女性のための
転職Q&A
更新日:2020年11月30日
女性が活躍できる会社に転職したい。面接ではどうやって聞けばいい?
私はキャリア志向が強く、今後転職する先でもバリバリと働きたいと考えています。女性が活躍できる会社を選ぶには、面接の際にどのようなことを確認しておくべきでしょうか?
(30歳/広告・企画/未婚)
キャリアアドバイザーのA.をまとめると
瀬戸口瑞恵
国家資格 キャリアコンサルタント
教育業界にて営業職・マネジメント職、外資系企業での事務職を経て、2007年に当社に入社。入社以来、キャリアアドバイザーとして、個人のお客様の転職を支援。管理部門職種の方を中心に幅広く担当している。
プライベートでは2人の男児のママ。中長期的なキャリアプランの提案・個人の価値観に寄り添った求人提案を心がけている。
「女性活躍」の取り組みは会社によってさまざま
ここ数年、「女性活躍」という言葉が広く使われるようになってきましたが、具体的にそれが何を指しているのかは、個々の企業、部門によってまちまちです。また、何をもって「女性活躍」に取り組んでいると見るのかは、個人の主観に左右されることも多く、本当に「女性が活躍できる会社」かどうかを見極めることは、難しいのが現状です。
そこで、女性活躍を積極的に推進している企業を確認する方法として、公的な認定制度などの指標と、会社の取り組みの2つを参考にしてみてはどうでしょうか。
「女性が活躍する会社」の指標
「女性が活躍する」あるいは「女性活躍を目指している」会社かどうかを判断する指標として、国による認定制度や表彰制度があります。あくまで指標の一つになりますが、その企業が一定の基準をクリアしている証となりますので、知っておくとよいでしょう。
【えるぼし認定】
採用段階における男女の競争倍率が同程度であること、管理職に占める女性の割合が平均値以上であることなどの認定基準の達成状況によって、女性の活躍に関する取り組みの実施状況が優良な企業として厚生労働大臣の認定を受けることができます。
【くるみん】
仕事と育児の両立支援に取り組む企業を認定する制度で、育児休業の取得割合、所定外労働の制限や短時間勤務制度の設定など、10項目の基準を満たした企業が厚生労働大臣の認定を受けることができます。
【なでしこ銘柄】
経済産業省と東京証券取引所が、女性が働き続けるための環境整備や、女性管理職など女性人材の積極的な活用を進める企業を業種ごとに選定しているもので、2012年度から始まりました。
また、これら以外にも多くの認定・表彰制度がありますので、詳しくは厚生労働省のページをご覧ください。
女性が活躍できる企業 子育て支援企業の見つけ方・選び方
厚生労働省 女性の活躍推進企業データベース
「女性が活躍する会社」の取り組み
「女性が活躍する会社」かどうかの判断では、先述の指標以外に下記のような具体的な取り組みも実施していると、柔軟に、かつ長期的に女性が働ける環境が整っているといえるでしょう。
【リモートワークや在宅勤務の導入】
社員が働ける場所を増やす取り組みです。妊娠や子育てでどうしても時間的な制約が生まれてしまうこともありますから、サテライトオフィスなどでのリモートワークや、通勤せずに仕事ができる在宅勤務は、働く女性にとって心強い制度でしょう。
【フレックスタイムや短時間勤務制度の導入】
働く時間の柔軟性を高める取り組みです。フレックス勤務を導入するなど働く時間を固定しないことで、結婚・出産などのライフイベントに合わせてより自由な働き方が可能となります。育児期間中は、保育園のお迎えや子どもの急な病気などの際でも時間を調整することができます。
【キャリアとプライベートのバックアップ】
女性の働き方やライフプランの多様化に対応して、個々にマネジメントを行って支援する体制が整っているかどうかもポイントです。上司と仕事だけにとどまらない話をできる機会が定期的にあるか、社内に相談窓口が設置されているかなどが判断材料の一つになるでしょう。
【女性管理職育成に取り組む】
