カジュアル面談とは
はじめに、カジュアル面談の特徴や実施する目的・方法について解説します。
カジュアル面談とは、「転職希望者と企業が気軽にお互いのことを知れる場」を指します。一般的には、転職希望者が求人に応募するかどうか確定していない段階で行われます。
カジュアル面談を行う企業は、SaaSなどの自社サービスを持っていて、成長期に入っているベンチャー企業に多い傾向があります。エンジニアやデザイナーなど、求人ニーズが高く採用難易度の高いIT系の職種を中心に実施されています。
採用面接は選考を目的としているため、緊張感のなか企業側が応募者に質問をします。一方でカジュアル面談は、親交を深めてお互いを知ることを目的としています。したがって、通常の採用面接よりもリラックスした雰囲気のなかで行われるのが普通です。
求職者側は企業に対して応募後には聞けないような質問ができ、企業側は求職者に会社の理念や社風など自社の魅力をアピールできるほか、どのような人材を求めているのかを伝えることもできます。
カジュアル面談の担当者
カジュアル面談を担当する人は、企業によって変わります。現場の開発環境や技術寄りの話などはエンジニアでないと分からないことも多いため、一般的にはエンジニアが担当することが多いですが、企業によっては人事が担当することもあります。また、人員が少ないベンチャー企業などであれば社長や広報が担当するケースもあります。
カジュアル面談の実施方法
カジュアル面談の形式も企業によって異なります。カフェやホテルのラウンジでの面談やSkypeやZoomでのオンライン面談、オフィスの見学も兼ねた会社内での面談など、実施する場所もさまざまです。
また、カジュアル面談を実施するフェーズも一様ではなく、書類選考よりも前の段階で選考とは別物と位置づけていることが多いですが、こちらも企業によって幅があります。ある程度選考が進んだ段階で希望者のみに実施するケースや、履歴書や職務経歴書を必須とし、選考の一部であると明示しているケースもあります。
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簡単3分!合格診断に申し込む(無料)カジュアル面談のメリット
カジュアル面談のメリットについて、求職者側と企業側に分けてそれぞれ解説していきます。
求職者側のメリット
求職者側の主なメリットは以下の3点です。
応募企業や求人の理解が深まる
求職者側のメリットとして、応募企業や求人への理解を深められることが挙げられます。カジュアル面談では、求職者側は気になっていることを面談担当者に気軽に質問できます。社風やどのような人材を求めているのかなどを把握することで、自分が企業に対して抱いていたイメージとギャップがないかを確認できます。
また、カジュアル面談を通して自身の希望も明確になることも多いため、その後の転職活動がよりスムーズに進められるでしょう。
適切なアピールを盛り込んだ志望動機を作れる
適切なアピールを盛り込んだ志望動機を作れる点もメリットの一つです。カジュアル面談の際には、企業側から「どのような会社で、どのような人材を求めているのか」の説明がある場合がほとんどです。その情報を基に、企業の目に留まる自己アピールをしてみましょう。
マッチしなかったとしても有益な情報を聞くことができる
カジュアル面談では、同じ業界や他企業の話を聞けたり自身のキャリアについてのアドバイスをもらったりなど、有益な情報を聞ける可能性が高いです。仮にカジュアル面談を行った企業がマッチしなくても、自身のキャリアや働き方を見直すきっかけとなり、その後の転職活動に大いに役立つでしょう。
企業側のメリット
企業側が通常の選考フローよりも手間や時間をかけてカジュアル面談を実施するのは、主に以下のようなメリットを期待しているためです。
さまざまな経歴の求職者とつながることができる
企業側は、求職者との接点を増やすことができます。多くの求職者とつながっておくことで、人材が集めやすくなり、より精度の高い採用活動を行えるようになります。
採用時のミスマッチを防げる
カジュアル面談を通して企業側と求職者側の双方の理解が深まるため、採用時のミスマッチが起こりにくくなります。選考前の段階でお互いの希望や求職の際に重視していることを共有すれば、仕事内容の認識や価値観のズレを減らすことができ、結果的に早期退職のリスクも低くなります。求職者としても、入社後のギャップを減らすことにつながります。
将来的な応募や紹介につながる可能性がある
現時点で募集を行っていなくても、カジュアル面談を通じて会社に魅力を感じてもらえれば、将来ポジションに空きが出たときの採用につながる可能性があります。また、求職者とつながっておくことで、条件にマッチした知人を紹介してもらえるケースもあるでしょう。そのため、直接採用につながらなくても情報提供の場として実施している場合があります。
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簡単3分!合格診断に申し込む(無料)カジュアル面談への参加の仕方
カジュアル面談を実施している企業は徐々に増加しているものの、比較的新しい手法であり、実施していない企業も多くあるのが現状です。
