女性のための
転職Q&A
更新日:2023年7月27日
自分の市場価値を知りたい! どうすればいい?
新卒からずっと同じ会社で営業として働いています。1社しか経験していないので、自分の市場価値がどれほどのものなのか分かりませんが、どんなに一生懸命働いても今の会社ではあまり評価されないような気がします。自分の市場価値について知りたいのですが、どうすればよいでしょうか?
(27歳/IT営業/未婚)
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瀬戸口瑞恵
国家資格 キャリアコンサルタント
教育業界にて営業職・マネジメント職、外資系企業での事務職を経て、2007年に当社に入社。入社以来、キャリアアドバイザーとして、個人のお客様の転職を支援。管理部門職種の方を中心に幅広く担当している。
プライベートでは2人の男児のママ。中長期的なキャリアプランの提案・個人の価値観に寄り添った求人提案を心がけている。
まずは市場価値とは何か、理解を深めましょう
「自分の市場価値が分からない」というのは、企業で働く多くの方が直面する悩みです。特に転職経験がない方の場合、「今の会社を一歩出たら、評価されないのでは」「自分は正当な評価を受けているのだろうか」と不安になることもあるでしょう。
まずは市場価値について理解を深めてから、市場価値を高める方法や自分の市場価値を知る方法について見ていきましょう。
市場価値を決める要素って?
市場価値は、一般的にその人が持っているビジネススキルと経験、実績によって判断されます。ビジネススキルは業務を行う上で必要な知識や技術、資格などのテクニカルスキルだけでなく、仕事を進めていく上で欠かせない、以下のような能力も含まれます。
仮説思考力
仮説思考とは、与えられた課題に対して情報収集や分析よりも先に仮説を立て、限られた情報の中から全体像や解決方法を思考する手法です。仮説を立てることで試行錯誤による余計な作業が発生しにくくなるため、スピーディーかつ精度の高い仕事ができるようになります。
課題解決力
課題解決力とは、立てられた仮説に対して検証方法や作業工程を設計し、課題を解決に導くスキルです。課題解決力が高い人材は、課題へ客観的に向き合うことで本質を見極め、目に見える課題だけでなく、将来的に起こる可能性がある潜在的なリスクも含めて対処できるでしょう。
チームビルディング力
チームビルディングとは、チームメンバーのスキルや経験を最大限に引き出し、協働性を高めるための手法です。課題の分析や仮説の検討、課題解決のための工程設計ができたとしても、周りを巻き込めなければ大きなプロジェクトを成し遂げることはできません。
これらは業種や職種が変わっても通用する「ポータブルスキル」なので、持っていれば将来的にさまざまな分野で活躍できる可能性が高まるでしょう。
「人生100年時代」といわれているように、今を生きる私たちは、今後さらに社会と関わる期間が長くなります。経済産業省が提唱する『人生100年時代の社会人基礎力』の中でもポータブルスキルは重要視されているため、これらの能力をバランスよく身につけていくとよいでしょう。
厚生労働省「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」
また、ビジネススキルに加え、これまでの仕事で得た経験や実績も、市場価値を決める重要な要素です。数字で表せるような実績はもちろん高く評価されますが、結果的に失敗した経験や数値では測れない実績であっても、そこから何かしら学びがあれば十分評価に値するといえるでしょう。
人材の「需要」と「供給」のバランスで市場価値が変わる
転職市場では、企業が求めるスキルや経験、実績をどれだけ持っているかが市場価値を左右します。ただし、この市場価値は人材の需要と供給のバランスに大きく影響されます。
例えば、近年ではAIやビッグデータを活用したDXを進める企業が増えています。しかし、そのような領域で豊富な実績を持つ人材は限られているため、こうした分野の人材の市場価値が高まりやすい状況です。
転職市場は社会情勢や景気の変化によって需要と供給のバランスが大きく変わるため、同じ人材でもタイミングが異なれば市場価値が上下する点を理解しておきましょう。
転職者186万人の年収データをもとに
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市場価値を高めるために、今できることを始めてみましょう
自分の市場価値を高めるには、先に述べたポータブルスキルを身につけることが大切です。まずは、普段の仕事から以下のようなことを意識して、スキルアップを目指しましょう。
主体的な行動を心がけて成果を上げる
変化のスピードが激しい中、その変化に柔軟に対応できる人材は、どの企業でも重宝されるでしょう。決められた仕事だけをしていると自分の地力を高めることに意識が向きにくくなって市場価値も上がらず、いざ転職をしたいと思った際に選択肢が減ってしまいかねません。
ですから、今の職場でもできる限り主体的にチャレンジし、不測の事態が起こっても、その課題にしっかりと向き合って成果を上げることを意識してください。与えられた目標を達成するだけにとどまらず、自分なりの工夫をプラスして成果を出し続けることが市場価値の向上につながります。
チームとしての成果を意識する
ほとんどの仕事は一人だけでこなすことはできません。多くのケースで同じチームのメンバーや他部署などと協力しながら仕事を進めるため、チームワークや組織全体の成果を意識できる人は市場価値が高いといえます。
全体としての成果を上げるために周囲のモチベーションを高めつつ、自分には何ができるかという視点で仕事に取り組んでみましょう。
自分の市場価値を知る方法として、転職活動がおすすめです
自分の市場価値を知りたいという方には、実際に転職するかは別として、一度転職活動にチャレンジしてみるのがおすすめの方法です。ここでは転職活動を通して得られるメリットと、転職活動の始め方について解説します。
転職活動をするメリットとは?
転職活動では、普段なかなか関わりを持つことができない他社の人事担当者や転職エージェントとコミュニケーションを取る機会がたくさんあります。そのため、面接や面談を通して、これまでの経験やスキルについて多くの人からフィードバックがもらえます。そのフィードバックはあなたの市場価値を探るためのヒントになるでしょう。
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転職活動では、企業のニーズを把握し、あなたが考えている市場価値とのギャップをしっかりと理解することが大切です。そのギャップを埋めていく過程で、「このスキルが足りない」「この経験を積んだほうがよさそう」などの改善点がいろいろ見えてくるでしょう。転職活動を通じて、自分に足りないスキルや経験を知ることは、将来のキャリアアップにも大いに役立ちます。
転職活動を通して、自分のことを高く評価してくれる企業に出会い、納得できれば転職を前向きに考えてみてもよいでしょう。もし今の会社が意外と自分を高く評価してくれていることに気づけたら、現職で働くことを前向きに捉え直すきっかけになるかもしれませんね。
転職のための診断ツールを活用しましょう
自分の市場価値を把握するはじめの一歩として、dodaの年収査定やキャリアタイプ診断の利用もおすすめします。年収査定は、今の会社での収入が適正なのかを考えるきっかけにもなり、キャリアタイプ診断は、自分の性格や行動基準をもとに向いている仕事や社風などを提示されるので、今後のキャリアプランの参考になるでしょう。
これらの診断を手がかりに求人を探したり、転職エージェントに相談したりして、実際に転職活動を始めてみてはいかがでしょうか。転職活動を通して自分の市場価値がより明確になり、目指すべき方向も見えてくると思います。
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