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女性のモヤモヤを解消する100問100答

#059

2020.06.01

Q.仕事と家庭を両立させる完璧な上司の存在がつらい。
プレッシャーから解放されるにはどうしたらいいの?

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なんでもうまくこなす上司
周りが何も言わなくても、
つらくなってしまう…

職場の上司は仕事もできて家事や育児も完璧にこなしている。自分もいつか結婚・出産をしたとして、上司のように両立させられるだろうか? 雑誌のワーママ特集に出てくるようなスーパーウーマンの上司と日々接していると、あこがれどころかプレッシャーを感じてしまう…。

今回お話を聞いたのは、会社勤めをしながら現在8歳と4歳のお子さんを育てるワーキングマザーであり、『家族ほど笑えるものはない』(KADOKAWA)の著者でもあるカフカヤマモトさん。

母の葛藤漫画_01

©Cafca Yamamoto

著書では、家族との忙しくも楽しい毎日がヤマモトさん独自の目線で描かれています。言い間違いや兄妹のやりとりなど、お子さんたちのかわいらしい言動に、思わず噴き出してしまうことも。そんなヤマモトさんにも、完璧な上司の存在にモヤモヤを抱える時期はあったそうです。

「完璧な人にプレッシャーを感じる気持ち、すごく分かります! かつての上司は、仕事ができて、美人で温和な性格で、さらに家族仲も良さそう…と非の打ちどころのない人でした。片や私は、20代で独身かつ平社員。当時の恋人ともうまくいっていなかったため、すべてにおいて完璧な上司と自分を比べてしまい、一緒に働くのがつらかったです」

そんな状況が2年ほど続いたころ、思わぬ機会が訪れました。

「その上司があまりにも優秀だったため、本社の幹部に抜擢されたんです。物理的に距離が離れたことで、プレッシャーから解放されました」

しかし、ヤマモトさんのような都合のよい解決策はそうそう期待できません。状況を変えられない場合は、自分自身の心がけ一つで変化をもたらせる可能性も。まずは、「自分もその完璧な上司のようになりたいかどうか」と自問するといいそうです。

「もし答えが『イエス』なら、上司と仲良くなることをオススメします。その上司も完璧でい続けるために、並々ならぬ努力をしているはずです。そういう方の場合、ちょっとした雑談の中でもすごくためになることを言ってくれるもの。毎日さりげなく話しかけて距離を縮め、上司から得られるものを貪欲に取り入れていくことが大事です」

自分のスキルアップになるのはもちろん、上司と深く関わることで今まで知らなかった一面に触れられるかもしれません。

では、答えが「ノー」の場合はどうなのでしょうか。

「そうですね…。『自分とは住む世界が違う人だ』と割り切って、できる限り視界に入らないように過ごすしかないと思います」

「上司は上司、自分は自分」と吹っ切ることは簡単ではありませんが、自分の心を保つために身につけたい方法です。

もし上司に感じるプレッシャーが「自分は周りからどう見られるか」から来るものなら、そこを危惧する必要はないそう。「完璧な上司と自分を比べてつらくなってしまう気持ちは、痛いほど分かる」と前置きした上で、ヤマモトさんは続けます。

「これは持論ですが、自分が思うほど人は自分のことを見ていないものです。『あの人は子どももいて大変なのに仕事もよくできる。それに引き換えあの人は…』なんて、周りの誰も思っていないのではないでしょうか」

自分を苦しめているのは、完璧な上司ではなく、自分自身の思い込みなのかもしれません。

一方、仕事をしながら2人のお子さんを育て、さらには漫画家としても活動。公私ともに充実しているヤマモトさんは、後輩からすれば“完璧な先輩”に映っているかもしれません。後輩と接する上で意識していることはあるのでしょうか。

「私はミスをしてよく上司から怒られている上に万年窓際平社員なので、『無意識のうちに後輩にプレッシャーを与えてしまう』なんてことはないと断言できます(笑)。むしろ、若い人の足を引っ張らないよう必死で働いています」

完璧を目指さなくてもいい

忙しい日々を送る中で、仕事も家庭も完璧を目指して、つらいと感じる。そうならないためにも、夫婦間での家事分担は不可欠です。著書でも配偶者が子育てや家事をする様子が描かれています。

母の葛藤漫画_02

©Cafca Yamamoto
「夫にはお風呂掃除や洗濯などの“定型・完結型の家事”をやってもらっています。私はお金関係や料理、買い物などの“非定型の家事”を担当。分担する上で気をつけているのは、『今日も夫と同じだけ家事をした』と思うタイミングで、すっぱりやめること。家事に終わりはないので、すべてを遂行しようとすると夫婦間の不公平感が生じてケンカが勃発してしまいますからね」

「名もなき家事」という言葉からも分かるように、家事はやろうと思えば際限なく発生してしまうもの。完璧を目指そうと思わなくていいのです。

家事分担のほかにも、息子さんの塾を送り迎えの必要のない通信教育に切り替えたり、ネットスーパーを利用したりするなど、負担を減らせるような工夫をしているそうです。

母の葛藤漫画_03

©Cafca Yamamoto

不公平感から来る不満は、家庭だけでなく職場でも生まれやすいもの。ワーキングマザーとしての立場から、ヤマモトさんも心がけていることがあります。

「会社では、年齢や境遇、家族構成も異なる人たちが働いています。特定の人にばかり負担がかかってしまうと、不公平感が高まり、互いに居心地が悪くなってしまいます。私の場合は子どもの体調不良などで急に仕事を早退することもあり、迷惑をかける機会も多い。その分、会社にいるときには、みんなが嫌がる仕事や面倒な仕事を進んでやるようにしています」

完璧を目指して苦しい思いをするくらいなら、家庭や職場で不公平感を生まないことを心がけるほうが居心地の良さにもつながるのかもしれません。まずは「自分は彼女のようになりたいか?」と自問して、上司との向き合い方を考えてみることから始めてみるとよさそうです。

まとめ

仕事と家庭を完璧にこなす上司の存在がプレッシャーに。解決策は…?

「自分はその上司のようになりたいか?」を自問する

「イエス」なら、上司から得られるものを貪欲に吸収する

「ノー」なら、「自分とは住む世界が違う」と割り切る

結婚・出産しても、完璧を目指すのではなく、不公平感を生まないよう心がける

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Profile

識者プロフィール

カフカヤマモト
夫と8歳の息子、4歳の娘と暮らす兼業主婦。日々の出来事や子どもたちの言動を切り取った絵日記をInstagramで公開し、人気に。これまでの作品と描き下ろし漫画を収録した『家族ほど笑えるものはない』(KADOKAWA)1、2巻が発売中。
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