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特定非営利活動法人 放課後 NPO アフタースクール

クォーテーション左のイメージ クォーテーション右のイメージ

子ども成長を目の当たりにできるかけがえのない経験

大手人材会社から転職して、子どもの居場所づくりを追求

#子どもたちへ放課後の居場所づくり

放課後NPOアフタースクールの副代表理事として、子どもたちが安心して「自分の好きや得意」を見つけられる放課後の実現を目指す正村 絵理さん。本記事では、大手人材会社からソーシャルセクターに転職した正村さんの経歴や、具体的な業務、ソーシャルセクターで働くやりがいを紹介します。

正村さんのトッププロフィールイメージ

PROFILE

正村 絵理 (まさむら・えり)さん

特定⾮営利活動法⼈
放課後 NPO アフタースクール
副代表理事

前職

⼤⼿⼈材会社で営業職およびマネジメント業務

クォーテーション左のイメージ 放課後NPOアフタースクール クォーテーション右のイメージ

子どもたちにとって
理想の放課後を実現

はじめに、放課後NPOアフタースクールの活動について教えてください。

正村さん一枚目のイメージ
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正村さん

放課後NPOアフタースクールでは主に次の4つの活動を展開しています。

アフタースクールの運営とモデル開発

全国の子どもの放課後の居場所支援

全国の子どもへの体験機会の創出

啓発と調査研究

子どもたちが放課後の時間を過ごすアフタースクールの運営に携わっています。これまでに全国で21校を開校し、現在は13校を直営で運営しています。
子どもたちが放課後を過ごす場所は全国に約5万カ所あります。そのうちの半分は学童保育で、ほかには小学生が自由に参加できてさまざまな体験ができる「放課後子供教室」や、困難に直面している子どものための「こども食堂」なども放課後の居場所になっています。

放課後NPOアフタースクールが目指しているものについて聞かせてください。

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正村さん

私たちは、これらの居場所支援も含め、地域や家庭の事情にかかわらず、すべての子どもが安心安全な環境で豊富な体験機会を得られ、主体的に過ごせる放課後の実現を目指しています。

私たちが目指す放課後は「安心できる居場所で、子どもたちが好きなことや得意なことを見つけられる時間」です。学童を運営されている方の中にも、このような思いに賛同してくれる方は多いのですが、実際に多様な体験が得られる居場所づくりを目指そうとすると、環境や運営人材、地域資源などさまざまな課題や制約があり、簡単ではありません。

そうした中、私たちは日々居場所の中で紡がれる人や物事との出会い、子どものやってみたいがかなえられる環境づくりを探究していくことはもちろんのこと、東京という立地を活用して、さまざまな業種の企業と一緒になって子どもたちに体験を積極的に提供する取り組みも進めています。

正村さんの具体的な業務内容を教えてください。

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正村さん

私は副代表理事として団体全体の戦略策定と各事業の推進、事業統括として新規事業の立ち上げや企業との協働、などの業務を担当しています。

1日のスケジュールは日によって異なりますが、団体全体の戦略策定と各事業との接続、各事業統括やマネジメント層とのMTG、事業実行のための人材確保や、新規事業のゴールについて関係者と打ち合わせをしたり、企業を訪問して協働する取り組みを成功させるための戦略を練ったりしていることが多いです。

子どもが保育園から小学校に
進学する中で気づきを得て転職

前職では事業会社に所属していたと伺いました。放課後NPOアフタースクールへの転職の経緯を聞かせてください。

正村さんの二枚目のイメージ
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正村さん

私は前職で人材会社に所属しており、営業やナレッジマネジメントに従事していました。大きな会社だったため、さまざまなプロジェクトに携わることができて仕事の満足度も高かったのですが、やりきったという達成感もあり転職を考えるようになりました。

そして、次の仕事を考える上で大きな軸となったのが子育ての経験です。私は自分の子育てを通じて「子どもたちが自分の好きなことや得意なことを見つけるためには、自由な放課後の時間こそが大切だ」と考えていました。

具体的にどのような経験があったのでしょうか?

