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Web業界とは?IT業界との違いから職種・仕事内容・向いている人・平均年収などを解説

近年、インターネットサービスは急速に普及しましたが、「Web業界って何?」と聞かれたら、はっきりと分からない人もいるでしょう。Web業界とはどんなものなのか、BtoC、BtoB、提供するサービスや商品などで分かりやすく分類。業界としての将来性や特徴、IT業界との違い、さらにWebデザイナーやエンジニアをはじめどんな仕事があり、どんなスキルが必要なのか、詳しく解説します。

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Web業界とは

Web・インターネット業界とは「インターネットを介して世の中が便利になるサービスを提供し、対価をもらう」というビジネスを行っている業界です。現代に生きている人々のほとんどが毎日何かしらのサービスを利用しています。例えば次に挙げるものはWeb・インターネット業界の企業が提供しているサービスです。

・Webブラウザから気になる物事を検索して調べる

・SNSアプリを使って友人グループでチャットする

・アパレルブランドを扱うWebサイトから洋服を購入する

・サブスクリプションの動画サービスを使って映画を見る

・フリマアプリを使って不要なものを売る

Web・インターネット業界にはどんな特徴があるのか、IT業界との違いなどを確認していきましょう。

IT業界との違い

Web業界は「インターネットを介したサービスを提供する会社」、IT業界は「システムを提供する会社」という大まかな区分がありますが、密接な関係にあるのでまったく別ものとして整理することはできません。大ざっぱなイメージとしては、まずIT業界という情報技術、つまりIT(Information Technology)全般を扱う大きな枠組みがあります。その枠組みの中にはPCのソフトウェアを作ったり、会計システムのような企業で使う業務システムを作ったり、あるいはPCのパーツやネットワーク機器などのハードウェアを作ったりする分野があります。それと同列で、インターネットを介したWebサービスを作る分野があり、その業界のことを特に「Web業界」と呼んでいます。

業務システムを制作する会社がインターネット関連サービスも同時に提供するなど、IT業界とWeb業界の両方の要素を持つ企業もあります。Web業界はIT業界と重なる部分もあるのですが、Web業界で扱う製品やサービスはインターネット技術の利用が前提になることや、技術の進化やトレンドの変化が特に速いといった特徴があります。例えばWebサービスの制作と、工場の業務システムの制作では、その専門性や関連する職種は少し異なります。

Web業界に転職したいと希望している人は、「なんとなくWeb業界に行きたい」というところから一歩踏み込んで、自分が具体的にどのような企業のどんな業務をイメージしているのか整理してみましょう。

Web業界の将来性

Web業界は、1990年代半ばのWindows95 OSとYahoo!検索エンジンの登場により、Webサイトにインターネットを介してアクセスすることが急速に普及した歴史があります。その後、一般家庭でのインターネット常時接続や、携帯電話・スマートフォンの普及などで、人々の生活の中にインターネット利用が浸透していきました。それに伴い、Web業界の市場規模は年々拡大傾向にあり、『情報通信業基本調査』(総務省)の「インターネット附随サービス業の売上高」を見ると2013年度から2022年度の10年間で売上高は約1.8兆円から約4.3兆円まで伸びています。

Web業界の成長度

Web・インターネット業界の成長度

※出典:『2014年~2023年情報通信業基本調査』(総務省)より数値を抜粋し、体裁を加工して掲載

対象期間 売上高
2013年1.8兆円
2014年1.9兆円
2015年2.4兆円
2016年2.5兆円
2017年2.6兆円
2018年2.7兆円
2019年2.8兆円
2020年3.4兆円
2021年3.5兆円
2022年4.3兆円

近年では、クラウド技術の普及によってインターネットを使ったサービスの規模は急速に拡大しており、それと同時にWeb業界の需要もますます高まっています。具体的には、EC(eコマース)と呼ばれるインターネットを介した商取引や、企業によるデジタルマーケティングの推進、業務システムのオンライン化などが進んでいます。

