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ITエンジニアはきついって本当?未経験から転職する前に知っておきたいこと

IT業界は急速に成長を遂げており、今後も技術の進歩とともに発展を続けていくことが予想されています。その将来性の高さも相まって、ITエンジニアは転職市場において高い人気を誇っています。その一方で、「ITエンジニアの仕事はきつい」というイメージを持っている人も少なくないようです。この記事では、これからITエンジニアを目指す人や、ITエンジニアになってまだ日が浅い人に向けて、ITエンジニアのどのような部分がきついといわれているのかを、具体的な事例と対策を交えて解説します。

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ITエンジニアの仕事がきついといわれる4つの理由と対策

そもそも、ITエンジニアに限らず、誰もが「楽だ」と思えるような仕事はありません。ITエンジニアにも、その仕事の特性から「きつい」と感じる理由があるようです。

以下の4つの理由は、dodaのキャリアカウンセリングの場で、実際に現役のITエンジニアとして働く方たちから寄せられた声から抜粋したものです。

  • 専門的で高度なスキルが求められる
  • クライアントワークでさまざまな制約がある
  • 稼働時間や条件に対して不満を感じることがある
  • システム開発の責任やプレッシャーを感じることがある

ただし、それぞれ適切な対策を講じることで、「きつさ」の原因となるストレスを軽減して業務の質を向上させることができます。

「きつい」というイメージだけで敬遠するのではなく、ITエンジニアの仕事がどのようなものかを知り、総合的に判断することが大切です。

それぞれの理由と対策について、詳しく見ていきましょう。

専門的で高度なスキルが求められる

ITエンジニアがきついといわれる理由として、専門的で高度なスキルが求められることが挙げられます。実際にITエンジニアとして働く人からは、以下のような声がありました。

  • 次々と新しい技術やプログラミング言語が登場するため、常に自分の知識やスキルを磨き続ける必要がある。
  • プログラミング自体が自分に向いていない、と感じることがある。

ITエンジニアは専門職なので、必然的に高度なスキルが求められます。複雑なアルゴリズムやシステムの構成、データの解析やセキュリティ対策など、幅広い知識が要求されることもITエンジニアの特徴です。

また、IT技術の進化はほかの分野に比べると極めて速く、新しい技術やツールなどが次々と登場することから、せっかく身につけた知識が業務で使えなくなってしまうことも少なくありません。

そのためITエンジニアには、常に新しい技術に対して興味を持ち、自分の技術やスキルを磨き続けることが求められます。

次の図は、パーソル総合研究所によるITエンジニアのキャリア不安に関する調査結果をまとめたものです。ほかの職種に比べると「自分の技術やスキルがいつまで通用するか不安だ」や「いつまで新しい技術やスキルを習得できるか不安だ」といった項目が顕著に高いことが分かります。

図: ITエンジニアとそれ以外の職種のキャリア不安

ITエンジニアとそれ以外の職種のキャリア不安

引用元: 「パーソル総合研究所、ITエンジニアの就業意識に関する調査結果を発表 ITエンジニアのキャリア不安1位は自分の技術やスキルの陳腐化で46.5%

このような不安を抱えながら働いていると、次第に「自分にはプログラミングが向いていないのではないか」「そもそもITエンジニア自体が向いていないのではないか」といった気持ちを抱くようになったりします。この悪循環の状態をきついと感じる人も多いようです。

対策

担当している業務が自分に向いていないと感じても、それだけでITエンジニアという仕事そのものが向いていないと判断してしまうのは早計でしょう。

少し視野を広げて、周囲に自分に合っているポジションや職種がないか考えてみるとよいでしょう。

なぜなら、ITエンジニアには多様なキャリアパスがあるからです。そもそも、プログラミングをはじめとする技術的な仕事が中心とイメージされがちですが、次の表にあるとおり、比較的技術の比重は低いながらも、エンジニアの知見が活かせるさまざまなキャリアパスがあります。

マネージャープロジェクトや技術チームを指揮・管理する役割を担う
システムアーキテクトソフトウェアや情報システムの構造やコンポーネントを定義して、システム全体のアーキテクチャの設計を行う
テクニカルサポートユーザーや顧客のシステムにトラブルや障害が発生した場合に、解決策やサポートを提供する
セールスエンジニア技術的なアドバイスやプレゼンテーションを通じて製品やサービスの販売をサポートする