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正村さん

私が子どもを預けていた保育園は、イタリア発祥の教育方法にのっとって運営されている施設でした。先生が子どもを細かく観察し、一人ひとりのやりたいことを尊重してくれたり、一人ひとりの成長プロセスに合わせて環境を整えるアドバイスをしてくれたりしたのです。集団の中で子どもたちが成長するための仕組みがていねいに整えられていると感じました。

しかし、子どもが保育園を卒園して小学校に進学し、状況が変わりました。小学校の授業には子どもの探究心を育むプロセスが取り入れられていましたが、最も自由に行動できるはずの放課後に、一人ひとりの子どもの成長を促す場として活用できる施設がなかったのです。

小学生になった私の子どもは、保育園に通っていたころ以上に自分の意思を持つようになり、物事の好き嫌いや、自分がやりたいことが明確になっていきました。そうした中で、私は、放課後の自由時間を有効活用して、小学生の子どもの成長をさらに促せる取り組みに携わりたいと考えるようになりました。

このような問題意識があり、次の仕事では「子どもが主体的に成長できる居場所づくり」に携わりたいと考えました。

転職活動を進める中で、同種の取り組みを進めている事業会社も検討しましたが、売上高や利益、保護者向けの心地よいキャッチコピーなどに左右されずに、理想の場所をつくる活動をしていた放課後NPOアフタースクールに入職しました。

アフタースクールでは
子どもの自主性を尊重

放課後NPOアフタースクールで働く中で、印象に残っているエピソードはありますか?

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正村さん

子どものための居場所づくりに携わりたいと入職時から考えていた私にとって、新たなアフタースクールの立ち上げに責任者として関わることができたのは幸運でした。担当したアフタースクールは、学校自体も新設校だったため、小学校1年生のみが対象でした。

その中で今でも覚えているのが、子どもたちの声を聞いた上でブロックで遊ぶ際のルールを決めたときの経験です。

「1年生の子どもたちの声を聞くのは早いかもしれない」という思いもありましたが、子ども会議を開催し、子どもたちに意見を出してもらいました。そうすると、予想に反して子どもたちがたくさんの意見を聞かせてくれたのです。それらの意見をまとめて、最終的に「ブロックで作った作品は1週間飾り、1週間後には壊して次の人が遊べるようにする」というルールを決めました。意見を出した上で決めたルールだったこともあり、子どもたちはルールを自主的に守ってくれています。

アフタースクールでは、ほかにどのような形で子どもの自主性を育んでいるのでしょうか?

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正村さん

私たちのアフタースクールは、子どもたちの自主性を大切にしています。アフタースクールは学校の施設を借りて運営していますが、その際、複数の部屋を同時に活用しています。一人でゆっくりする部屋や静かにボードゲームを楽しむ部屋、友達同士でわいわい会話する部屋などがあり、校庭で遊ぶことも可能です。

そのような環境で、子どもたちは自由に部屋を移動でき、おやつを食べる時間も自分で決めることができます。

アフタースクールでの大人の役割は安全管理と、子ども同士のトラブルがエスカレートしそうなときの介入です。子ども同士で意見が衝突すること自体は当然ですが、当事者同士で落としどころを見つけられない場合は大人が介入し、それぞれの気持ちを相手に伝えるサポートをしています。

また、アフタースクールでは外部の大人に市民先生として活躍してもらっています。スタッフが固定されている状況だと、子どもに対して提供できる機会も固定されてしまうため、外部から大人を積極的に呼び、体験機会の多様化を促進しています。

子どもの柔軟性と成長速度に
驚かされる毎日

お仕事をする中で、子どもの可能性を強く感じた出来事はありますか?

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正村さん

さまざまな機会に触れて子どもたちの考えや要望が発展していく様を見るのは、本当にかけがえのない経験だと感じています。

あるアフタースクールでは子どもたちに専用のコインを渡し、自由に駄菓子を購入できる「駄菓子デー」を定期的に開催しているのですが、取り組みを続けているうちに子どもたちから「駄菓子として並べるお菓子を自分たちで考えたい」という要望が出てきました。

その結果、子どもたちがタブレットでお店を調べて、お菓子の仕入れまで担当するようになりました。さらに、チームに分かれて自分の駄菓子屋の特徴やカラーまで考えるようになり、収支計算まで子どもたちが担当しています。

このような成長を見ていると、子どもの柔軟性と成長速度に驚きます。

同じ理想を共有するスタッフと
ともに社会を変えたい

放課後NPOアフタースクールで働く皆さんの雰囲気を教えてください。

正村さんの三枚目のイメージ
トークアイコンのイメージ

正村さん

放課後NPOアフタースクールのスタッフはすてきな人ばかりです。それぞれバックグラウンドは異なりますが、自分の経験をもとに社会をより良くしていきたいという思いは共通しています。子育て中のスタッフや教員免許を持っているスタッフも多く、「子どものために大人には何ができるのか」という点でぶれない強さを持っています。

一方、団体としての継続性の観点から個人が無理をするのではなく、スタッフ全員が幸せに働くことも重要だと考えています。そのためには事業性を担保して、誰も犠牲にならない形で活動を続けようという意識も強いです。

チームがあったからこそ乗り越えられた出来事はありますか?

