ITエンジニアの
転職Q&A
ITエンジニアの転職回数は選考に影響する?平均的な回数は?
今まで3回の転職経験がありますが、転職回数が多いとやはり次の転職は難しくなるのでしょうか? 30代で3回の転職はITエンジニアの平均からすると多いのでしょうか?
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遠藤 勇太(えんどう・ゆうた)
前職でフリーランスエンジニアの転職支援をしていましたので、ネット系の企業を得意としています。これまでお会いしたお客さまが、「この技術が伸ばせる企業に行きたい」という希望を強くお持ちの方が多かったため、各社のシステム環境や技術的な強みを把握しています。 また、現在は20代前半の方から40代の方まで、幅広く担当させていただいています。これまでの経験を活かし、個人の方の多様な価値観に応えながら、企業側の目線を踏まえた転職成功へのアドバイスをさせていただきます。
採用担当者の考え方を知って対策をすれば、転職回数の多さはカバーできます
転職を何度か経験していると、転職回数が採用選考にどう影響するのか気になる人も多いと思います。dodaが2018年に企業の採用担当者に実施したアンケートによると、「転職回数が選考に影響するのは何回目からと考えますか?」という質問に対し、30代および40代の転職希望者に対しては、「転職回数は選考に影響しない」との回答が最多となりました。
転職回数が選考に影響するのは何回目からと考えますか?
- 転職回数は選考に影響しない
- 6回目以上から
- 5回目から
- 4回目から
- 3回目から
- 2回目から
- 1回目から
出典:doda「転職回数が多い人が転職を成功させる方法とは?年代別にポイントを解説」
ではIT業界の転職事情はどうでしょうか。独立行政法人情報処理推進機構の調査「IT人材白書2017」によれば、IT企業に所属するエンジニアの転職経験の割合は全体で約5割となっています。また、同調査で「転職回数が3回以上」という回答の年齢別割合を見てみると、20代 : 4.0%、30代 : 12.8%、40代 : 21.5%、50代 : 14.8%となっており、30代以降から割合が上がることが見てとれます。
IT人材白書2017 「9 IT企業IT技術者の転職に対する考え方/転職回数」(独立行政法人 情報処理推進機構)
doda職種図鑑の職種別の平均転職回数を見ると、アプリケーションエンジニアの平均転職回数は0.7回、データベース/セキュリティエンジニアおよびサーバーエンジニアの平均転職回数は0.9回という結果になりました。また、いずれの職種も1回以上転職している人が4割近くいることが分かります。
あの職種とはどんな仕事?doda職種図鑑 アプリケーションエンジニア
あの職種とはどんな仕事?doda職種図鑑 データベース/セキュリティエンジニア
あの職種とはどんな仕事?doda職種図鑑 サーバーエンジニア
これらのデータから、エンジニアの約半数が転職を経験していること、30代・40代になると3回以上の転職経験もそれほど珍しくないこと、30代を超える応募者の転職回数は選考に影響しないと考えている採用担当者が一定数いることが分かりました。
ただし一般的な目安として、30歳で3回以上の転職回数があると「うちに来てもすぐ辞めてしまうのではないか」と採用担当者が心配する可能性はあるでしょう。もちろん、基本的には転職回数だけを理由に選考が不利になるわけではなく、それぞれの転職に一貫したキャリアプランが語れれば問題はありません。
採用担当者が転職回数に対してどのような印象を持っているかを理解して、転職回数の伝え方を考えていきましょう。
採用側の懸念1 : 長く勤めてもらえるか
多くの企業は、採用した人材が長期的に自社の戦力になることを期待しています。そのため転職回数が多い人の場合、業務内容や職場環境に不満があったり、今よりも条件のよい会社が見つかったりすれば、またすぐに転職してしまうのではないかといった辞めぐせを不安に思われる可能性があります。
採用側の懸念2 : 転職の回数とキャリア・スキルが見合わない
転職を重ねることで新たなスキルを身につけ、さらなるステージへキャリアアップをしてきたのであればよいのですが、転職回数の割に年齢に応じたキャリアや実績が見受けられなかったり、スキルアップが認められなかったりすると印象が悪くなるかもしれません。
転職回数が多いと1つの職場での勤続期間が短くなるため、責任のあるポジションや難易度の高い業務を任される経験が少なくなります。また、プロジェクトの途中で辞めている場合は、全工程のうち一部の業務しか経験できないため、部分的な知識やスキルしか身につきません。結果としてスキルの蓄積ができていない、といった印象を与えてしまう恐れもあります。
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転職を機にキャリアアップをして新たなフィールドで活躍する人も多くいます。転職回数を変えることはできませんが、これまでの経験をポジティブにアピールすることで、マイナスにしない方法を考えていきましょう。
キャリアプランを明確にする
面接では、転職回数そのものよりも、転職の理由や動機、転職によって得られた経験が重視される傾向にあります。つまり、ご自身が能動的にそのキャリアを選んできたのかどうかが見られています。自分の中でなんとなく選んだキャリアであっても、そこには目標となるキャリアプランがあるはず。ご自身のキャリアプランを明確に言語化してみましょう。
まずは、これまでの仕事を通じて身につけたスキルや経験の棚卸しをすると同時に、仕事の得意・不得意分野も洗い出します。これまで経験したポジションや仕事への取り組み方・姿勢も振り返ってみてください。成功や失敗の経験をご自身がどう感じ、どんな行動に移したかを分析することで、自分自身を客観的に捉えられるでしょう。
次に将来の目標やビジョンを考えます。今後どのような業界で活躍したいのか、どのような業務を専門とし、どんなスキルを身につけていきたいのか、さらに最終的にどのようなポジションを目指したいのか、将来の理想の自分をイメージしましょう。
キャリアプランが明確になれば、方向に一貫性が持てるようになります。これまでの転職で、「異なる開発言語の習得」「リーダーポジションの経験」「より上流の要件定義からプロジェクトに携わる」「顧客との折衝を含めたプロジェクトの統括を担う」など、それぞれの転職に明確な目標、理由が発見できると思います。
「プロジェクトマネージャー(PM)を目指してキャリアを積んできたが、今後はSE、PMの経験を活かし、より顧客に近い立場のITコンサルタントを目指す」など、これまでの転職で得た経験と今後のキャリアプランをアピールできれば、転職回数そのものが大きなメリットになるでしょう。
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