向にあり、求人自体も減っていることが明らかになっています。一方、コントラクトMRの求人は継続的に求人がある状況です。未経験者の場合、まずはコントラクトMRにチャレンジしたほうが、転職の成功率は高いといえるでしょう。

MRへの転職に活かしやすい経験は、営業経験(関係構築力、課題解決能力)と医療系専門職(看護師、薬剤師など)の経験です。MRに必要な知識は就職してから学べるため、未経験でもMRを目指す道は開かれています。製薬会社などに入社した後には、業界が定めた共通カリキュラムによる「MR導入教育」を受講します。このMR導入教育で学ぶのは、医薬品の知識、医学や薬学、疾病の知識、関連法規などで、修了すると公益財団法人MR認定センターによる「MR認定試験」の受験資格が得られます。MR職に就いている方はほとんどがこのMR認定証を取得しています。

MRのキャリアパス

MRとしてキャリアアップしていくなら、マネジャー、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、MA(メディカルアフェアーズ)、KAM(キーアカウントマネジャー)、プロダクトマネジャーなどへ昇格する道があります。勤め先が大手の製薬会社なら、転勤をして営業所長や支店長などになることもあるでしょう。

MRから別の職種へキャリアチェンジする場合は、医療IT系企業の営業、医療人材系企業の営業、医療広告代理店の営業、医療機器メーカーの営業、医療コンサルティングなどで、MR経験を活かすことができます。

MRへの転職に役立つ関連コンテンツ

ここまでMRという職種の実態について解説してきました。自分がMRとして働く姿をより具体的にイメージできるようになったのではないでしょうか。

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MRの年収

平均年収

平均年収

717.5万円

「営業」系職種の平均年収は450.7万円

「MR」の平均年収は717.5万円で、「営業」系16職種中トップです。職種図鑑全体でも2番目に高い年収となっています。専門性が求められる仕事というだけでなく、医療従事者へのサポートを通じて多くの人の健康に寄与するという社会貢献性の高さも、年収の高さにつながっている要因といえるでしょう。

年収分布

  • この職種の平均
  • 「営業」系職種の平均
300万円
未満
2%
13%
300~400
万円未満
5%
31%
400~500
万円未満
13%
25%
500~600
万円未満
18%
14%
600~700
万円未満
16%
8%
700~800
万円未満
12%
4%
800~900
万円未満
10%
2%
900~1000
万円未満
7%
1%
1000万円
以上
18%
3%

最も多い年収帯は、1,000万円以上と500万円台が同じ18%、次いで600万円台が16%となっています。「MR」のように、年収分布の中で1,000万円以上の高年収帯の割合が最も高い職種は、職種図鑑全体でも4つしかありません。

年間ボーナス

年間ボーナス

155.5万円

夏のボーナス…74.1万円

冬のボーナス…81.4万円

「MR」の年間ボーナスは155.5万円で、「営業」系16職種中トップとなっています。

MRに転職した人はどんな人が多い?

転職年齢

転職年齢

31.8

「営業」系職種の平均年齢は30.0歳

  • この職種の平均
  • 「営業」系職種の平均
~24歳
13%
11%
25~29歳
41%
48%
30~34歳
21%
24%
35~39歳
9%
10%
40歳以上
16%
8%

「MR」に転職した人の平均年齢は31.8歳です。年齢の内訳を見ると最も多い年齢層は25~29歳で41%となっています。

前は何の仕事をしていた?

転職前の職種も同じ「MR」が37.8%で最多です。2位以下も同じ営業系が多い傾向が見られます。

何回目の転職だった?

はじめてだった人57% 2回目:20% 3回目:13% 4回目:7% 5回以上:4%

「MR」に転職したのがはじめてだった人が57%で最多となりました。

どんな資格を持っている?

順位

資格

割合

  • 1

    MR:Medical Representative(医薬情報担当者)

    23.5%

  • 2

    薬剤師

    2.5%

  • 3

    宅地建物取引士

    1.1%

  • 4

    医療経営士3級

    0.7%

  • 5

    登録販売者

    0.6%

「MR」になるために必須の資格はありませんが、MRのスキルを証明できる資格として、「MR:Medical Representative(医薬情報担当者)」を保有している人が多いことが分かりました。また、医薬品に関する専門知識があることを証明する「薬剤師」や、医療機関のマネジメントに役立つ資格「医療経営士3級」もランクインしています。 「医療経営士」は、医療機関において必要な医療に関する知識と経営能力を兼ね備えた人材であることを証明する資格です。医師だけでなく病院経営者とも会う機会があるMRにとっては、経営的視点を持っていることが役に立つ場面もあるでしょう。

TOEIC(R)スコアの平均は?

TOEIC

654.5

「MR」におけるTOEIC(R)受験者の平均点は654.5点で、「営業」系16職種中13番目です。

MRからの転職

次に就いたのはどんな仕事?

順位

職種

割合

  • 1

    MR

    24.6%

  • 2

    医療機器メーカーの営業

    14.5%

  • 3

    臨床開発関連

    10.1%

  • 4

    IT営業

    8.7%

  • 5

    学術/メディカルサイエンスリエゾン

    5.8%

「MR」の次に就いた職種も同じ「MR」が24.6%で最多ですが、同じ医療業界で異なる職種に転職するケースも少なくないようです。

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調査概要 ※記事中の割合データは、四捨五入の関係で合計値が100%にならない場合があります。

■平均年収、男女比、転職希望者の年齢

調査対象
dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
調査期間
2020年7月~2021年6月
有効回答数
約700,000人

■TOEIC(R)テストの点数、持っている資格

調査対象
dodaサービスに登録した
ビジネスパーソン
調査期間
2019年7月~2020年6月
有効回答数
約310,000人

■転職後の職種、転職した人の年齢、転職回数

調査対象
dodaエージェントサービスを利用して転職した
ビジネスパーソン
調査期間
2020年7月~2021年6月
有効回答数
約26,000人

■冬のボーナス・夏のボーナス、残業時間、年間休日

調査対象
20~59歳、正社員のビジネスパーソン
調査方法
ネットリサーチ会社を利用した
インターネット調査
(ネットリサーチ会社保有のデータベースを
元に実施、doda会員登録は不問)
調査期間
2021年8月
有効回答数
15,000人
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