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SaaS業界とは?特徴や将来性、代表的な企業一覧を紹介

SaaS業界とは?特徴や将来性、代表的な企業一覧を紹介

SaaS(Software as a Service)は、インターネット経由で利用できるソフトウェアサービスであり、今やビジネスの現場に欠かせない存在となっています。多くの企業でクラウドサービスの導入が進む中で、SaaS業界での仕事について興味がある人も多いのではないでしょうか。

この記事では、SaaS業界にはどのような特徴があり、その将来性や、代表的な企業、どのような職種があるのかなどを分かりやすく紹介します。また、どういったタイプの人が向いているのか、転職先を選ぶ際にチェックするべきポイントなども解説します。

SaaS業界への就職に興味がある人はぜひ参考にしてください。

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SaaS業界とは?特徴・具体例を解説

ソフトウェアの機能をクラウド上で提供するサービスを総称して「SaaS(Software as a Service)」と呼びます。「SaaS業界」は、SaaSの開発や提供を行う企業が属する業界を指しています。

SaaS業界の大きな特徴は、ソフトウェアをパッケージとして販売するのではなく、ベースとなるシステムをクラウド上に展開して、Webブラウザや専用アプリを通じてユーザーに提供するという点です。

この仕組みの場合、ソフトウェアのメンテナンスやバージョン管理は提供企業がクラウド上で一括で行うため、ユーザーは個別にソフトウェアを管理する必要がなく、常に最新の機能を利用できるというメリットがあります。

多くの場合、SaaS業界におけるサービスの課金体系はサブスクリプションモデルを採用しています。ユーザーは定期的に利用料金を支払い、継続的にサービスを利用できます。パッケージソフトウェアのような一度きりの購入ではないため、提供企業と顧客が長期的な関係を築くことを前提とした収益モデルが適しています。

提供企業は、長期間にわたって定期的に収益を得る代わりに、アップデートや新機能の提供を継続的に行うことになります。

SaaS業界の具体例としては次のようなサービスが挙げられます。

サービス 提供企業 概要
Microsoft 365 Microsoft Corporation Word、Excel、Outlookなどを含むオフィススイートのSaaS版。
Google Workspace Google LLC Gmail、Google Drive、Google Docsなどの業務支援ツールやオフィススイートをクラウドで提供。
Salesforce Salesforce, Inc 営業支援やマーケティング支援の機能を備えたクラウド型のCRM(顧客管理)サービス。
freee フリー株式会社 法人・個人事業主向けの、会計・人事労務支援サービス。
Shopify Shopify, Inc. オンラインストア構築・運営を支援するEコマース向けサービス。

SaaS業界とIT業界の違い

ビジネスモデルの違い

SaaS業界もIT業界の一部ではありますが、一般的にイメージされるSIerなどの企業が所属する業界とは、サービス形態やビジネスモデルなどに大きな違いがあります。

IT業界全体では、ソフトウェアやサービスの提供形態にはさまざまなものがあり、パッケージ販売やオンプレミス型(自社導入型)、カスタム開発なども含まれます。それに対してSaaS業界は、ソフトウェアをクラウド上で提供することに特化しており、ユーザーはインターネット経由でそれを利用します。

従って企業の収益モデルにも大きな違いがあり、一般的なIT業界がパッケージの販売や、システムの開発費、初期導入費、保守・運用費などを中心として収益を得るのに対して、SaaS業界では月額や年額で料金が決まるサブスクリプションモデルや、利用量に応じた従量課金モデルが広く採用されています。

このようなサービスの特徴や収益モデルの違いから、SaaS業界は対応の柔軟性やスピード感が求められる業界になります。そのため、SaaS業界では特にクラウド上のインフラ管理や、Webアプリケーション開発、モバイルアプリ開発、UI/UX設計、カスタマーサクセスなどのスキルが重視される傾向があります。

SaaS業界の人材に求められる職種やスキル、特徴は「SaaS業界にはどんな職種がある?」「SaaS業界に向いている人の特徴4つ」で後述します。

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SaaS業界には将来性がある!その理由とは?

