35歳のエンジニア、転職市場では何を見られる?
35歳といえば、働き始めてから積み上げてきたキャリアが活かせるようになり、仕事においての自信や達成感などが感じられる年齢でもあります。一方で、次のステージを目指して転職も視野に入れると、「本当に転職できるのか」と不安を感じてしまう方も多いと思います。
転職成功者の年齢をdodaが調査したデータで以下のとおりで、年代ごとの比率は20代後半が最も多いものの、30代後半、40代以上の方も少なくありません。また、いわゆるITエンジニアに相当する「IT/通信系エンジニア」の傾向は、「転職成功者全体」と比べても大きな差はなく、総論でいえば年代だけで転職を諦めるのは早計といえます。
転職成功者の年代別割合
- 24歳以下
- 25〜29歳
- 30〜34歳
- 35〜39歳
- 40歳以上
出典:doda「転職成功者の平均年齢調査【2023年版】」
では、転職を成功させている方に共通している特徴とは何なのか? 具体的に見ていきましょう。
- 転職後にも活かせるスキルと経験がある
- 自分の今の技術に固執せず、新しい技術を学び、変化を前向きに捉える柔軟な姿勢がある
- 仕事に対する意識が高く、何事にも積極的に取り組む熱意がある
つまり、自分自身を客観的に見つめ、変化の速いIT業界に対応できる柔軟な姿勢と成長意欲があるかどうかを見られています。
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履歴書を作成する(無料)35歳のエンジニアが転職で求められること
35歳のエンジニアの転職では、ITの基礎知識やプログラミングスキルは当然として、年齢に見合ったプラスアルファのスキルを求められることも少なくありません。企業も、「35歳であればこのようなスキルも持っている人が欲しい」という具体的な希望があるケースが多く、それに見合うだけのスキルがあるかどうかが重要視されます。では、35歳で転職するエンジニアはどのようなスキルを求められるのか、具体的な例をご紹介しましょう。
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、簡単に言うと「よい人間関係を築くために必要な能力や技術」のことです。1つのプロジェクトを円滑に進めるためには、チーム内の人間関係を良好に保つためのコミュニケーションに加え、顧客の要望のヒアリングやトラブル発生時の交渉など、課題解決力や説明力なども必要になります。
エンジニアとして10年以上の経験があれば、このようなチームを率いるリーダーとしてのスキルも求められるようになります。対外的な「言動」「行動」に責任を持ち、会社・顧客・IT業界といった社会への影響まで考えられる力が必要です。エンジニアとして35歳からの転職を視野に入れている人は、リーダーシップやプレゼンテーション・コミュニケーションといったヒューマンスキルを磨きましょう。
マネジメントスキル
マネジメントスキルとは、物・人・時間・組織といった対象物を管理する能力のことを言います。エンジニアの仕事では、1つのプロジェクトを実行する際にチーム体制を構築し、仕事の進捗とチームメンバーを管理し、円滑に仕事を進めるために必要な能力です。
35歳のエンジニアには、管理職やマネージャーなどの役職経験者や、役職がなくてもチームリーダーとしてマネジメントした経験など、マネジメントスキルを求められることが多くなります。エンジニアとしての基礎的なスキルにマネジメントスキルを加えて、35歳の転職を有利に進めましょう。
IT系資格
IT系の資格を持っていることも、35歳のエンジニアが転職する際に大きく役立ちます。ITパスポートや基本情報技術者といった基礎レベルの資格だけでなく、より高度な資格を取得しているとベターでしょう。
シスコ技術者認定資格CCNA/CCNP
シスコシステムズ社が主催する民間資格。即戦力があることを証明できる世界共通の資格で、実際にシスコのネットワークシステムを使用しなくても、ネットワークエンジニアとして優れた知識と技術があることを示せる。
高度情報処理技術者(レベル4)
IPA(情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験の最上位資格。レベル3までの資格と異なり、データベーススペシャリスト、プロジェクトマネージャ、システムアーキテクトなど、特定の職種・領域に応じた資格が複数存在し、スペシャリストとしての実力が認定される。
情報処理安全確保支援士
同じくIPAによる、情報セキュリティ分野の技術スペシャリストであることを証明する国家資格。取得者は比較的多いとされるものの、情報処理技術者試験のレベル4と同等の難度となっている。
AWS認定
代表的なクラウドの一つであるAWSに関する知識やスキルを認定する民間資格。複数のカテゴリ、レベルに分かれており、「AWS認定ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)」「AWS認定DevOpsエンジニア(プロフェッショナル)」を取得している求職者も多い。
LPIC
サーバー用OSとしてポピュラーなLinuxを扱う技術者としての実力を示す民間資格。レベルは3段階で、上位資格を取得するためには下位資格から順に取得していく必要がある。取得者も多く、企業からも評価を受けやすい傾向がある。
このようなIT系の上位資格があると、応募先企業にエンジニアとしての能力をアピールしやすくなります。自分の得意分野でIT系資格を取得し、転職へ向けた準備をしていきましょう。
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履歴書を作成する(無料)転職先企業を選ぶ際のポイント
35歳のエンジニアが転職する際には、ポイントを押さえて転職先を選ぶことが大切です。どのようなことに気をつければよいか、具体的なポイントをご紹介します。
情報収集は念入りに
転職する企業を選ぶときは、念入りに情報収集して応募するかどうかを判断してください。 できればその企業で働いた経験がある人から話が聞けるとよいのですが、自分で集めた情報だけでは不安がある場合は、転職エージェントに相談する方法もあります。dodaエージェントサービスでは、ITエンジニア専任のキャリアアドバイザーが独自の情報やアドバイスをお伝えしますので、困ったときはぜひ相談してみてください。
年収にこだわりすぎない
30代半ばになると、家のローンや教育費などの支出も増え、「今の年収を維持したい」と考える人も多いでしょう。特に、エンジニアとして長年勤めていると、相応の年収をもらっている人も多いと思います。だからといって、「絶対に○○万以上で」と給与だけで決めてしまうと、選べる企業の選択肢が狭まってしまうことも。
転職直後は収入が一時的に下がったとしても、会社の成長性やキャリアパスによっては、将来的に収入がアップする可能性もあります。生涯年収を考えると、転職したほうが前職を超えられる可能性もあるかもしれません。直近の収入だけではなく、長期的なスパンで考えてみてください。
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履歴書を作成する(無料)小田部 大輝(こたべ・ひろき)
新卒でウェディングプランナーを4年経験した後、パーソルキャリア株式会社に入社。現在はキャリアアドバイザーとしてIT領域の方々を中心に支援を行う。一人ひとりの状況や感情に寄り添ったサポートを得意とする。また、自分自身の転職経験も踏まえ、転職活動のリアルなアドバイスや転職を希望する方々と同じ目線に立ってのフィードバックなどを通じて伴走することを心がけている。
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