PHPとは
PHPは、主にWeb開発に使われているオープンソースのスクリプト言語です。スクリプト言語の正確な定義は存在しませんが、コンパイル不要で実行できることが多く、比較的構文がシンプルな言語とされています。ほかのスクリプト言語としては、RubyやPython、JavaScriptなどが挙げられます。
またPHPは、値やオブジェクトの型の検証を実行時に行う、動的型付けのプログラミング言語です。プログラムの記述の自由度が高く、同じ処理内容を複数の方法で記述できるなどのメリットがあります。Webアプリケーション開発に活用しやすいフレームワークが豊富なことも魅力でしょう。
PHPのフレームワーク
プログラミング言語のフレームワークとは、Webアプリケーションやシステムを開発するうえで、共通して必要になる機能をあらかじめまとめておいた、アプリケーションの枠組みとなるものです。PHPにも、LaravelやCakePHP、Codeigniter、などさまざまなフレームワークが存在します。
フレームワークを利用することで、作業効率の改善が見込まれるほか、コードの統一性も高まります。しかし、フレームワークを使いこなすには、PHPの言語の理解と合わせて、フレームワーク自体の知識が欠かせません。
ここでは一例として、PHPのフレームワークの中でも高い人気を誇るLaravelをご紹介します。
Laravel
Laravelは、大規模なWeb開発向けに作られたPHPのフレームワーク「Symfony」を基に作成されました。インメモリデータベースの一つであるRedisなどのサポート機能もあり、サーバー台数を増やして処理性能を向上させる水平スケーリング(スケールアウト)がしやすいフレームワークです。また、データが適切な形式で入力されたかどうかを確認するバリデーション機能が標準で使用できるほか、豊富なパッケージが用意されており、認証などのセキュリティ機能も利用できます。
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転職タイプ診断を受けてみる(無料)PHPでできることの例
次に、PHPでできることや、PHPが活用されるシステムについて説明します。PHPは、Web開発の様々な場面で活用されています。例えば、ECサイトの構築、CMSの作成、業務システムの作成などです。
PHPがWeb開発で使用される理由は、主に2点挙げられます。
① Web開発向けのフレームワークが豊富
② 文法がシンプルであり、初心者にとって学びやすい
PHPは利用者が多く、書籍やインターネット上の参考情報を検索しやすいため、プログラミング初心者や、これからWeb開発を開始したい人にとって、学習しやすい言語といえるでしょう。
ECサイトの構築
PHPは、ECサイトの構築に多く活用されています。ECサイトに必要となる機能群を開発するのに、PHPのWeb開発向けのフレームワークが利用しやすいためです。ECサイトに必要となる機能としては、ログイン機能や、商品を保持するためのショッピングカート機能、商品を購入する際の決済機能、お気に入りの商品を登録する機能などが挙げられます。
CMSの作成やWebコンテンツ制作
CMS(コンテンツマネジメントシステム)とは、Webコンテンツを簡単に制作、管理、運用するためのシステムを指します。WordPressがその代表例です。WordPressはPHPを中心に実装されているため、カスタマイズを行う際にはPHPの知識が必要となります。WordPress内で動的なコンテンツを制作する場合も同様です。
業務システムの作成
PHPは、勤怠管理や顧客管理、在庫管理、販売管理などを行う業務システムの作成にも使われます。
業務システムに必要な機能としては、各種情報の登録・編集・削除機能や、登録されている情報を閲覧できる機能などが挙げられます。これらは、Web開発でも必要になる機能でもあることから、LaravelやCakePHPなどPHPのWeb開発向けのフレームワークを活用できます。
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転職タイプ診断を受けてみる(無料)PHPエンジニアの需要
次に、PHPエンジニアの需要について触れていきます。
PHPとプログラミング言語別の利用状況について
GitHubが発表したGitHub内でのプログラミング言語別利用ランキングによると、PHPは、2014年にはJavaScriptやJavaに次ぐ3位でしたが、2015年から2018年には4位、2021年には6位まで順位を落としています。その主な理由として、ほかのプログラミング言語の利用が増えてきていることが挙げられます。
