転職・求人DODAエンジニア IT/トップ > 転職情報・成功ガイド > 三年予測 > 起業家兼エンジェル投資家 鎌田富久 氏
掲載日:2014.6.2
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三年予測ートップリーダーと考えるエンジニアの未来ー


「人間を理解する」ということ

鎌田は、自らが支援するベンチャーに共通するビジョンを掲げている。「人間をより理解して人間を支援し、地球をより理解して環境を良くする」というものだ。
「次の10年、いい製品を作ったり、いいUIを作ったりする上での基本は、人間を理解すること。本質的なブレイクスルーを起こすには、ゲノム(遺伝情報)を理解したり、脳の情報処理を理解したり、機械学習のノウハウを蓄積したりと、今までとは違うアプローチが必要だ。人間がどうやって思考しているのかを理解して、サービスやUIを考えると、今の延長上にはないものが出てくると思っている」。
例えば、「Mynd」は機械学習の要素を取り入れたニュースアプリだ。それも、ユーザーが関心を持つであろうニュースが流れてくるだけでなく、1日ごとに貯めて「見直す」という概念を取り入れた。
「今の世の中では、情報がどんどん流れていく。見た気がするが、頭に残らないし、賢くなった気がしない。情報を消化する、見直して記憶に深く留めるプロセスが働きにくい」。
ただニュースを選んで表示するだけでなく、人間の脳が行っている学習の仕組みを前提に大量のニュースを「食べる」だけでなく、「消化する」ことで知識とする仕組みを模索しているのだ。

「やるなら早い方がいい」

日本には長期投資を手がけるエンジェル投資家はほとんどいない。ベンチャー投資家の多くは、数年といった短期間でのリターンを求める。鎌田はその反対の路線を選んだ。時間がかかりそうな、しかし世の中にインパクトを与える可能性があるテーマに集中している。
「日本では特に、時間がかかるものはお金が集まらない。だから私は、他がやらなさそうなところをやります」。
そして、こう続ける。「効率が悪いつもりでやっています」。最初にリスクを負う役割を引き受け、可能性を育てようとしているのだ。
「Googleの設立のときSun Microsystems共同創業者のアンディ・ベクトルシャイムがお金を出したように、成功者が次の世代の企業家を支援するサイクルを作りたい」と語る。
支援先に出す条件は「途中でやめない」ことだ。「エンジェル投資家の一番のリスクは投資先がやめちゃうこと。粘っていればチャンスは訪れる。やめさえしなければ、投資分はなんとでもなる。起業家本人も、自分が時間を費やした分ぐらいは回収できるようになる」。
つまり、エンジェル投資には「そんなにリスクはない」と言い切るのだ。「大成功は狙ってできるものではないが、ヒットは練習で打てるようになる」。
東京大学でゲストとして講義をすることもあり、ベンチャーに興味がある若者と出会う機会も多い。「みんな、『いつやるか』で迷う。2年間ベンチャー支援をやってきて確信を持って言えることがある。やるなら早い方がいい」。
「早い方がいい」理由の一つは、「時間が経つほど、リスクは増える」からだ。家族ができればリスクを負うのにためらうようになる。会社で経験を積めば、そこから離れにくいしがらみもできる。それなら、「失敗したとき、リカバリーできる時間があった方がいい。どうせ失敗はするから(笑)。早く始めた方がいい」。
もう一つの理由は、「若いときの方が頭がいい」からだ。「若い人は、『経験を積んでから起業しよう』と考えがち。だが、脳細胞が最も活発に動き、体力があるのはやはり20代」と言うのだ。
「今は、能力がある人なら少々のことで食いっぱぐれることはない。若いときの方がリスクも取れるし、体力も時間もある。ベンチャーを起業するのもいいし、ジョインしてもいい。だから、やるなら早い方がいい」

小さな企業、個人の力が増す時代へ

長期的な視野でベンチャーを支援する背景には、これからの社会ではベンチャー企業の重要性が増すとの思いがある。
「若い人は変化に敏感で、大企業に入るだけが道じゃないと思い始めている。小さな企業でやりたいことをやって、社会の役に立つ、そういう選択肢が可能になってきた」。
そして、時代の転換期には、小さな企業や個人の力が重要になるだろうと考えている。
「大企業に人が集まるスタイルは、20世紀後半に大量生産、大量消費で資本が大型化した方が効率よく成長できた時代には良かった。だが、今では人材の歯車化や階層組織の弊害が顕著になってきた。200年、300年といった範囲でみれば、大企業に人が集まるのは特殊な形態だったということになるだろう。小さなチームや個人が自立して力を持ち、必要なときには連携して大きなパワーを生み出すというスタイルが、社会のあり方としていいのではないか」
日本のトップクラスの頭脳が集まるベンチャー企業10社を支援する鎌田は、こうした時代の変化を感じ取っているのだ。
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