SNSの普及や音声・動画コンテンツの増加などもWeb業界の需要を後押ししています。AI(人工知能)などの新しい技術を取り入れたWebサービスの誕生も期待されており、まだまだこれからの伸び代が大きい業界といえるでしょう。

Web・インターネット業界では「残業時間を減らしたい」という理由で転職を考える人も多いのですが、近年では働き方改革も進んでいます。残業時間の上限規制やコロナの影響でテレワークが進むなど、労働環境が変化しつつあり、多様な働き方をしやすい業界といえます。

※1)総務省「令和2年版 情報通信白書」インターネット附随サービス業の売上高

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Web・インターネット業界の4つの分類<事業内容や企業例を紹介>

Web・インターネット業界に属する企業を分かりやすく2つの軸で整理します。1つ目の軸は「誰に」提供するのか、2つ目の軸は「何を」提供するのか、です。

【誰に提供するのか】

■BtoC企業

「Business to Consumer」の略。サービスや商品を個人(消費者)向けに提供。個人と個人(個人商店含む)をつなぐCtoCのサービスもある

■BtoB企業

「Business to Business」の略。サービスや商品を企業向けに提供

【何を提供するのか】

■商品/コンテンツを提供

商品、製品、コンテンツなど、目に見える・形のあるものを提供

■サービスを提供

無形商材とも言われ、人と人、人とモノを結びつけるプラットフォームやシステムを提供

この2つの軸を組み合わせてWeb・インターネット業界を下記のように4タイプに分けてみました。この4タイプで販売方法やビジネスの仕組みが異なるため、転職活動をするときには、現在の勤め先と転職先の会社はそれぞれどのタイプにあてはまるのかを確認したうえで志望理由などを明確にしていくようにしましょう。

何を
商品/コンテンツ サービス
誰に BtoC
(CtoC)
〇事業会社
・ECサイト
(インターネット通販など)
・コンテンツ販売
(メディア記事/電子書籍など)
〇事業会社
・プラットフォーム
(SNS、ユーザー投稿サイトなど)
・マッチングサービス
(フリマアプリ/出前アプリなど)
BtoB 〇事業会社
・ECサイト
(インターネット通販)
〇制作会社
・Webサイト制作
〇代理店
・Web広告、Webマーケティング

商品/コンテンツを取り扱うBtoC企業

これらの企業は、一般消費者向けに有形のモノや電子書籍や動画などのコンテンツを販売するビジネスモデルを展開しています。自社で企画した商品を販売する場合もあれば、書店やデパートのような小売店として、魅力的な商品を仕入れてきて販売する場合もあります。

特にEC(Electronic commerce、eコマースとも)サイトと呼ばれる、インターネット通販サイトはWeb業界の中でも大きな売り上げを誇る一大産業です。

ジャンル 事業の内容 企業例(サービス名)
ECサイト 自社や他社の商品を
インターネット経由で販売。
他社商品を扱う場合、
小売りのように仕入れるタイプ、
多数の店が自由に出店し、
運営者が出店料をもらう
モールタイプなどがある
楽天、Amazon、
ZOZO(ZOZOTOWN)、
ヨドバシカメラ、
ユニクロなど
コンテンツ
販売
自社や他社のコンテンツ
(電子書籍、動画、ニュース記事など)を
課金に応じて
デジタル端末から配信する。
定額制(サブスクリプション)
モデルが増えている
Netflix、
Amazon(kindle)、Hulu、
NewsPicks

サービスを提供するBtoC企業

一般消費者向けのサービスを提供しているため、普段の生活で目にする機会も多く、身近な存在の企業です。プラットフォームとしてコミュニケーションの場を提供したり、顧客とモノをつないで手数料をもらったり、自社商材を持たない企業も多くあります。

特にSNSは今や誰しもが使うコミュニケーションツールとして莫大な数のユーザーを抱えています。SNS経由で販促活動を行うソーシャルコマースや、SNSのライブ動画配信機能を使って実演販売を行うライブコマースなど、新しいビジネスの成長が期待できる分野です。