2014年時点ではPHPより下位にあったプログラミング言語のうち、2021年現在、PHPより上位にあるのはPython、TypeScript、C#です。
Pythonは人工知能の領域で広く利用されています。TypeScriptは、JavaScriptとの互換性が高く、大規模アプリケーション開発で多く利用されるようになりました。C#はゲーム開発やVR開発において高い需要があります。
人工知能やVR開発などの市場が拡大している状況下で、このようなプログラミング言語の利用が増えていると考えられます。PHPはその影響を受けて少し勢いは衰えているものの、まだまだ幅広く利用されており、今後も一定以上のシェアを維持することでしょう。
今後のPHPエンジニアの需要
前述したGitHubのランキングでは順位を落としているものの、PHPで作成されたWebアプリケーションは依然として多く存在し、ただちにすべてのWebアプリケーションがほかの言語に置き換わるわけではありません。PHPのまま機能拡張を進めつつ、同時に、技術的負債を増やさないために運用保守を行っていくというケースは当面残ることでしょう。そのため、システムの拡張性や保守性を考慮しながら開発を行えるPHPエンジニアは、引き続き需要が続くと予想されます。
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転職タイプ診断を受けてみる(無料)PHPエンジニアに求められるスキル
次に、PHPエンジニアに求められるスキルについて紹介します。
オブジェクト指向の理解
PHPにはバージョンアップとともに開発に役立つ機能が追加されており、PHP5以降から強化されたオブジェクト指向の機能もその一つです。オブジェクト指向とは、プログラムの設計や実装の考え方の一つで、データや処理手順をオブジェクトという単位でまとめます。関連する変数やメソッドを1つのオブジェクト内でまとめて管理しやすい点がメリットです。
PHPに限らず、オブジェクト指向の言語を使って効率的に開発を進めるためにはオブジェクト指向の理解が必要となるケースがあります。オブジェクト指向の基本概念となる、クラス、メソッド、プロパティ、インスタンス、カプセル化、抽象化、継承、ポリモーフィズムから理解していきましょう。
PHPのフレームワークの理解
先ほど説明したように、PHPには、Webアプリケーション開発に活用できるさまざまなフレームワークが存在します。これらを利用することで、ソースコードの記述量が減り、開発スピードの向上が図れます。
PHPのフレームワークの詳細な仕組みについては理解していなくても開発できてしまいますが、レベルの高いエンジニアとして活躍するには仕組みを理解する必要があります。
フレームワークの仕組みを理解しながら、Webアプリケーションを開発・運用していくことで、大規模なWebアプリ開発や、開発スピードと保守性の高い状態の維持ができます。
コード品質を考慮したコーディング技術
PHPは記述の自由度の高いプログラミング言語です。そのため、PHPを用いてWebアプリケーションを動作させるだけであれば、プログラミングスキルの差は表れにくい場合もあります。
しかし、保守性や拡張性、可読性といったコードの品質を考慮したコーディングをする場合に、エンジニアのプログラミングスキルや経験値の差が明確に出てきます。保守性や拡張性に対する意識は、特に運用・保守フェーズに入ったシステムで求められます。保守性や拡張性が低い場合、ソースコードを変更するためのコストが膨大になってしまうリスクがあります。そのためPHPエンジニアには、例えば、共通のロジックを切り出しておくことで改修時の修正箇所を少なくする、定数をハードコーディングしないなど、保守性や拡張性を高く保つスキルが求められます。
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転職タイプ診断を受けてみる(無料)まとめ
PHPエンジニアは、PHPを用いて主にWebアプリケーション開発を行うエンジニアです。PHPは、Web開発向けのフレームワークが豊富であることから、ECサイトやCMSの作成にも活用されます。文法がシンプルなため初心者でも学びやすいプログラミング言語である一方で、保守性や拡張性は、PHPエンジニアのスキルに左右されるため、これらの観点を意識することが大切です。
これからWeb開発に携わりたい方や、初心者でも学びやすいプログラミング言語の習得を考えている方は、PHPの学習を検討してみてはいかがでしょうか。
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