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更新日:2024年3月5日

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仕事・キャリアの悩み給与

時短勤務でも給料を減らさないで育児と仕事を両立できる?

出産後に復職したら、以前よりだいぶ給料が減ってしまったという話を聞いたことがあります。時短勤務で勤務時間が短くなるからだと思うのですが、育児をしながら年収を下げずに働くことはできますか?

(33歳/不動産営業/既婚・子どもなし)

キャリアアドバイザーのA.をまとめると

回答したキャリアアドバイザーはこちら

高島佐代子
国家資格 キャリアコンサルタント

前職ではウェディングプランナーを経験。より個人に深く関わり、人生の大きな意思決定のサポートをしたいという思いでdodaキャリアアドバイザーに。
おもに営業職、事務職、販売サービス職を担当。女性のキャリア支援実績も多数。

勤務形態によっては、時短勤務でも給料が減らないケースはあります

時短勤務で給与が減額されるかどうかは、勤務先の人事制度が「時間管理型」か、それとも「裁量労働制」かによって異なります。

時間管理型は勤務時間で収入が変わる

勤めている会社が、時間が短くなった分だけ基本給が減る仕組みの制度、いわゆる時間管理型の人事制度であれば、勤務時間が収入に影響します。育児との両立のために時短勤務をする場合も同様です。

時短勤務は法律によって定められた制度ですが、短縮分の給与の支払いは会社が決めることができます(※1)。例えば時間管理型の人事制度では、1日の所定労働時間が8時間から6時間に短縮された場合、その差の2時間分は減額されることが一般的です。

時短勤務で給料は変わる? 残業代や年金の算出方法も詳しく解説

裁量労働制は実働時間に左右されない

一方、時間管理型ではなく、裁量労働制を採用している企業もあります。

裁量労働制とは、あらかじめ定めた時間を働いたものとみなして、賃金が支払われる制度です。研究開発や設計のような専門性が高い業務や、事業の企画・立案・調査および分析といった業務が裁量労働制の対象となります。

実際の労働時間や時間配分は社員本人の裁量に任せられ、仕事の成果によって給与が決定されるので、与えられた数値目標を達成すれば時短勤務でも給料が減ることはありません。

ただし、企業によっては、数値目標自体が下げられて給料が減る場合や、育児期間中は裁量労働制の対象外となる場合があります。

数値目標や給料を変更せずに育児に取り組むことを望むのであれば、そのことを会社に伝える必要があります。気になる方は勤め先の制度や先輩方の前例を確認すると良いでしょう。

裁量労働制とは?メリットとデメリットを教えてください。

将来的には時短勤務をすると給付金がもらえるようになるかも

政府が掲げる少子化対策の一つとして、時短勤務を活用した育児とキャリア形成の両立を支援する新制度「育児時短就業給付(仮称)」が、2025年の実施に向けて動き出しています(※1)。

男女ともに、子どもが2歳未満の期間に一定時間以上の時短勤務をした場合、賃金の減少分を補うための給付金が支給される予定です。

この制度が施行されれば、時短勤務をしても給料が減らないという人が増えるかもしれません。

一時的な収入の増減だけでなく、生涯年収を考えてみましょう

育児 仕事 両立

育児と仕事を両立するため、意に添わず時短勤務を選択せざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、生涯年収というもっと長いスケールで考えてみてください。

将来的に、フルタイムに復帰後に収入アップを実現し、時短勤務中の減少分を取り戻せる可能性があります。時短勤務の間に、将来のキャリアアップに向けてできることを考えてみると良いかもしれません。

業務の評価基準を確認しておく

まずは、今の業務に対する評価基準について上司や人事部に確認してみましょう。

営業職の場合であれば、時短勤務の社員とフルタイム社員とを比較した際、同じ契約件数を獲得しても評価や待遇が異なるのかどうかも確認してください。また、後輩の育成や部署全体のサポート業務など、直接的に数字に表れない点が評価基準に組み込まれているかどうかなども聞いてみるといいかもしれません。

会社の評価軸がきちんと把握できれば、時短勤務中の「自分の努力が報われていないのではないか」といった不安の回避につながります。また、将来のキャリアアップに向けて、明確な目的意識を持って仕事に取り組みやすくもなります。