ジャンル 事業の内容 企業例(サービス名)
プラット
フォーム
ユーザー
投稿サイト
ポータルサイト
個人のクチコミ投稿や、
多数の店舗の情報を
まとめることで
使いやすい情報を提供。
収益はユーザー課金や、
店舗からの掲載料、
広告掲載など
リクルート(ゼクシィ、SUUMO)、
カカクコム(食べログ)、
ZOZO(WEAR)など
SNS ソーシャル・ネットワーキング・
サービスの略。
個人同士の情報をシェアし、
コミュニケーションの場を
無料で提供する。
広告収入がメイン
Meta(Facebook、Instagram)、LINE、
ByteDance(TikTok)、
Google(Youtube)など
検索エンジン インターネット上で
物事を調べるときに
使用するシステム。
広告収入がメイン
Google、Yahoo! JAPANなど
AIチャット
サービス
AI(人工知能)を
搭載したチャットボットが
ユーザーの質問や
問い合わせに
自動的に回答する
サービス。月額制の
ユーザー課金が多い
OpenAI(ChatGPT)、
Google(Gemini)、
Claude(Anthropic)
ジャンル 事業の内容 企業例(サービス名)
マッチング・
シェアサービス
売る側と買う側のニーズを
結び付け、商品やサービスの
売買の場を提供。
個人間をつなぐCtoC、
企業間をつなぐBtoBもあり、
自社商品をシェアする場合も。
手数料で収入を
得ることが多い
メルカリ、Uber(Uber EATS)、
Airbnb、
タイムズ(タイムズカーシェア)など
アプリ ユーザーの生活を
便利にする機能を開発して、
スマホアプリなどで提供。
アプリ内でユーザーに
課金してもらうか
、広告掲載で収入を得る
ナビタイムジャパン(NAVITIME)、
Snap(Snapchat)、Moneytreeなど
E-ラーニング オンライン上での
講師による指導や、
学習動画・研修テキストの
販売で学習を支援。
他社の講座動画を
幅広く集めるなど
プラットフォーム型の
サービスもある
ネットラーニング、
ジャストシステム(スマイルゼミ)、
Schoo(スクー)など

商品/コンテンツを取り扱うBtoB企業

事業会社が企業向けにモノを提供するため、一般消費者にはなじみのないサービスかもしれません。顧客企業の事業拡大や業務改善につなげる商材が多く、BtoCに比べると市場規模も大きいのが特徴です。

ややIT業界寄りなので下の表には含めていませんが、近年ではSaaS(Software as a Service)と呼ばれる、ソフトウェアをインターネットのクラウド経由で提供するサービスも大きく拡大しています。名刺管理サービスのSansan、労務管理ソフトのSmartHRなどがよく知られています。

ジャンル 事業の内容 企業例(サービス名)
ECサイト 自社や他社の商品を
インターネット経由で販売。
他社商品を扱う場合、
小売りのように仕入れるタイプ、
多数の店が自由に出店し、
運営者が出店料をもらう
モールタイプなどがある
モノタロウ、
アスクル、
ニトムズ、
クスリバンク など

サービスを提供するBtoB企業

事業会社などから依頼を受けて、広告やアプリ、Webサイトなどの制作やWebマーケティングの代行を請け負う企業です。

日常生活では企業名こそあまり認知されていませんが、SNSやYouTubeに出ている広告を制作していたり、何げなく使っているWebサイトのデザインを担っていたりと、私たちの生活にも浸透しているサービスに関わっています。

ジャンル 事業の内容 企業例(サービス名)
Webサイト
制作会社
企業から依頼を受けて
Webサイトの新規制作や
リニューアル、
コンテンツ制作、
サイト運用などを行う
LIG、カヤック、
キノトロープなど
Webアプリ
制作会社
企業から依頼を受けて
Webアプリの制作を行う。
OSアップデートに伴う
調整業務もある
モンスター・ラボ、
ジェナ、フェンリルなど
Webマーケティング会社・
広告代理店
Webページや
スマホのアプリ内に表示される
バナーや
動画などの広告を扱う。
Webマーケティングに
対する
アドバイスや
代行業務なども行う
サイバーエージェント、
D.A.コンソーシアム、
オプトなど
プラットフォーム・
マッチングサービス
多数のBtoBツールの
情報をまとめたり、
業務委託やM&Aなどの