もし、社内に希望するポジションがないようであれば、思い切って他社への転職も検討してみましょう。

なお、ITエンジニアの各職種については以下の記事でも解説しているため、キャリアチェンジを考えている方はあわせてご覧ください。

ITエンジニアとは?種類や仕事内容、スキル、キャリア検討のポイントについても解説

クライアントワークでさまざまな制約がある

次に、クライアントワークでさまざまな制約があることも、ITエンジニアがきついといわれる理由のひとつです。実際にITエンジニアとして働く人からは、以下のような声がありました。

  • クライアントの事情や会社同士の関係性から、スケジュールなどの調整が難しいことがある。
  • さまざまな意思決定がクライアントの意見や要望に左右されやすい。
  • いつも決まった技術しか使わないのでエンジニアとして成長できているか不安。

クライアント(顧客)からの依頼にしたがって行う仕事全般のことを「クライアントワーク」と呼びます。ITエンジニアは顧客が使うシステムを開発することが多いため、クライアントワークの比率が高い職種です。

クライアントワークでは、依頼する側の意向が最も重視されるため、さまざまな制約の中で開発を進めることになります。予算やスケジュールの最終的な決定権がクライアント側にあるというだけでなく、使用する技術やプログラミング言語、開発ツールなどの選択でもクライアントの意向を重視しなければなりません。

これは「ユーザーが求めるものを作る」というプロとしての仕事の基本ではあるものの、自由度の低さを窮屈に感じてしまう人もいるようです。

対策

クライアントワークに上記のようなデメリットがあることは事実ですが、その一方で、多様な案件を担当することができることや、開発したものを実際に使うユーザーと直接コミュニケーションを取りながら開発できることなど、さまざまなメリットもあります。

もしも、「きつい」と感じてしまう要素が「今の担当案件」に起因するものならば、所属企業で案件変更の希望を伝えるだけで解決する可能性があります。また、選べる案件の幅を広げるという意味では、案件を多く持つ企業や、商流が上の企業に転職するという方法もあります。

クライアントワークという働き方そのものが自分に合っていないと感じた場合には、自社製品や自社サービスを持つ企業への転職を検討してみましょう。ひとつの働き方に限定されない点もITエンジニアの強みといえます。スキルや経験を積めば、それだけ転職先の選択肢が増え、自分に合った職場を見つけやすくなります。

稼働時間や条件に対して不満を感じることがある

3つ目に、稼働時間や条件に対して不満を感じることにより、ITエンジニアがきついといわれることがあります。実際にITエンジニアとして働く人からは、以下のような声がありました。

  • 長時間の残業や深夜労働、休日出勤などが発生するため、私生活との両立が大変。
  • 担当する業務量が多く、過重労働になりがち。
  • スキルや成果に対して、給与等の待遇が見合っていないと感じることがある。

ITシステムの開発や保守の現場では、プロジェクトの進捗状況に応じて長時間の残業が必要になることも少なくありません。特に、納期が迫っているときや、問題が発生したときなどには、深夜や休日に仕事しなければならないこともあります。システム障害への対応では、休日に呼び出されるようなこともあるでしょう。

また、ITエンジニアは慢性的に人手不足で担当する業務量が多くなりがちだということも、長時間労働の原因のひとつとなっています。労働条件に関しては、給与などの待遇に対する不満の声もよく聞かれます。

一般的に、ITエンジニアの年収はほかの職種に比べても高い傾向にあるものの、求められるスキルの専門性の高さや、労働時間の長さなどを考えると、待遇が見合っていないと感じてしまうこともあるようです。

対策

労働時間や深夜休日出勤などに悩みを抱えている場合には、上司やチームリーダーに業務調整を申し出ることをおすすめします。

近年はワーク・ライフ・バランスを重視する企業が増えているため、思い切って相談すれば希望が通る可能性は十分にあります。確かに、システム開発の納期や障害対応などによって過重労働になりがちな職場も少なくない印象はありますが、平均的な残業時間で見れば他職種と同程度の水準だという調査結果もあります。

