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C#/.NET開発者が、いま押さえておきたい
Visual Studioアプリ開発のトレンド
日本マイクロソフト株式会社・井上 章
[index] C#/.NET開発者が、いま押さえておきたいVisual Studioアプリ開発のトレンド
- アプリケーション開発に求められている「Mobile first, Cloud first」という考え
- Visual Studio 2017のメリット① 開発の生産性を高める新機能
- Visual Studio 2017のメリット② Any developer, Any app, Any platformを体現するクロスプラットフォーム開発
- Visual Studio 2017のメリット③ C#の活躍の幅を広げる.NET Core
Visual Studio 2017のメリット③ C#の活躍の幅を広げる.NET Core
macOSやLinuxにも対応する「.NET Core」
Xamarinのベースは.NETの互換ライブラリですが、.NETも今、大きく変わってきています。最新の.NET Framework 4.6では、例えばWindows Formsのアプリケーション開発や、WPF(Windows Presentation Foundation)のアプリケーション開発、あるいはWebのフレームワークであるASP.NETを使った開発が、これまで通り行えます。こちらはWindowsのみの対応です。
これに加えて、もう一つ新しい.NETが出てきています。それが.NET Coreで、今までの.NET Frameworkとは別のものになります。.NET Coreのポイントは、Windowsだけでなく、LinuxやMacにも対応している点です。
例えばASP.NET Coreというフレームワークを使って、Linux上で、ASP.NETを用いたWebのアプリケーションをホスティングし運用する、ということもできます。これまではC#を使って.NETでWebのアプリケーションを作る際には、それを実際に展開する先であるWindowsサーバやAzure Web AppsのWindows版などで、アプリケーションを展開していく必要がありました。しかし新しい.NET Coreを使えば、LinuxのサーバやApacheサーバであっても、あるいはどうしてもLinuxしか使えないといった環境でも、C#の知識や.NETの知識をそのまま活かして開発を行えます。つまり、新しい言語をわざわざ覚えなくても、C#を使って、ASP.NETを使うことで、Linuxなどでもアプリケーションの運用が可能になるということ。これは大きなメリットと言えます。
加えて、今ご紹介した.NET Coreでは、新しいライブラリ、ランタイムのもとで、例えばLinux上で動くASP.NETアプリケーションなどを作ることができるようになりました。また、これとは別に、今まで通りの.NET Frameworkもあります。いろいろなアプリケーションモデルを、C#の知識を活かした上で作ることができるということ。これが今の.NETの全体構成になります。
.NETの今後
.NETは互換とはいえ、実装されているAPAレベルはまちまちで、ソースコードの共通化は容易と言えないのが現状です。そこで現在、それぞれのアプリケーションモデルに対して、ベースライブラリの部分を共通化していく動きが進んでいます。今後は、さまざまなプラットフォーム向けのベースとなるライブラリの開発なども、ソースコードを共通した上で、部品化をして再利用できるでしょう。
先ほど、Mobile CenterではCI/CDの自動のビルドができるというお話をしました。チーム開発をより突き詰めていった場合、Visual Studio Team Servicesを使って、ソースコードの管理や自動ビルド、自動テスト、さらにAzureなどへの自動的なデプロイなど、すべてを管理できます。開発が大規模になるほど、こうしたVisual Studio Team Servicesなどをうまく使っていくことが、今後の皆さんのC# /.NETをベースとした開発の中でより重要になってくると言えます。
今のトレンドとして開発スタイルも大きく変わってきています。さまざまなデベロッパーの方がコラボレーションをして開発することが増えています。例えばMacでXamarinを使った開発をする方もいれば、Windows上で今まで通りのVisual Studioで開発する方もいる。これらを、Gitをベースにしてソースコード管理を行い、自動ビルドや自動テストなどを実施しながら、自動的にアプリケーションを配置していく、という流れです。配置先としては、Azureなどのアプリケーションプラットフォームもあれば、AndroidやiOSのデバイスもあります。また、ストアに直接配置をして、お客さまに使っていただける状況に持っていくこともできます。
Visual Studio Mobile Centerでご紹介したように、動作環境やお客さまの使用状況をロギング、モニタリングし、かつクラッシュレポートなどをしっかりと解析しながら、次の開発サイクルへと回していく。こうした開発スタイルをより意識をした上で、幅広い技術や知識を習得していくことが、今後皆さんが開発をされる際のもう一つの重要なポイントになると考えられます。
Visual Studioは、皆さまの開発をいろいろな形でサポートするツールになっています。WindowsだけでなくMacでも使えます。また、より軽快に使えるVisual Studio Codeも出てきています。開発を助けるMobile Centerや、さらに、チーム開発に使えるVisual Studio Team Servicesもあります。
こうしたVisual Studioのファミリーを活用し、Xamarinを使うことで、今必要とされているAndroidやiOS向けのアプリケーション開発に、皆さんのC#/.NETなどのナレッジをぜひ活かしていただければと思います。
<doda編集後記>
今回のセミナーでは、直接エバンジェリストから話を聞くことができる貴重な機会だったこともあり、会場では真剣にメモを取る来場者が多かったです。講演終了後の懇談会では「今回の講演を聞いて、新しい技術にチャレンジをしていくことは、自分の開発者としてのキャリアアップにもつながるのだなと感じた」という言葉や「新しい開発環境にチャレンジすることで、エンジニアとしての活躍の幅を広げたい」などの感想を聞くことができました。今回の講演が、参加者自身のエンジニアのキャリアについて改めて考えるきっかけになったようです。
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