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育児と仕事の両立:

子育てと仕事を両立するママ必見!役立つ制度や解決方法を紹介

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更新日:2024年5月27日

子どもを育てながら働く女性にとって、「仕事と子育て・家庭の両立」には不安がつきまといがちです。大きく変化する環境にどう対応すればよいか、戸惑う人も少なくありません。そこで今回は、働く女性が仕事と子育て・家庭を両立させるための方法について、役立つ制度や具体的な解決方法を詳しく紹介します。

※本記事の掲載内容については、ご自身や所属企業の状況、新型コロナウイルスによる社会情勢などを踏まえて、可能な範囲での行動や対応を行いましょう。


「仕事と子育て・家庭の両立」への不安

子育て 仕事 両立

家事や育児を上手にこなしながら、仕事のキャリアもしっかり積み上げていきたい…このようなライフスタイルを望む女性も多いでしょう。

ですが、実際に経験した人の声を聞いてみると、以下のような不安や不満を耳にします。

  • ・子どもを預けようと思っても保育園が空いておらず、待機児童になってしまった
  • ・夫が協力的ではないので、結局すべての負担が自分にかかってしまう
  • ・子どもの病気やけがのとき、自分ばかりが休むことになる
  • ・実家が近くにないので、いざというとき誰も頼れない
  • ・子どもの行事で早上がりや遅出が多く、職場の人間関係に影響が出てしまった

こういった声を聞くと、「仕事と子育て・家庭って両立できるの?」と不安に思ってしまいますよね。

そこで、まずは働くママがどのようなタイムスケジュールで1日を過ごしているのか知ることから始めましょう。

働くママの1日のタイムスケジュール

子育てと仕事を両立するママは、どのように時間を使っているのでしょうか。働くママのスケジュール例を紹介します。

■勤務時間:9:00~17:00
■家族構成:夫、子ども2人(小学生、保育園児)

6:00  起床、朝食の準備
6:30  洗濯機を回す
7:00  夫と子どもを起こし、朝食を食べさせる
7:45  夫が出勤、小学生が登校
8:00  下の子を保育園に連れていき、そのまま出勤
9:00  勤務開始
17:00 仕事を終え、帰宅
17:45 保育園に下の子を迎えに行く
18:00 帰宅(小学生はすでに帰宅)、夕食の準備
18:15 子どもをお風呂に入れる
19:00 夕食、夕食の後片付けをする
20:00 子どもと遊ぶ、小学生の宿題を見る
21:00 子どもの就寝準備
21:30 自分もお風呂に入る
22:00 残った家事をこなす
23:00~24:00 就寝

ただし、子どもが小さいほど急病などイレギュラーなことが起こりやすくなり、臨機応変に対応することになります。

仕事と子育て・家庭を両立させる方法(家庭編)

仕事と子育ての両立

では、仕事と子育て・家庭を両立させるにはどうすればよいのでしょうか。ポイントをいくつかご紹介します。

家事はパートナーと助け合う

子育てしながら働く女性が抱える不安・不満で多いのが、「パートナーが家事や育児をやってくれない」という点です。

最近は育児に積極的な男性も増えてきましたが、それでも以下のようなポイントでもめることが少なくありません。

  • ・洗濯物の干し方が悪いので注意したらケンカになった
  • ・「子どもと遊んであげて」と言ったところ、自分はゲームをして子どもにはタブレットを渡していた
  • ・料理をしてくれるけど後片付けをしないので、結局手間がかかり、言い争いになる

「あるある!」とうなずく女性も多い一方で、パートナー側の意見を聞くと、以下のような不満を抱えていることがあります。

  • ・「やって」と言われたから自分のやり方で家事をしたものの、怒られて嫌になった
  • ・具体的な指示をされていないため、やり方がよく分からない
  • ・いきなり「自分と同じように家事をやれ」と言われてもできない