図: 職種分類別の平均残業時間

  20代 30代 40代 50代
営業 23.3 24.5 25.8 24.0
企画/管理 21.6 20.5 26.4 24
事務/アシスタント 11.1 12.7 15.3 15.1
IT/通信系エンジニア 15.9 22.1 23.6 23.2
モノづくり系エンジニア 21.4 25.1 24 25.9
建築/土木系エンジニア 18.5 30.0 26.9 28.5
素材/化学/食品系エンジニア 18.9 17.1 20.5 19.4
医療系専門職 15.2 18.6 17.4 18.5

単位:時間
※1カ月あたりの平均

引用元: 「平均残業時間ランキング【91職種別】

また、IT企業には、リモートワークやフレックスタイム制の導入によって柔軟な労働環境を提供している会社も多いので、就職や転職の際の条件として確認しておくことも大切です。

給与などの待遇面での悩みについても同様で、まずは所属企業の給与体系や評価制度を踏まえた上で上長とゴール設定をすり合わせ、待遇の改善について相談してみましょう。抜本的な待遇の改善を期待するのであれば、転職は効果的な選択肢のひとつです。ITエンジニアの求人数は非常に多く、需要と供給のギャップも大きいため、ほかの職種と比べても転職のチャンスは十分にあります。

参考までに、dodaの「平均年収ランキング(2023年版)」では、ITエンジニア全体の平均年収は452万円で、全職種の平均年収である414万円を大きく上回っています。

図: ITエンジニアと全職種の平均年収

ITエンジニアの平均年収
452万円
全職種の平均年収
414万円
ITエンジニアの生涯賃金
2億6,039万円
全職種の生涯賃金
2億2,112万円

また、ITエンジニアの中でも職種によって平均年収に大きく差があるため、現場で経験を積みながら給与水準の高い職種へのキャリアパスを構築するというのも、長期的な戦略としては重要かもしれません。

図: ITエンジニアの職種別の平均年収

職種 平均年収
(全体)
平均年収(年代別) 求人
20代 30代 40代 50代以上
プロジェクトマネジャー 691万円 507万円 693万円 836万円 836万円 求人を見る
プリセールス 609万円 440万円 624万円 834万円 1010万円 求人を見る
ITコンサルタント 602万円 474万円 669万円 873万円 936万円 求人を見る
IT戦略/システム企画 600万円 417万円 551万円 735万円 848万円 求人を見る
セキュリティコンサルタント/
アナリスト
597万円 450万円 606万円 810万円 - 求人を見る
研究開発 562万円 456万円 629万円 717万円 847万円 求人を見る
データサイエンティスト 532万円 458万円 617万円 763万円 - 求人を見る
セキュリティエンジニア
(脆弱性診断/
ネットワークセキュリティ)
487万円 409万円 567万円 - - 求人を見る
システム開発/運用 472万円 386万円 508万円 595万円 636万円 求人を見る
パッケージ導入/
システム導入
469万円 401万円 550万円 657万円 726万円 求人を見る
スマホアプリ/
ネイティブアプリ系
エンジニア
461万円 401万円 559万円 - - 求人を見る
サーバーエンジニア 454万円 393万円 517万円 635万円 693万円 求人を見る
ネットワークエンジニア 446万円 376万円 525万円 647万円 798万円 求人を見る
制御系ソフトウェア開発 430万円 363万円 512万円 621万円 648万円 求人を見る
Webサービスエンジニア 424万円 377万円 489万円 619万円 683万円 求人を見る
SE/プログラマ 422万円 375万円 494万円 581万円 607万円 求人を見る
テクニカルサポート 415万円 358万円 436万円 513万円 591万円 求人を見る
データベースエンジニア 412万円 375万円 471万円 - - 求人を見る
運用/監視/保守 373万円 336万円 428万円 535万円 616万円 求人を見る
デバッグ/テスター 372万円 324万円 411万円 503万円 700万円 求人を見る
ヘルプデスク 345万円 311万円 367万円 431万円 480万円 求人を見る
職種 平均年収
(全体)
平均年収(年代別) 求人
20代 30代 40代 50代以上