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正村さん

アフタースクールの立ち上げと運営では、私自身に子育て以外で子ども対応の経験があるわけでも、専門的に教育について学んできたわけでもありません。思いや理想はあるけど、実際にどうすればいいか分からない。

でも団体内にはアフタースクールを運営してきたり、いろいろな角度から子どもに関わってきた先輩たちがたくさんいて、この時も、新卒から現場で毎日子どもと向き合って4年目の方と、教員免許を取って入職した新卒の方とチームを組んで、運営をしていきました。

自分一人では一部分しかできないことも、それぞれの得意を活かし補いながらチームで取り組むと、1+1が3にも5にもなるという経験をしました。同じ理想を思い描くメンバーが周りにいてくれたからこそ、思い切り自分の力を出せるし、周りの方から刺激を受けて、自分自身も成長していけると感じました。

今後は直営校の枠を超えた
アフタースクールの拡大を目指す

団体として、個人として、今後目指していることを教えてください。

正村さんの四枚目のイメージ
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正村さん

このようにスタッフで力を合わせて一校一校大切に運営してきた私たちですが、今後は直営校をさらに増やしていくのではなく、私たちが培ってきた経験やノウハウをモデルとし、全国各地にお役立ていただきたいと考えており、現在は直営以外の広げ方を模索しています。また、企業との連携もさらに深めていきたいです。

放課後NPOアフタースクールに入職し、私は毎年新しいチャレンジを行ってきました。このような姿勢は今後も変えることなく、必要な役割が出てきたときにすぐにそれを担える力や思考力を磨き続けていきたいと考えています。

あなたの経験の中に
ソーシャルセクターで
活かせる
ものはたくさんあるはず

最後に、ソーシャルセクターに興味がある方に向けてメッセージをお願いします。

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正村さん

私は子育てを通じて感じた具体的な課題をきっかけにソーシャルセクターへの転職を考え、理想の団体として放課後NPOアフタースクールを選びました。そのため、ビジネスセクターからソーシャルセクターに転職しても大きなギャップは感じませんでした。

ビジネスセクターで得たノウハウやスキルはソーシャルセクターでも十分活かせます。私もステークホルダーとの関わり方や事業の持続性を維持するための知見を、放課後NPOアフタースクールで実際に活かすことができています。

放課後NPOアフタースクールでは、目指すべき社会やその中での団体の在り方についてスタッフと議論を重ねる機会が多く、そこから新しい活動がダイナミックに生まれていきます。このような臨場感は、前職では体験できなかったものです。

ソーシャルセクターでの活動をボランティアだと考えている人はいまだに多いですが、私たちは活動の継続性を維持してこそ子どもたちにとって本当に価値のある支援ができると考えています。組織としての思いを大切にしながら、働くスタッフが犠牲にならないようにバランスを取る点はビジネスセクターであってもソーシャルセクターであっても同じです。

事業会社での経験を役立てることができる機会は多々あるので、ソーシャルビジネスに興味がある方は転職の選択肢をぜひ検討してみてください。

PROFILE

正村 絵理(まさむら・えり)氏のイメージ

正村 絵理(まさむら・えり)氏

特定⾮営利活動法⼈
放課後NPOアフタースクール
副代表理事

【略歴】
新卒で株式会社リクルート入社。住宅領域営業および全社横断のナレッジマネジメントに従事した後、自身の子育てをきっかけに、小学生が放課後に「好き」や「得意」を見つけて没頭できる環境づくりに興味を持ち、2018年に放課後NPOアフタースクールへ転職。
現在は副代表理事として、放課後の居場所「アフタースクール」の立ち上げおよび運営、事業開発チーム立ち上げなどの幅広い事業領域を統括。
休日は子どもと一緒にプールに行ったり、子どもとピアノを習いに行ったりして過ごすことが多い。

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