クラウド技術の発展とともに急速に成長してきたSaaS業界ですが、その勢いは衰えず、今後も高い将来性がある分野だとされています。その主な理由を、3つのポイントで解説します。

①市場規模が拡大している

SaaS市場は世界的に拡大傾向にあり、その存在感は年々高まっています。近年では、多くの企業がオンプレミス型からクラウド型への移行を進めており、その中でもSaaSは導入の容易さや初期コストの低さから、中小企業から大企業まで幅広い需要があります。

総務省による「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」によると、2021年時点の世界のパブリッククラウドサービス市場規模は4,106億ドルであり、それが2024年には6,794億ドル、2026年には9,152億ドルに達すると予測されています。SaaSはそのうちの3分の1以上を占めており、2026年には3,283億ドルに達するという予測になっています。

なお、より新しいデータによる米ガートナー社のレポート「Gartner Forecasts Worldwide Public Cloud End-User Spending to Surpass $675 Billion in 2024」では、2024年のクラウドサービスの市場規模を6,754億ドルとしているので、総務省の予測が大きく外れていないことが分かります。

このように、SaaS業界は今後も大きな成長が期待されている分野であり、将来性は極めて高いといえます。

令和5年版 情報通信白書|クラウドサービス|総務省

Gartner Forecasts Worldwide Public Cloud End-User Spending to Surpass $675 Billion in 2024

②サブスクリプション型の提供で売り上げの安定化が期待できる

SaaS業界の特徴として取り上げたように、多くのSaaSはサブスクリプション型の料金モデルで提供されています。このモデルは、定期的かつ継続的な収益を見込めることが大きな利点です。

一括購入型のビジネスと異なり、契約が継続される限り安定したキャッシュフローを得られるため、収益の予測が立てやすく、長期的な計画の下で経営ができます。投資家や金融市場からもこの収益構造が評価されており、SaaS企業への投資が活発であることも将来性を支えています。

③業務改善の取り組みが強化されている

現在、多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、業務の効率化や自動化に積極的に取り組んでいます。

その中心的な役割を果たすものとして注目されているのがSaaSです。手間のかかる業務をSaaSで自動化・効率化することにより、人手不足やコスト削減といった経営課題が解決できると期待されています。

例えば、会計、人事、営業、マーケティングなど、あらゆる分野に対応するSaaSが登場しており、業務フローを見直す契機となっています。こうした企業のニーズに応える形で、SaaS業界にはさらなる市場拡大と技術革新が見込まれます。

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代表的なSaas業界の企業一覧【国内・国外】

SaaS業界における代表的な企業と、それぞれが提供している主なサービスについて表にまとめました。

国内の代表的なSaaS企業は以下のとおりです。

企業名 主なサービス 主なサービスのカテゴリ
株式会社kubell Chatwork コラボレーション
Sansan株式会社 Sansan CRM、営業支援
サイボウズ株式会社 kintone CRM、営業支援
株式会社データX b→dash マーケティング、広告
フリー株式会社 freee 会計、財務
マネーフォワード株式会社 マネーフォワード 会計、財務
株式会社ラクス 楽楽精算、楽楽明細、楽楽販売 会計、財務
SmartHR株式会社 SmartHR 人事、労務、勤怠

海外の代表的なSaaS企業は以下のとおりです。

企業名 主なサービス 主なサービスのカテゴリ
Microsoft Corporation Microsoft 365, GitHub オフィススイート、コラボレーション、開発支援
Google LLC Google Workspace オフィススイート、コラボレーション
Zoom Video Communications, Inc. Zoom コラボレーション
Salesforce, Inc Salesforce, Slack CRM(顧客管理)、営業支援、マーケティング、コラボレーション
Adobe, Inc. Adobe Marketo Engage マーケティング、広告
Zendesk, Inc. Zendesk カスタマーサポート、ヘルプデスク
GitLab, Inc. GitLab 開発支援

これらの企業を、国内外別、主要サービスのカテゴリ別に図にまとめると次のようになります。

国内外別/カテゴリ別の主要SaaS企業

多くのSaaS企業は、特定のカテゴリや業種に対するサービスを主要プロダクトとして提供していますが、Microsoftのような巨大企業の場合、複数のカテゴリに対して横断的にさまざまなサービスを展開していることが多くなります。

また、ここでは取り上げていませんが、製造業向けや医療業界向けなど、特定の業界に特化してサービスを提供しているSaaS企業もあります。そのような企業は、対象とする業界の業務に関する独自のノウハウを築いているという強みがあります。

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SaaS業界にはどんな職種がある?

