マレーシア転職マニュアル
「海外転職」と一口に言っても、求人の傾向は国やエリアによって異なりますし、求められる能力、面接の進め方もさまざまです。そのため、「転職活動の進め方が分からない」「面接の準備方法が分からない」という不安は誰にでもあります。マレーシアの転職活動についてはもちろん、その後のキャリアについてもご紹介します。
1.マレーシア転職の概況と求人の特徴
マレーシアはベトナム同様に「チャイナ・プラスワン」の対象となる国のひとつであり、日系メーカーの製造拠点が多く進出しています。近年の進出数は落ち着いていますが、それでも圧倒的に多いのは製造業の求人です。
英語が公用語の一つであるため、欧米諸国の企業も多く進出しています。ただ、日本から就業を希望する人材を対象とする求人の8割は日系企業のものです。業種は、製造業に加えてITやアウトソーシングなど、サービス系の求人も増加しています。職種としては、営業、秘書、コールセンターサポート、エンジニアなど幅広くあります。また、グローバル企業がアジア地域の人事部門をマレーシアに置いているケースも見られます。
求められる言語は基本的に英語で、シンガポール、香港に次いで高いレベルの英語力が求められます。TOEIC(R)テストのスコアでいうと700程度が目安です。ただし、カスタマーサービスなどは、日常会話レベルの英語でも就業できる求人もあります。
2.マレーシア転職で身につくもの
日本ではビジネスにおいて「すべて言わなくても相手が察してくれるだろう」という感覚や経験があるかと思いますが、マレーシアはマレー系、中華系、インド系が混在する多民族国家であり、それぞれ異なる価値観や文化を背景に持っているため、「相手が察してくれる」ということはめったになく、しっかりと言葉にして正確に相手に伝えるスキルが必要になります。また同時に、異なる価値観や文化の違いをすり合わせながら円滑に業務を進めるスキルも必要になるため、視野の広いビジネス感覚や高いコミュニケーション能力を身につけていくことができます。
ビジネスシーンは英語が一般的ですが、マレーシア人の多くは英語ネイティブではないので、英語に不安がある方でも日常会話からステップアップしていくことができます。
3.マレーシアの面接
企業にもよりますが、マレーシアでの転職は非常にスピーディーです。そのため、求人応募から内定まで3~4週間程度の場合がほとんどとなりますので、求人に応募する前に面接の準備もしっかり整えておきましょう。
カスタマーサポートなどBPO系企業では1週間以内に合否が決まることも珍しくありません。
面接の回数
マレーシアでは、多くの企業で、面接は2回程度となっています。
基本的に人事担当者と上司になる方が面接を担当します。外資系企業、ローカル企業は英語での面接となります。日系企業で、面接官が日本語に堪能な場合でも、英語力のチェックも兼ねて英語での面接を実施することが多いので、英語面接の準備はしっかり行いましょう。
面接では、企業の説明、業務内容の説明、チームストラクチャーを説明されることが多く、面接官からの質問では、「なぜマレーシアで働きたいのか」「どれくらいの期間、マレーシアで働けるのか」のふたつがよくある質問です。これらの質問により、企業側が求めている要件を満たしているかをチェックしているので、事前に職務内容や企業が求める人物像を確認して準備することをおすすめします。
ただし、それが自分のキャリアビジョンとあっているのかということもしっかり考え、応募を決定することが重要です。
上司になる方と所属部門の部門長や役員が面接を担当します。日系企業では、日本本社の管理職が参加するケースもあります。
日本と同様に最終面接では、具体的な職務に関する内容よりも、カルチャーフィットや人柄面を見られることが多いです。一次面接時に応募先企業のカルチャー等について質問してその企業の理解を深めるなどして準備を進めましょう。
面接時の服装
マレーシアの面接でも基本的にはビジネススーツを着用しましょう。また、清潔感を意識してください。
面接のときに気をつけること
一次面接、最終面接ともにWeb面接のケースがほとんどです。
Web面接でもフォーマルな服装で面接に臨んでください。また、照明の明るさや周りの雑音、背景など面接時の室内の環境には十分注意してください。また、10分前を目安に事前にオンラインにしておきましょう。
4.マレーシア転職 Q&A
マレーシアの転職活動について、よくある質問を紹介します。
Q
A
もちろん問題ありません。現地法人への転職の場合、採用の責任者がマレーシアにいることが多いため、一次面接はWeb面接のケースも多いです。しかし、最終面接においては、対面での面接を希望する企業もありますので、その際は渡航していただくことになります。また、日系企業で採用の決定権が日本本社にある場合などは日本の本社で対面面接をすることもあります。
Q
A
マレーシアでの求人は欠員補充の場合が多く、特定の時期に求人が多いということはありません。カスタマーサポートなどBPO系企業もプロジェクトベースでの求人になりますので、随時、転職エージェントから最新情報をキャッチアップすることをおすすめします。
Q
A
求人内容にもよりますが、日系企業であってもほとんどの企業で、日本語・英語の両方で面接が実施されます。マレーシアでの転職は、英語力が求められるケースが多く、すべての面接が英語で行われるケースも少なくありません。求められる英語力は、日常会話からビジネス英語力までさまざまです。
Q
A
内定後は、およそ1週間以内にその内定を承諾するか辞退するかを回答するのが一般的です。内定承諾後は、ビザの手続き、退職交渉、健康診断の受診(必要ない場合もあり)を経て、入社となります。入社までの期間はビザの発給状況にもよりますが、内定承諾後、およそ1~2カ月月となります。
5.各地域の転職マニュアル
6.関連情報
※dodaのエージェントサービスは国内在住の方がご利用いただけます。
海外在住の方はこちら。