ITエンジニアの
転職Q&A
開発未経験からシステムエンジニア(SE)に転職するには?
現在はインフラエンジニアとして運用・保守・管理を担当していますが、システムの開発・構築に関わるシステムエンジニア(SE)への転職を考えています。開発未経験なのですが、転職は可能でしょうか?
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新開 裕理(しんかい・ゆり)
国家資格キャリアコンサルタント
新卒で大手人材企業に入社し、医療領域における法人・個人向けの営業に従事。2017年パーソルキャリア株式会社に転職。IT領域専門のキャリアアドバイザーとして、年間300人以上の方とお話しし、転職のサポートをさせていただいています。お客さまが描くビジョンをかなえられるよう、SIer、社内SE、コンサルティングファームなど、さまざまな方向性でキャリアのご提案をしています。
SEへのあこがれを具体的なイメージに落とし込むことが大事です
質問者は開発未経験とのことですが、SEに対してどんな仕事のイメージを持っていらっしゃるのでしょうか。一口にシステムエンジニア(SE)といってもその業務範囲は幅広く、ERPシステムの開発なのか、Webサイトの開発なのか、スマートフォンアプリの開発なのかによっても求められるスキルが異なります。
中途採用市場では即戦力を求める企業が多く、SEに限らず経験者のニーズが高いのが実態です。最近ではIT業界だけではなく、自社システム開発を内製化するための社内SEの募集を行う事業会社が増えていますが、比較的高い技術力を求められる傾向にあります。
これに比べ、大手SIerなどでは人材育成制度が整っている企業が多く、未経験者が経験を積むという意味でも挑戦しやすいかもしれません。IT人材不足が深刻な問題となっている現在では、職種未経験や業務分野未経験での採用の可能性もあるでしょう。開発未経験者は、比較的門戸が開かれているSIerを目指すと転職できる可能性が高くなると思います。
ただし、どんな業界でどんな案件に携わりたいのか、どんな開発を行いたいのかによって仕事内容も必要とされるスキルも変わります。まずは、SEとはどんな仕事なのか、どんな人に向いているのかを見てみましょう。
SEの仕事内容
SEは、開発現場でのプログラミングなどの実務よりも上流の工程である、クライアントへのヒアリングから要件定義、基本設計、詳細設計、テストまでの一連の流れを担当します。企業規模やプロジェクトの規模によっては、予算管理や人員管理を担う場合もあります。
クライアントへのヒアリングでは、解決したい課題や要望を正しく理解し、最適なシステムを提案することが求められます。限られた予算や期間内で実現するために優先順位をつけ、実装すべき機能を決定しなければなりません。クライアントの担当者の技術レベルに合わせて、分かりやすく説明する能力も必要とされるでしょう。
要件定義では、どのような機能を実装したシステムを開発するか、プロジェクトの全工程および作業内容、スケジュール、成果物などを、クライアントと決定します。プロジェクトのゴールであるシステム完成までの道筋が確認できるように、決定事項をとりまとめた要件定義書を作るのもSEの業務の一つです。
プロジェクトに対する認識合わせが終われば、要件定義書に沿って粛々と開発を進めていくことになります。基本設計では、要求されている機能をどう実装するか、表示方法や操作方法をどうするかなどの基本的なシステムを設計します。
詳細設計では、プログラマー(PG)が実際にプログラミングを行うための具体的な設計を決めていきます。開発現場では、SEがプログラマーと一緒にプログラミングを担当したり、スケジュールが遅延しないように進捗を管理したりすることもあります。システムが完成したら、仕様どおりに正しく作動するどうかテストを行い、不備やミスがあれば改修します。
このように、SEはクライアントへのヒアリングに始まり、システムが完成するまでのすべての工程に関わっています。
SEに向いている人の特徴
SEの仕事は1人でコツコツと進めるというよりも、多くの人と協働する仕事です。クライアントの折衝やプログラマーへの説明などさまざまな立場の人と関わる場面が多く、論理的に説明・言語化できる能力やコミュニケーションスキルが求められるでしょう。
また技術面のキャッチアップもSEには欠かせません。IT技術は日進月歩で、現在でもVRやAI、ディープラーニング、ブロックチェーンなど新しい技術がどんどん開発されています。常に最新の情報に関心を持ち続ける好奇心旺盛な人に向いている職種といえるでしょう。
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転職タイプ診断を受けてみる(無料)開発未経験からSEに転職するために必要なこと
質問者のように開発未経験の方がSEに転職するためには具体的に何から始めればよいのでしょうか。
将来的にシステム開発のスペシャリストを目指す場合は、常に自分の技術を最新にアップデートし続ける姿勢が必要となるでしょう。また、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)などを目指す場合には、技術的スキルに加えてコミュニケーションスキル、マネジメントスキルや課題解決力も必要になります。
いずれにしても、まずは最低限の技術力が備わっていることが大前提になります。SEになるために必要なスキルや心構えについて見ていきましょう。
プログラミングスキルの向上
プログラミングはプログラマーが担当するため、実際には自ら行わないケースも多くなりますが、システム開発全般に関わるSEとしてはプログラミング言語を習得しておかなければなりません。基本設計では、クライアントの要求が実装可能かどうか、実装後長期的に運用可能かどうかまで考慮した設計が求められます。ここでもプログラミングの知識が必要になるでしょう。
さらに詳細設計では、プログラマーがコードを書けるように設計書を作成する必要があるため、プログラミングの理解は必須です。特に開発未経験からスタートするのであれば、本を読むだけでなく、自分で手を動かして学習することが欠かせません。実際に転職活動をする上でも、自身でスマホアプリやWebサイトを作ったり、GitHubのアカウントを職務経歴書に載せたりと、ほかの人に見せられるアウトプットがあるとより効果的にアピールができます。
そのほか、プロジェクトの工程を設計する段階では、ある機能を実装するために必要な期間、人数などの予測ができるだけの知識が求められます。開発期間や予算の概要が瞬時に判断できれば、クライアントへのヒアリング時にも役立つでしょう。
資格の取得
IT技術関連の資格には、多くのエンジニアが取得しているといわれる、「基本情報技術者」や「応用情報技術者」などの国家資格があります。これは独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している試験で、資格取得によりIT人材として必要な基本的知識や技能を持ち、実践能力を備えていると認定されます。
そのほかにも、オラクル社による「Oracle認定Javaプログラマ」をはじめ、開発エンジニア向けの民間の資格も存在します。
SEになるために資格は必須ではありません。また、資格を持っていればSEになれるというわけではありません。しかし、資格を保有しているとスキルの証明になり、自主的に資格取得に取り組んだ姿勢は、転職の際にアピールできるポイントとなるでしょう。また資格試験の勉強で得た知識は、IT業界やシステム開発技術の理解に役立つことも多いでしょう。
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