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業界知識

オフショア開発とは?パイプ役となるブリッジSEの仕事内容や転職する際のポイントは?

SEとしての経験を活かして海外で働きたいのですが、できれば日本の企業に就職したいと考えています。日本企業が実施しているオフショア開発とはどういうものでしょうか? また、オフショア開発におけるブリッジSEとは、通常のSEと何が違うのでしょうか?

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新開 裕理(しんかい・ゆり)

国家資格キャリアコンサルタント

新卒で大手人材企業に入社し、医療領域における法人・個人向けの営業に従事。2017年パーソルキャリア株式会社に転職。IT領域専門のキャリアアドバイザーとして、年間300人以上の方とお話しし、転職のサポートをさせていただいています。お客さまが描くビジョンをかなえられるよう、SIer、社内SE、コンサルティングファームなど、さまざまな方向性でキャリアのご提案をしています。

オフショア開発とは、海外の企業にシステム開発などを委託する手法です

オフショア開発のイメージ

オフショア開発とは、システムやアプリケーションなどの開発を海外の企業や海外の子会社(現地法人など)に業務委託することを意味します。もともとは、開発コストを低く抑える手段として大手企業を中心に広がり、今では中小企業や自社システムの開発を行う事業会社などにも拡大しています。

日本では2000年代ごろから中国、インド、ベトナム、フィリピンなどでのオフショア開発が盛んになり、人件費が安いアジア圏の企業に委託することで開発コストの削減を実現してきました。最近では、人件費削減に加え、アジア圏の優秀なエンジニアの確保という側面も強くなってニーズが変化してきた一面もうかがえます。

オフショア開発の契約には、決められた仕様書どおりの開発成果物に対して対価を支払う請負型と、エンジニアを確保し人月換算で委託費を支払うラボ型(ラボ型開発)の主に2種類の契約があります。ラボ型契約では中長期的にエンジニアを確保できるため、ノウハウを蓄積できる、急な仕様変更にも柔軟に対応できるなどの特徴があり、オフショア開発を行う企業のニーズの変化に伴って徐々に浸透してきたようです。

オフショア開発を活用するメリット・デメリット

企業がオフショア開発を活用する場合のメリット・デメリットを見てみましょう。

メリット

オフショア開発の最大のメリットは開発費の圧縮です。アジア圏の経済成長にともなう人件費の高騰によって、以前ほどのコスト削減効果は得られなくなってきましたが、日本での開発に比べると人件費を低く抑えられるのが大きなメリットと言えるでしょう。また、仕様変更が頻繁に発生するアプリ開発などの委託では、ラボ型契約で柔軟に対応できるチームを確保することが、コスト削減にもつながります。

オフショア開発の委託先であるインドやベトナムなどでは国を挙げてIT人材の育成に力を入れており、優秀な人材が豊富です。一方、日本ではIT人材不足が深刻になる中、今後は人材確保という面でも有効な手法の一つになるでしょう。

デメリット

労働者の権利についての捉え方、納期や品質に対する意識の違いなど日本国内とは異なる文化、商習慣に起因する相互理解不足により、トラブル発生につながることがデメリットの一つと言えるでしょう。物理的な距離に加え時差があることも、打ち合わせやスケジュール管理などに影響するため、ミスコミュニケーションの原因になります。また、オフショア開発に限ったことではありませんが、海外展開では必ず相手国の政治的リスクを視野に入れておく必要があるでしょう。

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オフショア開発のパイプ役となるブリッジSEの仕事内容

オフショア開発で、海外の開発チームまたは開発企業と日本の依頼元との橋渡しをするのがブリッジSEの仕事です。通常SEは要件定義やシステム設計などを担当しています。一方ブリッジSEは、主に言語・文化・商習慣の違いなどによるすれ違いを解消し、プロジェクトを成功に導くまでの両者のとりまとめを行います。通常のSEとは違う、ブリッジSEならではの業務にはどんなものがあるのか見てみましょう。

オフショア先への説明

ブリッジSEの仕事は、プロジェクトの全体像である目的や背景、進め方、体制などをオフショア先企業のエンジニアやプログラマーに説明することから始まります。海外企業との協働では、日本人同士のあうんの呼吸のように、「なんとなく理解できる」ということはありません。あいまいな指示や認識のずれが作業の手間や工数を増やしたり、納期の遅れにつながったりする危険があります。そのため開発期間中には、情報共有の徹底やコミュニケーションを密にするなど、信頼関係を築くことが重要になるでしょう。

仕様書・設計書の作成

日本語の仕様書や設計書を現地向け用に翻訳するのもブリッジSEの仕事の一つです。翻訳の際には、設計者の意図が確実に伝わるように、細かいニュアンスを補足して行間を埋めるような作業が必要になります。また必要に応じて、補足資料を作成したり、開発手順や工程の説明をしたりするため、現地語の語学力が必要とされるでしょう。

開発成果物の品質管理

請負型契約かラボ型契約かにかかわらず、途中経過の管理は確実に実施しなければなりません。期間中のコミュニケーションロスにより、開発の方向性がずれないよう品質管理をするのも大切な業務です。また、進捗状況の管理、開発成果物の品質チェックなどの結果を日本の依頼元企業へ報告する仕事もブリッジSEが担っています。

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ブリッジSEへ転職する際に求められるスキル

一般的にブリッジSEは、ある程度SEの経験を積んだ後に目指す職種であり、システム開発全般の知識を身につけていることが前提となります。そのため、通常SEのスキル・経験に加えて、ブリッジSEの業務に特有なスキルが求められます。具体的には、海外委託先とのコミュニケーションを円滑に行える語学力、ヒューマンスキルなどが挙げられるでしょう。

オフショア先への説明や現地スタッフとのコミュニケーションをとるためにも、語学力は必須です。開発内容を技術的に理解し、それらを英語または現地語で的確に説明するためには、専門用語に精通した高い語学力が必要となるでしょう。

またプロジェクトを滞りなく進めるには、スケジュール管理の徹底、成果物の品質管理、現地スタッフのモチベーション維持などのマネジメントスキルが必要です。そのため、現地の異なる文化、異なる商習慣への理解があるかどうかがプロジェクトを成功させるカギとなるでしょう。

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