ニーズを結び付けるサービス。
成果報酬や手数料型など
Boxil、Itreview、
Batonz、earth keyなど

これまでにご紹介した分類以外にも、企業がどのように対価を得ているか、その仕組みを知っておくと、よりWeb・インターネット業界を深く理解できるでしょう。モノやサービスを相手に売ってその対価を直接得る以外にも、広告掲載料、マッチングの手数料、定額制サービスなどさまざまな形態があります。

Web業界の職種・仕事内容

Web・インターネット業界にはどんな職種があるのか、またどんなスキルが身につくのかをご紹介します。事業会社と制作会社、BtoBとBtoC、ECサイトやSNSなど、どこに属して誰向けにどんなWebサイトやwebアプリに携わっていたか、ということがあなたの専門性になりますので、転職活動で今までの棚卸しをする際に参考にしてみてください。

Webクリエイティブ職

商材やサービスを提供するためのWebサイト制作を担う職種は、総称してWebクリエイティブ職と呼ばれます。

■Webデザイナー

Webデザイナーは、Webサイトのデザインやレイアウトを作成します。Webサイトの使い勝手の向上だけでなく、集客アップや販売力アップ、情報の拡散といった、ビジネス課題を解決するための目的とターゲットに合わせたデザイン力が求められます。UI/UX(User Interface/User Experience)に関するデザインスキルに加えて、デザインツールを使いこなすスキルや、Webページを構成するためのHTML/CSSによるコーディングの知識が必要です。

■Webプロデューサー

Webサイト制作において、企画立案から予算管理、人員配置など、全体を統括するのがWebプロデューサーです。クライアントやWebサイトのユーザーのニーズを把握し、それに応じた戦略を立案、遂行します。企画力やマーケティングの知識、チーム管理およびプロジェクト管理のスキルが必要です。

■Webディレクター

Webディレクターは、Webサイトの制作現場においてデザイナーやコーダーなどのメンバーをまとめ、Webプロデューサーが立案した計画に沿ってプロジェクトの進行や品質の管理を行います。案件の規模によってはWebプロデューサーの役割を兼務することもあります。コミュニケーション力やプロジェクト管理のスキルに加えて、チームメンバーに的確な指示を与えるためのデザインや開発に関する知識も求められます。

■アートディレクター

Webサイトの制作におけるデザイン要素全般のビジュアル面を統括するのがアートディレクターです。Webサイト全体に共通するデザインのコンセプトを明確にした上で、それをチームメンバー全員の共通認識として浸透させるのがアートディレクターの役割です。そのためのデザイン力やコンセプトの提案力、チーム管理能力などが求められます。

■UI/UXデザイナー

UI/UXデザイナーは、Webサイトにおけるユーザーの操作性と体験に関する専門家として、見やすく使いやすいWebサイトのデザインや設計を担当します。Webサイトを訪問するユーザーの目的を把握し、その目的を達成するためにどのような導線を用意するべきなのかを考えます。あるいは、Webサイトの提供者がユーザーに何をさせたいのかを考慮して、自然にそこに誘導するのもUI/UXデザイナーに求められるデザイン力のひとつです。

Webクリエイティブ職の平均年収や残業時間などは以下の記事もご参照ください。

デザイナー/クリエイター(出版/広告/Web/映像関連)とはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説

プロデューサー/ディレクター/プランナー(出版/広告/Web/映像関連)とはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説

Webエンジニア職

商材やサービスを提供するために、Webサイトやスマホアプリのシステム開発を担う職種は、総称してWebエンジニア職と呼ばれます。

■フロントエンドエンジニア

WebサイトやWebサービスにおいて、ユーザーが直接触れる部分を「フロントエンド」、ユーザーの目に触れないサーバー側のシステム部分を「バックエンド(またはサーバーサイド)」と呼びます。