つまり、家事に関する情報の共有ができていないため、家事をやってほしい妻は満足できず、やったのに怒られる夫は不満を抱える結果になるのです。

働く女性が無理なく仕事と子育て・家庭を両立させるためには、パートナーとの助け合いが不可欠です。

「自分がやったほうが早いから」と一人で頑張り過ぎてしまうと、体調を崩して寝込んでしまうことにもなりかねません。

まずはパートナーと家事の役割分担や進め方などの情報をしっかりと共有し、頼れる部分は頼って家事のバランスを整えましょう。

周囲の人や地域の子育て支援サービスを頼る

一人で抱え込まず、親戚や実家などの周囲の人や地域の子育て支援サービスに頼ることも重要です。

例えば、保育園や学童保育などは、預け先によってはいろいろな支援サービスを行っています。ご家庭の状況に合った預け先を探してみてください。

厚生労働省が運営するファミリーサポートセンターを活用するのもおすすめです。

急用で子どもを預けなければならない、仕事の都合でどうしても保育園のお迎えに行けない、ということもあると思います。

そんなときはファミリーサポートを上手に利用し、家事・育児の負担を分散させて心の負担を少しでも減らしましょう。

子どもと触れ合う時間は量より質

仕事をしながら子育てしていると、子どもに寂しい思いをさせているのではないかと不安になる人も多いのではないでしょうか。

そんなときは、一日の中で子どもと触れ合う時間を組み込んでおきましょう。

もちろん、長い時間である必要はありません。量より質と考え、「ながら」ではなく、しっかり子どもに向き合ってみてください。

毎日決まった時間に触れ合えることで、子ども側の不安も解消されるでしょう。

家事を完璧にこなそうと思うのをやめる

時短家電を使ったり、惣菜を購入したりすることに罪悪感を持つこともあるかもしれません。

しかし、すべてを手間暇かけてこなそうとすると、かえってストレスがたまってしまいます。

家族との時間をつくるために必要なことだと割り切り、時には時短家電や出来合いの惣菜に頼ったり、「今日やらなくてもよいこと」は別の日に回したりしましょう。

心を健康に保つためには、良い意味での手抜きも大切です。

仕事と子育て・家庭を両立させる方法(仕事編)