SaaS業界で仕事することを考えた場合、どのような職種があるのでしょうか。ここでは、SaaS業界における代表的な職種を紹介します。

エンジニア

SaaS業界の技術面を支えているのがエンジニアです。一口にエンジニアといっても、担当するシステムの内容によってさまざまな職種があります。

フロントエンドエンジニア

フロントエンドエンジニアは、SaaS製品のユーザーインターフェース(UI)部分を開発する職種です。ユーザーが実際に操作する画面部分について、使いやすいレイアウトや魅力的なデザインを設計し、コードに落とし込むのがフロントエンドエンジニアの役割です。

主にHTML、CSS、JavaScriptなどの言語・技術を使用して、Webブラウザ上で快適に動作する仕組みを構築します。一方、サーバ側のシステムと連携する「動的コンテンツ」を扱う場面も多いため、ネットワーク通信に関する知識も必要です。

動的コンテンツとは、例えばクチコミページやECサイトのレコメンド機能など、ユーザーのアクセス時間や閲覧履歴などの条件に応じて、表示される情報が自動で変化するコンテンツです。

ユーザーにSaaSを継続的に利用してもらうためには、「使いやすさ」は大きな評価基準であり、フロントエンドエンジニアは顧客満足度に直結する重要な役割を担います。

バックエンドエンジニア

バックエンドエンジニアは、SaaSの裏側で動作するサーバ側の処理の開発や運用を担当する職種です。サービス固有のビジネスルールや処理をコードとして実装できるよう、データベースとの連携、ユーザー認証、課金処理など、システムの中核を担う部分を構築します。

JavaやPHP、Python、Rubyといったプログラミング言語のスキルが必要なことに加えて、フロントエンドとの連携に使用するREST APIやGraphQLといった、データを受け渡す窓口となる技術の知識も求められます。

SaaS業界では、サービスが24時間365日稼働することが前提となるため、スケーラビリティ(拡張性)やセキュリティ、高速性に強い設計が求められます。また、マルチテナント構成(同じシステムを複数企業で共有する)や、ユーザーごとの権限設定など、SaaS特有のアーキテクチャ(システム全体の設計・構成)に関する知識も必要です。

クラウドエンジニア

SaaSを支えるクラウド上のインフラの設計や構築、運用を担当するのがクラウドエンジニアです。AWS、Google Cloud、Microsoft Azureなどのクラウドプラットフォームを活用して、サービスが安定かつスケーラブルに稼働するための基盤を整えます

SaaSではユーザー数の急な増減やアクセス集中が頻繁に発生します。そこでアクセスの増減に応じてサーバを自動で増設/縮小させる「自動スケーリング機能」や、障害時には別系統へ切り替えてサービスを停止させない「高可用性構成」などが特に重視されます。

これらの要件を満たすシステムを構築するには、クラウドの性能を最大限に活用する必要があるため、クラウドの仕組みに精通したエンジニアが求められます。

また、クラウドエンジニアには、運用の自動化、監視体制の構築、障害対応、セキュリティ対策の実装など、幅広い領域に関する知識も必要になります。クラウドエンジニアは、SaaSでは「24時間365日止まらないサービス」を実現するための要となる存在です。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、SaaSを利用するユーザーからの問い合わせ対応やトラブルシューティングを行う職種です。SaaSは利用開始のハードルが低い反面、設定や操作に不慣れなユーザーが多いため、ていねいで迅速なサポートが求められます。

主な対応内容は、利用方法の案内、エラー時の対処方法の提示、不具合の一次対応など、メール・チャット・電話など複数のチャネルを通じて行われます。

SaaS業界では、カスタマーサポートはユーザーの継続利用や解約防止に直結するため、事業成長に大きな影響を与える存在です。また、ユーザーの声を製品開発にフィードバックする役割もあり、サービス改善に貢献する重要なポジションでもあります。

Webデザイナー

SaaSの使いやすさを向上させるためには、エンジニアだけでなくWebデザイナーの存在も極めて重要です。SaaS業界では、WebデザイナーはサービスのUI設計やWebサイトのビジュアルデザインを担当します。サービスそのものの画面デザインだけでなく、マニュアルサイト、管理画面のUI、LP(ランディングページ)、新規顧客に向けたサービス紹介ページなどのデザインもWebデザイナーの仕事です。

SaaSでは、オンライン上でサービスの第一印象が決まるため、Webデザイナーの仕事は顧客の獲得や継続契約に直結する要素を多く含んでいます。そのため、単に使いやすさを追求するだけでなく、ブランドイメージの統一など、視覚表現を通じてプロダクトの魅力を伝えることも重要です。

マーケター

SaaSの認知拡大や利用促進を担うのはマーケターです。デジタル広告、SEO対策、SNSの運用、ウェビナーの開催、ホワイトペーパーの提供など、多様な手法を用いて顧客を集め、リード(見込み客)を獲得することがマーケターの主なミッションとなります。

SaaS業界では、ユーザーがオンライン上でサービスを比較・選定する傾向が強いため、Web上での情報発信力は特に重要視されます。さらに、獲得したリードをスムーズに営業部門につなげる仕組み(マーケティングオートメーション)を構築したり、ユーザーがサービスを利用開始してから終了するまでにもたらす企業側の利益(顧客生涯価値)を高めたりするための施策を実施するのも、マーケターの重要な役割になります。