時間当たりの成果を意識する

子どもの送迎などで残業が難しい時短勤務社員は、フルタイム社員よりも時間的な制限があります。その分、業務効率を上げて時間当たりの成果をアップさせれば、それが評価に値する実績となるはずです。

効率や生産性を意識することで、その姿勢が周囲にも伝わり、職場全体の業務効率化につながるかもしれません。上司との面談の際などに、時間当たりの成果に注力していきたい旨を伝えてみるのも良いでしょう。

育休明けの準備でやるべきことは?復帰後にうまく両立できるか不安です

どうしても給料を減らしたくない場合は、早期のフルタイム復帰や転職も視野に

もし、自身にとって給与をキープすることの優先順位が高いのであれば、早期にフルタイムに戻すか、または転職をして年収を上げることを考えても良いかもしれません。

現職で早期にフルタイムに戻す

時差出勤制度の利用

育児をしながらも収入を減らしたくないというのであれば、まずは会社側に相談してみてはいかがでしょうか。

例えば、始業時間が決まっている場合、上司に「1時間早く帰る代わりに1時間早く出社したい」といったことを相談してみましょう。

もし受け入れてもらえれば、勤務時間を減らさず働くことができます。また、育児・介護休業法に基づく「所定外労働の免除(残業の免除)」を会社に申請してみましょう(※2)。

「自分だけ特別扱いはだめかな」とあきらめずに思い切って相談するのが、希望をかなえる一番の近道になるかもしれません。ぜひ試してみてください。

ただし、その前提として、日ごろから職場の人間関係には気を配り、周囲の理解を得ておくことを忘れないようにしましょう。

時差出勤制度がある企業の求人特集

テレワークの利用

近年浸透してきたテレワークを活用すれば、通勤時間を勤務時間に充てることができるので、忙しい育児中であってもフルタイム勤務が実現しやすくなるでしょう。

テレワークの導入には、コミュニケーションやタイムマネジメントなどに工夫が必要になることもありますが、柔軟な働き方を可能にしてくれるというメリットもあります。

勤め先にテレワークの制度があるなら、積極的に活用してみてください。

リモートワーク・テレワークを継続宣言している企業の求人特集

一人で解決しようとしない

一方で仕事だけではなく、プライベートのほうを調整するという手段を検討しても良いかもしれません。

出産前の収入水準に見合った仕事量・仕事の質が維持できるよう、プライベートの環境を整える。

つまり、パートナーや実家などの協力を得たり、時にはベビーシッターやファミリーサポートセンターといったサービスも利用したりして、勤務時間を減らさずに働き続けるということです。

これはこれで、実家の近くに引っ越すなど、周囲の理解、環境の整備が不可欠なので、なるべく早めに準備するように心がけましょう。

地域で子育てを支援するファミリーサポートセンター事業とは
働くママ必見! 仕事と家庭の両立に役立つ制度や方法を紹介

年収を上げるために転職する

あらかじめ年収アップを重視した転職をしておくことも一つの選択肢です。

業界知識やスキルなどをなるべくたくさん活かせるポジションのほうが評価してもらいやすく、それに伴って年収が高いオファーが出るでしょう。

ただし、転職後1年間は育休が取れない企業もあります。具体的には、「入社1年未満の従業員からの育休の申出を拒否できる」といったことを労使協定に規定している場合です(※3)。

事前に志望先企業の制度を確認することを忘れないでください。

転職で年収が下がるのが不安…年収が上がる・下がるケースの例、転職活動の注意点

時短勤務など復帰後の働き方に迷ったらプロに相談を

仕事と育児の両立は金銭的にも体力的にも大変ですが、その貴重な経験によって、復帰後は効率よく仕事がこなせるようになったと感じる人もいるようです。

希望のキャリアプラン実現を目指しつつ、今後のライフステージの変化を具体的にイメージしながら、臨機応変に働き方をマネジメントしていけるといいですね。

キャリアに関するお悩みがあれば、転職のプロが完全無料で転職活動をサポートしてくれるdodaのエージェントサービスを利用するという方法もあります。

まずは気軽に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

女性の転職エージェントならdoda

※1 厚生労働省「育児時短就業給付(仮称)の創設について」
※2 厚生労働省「育児・介護休業法の概要」
※3 厚生労働省「育児・介護休業等に関する労使協定の例」

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