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働く女性のホンネ 働く女性のホンネ

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掲載日:2015年3月30日

ワーキングマザー仕事の満足度調査

限られた時間で育児も仕事もこなさなければいけないワーキングマザー。これから結婚・出産を考える働く女性の中には「両立は大変そう」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。今回、正社員として働く全国のワーキングマザー798名に仕事に対する満足度を調査したところ、「満足している」と答えた人は65%という結果になりました。この満足度は何によって変化するのか―。「産前・産後の勤務時間と収入の変化」や「働く理由」、「子どもの年齢」「管理職への意向」に分けて分析しました。

【グラフ1】<満足度>全体

【職種別】

技術系ワーキングマザーの「満足度」が高い!理由は“仕事のやりがい”

職種割合
【グラフ2】満足度<職種別>

ワーキングマザーの仕事に対する満足度を職種別に集計すると、最も高かったのは「技術系(電機/建築/メディカル)」の74%で、次いで「技術系(IT・通信)」の69%となり、技術系の満足度が総じて高い結果になりました。満足している理由を聞いたところ、「やりたい仕事が続けられている」「適切に評価されて結果が製品につながる」といった、仕事へのやりがいを示唆するコメントが目立ちました。

続いて、3番目に満足度が高かったのは、「販売/サービス系」の68%。「職場が育児と仕事の両立に協力的で働きやすい」「産後の復帰について理解がある職場で、役職も産前と同じまま働けている」など、職場の環境を満足の理由に挙げる人が多くいました。

【勤務時間と収入の変化別】

産前・産後で勤務時間や収入が減っても、増えても、
「満足度」は変わらない!

勤務時間の変化 収入の変化
【グラフ3】満足度<勤務時間の変化別>【グラフ4】満足度<収入の変化別>

産前・産後の勤務時間と収入の変化を聞いたところ、勤務時間も収入も変化のなかった人が過半数。勤務時間が減った人が40%、収入が減った人は29%いますが、【グラフ3】【グラフ4】を比べると、勤務時間と収入が増えた人、減った人、変化のなかった人それぞれの満足度に変化は見られませんでした。

勤務時間と収入の変化のかけ合わせ
【グラフ5】満足度<勤務時間と収入の変化別>

勤務時間と収入の変化をかけ合わせて見ると、産前・産後で「勤務時間も収入も変化なし」の人が41%で最多。次いで「勤務時間・収入ともに減った」人が21%、「勤務時間は減ったが、収入は変わらない」人が18%となっています。

それぞれの満足度を見ると、「勤務時間・収入ともに減った」人が66%なのに対し、「勤務時間は減ったが、収入は変化なし」が63%と低い結果に。これは「短時間勤務になっても、出産前と同様の成果を出さなければいけない」というプレッシャーが影響しているのかもしれません。また、「勤務時間が変わらない」人については、収入の増減が満足度と比例して大きく変化していますが、全体の4割を占める「勤務時間も収入も変化なし」の人の満足度が66%となっていて、全体の「満足度」66%の数値に大きく影響を与える結果になっていると考えられます。

【働く理由別】

「限られた時間だからこそ、育児も仕事も充実」 との
コメントが圧倒的多数!

■働く理由の割合
【グラフ6】満足度<働く理由別>

働く理由を「家計・収入のため」と回答した人は全体の8割を占める結果に。次に多いのが「育児から離れる時間がほしい」となりました。これを選択した理由としては、「限られた時間だからこそ、子どもとの時間を大切にできる」「両立は大変だが、毎日気持ちを新たに仕事に向かえる」といったコメントが目立ち、“仕事と育児のメリハリ”をポジティブにとらえていることがうかがえます。

働く理由別に満足度を見ると、「家計・収入のため」だけを選択した人は44%なのに対して、「家計・収入のため」以外を選択した人は72%と、働く理由によって満足度は大きく変化することが分かりました。仕事をする以上、「家計・収入のため」というのは当然と言えますが、それ以外にも働く理由を見出している人の方が「満足度」が高い傾向です。

【ワーキングマザーの年齢と、子どもの年齢別】

「満足度」にも “M字カーブ”!? 育児負担の減る30代後半から
「満足度」回復

年齢割合 子どもの年代割合

※複数子どもがいる場合は末子の年齢

【グラフ7】満足度<ワーキングマザーの年齢別> 【グラフ8】満足度<子どもの年代別>

「満足度」をワーキングマザーの年齢別に見ると、25〜29歳は67%、30〜34歳は62%と落ち込み、35〜39歳で69%まで上昇する結果になりました。出産・育児期の女性の労働力率の低下を示す“M字カーブ”の傾向が「満足度」にも表れています。30代前半は第二子誕生などで育児負担が増えているものの、30代後半では末子の年齢も高くなる傾向が見られ、子どもの成長とともに育児負担が減っていることが仕事への「満足度」に影響していると考えられます。

子どもの年齢別には、小学生以上の子どもがいる人は2歳以下の未就学児がいる人と比較して10%高い74%という結果になりました。2歳以下の子どもがいる人の中には、「3人の子どものうち2人が保育園に通っていて、ほぼ保育園代で働いたお金は消えてしまうが、今は踏ん張り時だと思う。期間限定なことなので乗り切りたい」という回答も。ワーキングマザーの年齢別の「満足度」同様の傾向で、子どもの成長とともに育児負担が減っていることが、仕事への「満足度」に影響していることがうかがえます。

【管理職意向別】

「いつかはもっと働きたい」。長期的キャリアを意識する人ほど、
「満足度」も高い結果に!

管理職の意向割合
【グラフ9】満足度<管理職の意向別>

管理職を「目指したい」と回答した人は全体の30%でした。理由は「自分自身のステップアップのためにも、収入アップのためにもトライしたい」「組織を変えるためには出世するのが一番の近道だと考えている」「この先、子どもが大きくなったらいつかはもっと働きたい」などが挙げられました。

管理職の意向別に「満足度」を見ると、「積極的に目指したい」と回答している人の「満足度」は81%で非常に高い結果になりました。次いで、「機会があれば目指したい」人も74%と高い数値。「まったく目指したくない」人は55%で全体平均より大幅に低い結果となり、管理職の意向と仕事の「満足度」には相関性があることがうかがえます。

【まとめ】

今回の調査では、約4割のワーキングマザーの勤務時間もしくは収入が減少する傾向があるものの、それらはあまり大きく「満足度」に影響する要因ではないことが分かりました。それよりも「何のために働くのか」といった働く理由と、子どもの成長とともに変わる実質的な育児時間の変化が影響している傾向でした。「子どもが大きくなったら管理職を目指したい」という声からも分かるように、育児が一段落してからキャリアをどう築いていくかを考えることは、前向きに仕事と向き合うための重要な要素です。これから出産を考えている方も、出産して育児真っ只中の方も、「仕事をセーブする」という発想だけでなく、育児負担が軽くなってからどう働くかといった長いスパンでキャリアを考えてみてはいかがでしょうか。

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