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GEEK ACADEMY 先端を走る技を、ギークに学ぶ

掲載日:2015.8.24
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「お金にまつわる苦痛を減らしたい」とビジョンに共感、開発スピードを上げるため基盤整備にこだわる

PROFILE 株式会社マネーフォワード CTO 浅野千尋 氏

2008年、早稲田大学大学院基幹理工学研究科情報ネットワーク専攻修了。大学院生だった2006年にトレード・サイエンス株式会社を設立。数理研究開発部長を経て、チーフアルゴリズムアーキテクトに就任。金融市場分析プラットフォーム開発、アルゴリズム研究開発業務に注力。2010年に金融市場分析部門を独立させ株式会社インテリジェント・シープを設立。機関投資家向け金融ITコンサルティング業務に注力。2012年、株式会社マネーフォワードの設立に参加、同社CTOに就任。

後編では、マネーフォワードCTOの浅野千尋氏に、同社設立以降の話を聞いた。創業時から手掛けてきたことは、開発スピードを上げるための基盤作りだ。今の同社はエンジニアのチームに権限を与え、信頼して任せるやり方で「ビジネスができるエンジニア」を育てている。「お金にまつわる苦痛を減らしたい」との思いで起業した浅野氏は、より多くの人々の金融リテラシー向上を支援するサービスを作り出したいと話す。

ビジョンに共鳴、起業を決意

──気がついたらマネーフォワード会社設立に参加していた、というお話ですが、そうはいってもベンチャー企業の設立に参加するのは意思を固める必要があったと思います。どこで決心をしたのですか?
(マネーフォワードCEOの)辻のビジョンである「すべての人のお金の悩みを解決したい」に強く共感しました。
私自身、それまで証券、金融の業界で、トレードをしたり、ファンドを作ったりという経験を積んでいました。投機性が高い金融商品で破綻してしまう人の話、証券会社の窓口で手数料を取られるばかりといった取引を続けてしまう人の話など、いろいろと見聞きしてきました。
お金のリテラシーがないばかりに、危ない商品に手を出して火傷をしてしまう。そういう悲劇を、もっとなんとかできるはずだと、モヤモヤと感じていたんです。
当時の日本には、米Mint.comのようなPFM(家計・資産管理)サービスがない。あってもユーザビリティが低く、ユーザーのことを考えたサービスになっていない。新しく作ったサービスなら、そこをぶち抜ける、世の中を変えられる。そう思いました。
当時は、アカウントアグリゲーション(複数の金融機関の口座集約)といえば「絶対大変でしょ、今やるの?」と悲観的な意見が多数派でした。でも、自分にはそれを作る技術がある。このメンバーだったら、世の中を変えられる、という確信が生まれてきて、だんだん「やるか」と。

予想以上のニーズに直面、開発スピード向上に注力

──そうはいっても、実際には大変だったのでは?
大変でした。当初は「1年間で百何十の銀行に対応する!」と意気込んでいたのですが、いざやりはじめると、それどころでは済みませんでした。どんどん対応スピードを上げていき、今では銀行以外にも証券やクレジットカードなど1800社以上、個人向けの銀行はほぼコンプリートできました。
──その「大変さ」にどのように立ち向かったのでしょうか。
最初の基盤を作るのが一番大変です。もちろん、保守が大変なことは作り始める前から分かっていたのでいかに保守管理コストを下げる仕組みを作るかを重視しました。新規の金融機関が登場しても、1つのクラスを作ればいいようにし、簡単にスケールできるようにしました。
各サイトの保守も、BTS(バグ・トラッキング・システム)で監視し、どこが問題なのかをエンジニアがすぐ把握できる仕組みを最初から構築しています。
──枠組み、自動化、開発者支援を強く意識していたわけですね。
枠組みという視点でいえば、初期段階に作ったコード自体はリファクタリングで直すことはできますが、最初の構想や全体的な骨組みは簡単には変えられません。システム設計やデータベース構造などがそうです。そこは今後の拡張性と保守性を強く意識して初期設計をしました。
──JavaとRubyを使い分けているということですが、どのような使い分けなのでしょうか。
基盤部分で使っているのはJavaです。Javaのようなコンパイラ言語はリファクタリングしやすいという意味で好きですね。一方、フロントエンドはRuby on Railsを使うことで高速なプロトタイピングができ、サービスラインナップの拡充のスピードを上げられるようにしています。マネーフォワードのサービスは、最初は家計簿サービスだけでしたが、1年後には個人事業主や企業向けの「MFクラウド会計」が登場するなど、どんどんサービスが増えています。サービス開発のスピード向上にはRuby on Railsはいいですね。
──アーキテクチャ上は、Javaで基盤を構築、Webフロントエンドは疎結合するような作りなのでしょうか。マイクロサービス的な考え方は取り入れていますか?
疎結合という点は、その通りです。アカウントアグリゲーションの基盤とWebフロントエンドは分離していて、責任範囲が分かれています。Webアプリケーション自体のマイクロサービス化については、以前はそうした考え方でしたが、最近は変わってきています。以前はWeb周りもAPI化して分離していたのですが、分離したためにスピードが犠牲になることもありました。保守も大変になります。今はRuby on Railsと相性が良いやり方で開発スピードを上げることを重視して、データベースに接続する1つのアプリケーションにする方向で設計をしています。