フロントエンドエンジニアはそのフロントエンドの開発を担当し、HTML、CSS、JavaScriptなどを使用してWebサイトの見た目や操作性をコーディングで実現します。職種としてはプログラマーの一種にあたり、JavaScriptを中心としたプログラミングのスキルが必須ですが、それに加えてUI/UXに関する知識も求められます。また、Webサイトを構成するプログラムの多くはサーバー側のプログラムと連携して動作するようになっているため、インターネットの通信に関する知識も必要です。

フロントエンドエンジニアとは?仕事内容や必要なスキルを解説

■バックエンドエンジニア

WebサイトやWebサービスにおいて、バックエンド部分のシステムの開発や運用、保守を担当するのがバックエンドエンジニアです。サーバーサイドエンジニアとも呼ばれます。主な仕事はサーバー側で動作するプログラムの開発であり、そのためにJavaやPHP、Python、Rubyなどといったプログラミング言語のスキルが必要です。

それに加えて、ネットワークやデータベース、サーバーなどのインフラ構築および保守の知識が求められることもあります。最近では、サーバーサイドはクラウドサービスを利用して構築されていることが多いため、クラウドに関する知識が必要とされることも増えています。

バックエンドエンジニアとは?仕事内容やスキル、なるためのキャリアプランなどを解説

■モバイルアプリケーションエンジニア

スマートフォンやタブレットを中心としたモバイルデバイス向けのアプリやサービスを開発するのがモバイルアプリケーションエンジニアです。iPhone・iPadやAndroidなど、OSごとのアプリの開発スキルが必須なことに加えて、ユーザーが快適に利用できる機能やデザインを実現するためのUI/UXの知識も必要です。また、モバイルアプリケーションの開発ではサーバー側のシステムもセットで構築することもあるため、その場合はバックエンドエンジニアとしてのスキルも求められます。

Webエンジニア職の平均年収や残業時間などは以下の記事もご参照ください。

Webエンジニアとはどんな職種?仕事内容/給料/転職事情を解説

バックオフィス/営業/マーケター職 

Web・インターネット企業の事務・法務・総務などのバックオフィス職、営業職やマーケター職はほかの業界と業務内容自体はさほど変わりません。

ただし、営業やマーケティング職ではSNSの活用やデジタルマーケティングなど新しい手法の経験や理解があれば大きな強みになるでしょう。

平均年収や残業時間などもっと詳しく職種を知りたいなら

IT営業とはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

編集/記者/ライター(出版/広告/Web)とはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

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Web業界の平均年収

Web業界に就職した場合、どの程度の年収を期待できるのでしょうか。dodaの2023年度の「業種分類別の平均年収ランキング」では、Web業界と比較的近い分類にあたる「インターネット/広告/メディア」の平均年収は423万円となっています。全業種の平均年収が414万円なので、それよりは高額ですが、突出して高いというわけではありません。ただし、Webエンジニア職に近い分類である「IT/通信」の平均年収は446万円で、他業種と比べて高い水準にある点にも注目しましょう。

業種別の平均年収

業種 平均年収
金融469万円
メーカー466万円
総合商社464万円
IT/通信446万円
建設/プラント/不動産432万円
専門商社424万円
インターネット/広告/メディア423万円
メディカル408万円
サービス377万円
小売/外食359万円

職種・職業分類別の平均年収ランキング」では、「スマホアプリ/ネイティブアプリ系エンジニア」は461万円、「サーバーエンジニア」は454万円、「Webディレクター/Webプロデューサー/Webプランナー」は447万円と、比較的高年収です。一方で「Webサービスエンジニア」は424万円と平均的であり、「Webデザイナー」や「Web編集/Webコンテンツ企画」といったWebクリエイティブ職は360万円前後となっており、Webに携わる職種でもそれぞれ年収にも差があります。