引用元: 「ITエンジニアの平均年収はいくら? 給料アップを目指す方法や転職事例も解説

システム開発の責任やプレッシャーを感じることがある

最後に、ITエンジニアがきついといわれる理由として、システム開発の責任やプレッシャーを感じることがある点が挙げられます。実際にITエンジニアとして働く人からは、以下のような声がありました。

  • 納期や品質を守ることに対するプレッシャーが強い。
  • 担当するシステムで不具合が発生した場合の社会的な影響を考えたときに、精神的な負担が大きい。
  • ほかの職種に比べて成果物を世の中に公開する機会が多いため、負のフィードバックをもらうことも多い。

ITエンジニアは、さまざまな規模のプロジェクトを担当することがあります。担当したシステムの納期が守れなかった場合や、運用開始後に問題が発生した場合には、顧客の信頼を失うだけでなく、契約解除や会社に対する損害賠償請求などに発展することもあります。

とくに社会インフラに関わるシステムや利用者の多い大規模サービスの場合、小さなミスが社会に与える影響は極めて大きなものです。

また、Webサービスの開発などでは世の中に広く成果物を公開する形になるため、批判が怖いという声もあります。これらのプレッシャーが、ITエンジニアの仕事をきついと感じさせる大きな要因にもなっています。

対策

まず前提として覚えておきたいのは、上記のシステム開発の責任やプレッシャーは一人で抱え込むものではなく、チーム全体で対策するべき問題だということです。そのため、日ごろからチーム内でのコミュニケーションを積極的に行い、チームワークを強化してお互いの業務内容や進捗状況を共有することが、ITエンジニア一人ひとりのプレッシャーを軽減することにつながります。

また、システムに不具合やエラーが発生した場合にエンジニアに求められるのは、責任を背負い込むことではなく、原因を特定して修正する能力です。したがって、研修や勉強会に参加してノウハウを身につけ、いざというときの問題解決能力を向上させることで、プレッシャーを軽減することができます。

未経験からITエンジニアを目指す際に理解しておくべきこと

以上の、ITエンジニアならではの「きつさ」の理由と対策を踏まえた上で、いざITエンジニアとして仕事を始めてから「こんなはずじゃなかった」と思わないために、事前に理解しておいたほうがよい点をいくつか紹介します。

  • どうしても向いている人・向いていない人がいる
  • 経験者・未経験者で需要が異なる
  • 継続的な自助努力が求められる

どうしても向いている人・向いていない人がいる

ITエンジニアという職種は専門性が高く、担当するプロジェクトによっては働き方も一般とは異なる場合があります。そのため、どうしてもある程度はITエンジニアにも向き・不向きが出てきてしまいます。

ITエンジニアに向いている人
  • ・論理的な思考が得意な人
  • ・抽象的な概念を理解することが得意な人
  • ・細かいところに注意を払うことができる人 など
ITエンジニアに向いていない人
  • ・地道な作業が苦手な人
  • ・プレッシャーを感じやすい人
  • ・技術的な話題に対する興味や関心が低い人 など

自分が上記の「ITエンジニアに向いていない人」の特徴に該当していると感じる場合は、業務へのモチベーションを維持するのが難しいかもしれません。

しかし、向き・不向きは絶対にどちらかにしかなり得ないというわけではありません。ITエンジニアに必要なスキルや知識は学習によって習得可能なので、たとえ苦手だとしても努力次第で克服することができます。自分自身の興味や能力を正しく把握した上で苦手克服に努めれば、ITエンジニアとして十分にスキルアップできるでしょう。

向き・不向きについては以下の記事でも詳しく解説しているので、「ITエンジニアに興味があるが、適性があるか不安…」という方は参考にしてください。

ITエンジニアに向いている人ってどんな人?特徴や転職で活かせる経験について解説

経験者・未経験者で需要が異なる

IT業界は常に人手不足の傾向があるため、未経験での就職率は他業種に比べればそれほど悪くはありません。とはいえ、どうしても経験者と未経験者では需要が大きく異なります。

未経験からITエンジニアになる場合、最初はSES(System Engineering Service)と呼ばれる形態で働くことになるケースが多いでしょう。SESの特徴を、以下でまとめました。