営業職

営業部門でも、技術的な専門知識を求められる職種があります。

プリセールス

プリセールスは、営業チームと連携しながらSaaS製品の技術的な提案や導入支援を行う職種です。顧客の課題をヒアリングし、自社サービスでどのように解決できるかを技術的観点から説明するのがプリセールスの役割です。具体的には、導入前のプレゼンテーションやデモ、PoC(概念実証)の実施、要件の整理、技術的な疑問への回答などを担当します。

プリセールスは、顧客が抱える技術的な課題を解決するための相談窓口として、顧客側のIT部門と細かな調整を行う必要があるため、技術的な知識とあわせてコミュニケーション能力も不可欠です。顧客の信頼を得るためのキーパーソンでもあり、SaaSビジネスの拡販を技術面から支えます。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、SaaSを契約した顧客が製品を継続的に活用し、最大限の成果を得られるように支援する職種です。初期の導入支援から、運用の定着、活用状況のモニタリング、定期的な提案やフォローアップまでを一貫して行い、顧客満足度を高めるのがカスタマーサクセスの役割です。

SaaSでは導入後の継続利用が売り上げの柱となるため、カスタマーサクセスの活動は事業の安定した成長に直結します。顧客からの要望を開発部門へフィードバックするなど、社内との連携も多く、プロダクト改善に寄与する役割も持ちます。

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SaaS業界に向いている人の特徴4つ

SaaS業界で働くには、どのようなタイプの人が向いているのでしょうか。一般的な特徴としては、次のような人がSaaS業界に向いているということができます。ただし、前述のようにSaaS業界にもさまざまな職種があるので、この特徴に当てはまらなくても転職するチャンスは十分にあります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

成長意欲が強い

SaaS業界は技術の進化が早く、使用するプログラミング言語やフレームワーク、ツール、インフラなどが日々変化しています。そのため、自ら学ぶ姿勢を持ち、最新技術への関心を持ち続ける人材が求められます。

資格の取得、勉強会への参加、技術ブログの執筆、オープンソース活動への参加など、自主的に活動してスキルアップを図る姿勢が、エンジニアとしての価値を高めることにつながります。こうした成長意欲がある人は、サービスの進化にも柔軟に対応して、長期的にキャリアを築くことができるでしょう。

主体的に課題を見つけて改善に向けて取り組める

SaaSの開発や運用では、ユーザーのフィードバックや利用状況の変化に応じて、迅速に不具合の解消や機能改善などを行う必要があります。

そのため、明確な指示がない中でも、「何が使いにくいのか」や「どこに無駄があるのか」といった問題点を見つけて、主体的に行動できる人が、価値のある人材とされます。自発的な課題発見力と行動力は、SaaSのスピード感ある開発環境で特に重視される資質です。

さまざまな変化にも適応できる

SaaS業界は技術トレンドの移り変わりが激しいのと同時に、顧客ニーズや競合環境の変化も頻繁に発生する分野です。サービスの方向性が短期間で見直されることもあり、開発チームもその都度柔軟な対応を迫られます。

そうした中で活躍できるのは、決まったやり方に固執せず、変化を前向きに受け入れて取り組める人です。例えば、仕様の急な変更やスケジュールの調整、使用する技術やツールの移行といった状況でも、柔軟に考え、最適な行動を選択できることが重要です。

SaaS業界では、変化をチャンスと捉えて、課題解決に向けて前向きに取り組める人材が活躍できます。

チームワーク力がある

SaaSの開発や運用は、エンジニア単独で完結するものではなく、さまざまな職種の人々との密な連携が不可欠です。そのため、チームの一員としてコミュニケーションを円滑に取り、相手の立場を理解しながら協力して業務を進める力が求められます。

チームワーク力のある人は、単に技術力が高いだけでなく、課題に対して積極的に意見を出し合って合意形成を図ることができます。SaaS開発はスピードと協調が成功の鍵となるため、チームワーク力が成果を生み出す原動力となります。

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SaaS業界に転職したい方必見!企業を選ぶときのチェックポイント

実際にSaaS業界に転職したいと考えたとき、どのような基準で企業を選べばいいのでしょうか。SaaS企業を選ぶ上でチェックしておくべき主なポイントとしては次のような点が挙げられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プロダクト・サービス内容

SaaS企業を選ぶ際にまず大事なのは、その企業が提供しているプロダクトやサービスの内容をよく理解することです。

単なる技術的な魅力だけでなく、誰のどんな課題を解決しているのか、業界に対してどのような価値を提供しているのか、などの視点で見極めるのがポイントです。自分自身がそのサービスに共感し、世の中に広めたいと思えるかどうかは、入社後のモチベーションに大きく影響するからです。

