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転職Q&A

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SEからITコンサルタントへ転職できる?仕事内容や役割に違いは?

現在SE(システムエンジニア)として働いています。ITコンサルタントへの転職を考えていますが、どのような仕事なのでしょうか? SEの経験しかなくてもやっていけるのでしょうか?

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清水 宏将(しみず・こうすけ)

CCNP

応用技術者試験

新卒で商社系SIerへ入社し、拠点間ネットワークや大規模ネットワークに携わるインフラエンジニアとして約4年従事。在職中に受けたキャリアカウンセリングをきっかけにパーソルキャリア株式会社に入社。現在は、IT領域の中でもインフラエンジニアやセキュリティエンジニア(主にネットワークセキュリティ)を中心に、スキルアセスメントを踏まえたキャリアプランの提案を強みとして転職支援を行っている。

SE(システムエンジニア)とITコンサルタントの業務領域には重なりもあります

SEからコンサルのイメージ

SE(システムエンジニア)は、企業のITシステム構築を請け負うSIer(システムインテグレーター)や、事業会社のIT部署で勤務しています。一方、ITコンサルタントの勤務先は総合コンサルティングファームやITコンサルティングファーム、SIerなどで、ITシステム導入に携わります。SIerで勤務するSEは、クライアント企業のシステム開発・運用に関わる仕事を担当するため、両者の業務領域は重なる部分があり、明確な境界線がなくなってきました。

SEとITコンサルタントのそれぞれの仕事内容を詳しく見てみましょう。

SEの仕事内容

SEは、クライアント企業の要望をふまえたITシステムの構築と開発、運用までのすべてに関わります。仕事は大きく「開発」「運用・保守」に分けられ、開発から実運用までは「開発系SE」、実運用開始後は「運用系SE」「保守系SE」が担当しています。

開発系SE

クライアントの要望をヒアリングし、予算や期日に合ったシステムを提案します。基本設計が承諾されたら詳細設計、開発へと進めます。プログラミングをプログラマー(PG)でなくSEが行う場合もあり、開発期間中はスケジュール管理や、クライアントの要望をプログラマーに伝えるパイプ役もこなさなければなりません。プログラムが完成したら、単体での動作確認、既存システムとの結合を確認するテストを実施し、問題がなければ実運用となります。

運用系SE

業務に支障なくシステムが稼働するようトラブルを未然に防ぎます。主な作業内容はサーバーの起動・停止、データ入出力、バックアップ、セキュリティチェックなど。トラブルが発生した際には、再発することのないように運用面での対策を講じます。

保守系SE

システムの障害対応、メンテナンス、アップデートを行います。トラブル発生時に原因を突き止め、プログラムの修正やチェックを行い、必要であれば部品の交換をし、復旧作業に当たります。定期的なメンテナンスや、システムアップデートをした際のテスト、チェックなども保守系SEの仕事です。

ITコンサルタントの仕事内容

ITコンサルタントは、クライアント企業の抱えるIT活用の問題解決や、ITを切り口にした経営課題のクリアを目的とする、システムコンサルテーションを提供するのが仕事です。問題の洗い出しから解決策の提案、ITシステム導入までを一貫して行います。

まず、クライアント企業にどんな問題があるのかを調査し、さまざまな角度から分析した結果をもとに、課題解決のために必要なシステムを提案していきます。実際にITシステムを導入する段階では、スケジュールを管理し進捗状況をチェック。関係部署と調整を図りながら業務を進め、導入したITシステムの運用支援を行います。

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SEからITコンサルタントへ転職するメリット

SEからITコンサルタントへ転職した場合の大きなメリットは、SEが担当する工程よりもさらに上流となる、超上流工程とも呼ばれる段階から携われることです。システム開発を行うだけでなく、クライアント企業の課題を解決するためにどのようにITを活用すればよいか、といった企画・戦略を練る段階から関わります。その際、活きてくるのがSEのスキルと経験です。SEとしての現場の経験があれば、クライアント企業との折衝時に技術面での適切なアドバイスができるでしょう。

また、ITコンサルタントに転職することで年収アップも狙えるかもしれません。実際に開発現場でのSEよりも上流工程で活躍するITコンサルタントのほうが平均収入が高くなる傾向があります。doda(デューダ)の「平均年収ランキング 最新版」(2023)では、SE /プログラマーの平均年収は422万円なのに対し、ITコンサルタントの年収は602万円という結果に。年収アップもITコンサルタントへ転職するメリットの一つといえるでしょう。

※平均年収ランキング(2023年版)

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SE経験者に求められている役割を理解して、転職を優位に進めましょう

クライアント企業の経営者側と実作業を行うSEの間には、認識の違いが起こりがちです。システムを導入する背景や目的を理解していなければ、システムを新しくしても問題は解決できませんし、システムにより「できること」と「できないこと」を知らなければ構想は机上の空論になってしまいます。

SEとして現場を知っているITコンサルタントは、経営者側とSE、双方の考えが理解できる立場です。コンサルタントとしての仕事だけでなく、プロジェクトを円滑に進めるためのパイプ役を担う意識がアピールできるかどうかで、ITコンサルタントポジションを受ける際の面接時の評価は大きく変わってきます。

SEがITコンサルタントに転職を狙うときに押さえておきたい企業選びのポイント

ここまでお伝えしてきたとおり、ITソリューション導入に力を入れているコンサルティングファームであれば、SE経験が活かせる部分が少なくありません。その上で、より経験が活かしやすい企業の特徴として、以下のようなものが一例として挙げられます。ただし、大手のコンサルティングファームでは広くカバーしていることも多いため、参考程度にご覧ください。

  • SEとして担当した経験の顧客の業界/業務知識が生かせるファーム(主にアプリケーション側)
  • ITを活用したIoTやAI導入など、DXソリューションの提供に力を入れているファーム
  • システム監査に耐えうるITガバナンスのコンサルティングなどを行っているファーム

SEが勤務するSIerには、金融系、公共系、製造系などそれぞれ得意とする業界があります。これらの特定の業界に強いSE経験者は、同じ業界のITコンサルタントとして採用されるケースが多くなっています。また、経験のある業界でなくても、SE経験者はシステムの構築、テスト、運用と、システム開発の流れを理解している専門家。クライアント企業から質問を受けた際、自身で答えられる専門知識を持っていることは、大きな強みになるでしょう。

SE経験者に求められているスキル・資格

ITのスキル・経験をすでに持っているSEからITコンサルタントに転職する場合、「マネジメントスキル」「スケジュール管理能力」「情報収集能力」「コミュニケーションスキル」といったビジネススキルのほか、コンサルタントとしてのスキルが求められます。

求められるビジネススキル

  • マネジメントスキル
  • スケジュール管理能力
  • コミュニケーションスキル

求められるコンサルタントスキル

  • 情報収集力
  • 問題解決力
  • 論理的思考力
  • 協調性

ITコンサルタントは、クライアント企業の経営課題解決を目的にしています。企業の問題点を見つけるための情報収集、問題解決を図るための論理的思考は非常に重要です。経営層と話すことも多く、プロジェクトが始動してからは、実際に作業を行う部署やSEとの連絡が密になります。コミュニケーションスキルに加えて協調性も大切な要素の一つといえるでしょう。

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