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メルカリのシリアルアントレプレナー
松本が語る!
~新規事業立ち上げのプロセス~

株式会社メルカリ・松本龍祐

[index]
メルカリのシリアルアントレプレナー松本が語る!~新規事業立ち上げのプロセス~(2016.7.25)

ユーザーの意見は基本取り入れない。サービス開発からローンチまでのプロセス

新規事業立ち上げに最適なチームをつくる

何をつくるかが固まれば、次は実際にサービスづくりに着手する段階に入ります。ポイントは、新規事業を立ち上げる際のチームの人数は、極力少ない方が良いということ。具体的に言うと、デスクが1つの島で収まり、全員の顔を見渡せるような人数であることです。これを越えてしまうと急激にコミュニケーションコストが上がってしまいます。また、開発途中の議論は全員でする一方で、最終的な決断を下す人間は1人であるべきだと思います。複数の人が意思決定に介在すると、軸がブレて良いサービスにならない場合が多いからです。

サービスをつくりながら新たに見えてくる課題も多く、開発の過程では行き詰まる場面も多々あります。でも、それは当然のこと。分からないことを手探りで、誰よりもいち早くやるからこそ、新規事業なのです。途中で変更点が生じ、実際に作業をするメンバーにしわ寄せが行くこともあります。そのような場面でも「より良いサービスにするためには仕方ないよね」と言い合えるような、互いに遠慮せずに意見交換できる環境を整えておくことが非常に重要です。

サービスを改善する

よく質問されるのが「どこまでユーザーの意見を取り入れるべきか」という点。私のスタンスは「基本的には取り入れない」です。ユーザーインタビューをすると「こういう機能が欲しい」「こんなボタンがあったら」などの意見はよく出ますが、その機能を実際に追加したところで、使われない可能性が非常に高いからです。単にそのサービスを見てもらうのではなく、「この機能に対してユーザーはどのような反応をするか」「使いやすいと感じるか」など、あらかじめ自分たちで仮説を立てて、それを検証する機会がユーザーインタビューだと考えています。

「メルカリ アッテ」の場合、ユーザーインタビューをしたときに、「どう使うのか分かりづらい」という声をいくつか受けました。実は、それは開発メンバーも自分たちで使ってみた際にもやもやと感じていたことであり、ユーザーインタビューを経て、はっきりとした危機感になりました。さまざまな検討を重ねた末に、UIのファーストビューを大きく変更。結果的に、それが開発段階におけるブレークスルーだったと振り返って思います。

サービスをローンチする

そして、いよいよ実際にサービスをローンチする段階になるわけですが、ローンチというのは往々にして予定より遅れがちです。その際に、「絶対に押さえるべきポイント」は何かを意識しながら、サービスをぎりぎりまで削ぎ落としていくという作業が重要で、これはサービス責任者の大きな仕事と言えます。公開を急ぐあまり、サービスの根幹が損なわれる状態になっては、出す意味がありません。サービスに満足してもらえるぎりぎりの範囲がどこかをしっかりと見極めることが、ローンチにおける最重要点だと思います。

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