そのほかにも、サービスを展開している対象の業界や、導入企業の規模、BtoBかBtoCか、ユーザーとの距離感なども、働き方に影響する要素です。

例えば、SaaSの中には、医療機関向けや金融機関向けといった形で特定の業界に特化して提供されているものもあれば、会計処理や労務管理のように業界をまたいで広い分野で使われているものもあります。

特定の業界に貢献したいというような意思を持っている場合には、その業界向けにどのようなSaaSが提供されているのかという観点から、提供企業を調べてみるのもいいでしょう。

扱う技術の種類

SaaS企業では、最新のWeb技術やクラウドサービス、コンテナ技術などが積極的に採用されているケースが多いので、自分が身につけたい技術や、今後のキャリアに役立つ技術を実際に活用しているかどうかを確認することが重要です。

例えば、どのようなプログラミング言語やフレームワークを活用しているか、クラウドではどのベンダーのサービスを使っているかなどは、チェックしておくべき重要なポイントといえます。

また、技術選定に裁量があるのか、エンジニアが主体的に改善提案できる文化があるかなども重要です。技術に対して前向きな環境であれば、自己成長もしやすく、やりがいを感じることができるでしょう。

成長性

1つの企業で長く働こうと考えているのであれば、企業の将来性や市場での成長性は重要な指標です。SaaS企業の中には、すでに一定のシェアを持つ企業もあれば、成長段階にあるスタートアップも存在します。

具体的にチェックするべきポイントとしては、提供するサービスが、拡張性や継続性のあるビジネスモデルかどうか、競合との差別化が図られているか、ユーザーの継続率や解約率が適正か、収益構造が健全か、などが挙げられます。将来的に成長する可能性のある企業であれば、個人としてのキャリアも大きく飛躍できます。

職場環境・キャリアパス

一口にSaaS企業といっても、職場の環境やマネジメント方針は企業ごとに大きく異なります。自分が働きやすいと感じられる文化かどうかを見極めるには、実際のメンバー構成やチーム運営の仕方、評価制度の透明性、ワーク・ライフ・バランスへの配慮などを確認するのがいいでしょう。

転職後のキャリアパスを確認することも重要です。例えば、技術スペシャリストとしての道や、プロダクトマネジャーをはじめとするマネジメントの道など、どのような選択肢が用意されているかを確認するといいでしょう。

年収

SaaS業界には、成果主義を基本にした報酬体系を採用する企業が多く、職種やスキル、経験年数によって年収には大きな幅があります。また、企業規模や資金調達状況、スタートアップか上場企業かなどによっても条件は異なります。

大手企業の子会社としてSaaS事業を展開しているような場合には、親会社と同様の給与体系になっていることもあります。

ここまでチェックポイントを挙げましたが、まずは自分の転職軸を整理し、教育支援制度やリモート勤務の有無、福利厚生の手厚さなども踏まえて、総合的に判断することが重要です。

まとめ

この記事では、SaaS業界の特徴や将来性、主な企業などについて紹介した上で、どのような職種があるのか、どんな人が向いているのかなどを解説しました。また、転職活動をする人に向けて、企業をチェックする上でのポイントについても取り上げました。

SaaS業界は、今後も市場規模の拡大が予想されており、各社が人材の確保に力を入れています。エンジニアとして新たなキャリアを切り開きたいと考えている方は、ぜひこの成長市場に挑戦してみてください。

実際に転職活動を始める際には、dodaエージェントサービスも活用してください。SaaS業界における求人の市場動向などの情報提供や、具体的な求人探し、キャリアプランの形成などをお手伝いいたします。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

dodaキャリアアドバイザー・富田 理久(とみた・りく)

ITパスポート

2021年にパーソルキャリア株式会社に新卒入社。キャリアアドバイザーとして主に転職を考えているIT系職種の方々の転職活動などをのサポートを行う。SIer、コンサルティングファーム、社内SEなどを中心に、累計100人以上の転職成功を支援した実績がある。法人営業と共に求人企業との打ち合わせに同席し、人事部門だけでなくエンジニア部門の方々とも会話する機会も多いため、各社のシステム環境や技術的な強みも把握している。

技術評論社 デジタルコンテンツ編集チーム

理工書やコンピュータ関連書籍を中心に刊行している技術評論社のデジタルコンテンツ編集チームでは、同社のWebメディア「gihyo.jp」をはじめ、クライアント企業のコンテンツ制作などを幅広く手掛ける。

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