カジュアル面談を導入している場合は、以下のような方法で参加できます。
- コーポレートサイトの採用ページから申し込む
- ビジネスSNSや人材サービスを通じて申し込む
- イベントなどでコネクションを作り申し込む
カジュアル面談の募集方法は企業によって異なり、コーポレートサイトやSNSでカジュアル面談の申し込みを受け付けている企業もあれば、転職サイトを通して募集している企業もあります。
また、カジュアル面談の募集がされていなくても、興味のある企業の採用ページやSNSからメッセージを送ってカジュアル面談を希望するケースや、イベントで知り合った方を通じてそのままカジュアル面談に進むケースもあります。
そのほかにも、企業や転職エージェント経由でカジュアル面談を提案されるケースもあります。
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簡単3分!合格診断に申し込む(無料)カジュアル面談の事前準備
カジュアル面談だからといって、何も準備しないで臨むのは望ましくありません。求職者と企業の双方にとって、無駄な時間となってしまうおそれがあります。
少なからず興味を持った企業・求人であるはずなので、事前にできる限りの準備は進めておきましょう。自身が転職で重視するポイントを決めておくことも大切です。
1. 自身の経歴・強みを整理しておく
カジュアル面談の際には、求職者自身のことについて必ず質問されます。そのため、自身のキャリアや大まかな志向性などは事前にまとめておきましょう。事前に整理することで、自身の強みや経歴を効果的にアピールできます。面談では、企業側の理念や社風、どのような人材を求めているのかなどを確認した上で、自身のキャリアや志向性との一致点を探すようにしましょう。
2. 企業の情報について詳細に調べる
企業情報については事前に詳しく調べておく必要があります。企業が求職者に対して求めるスキルや経験と、自分自身の経歴やスキルセットの差分を理解しておくことで、そのギャップをどう埋めていくかが明確になります。
また、事前に企業情報を収集しておけば、カジュアル面談を通して、企業に対する理解がより深まります。その際新たに疑問点が出てきたら、質問するようにしましょう。
3. 企業について知りたいこと・質問したいことを整理しておく
企業情報を調べている段階で企業の何を知りたいのか、質問事項を整理しておきましょう。
また、企業によってはカジュアル面談を選考の一部と位置付けている場合もあるため、面談の際に応募書類を求められるケースもまれに発生します。その場合は、書類の準備も別途進めておきましょう。
4. 興味を持った理由について回答できるように準備しておく
カジュアル面談では、「なぜその企業に対して興味を持ったのか」聞かれる可能性が高いため、スムーズに答えられるように準備しておきましょう。
通常の面接のような志望動機は不要ですが、興味を持った理由については明確に回答できると好印象を与えられます。加えて「自分はこういうことがしたい」という転職後の目標を具体的に伝えられると、双方のミスマッチを防げます。
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簡単3分!合格診断に申し込む(無料)カジュアル面談の服装
カジュアル面談の服装は、多くの企業が指定をしておらず私服でも問題ない場合が多いです。
明確な決まりはないためスーツを着用しなくても問題はありませんが、Tシャツやパーカなどラフすぎる格好や派手な服装は、担当者に不快感を与えてしまうおそれがあります。ビジネスカジュアルと呼ばれるジャケットや襟付きシャツ・ポロシャツなどを選ぶのが良いでしょう。
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簡単3分!合格診断に申し込む(無料)カジュアル面談での話す内容
カジュアル面談の具体的な内容について説明します。
企業側からよく説明されること
企業側からは、企業の特徴や部署の説明が多いです。企業の基本情報や経営理念・仕事内容などに加えて企業が抱えている課題、どのような人材を求めているのかなど、説明の内容は多岐にわたります。
企業側からよく質問されること
企業側からの質問で多いのが、現在の仕事に就いた理由や求職者の転職活動の温度感、転職活動をしている理由などです。担当者の立場からすると、求職者の現在の状況や、転職活動をしている理由はとくに気になる部分でしょう。
また、求職者のキャリアプランやスキルアップについてもよく質問されます。企業側が求めているスキルを求職者は持っているのか、またどのようなキャリアプランを描いているのか把握するのが狙いです。そのほか、スキル向上に対しての意識や、スキルアップのために日ごろ行っている行動などを聞かれることもあります。
説明・質問の割合は企業の目的によって異なる
企業側の説明と質問の割合は、企業がカジュアル面談を行う目的によって変わってきます。たとえば、簡単な選考を目的に含んでいるカジュアル面談であれば、企業から求職者への質問が多くなります。
求職者側から質問すると良いこと
