香港転職マニュアル
「海外転職」と一口に言っても、求人の傾向は国やエリアによって異なりますし、求められる能力、面接の進め方もさまざまです。そのため、「転職活動の進め方が分からない」「面接の準備方法が分からない」という不安は誰にでもあります。香港の転職活動についてはもちろん、その後のキャリアについてもご紹介します。
1.香港転職の概況と求人の特徴
香港はアジア屈指の国際都市。シンガポールと位置づけは似ていますが、ビジネスハブとしての歴史は長く、商社、物流、金融、サービスなど幅広い業界の日系企業が古くから進出しています。大手だけでなく中小企業も多く、現地で日本人が立ち上げた企業もあります。最近では、飲食や美容関連企業の香港への進出が増えているため、これらの企業をサポートする企業や経営コンサルティング企業、会計事務所、ITインフラをサポートする企業など、サービス業の求人が増加しています。職種としては、マネジャー、営業、営業事務、カスタマーサービス、通訳・翻訳、秘書、経理、総務など、幅広い選択肢があります。
香港にはさまざまな国から企業が集まっているため多言語が飛び交っています。普段の生活では広東語が公用語であり、ビジネス面では英語また近年では中国語(北京語)を必要とするポジションも増えています。語学力に関しては、業界・職種にもよりますが日常コミュニケーション以上の英語力が求められます。
2.香港転職で身につくもの
語学力の成長が期待できるのはもちろん、香港ではいかに効率よく、スピーディーに、より効果的な結果を出せるかといった合理性とコストパフォーマンスを重視する働き方が評価される傾向にあります。そのため、ある程度自由が認められた環境の中で業務効率の向上に努めてみたい方にはスキルアップが期待できる環境となります。
一方で、仕事のていねいさ、細やかさ、お客さま目線での気遣い等が損なわれる場合があり、そうした場面でのホスピタリティが求められることが多いでしょう。多国籍文化・多様性が当たり前の環境でもあるので、それぞれの価値観や文化、長所・短所を認め合ってフォローし合える柔軟性を身につけられるのも香港ならではの環境です。
3.香港の面接
企業にもよりますが、一般的には香港での転職は非常にスピーディーです。そのため、求人応募から内定まで3~4週間程度の場合がほとんどとなりますので、求人に応募する前に面接の準備もしっかり整えておきましょう。
面接の回数
香港での転職活動の場合、多くの企業で面接は2回程度となっています。
基本的に人事担当者もしくは上司になる方が面接を担当します。外資、ローカル企業は英語で面接を行います。日系企業の場合、面接官が日本人の場合は日本語で行うことが多いですが、ローカルスタッフが同席する場合は英語になることもあります。
面接では、企業の説明、業務内容の説明、チームストラクチャーを説明されることが多く、面接官からは、「なぜ香港で働きたいのか」「どのくらいの期間、香港で働けるのか」「志望動機は何か」についてよく質問されます。これらの質問により、応募している方の人柄や雰囲気が会社に合うかや、企業側が求めている要件を満たしているかをチェックしているので、事前に職務内容や企業が求める人物像を確認して準備することをおすすめします。ただし、それが自分のキャリアビジョンとあっているのかということもしっかり考え、応募を決定することが重要です。
上司になる方と所属部門のリーダーや所属部門の部門長や役員が面接を担当します。日系企業では、日本本社の管理職が参加するケースもあります。
日本と同様に最終面接では、具体的な職務に関する内容よりも、具体的に勤務したときの働き方や雇用条件面についての確認をすることが多いです。応募している企業へ前向きに入社を検討している場合、ご自身が納得いく雇用条件を自分の中でしっかり確認してから面接に臨みましょう。
面接時の服装
業界・職種など応募するポジションによりますが、「きちんと感」のある服装はどのポジションにも通じると思います。ビジネススーツかスマートカジュアルか、など面接の前に転職エージェントに確認することをおすすめします。
面接のときに気をつけること
最近では一次面接、最終面接ともにWeb面接を行う企業が増えています。Web面接の場合は対面とは違い、面接をスムーズにすすめるためのテクニカルな面の確認が必要になります。例えばWi-Fi環境は整っているか、カメラやマイクの接続や室内の明るさは大丈夫か、周囲に雑音はないかの雑音などを事前に確認しましょう。また、対面ではなく画面を通しての面接となるため、表情や声の大きさにも気をつけ、「相手に伝わる」ことをよりいっそう心がけましょう。
面接前には必ず、できる限り企業研究をして募集しているポジションをしっかり確認することをおすすめします。Webサイトを通して企業の雰囲気を知り、求人要項を精査して、求められているポイントを整理した上で面接に臨んでください。
4.香港転職 Q&A
香港の転職活動について、よくある質問を紹介します。
Q
A
もちろん問題ありません。現地法人への転職の場合、採用の責任者が香港にいることが多いため、一次面接はWeb面接のケースも多いです。しかし、最終面接でにおいては対面での面接を希望する企業もあるため、その際は渡航することになります。一般的に渡航費用は自己負担です。
Q
A
香港ではダブルペイ(年末手当)の支給が旧正月前の2月上旬に行われることが多いため、多くのローカル求職者は手当を受け取ったタイミングで転職活動を開始します。したがって、2月~3月ごろが最も人員の異動が活発化する時期となります。また、日系企業の場合は4月の新年度から8月に向けて徐々に求人数が増加する傾向にあります。
Q
A
求人内容にもよりますが、日系企業であってもほとんどの企業で日本語・英語の両方で面接が実施されます。香港での転職では英語力が求められるケースが多く、特に外資系やローカル企業はすべての面接が英語で行われるケースも少なくありません。
Q
A
内定後は、およそ1週間以内にその内定を承諾するか辞退するかを回答するケースがほとんどとなります。内定承諾後は、ビザの手続き、退職交渉を経て入社となります。入社までの期間はビザの発給状況にもよりますが、内定承諾後、およそ1~2カ月程度となります。
5.各地域の転職マニュアル
6.関連情報
※dodaのエージェントサービスは国内在住の方がご利用いただけます。
海外在住の方はこちら。