エンジニアがなんでもできる文化、小さなチームを信頼して任せる

──CTO(最高技術責任者)という役割について、どのように考えていますか。
マネーフォワードはFinTech(金融×IT)のベンチャーなので、テクノロジーは重要です。それに加えて経営的なビジョン、目標を達成するために、どのようなやり方を採用するのか、社会にどのようなインパクトを与えるのか、そこの判断基準にテクノロジーが入ってきます。CTOは経営にテクノロジーの視点を持ち込む役割と捉えています。
──エンジニアのマネジメントの役割については?
エンジニアを統率する、管理するというよりも、会社全体が猛スピードで突き進んでいるのを見て、それについてきてどんどん力を発揮してほしいという立場です。
私たちの会社にはプロダクトラインがたくさんあるので、小さなチームがたくさんあります。各チームを信頼して、そのチームが決めて動いたことは、信じて任せています。
小さいチームだからこそ、チームで意思決定をしてほしい。エンジニアドリブンな文化を作りたい。小さなチームでPDCA(plan-do-check-action)サイクルを回して、プロダクトに適した技術やツールを取り入れていってほしいと思っています。
──エンジニアドリブンな文化について、もう少し詳しく教えてください。
当社は、エンジニア自身がなんでもできる、そういう文化です。エンジニアが事業計画を作るし、KPIを達成するための仕組みも考える。そういったビジネスができるエンジニアを育てたいと思っています。
立場が人を育てるといいますけど、もともとビジネスをやりたいエンジニアはめったにいません。しかし、立場が与えられると考え出して、行動して、そこで成長していきます。
──浅野さんは情報科学の教育を受けて、今は経営陣の一員ですが、そうしたバックグラウンドと今の立場のつながりはありますか?
つながりはありますね。ずっと以前から「世の中を変えるサービスを創る」ことに、あこがれがありました。情報学科でプログラミングを学んだのは、そのやりたいことを達成するための技術を身につけたかったからです。自分1人で作らなければいけない場合は、目標の達成のために自分の技術を磨くことしかできませんでした。今のマネーフォワードでは、自分1人ではなく、チームで「世の中を変えるサービス」を目指せるようになりました。自分自身でプログラミングをすること自体にこだわる必要はなくなり、目標達成のために自分が一番バリューを出せるやり方を追求した結果として、自然と今の立場になったと思っています。
──この先、どんな方向にいきたいですか?
自分たちのサービスを、世の中のプラットフォーム、インフラにしていきたいですね。個人のお金の情報がバラバラに分散して自分でも把握できていない、という状態はおかしい。補助金のような、個人の権利として受け取れるはずのお金の情報も集約されていない。子育てにどれだけお金が必要か、といった情報もバラバラに散らばっている。誰に相談すればいいかも分からない。そうしたお金の悩みや不安をなくしたい。これが私たちの元々の創業の思いです。お金の情報を一元管理して可視化する基盤が必要です。
金融リテラシーを底上げにつなげ、お金にまつわる苦痛を減らしたいという気持ちが強くあります。資産運用でリスク資産に使えるのはここまで、あなたの性格なら取れるリスクはここまで、といった情報を伝えてあげるとか。私たちは、家計簿、給与計算、会計、請求書など個人・法人問わずお金周りの管理を楽にするサービスを提供しています。今までになかった価値を生み出していきたいと思います。

【前編】「カブロボ」を契機に学生時代から「金融×IT」にのめり込み
ベンチャー設立に参加

ココが今回のギークの学びどころ

  • 人工知能と金融を結びつける。「カブロボ・コンテスト」で金融×ITの基盤作りを学んだ。
  • チームを信頼して任せる。ビジネスができるエンジニアを育てていく。
  • お金にまつわる苦痛を減らしたい。お金にまつわる情報を一元管理、可視化し、課題解決につなげ、金融リテラシーの向上に貢献したい。
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