職種別の平均年収

業種 平均年収(全体)
スマホアプリ/ネイティブアプリ系エンジニア461万円
サーバーエンジニア454万円
Webディレクター/Webプロデューサー/Webプランナー447万円
Webサービスエンジニア424万円
Webデザイナー360万円
Web編集/Webコンテンツ企画357万円

一般的には、エンジニア職のほうが年収は高くなる傾向にありますが、その一方でWebクリエイティブ職の年収は男女の差が小さいという特徴があります。また、クリエイティブ職でもWebディレクターやWebプロデューサーといったチームを率いる立場になれば比較的高い年収が期待できます。

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未経験からWeb業界へ転職を目指す人のよくある質問

Q.未経験でもWebデザイナーやWebエンジニアに転職できますか?

A.
企業は基本的に実務経験を評価することが多いため、未経験からの転職を考える場合は在職中になんらかの対策を取っておくのがベターでしょう。

まずは基礎知識を独学した上で、自主制作物を用意できると、スキルや自走できる姿勢がアピールしやすくなります。特に、Webデザイナーなどのクリエイター職の転職活動では、ポートフォリオ(今まで担当した案件をまとめた資料)を求められることがほとんどです。 エンジニア職の場合でも、ポートフォリオという形式での提出は求められないものの、普段どのような自己研鑽を行っているかはチェックされることが多く、具体的なアウトプットがあると説得力が増します。

転職成功に近づくポートフォリオの作り方|自己紹介や実績などの例文・見本も紹介

エンジニアの転職にポートフォリオは必要?ポイントや事例をご紹介

Q.Web制作会社から事業会社への転職を希望しています。難しいでしょうか?

A.
事業会社のWebデザイナーやエンジニアは多くの人が応募する人気の職種です。しかし、採用枠は狭く、即戦力かどうかが重視される傾向にあるため、難易度は高いといえます。とはいえ、制作会社で担当した案件を通じて得た業界知識や実務経験が、応募先の企業で求められるものと一致すれば、有利に進むかもしれません。また、事業会社では社内交渉が多いため、スキルだけでなくカルチャーマッチを重視する企業もあります。ぜひあきらめずに応募してみましょう。

Q.Webデザイナーから職種を替えたいです。ハードルは高いでしょうか?

A.
WebデザイナーからいきなりWebプロデューサーやWebサイト企画などの上流工程を目指すのは、かなり難しく現実的ではありません。しかし、「Webデザイナーだったが、一部のディレクションも任されていた」といった経験は実績に考慮されることもあります。そのような経験がない場合は、現在の職場で少しでもディレクションに携わるか、まずはWebデザイナーとして転職し、転職先の企業でディレクションや企画の経験を積んでなりたい職種を目指しましょう。

Q.Web業界向けの志望動機を書くコツはありますか?

A.
Web業界の中でも、一般消費者向けの製品やサービスを提供するBtoC企業と、企業向けの製品やサービスを提供するBtoB企業では、求められる人物像が少し異なる点に注意が必要です。

BtoC企業を目指す人によくある傾向としては、特定のWebサイトやWebサービスが好きで、それに関わる仕事がしたいというものがあります。それ自体はいい動機なのですが、開発・提供する側の立場では、一人のファンとしてではなく、ユーザー全体のことを考えた第三者の視点が必要です。

BtoB企業を目指す場合には、その会社が提供しているサービスの特性をよく理解することが重要です。例えば、一口にBtoBサービスといっても、会計システムのように業界を問わず横断的に使われるサービスもあれば、特定の業界を対象としてそれに特化した専門的な機能を提供するサービスもあります。そこで、自分が誰をサポートしたいのか、なぜそのサービスを提供したいのかなどを明確に説明できるようにしておくのがいいでしょう。

Webエンジニアの志望動機の書き方を解説 経験者と未経験者それぞれの例文も紹介

Webデザイナーなどクリエイティブ職の志望動機の例文サンプル

Web業界に向いている人

Web業界で仕事をするのに向いているのはどのようなタイプの人でしょうか。Web業界に関わる職種にはさまざまなものがあるので、一概にどういったタイプが向いていると断言はできません。そこで、ここでは特定の職種に限らない一般的な特徴を3つ紹介します。