SESとは? 顧客に対して成果物を提供するのではなく、エンジニアの技術力を提供する形で契約を結ぶことを指す。
メリット いろいろなクライアントの開発現場で働くことになるので、幅広く専門的なスキルを身につけられ、大きなプロジェクトに参加するチャンスがある。
デメリット 要件定義や設計などの上流工程の作業に携わりにくい。

未経験からITエンジニアを目指すには、このような転職市場の特性を踏まえた上で、将来的にどのようなキャリアを目指していくのかという、自分なりのキャリアプランを持つことが重要です。

未経験からでも、実務経験を何年か積めばキャリアの幅は大きく広がります。そのための第一歩としてSESを選択するのは合理的な選択といえます。

継続的な自助努力が求められる

前述したように、ITエンジニアは、継続的に自分の知識やスキルを磨き続けることを求められます。自身で学習する習慣がなければ、技術の進化についていけず、キャリアアップが難しくなる可能性があります。IT技術が進化し続ける以上、こういった自己研鑽は必須といえます。

例えば、自発的な情報収集や技術書による学習、オンライン講座やセミナーなどの学習機会の利用、コミュニティ活動への参加、オープンソースプロジェクトへの参加などが挙げられます。

就業先の企業ではプロジェクト中にGitHubを使用して、チーム全体がソースコードを共有することも珍しくないため、自分個人のGitHubアカウントを作成しておくとよいでしょう。

会社での業務時間とは別に、これらの活動に取り組むことは決して簡単ではありません。しかし、継続的な自学自走は自分自身のスキルアップだけでなく、会社やチーム、社会に貢献するためにも重要な要素であり、ITエンジニアに求められる素養のひとつです。

ITエンジニアの将来性

次にITエンジニアの将来性にも目を向けてみましょう。一般的に、ITエンジニアは非常に将来性の高い職種だといわれています。理由としては以下のようなものが挙げられます。

  • ITエンジニアの需要は拡大する
  • 給与の上がり幅が大きく、労働環境が柔軟
  • 転職先の選択肢が多い

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

ITエンジニアの需要は拡大する

近年、IT技術の進化によって新しい技術やサービスが次々と生み出されています。これに伴ってITエンジニアの需要も高まっており、今後も需要は拡大すると予測されています。

そのほかにも、企業のデジタルトランスフォーメーションの進展や、グローバルな市場における競争力強化の必要性など、ビジネス市場にはITエンジニアの需要が拡大するさまざまな要素があります。

給与の上がり幅が大きく、労働環境が柔軟

ITエンジニアは、ほかの職種と比べて給与の上がり幅が大きく、将来的に高い給与水準の達成を期待できます。スキルや経験を積むことで、より高い報酬を得られるでしょう。

また、IT業界にはリモートワークやフレックスタイムなどを導入している企業が多いという特徴もあります。ワーク・ライフ・バランスが重視されるこれからの時代に合った働き方を選べるのもITエンジニアの強みといえます。

転職先の選択肢が多い

ITエンジニアは人材需要が高く、必要とされている業種や職種も多岐にわたるため、転職先の選択肢が豊富です。

情報通信業だけでなく、製造業や金融業、流通業など、あらゆる業界においてITエンジニアが求められています。そのため、技術やスキルによって、さまざまな業種や職種にチャレンジできる点も強みとして挙げられます。

未経験からITエンジニアになるためにすべき4つのこと

それでは、異職種から未経験でITエンジニアを目指す場合には何をしたらよいのでしょうか。一言でITエンジニアといっても、その仕事内容は多種多様です。

ITエンジニアとは?種類や仕事内容、スキル、キャリア検討のポイントについても解説

ITエンジニアを目指す上では、将来的に自分がどういう職種に就きたいのかを見極め、それに向けて必要な知識を学ぶことが重要です。ここでは、ITエンジニアになるために何を準備しておくのがよいかを紹介します。

  • まずはプログラミングを学ぶ
  • インフラ管理に興味がある場合は、サーバーやネットワーク、データベース関連の技術を学ぶ
  • IPAの情報処理技術試験の勉強をする
  • 身近な問題をプログラミングで解決してみる