女性の活躍は急速に進んでいますが、その一方で、女性管理職のロールモデルはまだ少ないのが現状です。そのため、「大変そう」「自分にはできない」といったマイナスイメージが先行して、管理職を目指すのをあきらめてしまう人も見られます。定期的なワークショップや役員によるメンタリングなどを通して女性管理職を育成する取り組みを実施している会社は、女性活躍に注力しているといえるでしょう。
女性が長く働けて、活躍できる仕事を選ぶために
女性の雇用環境が変わり続けている現在、女性活躍に取り組んでいる企業を見分ける指標などを理解したところで、長く活躍できる仕事を選ぶために具体的に何を確認すればよいのか考えてみましょう。
面接では、「女性が活躍しているか」ファクトベースで確認しましょう
女性活躍について面接で尋ねるのであれば、主観に左右されにくい「ファクト」、つまり事実や実績について質問することをおすすめします。ファクトの要素として、例えば「女性管理職の割合」や「育休後の復帰率」などが挙げられます。
ただ、ファクトベースで質問するのはよいですが、質問の仕方には慎重さが必要です。何の前置きもなく「育休後は元の部署に戻れますか?」と尋ねてしまうと、唐突に受け取られたり、自分の都合ばかり考えたりしていると誤解されかねません。それを避けるためにも、「長く働きたいので確認したいのですが」のように、きちんと意欲が伝わるような前置きをするとよいでしょう。質問のタイミングは、二次面接以降、できれば内定後が望ましいです。
なお、2016年4月からは女性活躍推進法により、従業員数が301人以上の企業には「女性管理職の割合」などの現状と目標数値の公表が義務づけられました。
一部の数値については企業のホームページに公表されている場合もあるので、確かめてみるとよいでしょう。また、ホームページやネットに掲載されている経営者インタビューなどにもあらかじめ目を通し、その会社が女性活躍推進法やダイバーシティに対してどのようなスタンスなのかを確認しておくことも大切です。そのうえで、「差し支えなければ具体的な取り組みを教えていただけますか?」と尋ねてみましょう。
長く働ける仕事を選ぶために確認するポイント
長く働けて活躍できる会社を選ぶためのポイントをいくつか紹介します。
【男女の比率】
男女比率がほぼ同じか、もしくは女性のほうが多い会社は、女性が活躍しやすい環境が比較的整っていると考えられます。逆に、女性が極端に少ない会社や職場の場合、女性活躍の“先例”がないことが、先々何かにつけてハードルになる恐れがあります。
【仕事と家庭を両立できる】
将来的に仕事と家庭や子育てを両立できる環境かどうかは重要です。勤務体制が不規則な場合や、長時間労働によって家庭での時間が取れなければ、長く働き続けることは難しくなります。
【労働条件が整備されている】
フレックスタイムや在宅勤務制度、産休・育休の取得実績がある、有休の取得がしやすいなど、労働条件が整っている会社の場合、将来的に仕事と家庭を両立させやすく、女性にとって長く働きやすい環境といえるでしょう。
【スキルアップが見込める】
継続的にスキルアップができたり、キャリアが途切れにくかったりする職種・業種を選ぶことで、例えばAIの進化によって多くの分野で自動化が進んでも代替されにくい人材になり、結果的に長く働ける可能性も高まるかもしれません。
「女性が活躍できる」だけではなく、あなたが活躍できる会社を選びましょう
女性が活躍できる企業かどうかは制度や取り組みで分かる部分もありますが、その中で何に重きを置くかは人によって異なります。これらは転職先を選ぶ際の大切なポイントですが、その前に、自分が仕事を選べる立場にいられるよう常にスキルをアップデートするよう心掛けましょう。
どれだけ制度が整っていたとしても、転職先の企業に経験が活かせるポジションがないのであれば、活躍まで時間はかかると思います。一方、これまで培った経験やスキルが活かせれば、新しい会社で早めに成果を出し、ポジションを作れてキャリアアップもできます。
キャリアチェンジの優先度が高くなければ、今までの経験やスキルを活かせる分野のほうが転職活動自体はスムーズに進むでしょう。「女性が活躍できる」会社であなたが活躍できるかどうかを見極めることが大切です。
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