求職者側からは、以下のような質問をすると企業や仕事内容についての理解が深まります。
説明が不十分だった箇所や疑問に思ったこと
企業側の説明を聞いて、十分に理解できなかったことや疑問に思ったことを質問しましょう。企業側は、経営理念や事業内容・募集に関する説明など幅広く行うため、それぞれの内容についてあまり時間を割けないことが多いです。
限られた時間で聞きたい情報を収集するためにもカジュアル面談を実施する前の段階で、企業に関する基本情報は調べておきましょう。
社内の情報共有のやり方
社内での情報共有の方法についても面談で質問しておけば、実際に働くイメージがつかみやすくなります。どの程度オープンな雰囲気なのか、何のツールを利用して情報共有を行っているのかなど事前に聞いておきましょう。
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簡単3分!合格診断に申し込む(無料)カジュアル面談実施後の対応
カジュアル面談実施後の対応も非常に重要です。「面接を受けませんか?」という選考の案内があった場合と、なかった場合の対応について説明します。
カジュアル面談後に選考の案内があった場合
カジュアル面談後、選考に関する案内があった場合は通常の選考と同様に、案内に従って選考フローを進めてください。カジュアル面談の際に得た情報をもとに、企業と自身の強み・スキルの合致点を志望動機でアピールすると効果的です。
もしカジュアル面談を受けてみて、その企業に対して興味がわかなかった場合は、メールや電話で辞退する旨をていねいに伝えましょう。
カジュアル面談後に選考の案内がなかった場合
カジュアル面談後に選考の案内がなかった場合は、募集しているポジションと自身のスキル・経験がマッチしていなかった可能性があります。選考の案内がないことは残念ですが、別の企業に転職した後に仕事でつながるケースもあるため、最後まで真摯に対応しましょう。
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簡単3分!合格診断に申し込む(無料)カジュアル面談の注意点
カジュアル面談での注意点について説明します。
基本的なビジネスマナーを心がけて、最低限の準備は行っておく
カジュアル面談は選考を目的としない場合が多いですが、ビジネスパーソン同士の対話の場です。カジュアル面談に臨む際には、一人の社会人として、基本的なビジネスマナーを心がけて対応しましょう。
通常の選考ほど入念な準備をする必要はありませんが、事前に企業情報や自身の転職状況・経歴やスキルについて整理しておくと、有意義な場となります。
振る舞いや受け答えに注意する
カジュアル面談後に選考へ進む場合は、カジュアル面談での情報や印象は選考担当者へ必ず引き継がれます。そのため、相手に失礼にならないような振る舞いや受け答えを意識して面談に臨みましょう。
オンラインでカジュアル面談を行う際の注意点
オンラインでカジュアル面談を行う場合は、確認したいことをメモ書きで用意しておくこともできますが、目線がメモに向きすぎると会話が不自然になるので要注意です。服装については、ジャケットや襟付きシャツ・ポロシャツなどで臨むのが適しています。
カジュアル面談だからといって身だしなみや言葉遣いがラフにならないよう、お互いに気持ちよく対話ができるように心がけましょう。
今、転職できる可能性がある企業は?
簡単3分!合格診断に申し込む(無料)まとめ
カジュアル面談は、求職者と企業の双方にさまざまなメリットがあります。求職者側は応募企業や求人への理解が深まり、自身が納得のいく企業や自分にマッチした企業を探しやすくなります。企業側にとっても、エンジニアのように求人倍率の高い職種に対してリーチする機会が作れ、自社を知ってもらえたり、興味を持ってもらえるというメリットがあります。
カジュアル面談は選考ではないケースが多いですが、そのまま面接に進むこともあります。そのため、応募前に情報を直接得られる貴重な場として活用しましょう。基本的なビジネスマナーを意識するのはもちろん、事前に企業についての情報収集や自分の経歴・スキルについて整理しておくことが大切です。
dodaでは、求職者が希望する職種や業種でカジュアル面談を実施している企業があるかどうかの情報や、カジュアル面談を希望したら応じてもらえるかどうかなど、dodaキャリアアドバイザーを通じて確認できますのでエージェントサービスの活用をご検討ください。
今、転職できる可能性がある企業は?
簡単3分!合格診断に申し込む(無料)松沢 雄生(まつざわ・ゆうき)
前職では金融業界で個人向け営業を担当。その後、より個人の人生に寄り添いたいという思いから、パーソルキャリア株式会社に入社。入社以来、IT領域専門のキャリアアドバイザーとして、アプリエンジニア、ITコンサルタントの方を中心に、年間300人以上の転職支援を行う。近年では、DX化を推進する事業会社のシステム部門における採用支援業務にも携わっており、累計200社以上の人材採用の要件定義・求人作成も行っている。
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