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

まずはプログラミングを学ぶ

ITエンジニアのキャリアプランを大きく分けると、技術職を目指すかマネジメント職を目指すかのいずれかの方向性になるでしょう。

いずれの方向に進むにしても、システム開発に関するスキルや知識は必須となります。そのための最も基本になるのがプログラミングの知識です。

もし仮にプログラマーを本職にするつもりがなかったとしても、プログラミングの知識があるのとないのとでは仕事の幅が大きく違ってきますし、将来的なキャリアの広がり方にも影響するはずです。何の勉強から始めたらよいか分からないという人は、まずはプログラミングから勉強してみるのがよいでしょう。

インフラ管理に興味がある場合は、サーバーやネットワーク、データベース関連の技術を学ぶ

もしインフラエンジニアに興味がある場合は、サーバー管理やネットワーク管理、データベースシステムなどに関する技術について勉強しておく必要があります。

今は仮想化ツールなどを使えば手元でも簡単にサーバー環境を構築することができますし、手軽に実験できるクラウドサービスなども多数あるので、それらを利用して実際に触りながら学習するとよいでしょう。

IPAの情報処理技術試験の勉強をする

ITに関する最低限の知識を学習するには、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施している情報処理技術者試験の勉強をしてみることをおすすめします。

ITエンジニアの仕事では、情報処理技術者試験のひとつである「基本情報技術者試験」に出題される程度の内容は知識として持っている前提で話が進みます。

参考 : 基本情報技術者試験

実際に試験を受けるかどうかにかかわらず、情報処理技術者試験の参考書はIT技術に関する基本的な知識が網羅されているので、学習教材としておすすめです。

一度ひと通りの内容を勉強しておけば、現場に入ってから耳にする用語の意味が分からない、会話についていけないというような事態を避けることができます。

身近な問題をプログラミングで解決してみる

ITエンジニアになるためには、単に知識としてプログラミングなどの技術を学ぶだけでは十分ではありません。実際に手を動かしてアプリケーションを作ったり、サーバー環境を構築したりするなど、システム開発に必要な作業を経験してみることが非常に重要です。その第一歩として、身近な問題を解決するためのプログラムを作ってみるというのはよいトレーニングになります。

例えば家計簿をつけるプログラムや、1日のカロリーを計算するプログラムなどは、最初のトレーニングとしては定番のものです。今日の夕飯のメニューを決めて、インターネットからレシピを探して教えてくれるプログラム、などもよいかもしれません。

ゲームが好きであれば、簡単なゲームを作ってみるのもよいでしょう。テーマは何でもよいのです。まず作るものを決めて、細かな要件を考え、プログラムを書いて、完成したものを実際に使ってみる。この一連のプロセスを自分で経験してみることが大切です。

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キャリアに悩むようであれば相談を

ITエンジニアの仕事は「きつい」といわれることも多いですが、ITエンジニアは社会インフラを支える重要な役割を担っており、極めて将来性が高い仕事です。

ITエンジニアとして活躍するためには、この仕事の特性を理解し、自分の得手不得手についてもきちんと把握した上で、長期的なキャリアプランを見据えて準備をしておくことが望ましいでしょう。

そうはいっても、自分一人では適切な判断は難しいかもしれません。もし、ITエンジニアとしてのキャリアについて不安や悩みを抱えているのであれば、プロのキャリアアドバイザーに相談してみてください。あなたが抱く懸念点について整理し、その解決策や将来のキャリアプランを考える上での助けになるはずです。

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この記事の監修者

dodaキャリアアドバイザー・飯塚 正隆(いいづか・まさたか)

基本情報技術者試験

応用情報技術者試験

前職では、システムエンジニアとして要件定義からテストまでの一連の開発工程を経験。その後、エンジニアの方への転職支援を行いたいという思いから、パーソルキャリア株式会社に入社。アプリエンジニア、インフラエンジニア、社内SE、ITコンサルタントの方を中心に、年間300人以上の転職支援を行う。前職のシステムエンジニア経験を活かした、スキル把握力と業界理解力をもとに、エンジニアの方の転職サポートに強みを持つ。

技術評論社 デジタルコンテンツ編集チーム

理工書やコンピュータ関連書籍を中心に刊行している技術評論社のデジタルコンテンツ編集チームでは、同社のWebメディア「gihyo.jp」をはじめ、クライアント企業のコンテンツ制作などを幅広く手掛ける。

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