仕事と子育て・家庭を両立させるためには、家事だけでなく働き方のバランスも考えなければなりません。具体的な手段を見ていきましょう。

勤務の時間帯や長さを変更する

子育てをしながら働く女性が復職するときによく利用しているのが、勤務の時間帯や長さを変更する制度です。

【短時間勤務制度】

所定の業務時間を減らす制度です(※1)。

1日6時間より多く働いていて、3歳未満の子どもがいる場合、正社員・契約社員・パートタイムといった勤務形態を問わず利用できます。

利用すれば家事・育児の時間に余裕を持たせられるでしょう。申請は勤務先の就業規則にのっとって行います。

労使協定によって「1年以上雇用されていること」「短時間勤務でも支障がない仕事内容であること」という条件が付されている場合もあるため、注意してください。

【短時間正社員制度】

採用時に最初から短時間勤務で社員契約をする「短時間正社員制度」を導入している企業もあります(※2)。

所定労働時間が短いこと以外はフルタイム正社員と待遇が変わりません。

そのため、子育てしながら働く女性だけでなく、介護をしなければならない人、働きながら学校に通っている人、定年後に再雇用された人なども利用しています。

【育児時間の制度】

「育児時間」とは働く女性だけが利用できる制度で、1歳未満の子どもを育てる女性は、1日に1回30分の休憩を2回取ることができます(※3)。

もともとは「授乳するための時間」として設けられました。

しかし、現在では授乳に限らず、「家事や育児に余裕を持たせる」という目的で朝や夕方に取得されるケースがほとんどです。

以上のような制度を利用すると時間に余裕ができるので、仕事と子育て・家庭を両立しやすくなります。

育児時間の制度以外は男性にも適用されるため、パートナーと話し合って利用を検討してみるのもよいでしょう。

仕事と子育て・家庭の両立支援制度を活用する

勤務の時間帯や長さの変更よりもさらに多くの時間が欲しい場合、以下のような制度を利用するのも一つの方法です。

【育児休業】

育児休業は、子育てのために休業を取得できる制度です(※1)。

対象となるのは1歳未満の子どもがいる男女ですが、取得するには一定の条件がそろっている必要があります。

両親がともに育児休業を利用することで、子どもが1歳2カ月になるまで育児休業期間を延長できる「パパ・ママ育休プラス」という制度もあります。

【子の看護休暇】

子の看護休暇とは、就学前の子どもがけがをしたり病気にかかったりしたときに、看病のための休暇を取得できる制度です(※1)。

子ども1人につき1年で5日間取得でき、半日や1時間単位で取ることもできます。

ただし、もともと時短勤務をしていて1日の勤務時間が4時間以下の場合は、半日の看護休暇は取得できません。

在宅勤務制度を利用する

在宅勤務制度(リモートワーク・テレワーク)は、自宅にいながら遠隔で業務を行う、または家でできる仕事をすべて在宅で行う勤務形態です。

在宅勤務ができるかどうかは会社や仕事内容によります。

在宅勤務といえばWebデザイナーやプログラマ、イラストレーター、ライターなどの職種が一般的でしたが、最近はそれら以外の職種も増えてきました。

通勤がないので時間に余裕が生まれ、子どもの送り迎えや病気のときの看病にも対応しやすいといった点がメリットです。

在宅勤務を導入するかどうかは会社の考え次第なので、興味があるのであれば、まずは勤務先の規則や前例を確認してみましょう。

または、在宅勤務が可能な求人を求人サイトで探してみたり、転職エージェントに相談してみたりするというのも一つの手です。

フレックスタイム制度を活用する

フレックスタイム制度とは、一定期間の総労働時間をあらかじめ決めておき、その中で労働者側が働く時間帯を決められる制度です(※4)。

この制度があると、自分の体調や子どもの都合に合わせて働くことができ、通勤時間をずらすことも可能になります。

勤務先がフレックスタイム制度を導入していない場合は、導入している企業に転職するという方法もあります。

子育て・家庭と両立しやすい仕事を選ぶ

仕事と子育て・家庭を両立させる制度はいくつもありますが、思い切って勤め先を変えたり、両立できそうな勤務形態に転換したりするのも一つの方法です。

子育てしながら働く女性の中には、実際に以下のような会社に転職したり、勤務形態に変えたりする人もいます。

【自宅から近い職場、企業内保育施設がある職場】

通勤時間の確保や保育園の送り迎えは時間も体力も必要です。自宅近くの職場や職場内に保育施設があるところを選ぶと、空いた時間を有効に使えます。

保育施設がある職場であれば、営業日に合わせて開所しているため休日勤務であっても利用できます。

子どもが近くにいるため体調不良時などもすぐに連絡が取れる、といったメリットもあるでしょう。

【女性が多い職場】

女性が多い職場は子育て支援制度があるなど、仕事と子育てが両立しやすい環境が整っている傾向があります。

妊娠中の心身の不調、子どもの急な体調不良の際にも理解をしてもらいやすいでしょう。

また、子育ての先輩ママがいる場合、悩みを相談してアドバイスをもらえるなど、精神的な面でも頼りになるかもしれません。

【シフト調整や時短勤務がしやすい仕事】

フレックスタイム制度や時短勤務制度がない職場の場合、時間の調整をしやすいパートなどの勤務形態へ変更する人もいます。

最近では、いずれ正社員へ復帰することを条件に、一時的にパート勤務への変更を認めている企業も増えているようです。

育児が落ち着いたタイミングで正社員へ復帰できるため、自身のキャリアをあきらめずに働くことができます。

育児・介護休業法の改正で何が変わった?

育児休業など、仕事と育児の両立を助けてくれる各種制度を規定しているのが育児・介護休業法です(※1)。

この法律は2021年に大きく改正され、2022年4月、2022年10月、2023年4月の3段階で施行されました。

仕事と子育て・家庭を両立していく上で不可欠といってもいいこの法律について、どのような点が変わったのかポイントを押さえておきましょう。

産後パパ育休(出生時育児休業)の創設

2022年10月1日から「パパ休暇」が廃止され、「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設されました。

これによって男性も子どもの誕生から8週間以内に最大4週間の休みを、まとめて、または分割して2回まで取得できるようになりました。

その目的は、男性の子育てへの積極的な参加や、企業による従業員への産休取得の働きかけ義務化を促すためです。

育児休業の分割取得

産後パパ育休(出生時育児休業)と同じく2022年10月1日から施行されています。

これによって子どもが1歳までの間に、分割して2回育児休業を取得できるようになりました。

産後休業や産後パパ育休と組み合わせると、女性は最大で3回、男性は最大4回までの休業が取得できるということです。

雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化

2022年4月1日から、企業に対し育児休業に関する研修の実施、休業取得についての意向確認、相談窓口の設置などが義務付けられました。

育児休業の申し出をしやすくすることが目的です。

申し出をしないよう威圧したり、不利益をほのめかしたり、取得を控えさせるような行為は禁止されています。

有期雇用労働者の育児・介護休業の取得要件を緩和

こちらも2022年4月1日から施行されており、従来の「同一の事業主に1年以上雇用されていること」という条件が廃止されました。

これによって、有期雇用労働者であっても、子どもが1歳6カ月(保育園が見つからず育休を延長する場合は2歳)に達するまでに労働契約期間が満了することが明らかでなければ、育児休業を取得できるようになりました。

ただし、申し出があった時点で労働契約の更新がない、会社が契約を更新しない旨を明示している場合は除かれます。

ほかにも、労使協定の締結によっては育児休業の適用が除外される場合もあるため、注意しましょう。

育児休業などの取得状況の公表の義務化

常時雇用する労働者が1,000人を超える事業所では、育児休業などの取得状況を公表することが義務付けられるようになりました。

公表される内容は、「男性の育児休業等の取得率」、または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。

公表するのは自社のホームページや厚生労働省が運営している「両立支援のひろば」が対象となります。

こちらは2023年4月1日から施行されています。

育児をしながら働く女性の「仕事も家庭も両立させたい」という気持ちは、決してわがままな願いではありません。

周囲の人のサポートと支援制度やサービスなどを活用して少しでも負担を減らし、家族みんなが笑顔になれるライフスタイルを築いていきましょう。

参考
※1 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」
※2 厚生労働省「短時間正社員」
※3 厚生労働省「労働基準法における母性保護規定」
※4 厚生労働省「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」

監修者:社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)

昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。

社会保険労務士法人クラシコ(https://classico-os.com/)

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