学習意欲が高く、積極性がある

Web業界は技術の進歩が極めて速いという特徴があります。そのため、Web業界で働くには、新しい知識やスキルを率先して学び、実践していく姿勢が重要になります。デザインのトレンドも急速に移り変わっていくため、常に最新の市場動向に目を向け、製品やサービスに取り入れていくことが大切です。そのような積極性がある人は、Web業界で成果を残すことができるでしょう。

柔軟な対応ができる

Web業界では、プロジェクトの進行中でも、クライアントの要望や市場の状況に応じて頻繁に変更や調整が発生します。そういった状況の変化に柔軟に対応して、最適な解決策を見つけ出す能力は、Web業界では非常に役に立ちます。また、既存のやり方に固執せず、技術の変化やトレンドに応じて新しい手法やアプローチを積極的に採用する柔軟性も重要です。

ユーザー志向で考えられる

WebサイトやWebサービスでは、最終的にエンドユーザーの満足度がプロジェクトの成功を左右します。そのため、常にユーザー目線を持ち、そこにあるニーズや課題を正しく理解した上で、使いやすさや利便性を考慮した設計や開発ができることが重要になります。その一方で、ただユーザーの満足を追求するだけでなく、ビジネスとして成功させるための視点も必要です。企業の目標や利益を考慮し、コストやリソースを最適化しながら、ユーザーとビジネスの双方に価値をもたらすバランス感覚が求められます。

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Web業界は人材不足が見込まれる成長産業

Web業界の市場規模は年々拡大しており、採用も今後長期的に伸びていく可能性が高いといえます。コロナなどの影響により一時的に市場が縮小したとしても、メーカー企業などがDX(デジタルトランスフォーメーション)を背景に、Web経由の販路開拓や、Webサービスの開始、デジタルマーケティングに取り組む流れが止まることはないでしょう。

今後のトレンドとしては、SNSやマルチメディアコンテンツの分野が引き続き業界の成長を牽引していくと考えられます。ソーシャルコマースやライブコマースといった販路の拡大に加えて、動画広告などのマルチメディアコンテンツの制作に関わる中途採用のニーズも増えています。また、AI技術の急速な進化に伴って、各種サービスにAIを統合する動きも加速しています。そのような最新技術を素早く取り入れ、製品やサービスに活用していく瞬発力が重要になっていくでしょう。

働き方の面では、リモートワークや副業ができる求人もあり、多様性が高いというのがWeb業界の特徴です。専門性を求められる業界であることから、実務経験が重要視されることも多いので、Web業界への転職を目指す場合はこれまで担当したプロジェクトや業務を棚卸ししておくことが大切です。

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まとめ

この記事では、Web業界の企業分類や、主な職種とそこで求められるスキル、平均年収やどのような人が向いているかなどについても取り上げました。Web業界は今後も市場規模の拡大が期待されており、求人市場での人気も高いですが、非常に幅広い職種が関わる業界なので未経験者にとってはキャリアを見極めにくいという悩みもあります。

もしWeb業界での仕事やキャリアプランで悩みや疑問点がある場合にはdodaエージェントサービスにご相談ください。Web業界における求人の市場動向などの情報提供や、具体的な求人探し、面接対策など、就職活動のお手伝いをいたします。

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この記事の監修者

dodaキャリアアドバイザー・富田 理久(とみた・りく)

ITパスポート

2021年にパーソルキャリア株式会社に新卒入社。キャリアアドバイザーとして主に転職を考えているIT系職種の方々の転職活動などをのサポートを行う。SIer、コンサルティングファーム、社内SEなどを中心に、累計100人以上の転職成功を支援した実績がある。法人営業と共に求人企業との打ち合わせに同席し、人事部門だけでなくエンジニア部門の方々とも会話する機会も多いため、各社のシステム環境や技術的な強みも把握している。

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