#096
2024.04.09
Q.20代女性はキャリアに悩みがち…
今のうちにやるべきことは?
今のスキルと経験のまま
30代を迎えても大丈夫かな?
仕事ではつらいこともあったけど、達成感も得られてきた20代。とはいえ、今のスキルや経験のまま30代を迎えるのは少し不安がある…。
そんな20代女性のキャリアに関する悩みを解決すべく、dodaキャリアアドバイザーの柏木あずさに20代で立てておくべきキャリアプランについて聞きました。
目次
女性の人生は選択肢でいっぱい
結婚・出産の有無やキャリアの重ね方など、生き方の多様化に伴い、女性はさまざまな選択を迫られています。
自分のやりたいことは何か、将来どうなりたいのかと悩めば悩むほどキャリアの方向性が分からなくなり、いわゆる「キャリア迷子」になってしまうケースも。
下の図は「Q.女性がモヤモヤしやすいのはなぜ?」でも登場した、女性の人生を表す「現代女性のライフコースの木」です。
細かく分かれる女性の人生を木の枝に見立てています。
「現代女性のライフコースの木」によると、働く女性の人生は、大きく3つに分かれます。
- ・専業主婦型(結婚・出産を機に退職)
- ・両立型(結婚・出産しても仕事を継続)
- ・非婚型(結婚しないで仕事を継続)
仕事とプライベートは連動しているため、どちらかだけを切り分けて考えるのは難しいもの。
では、実際に20代の働く女性が抱いているキャリアに関する悩みについて、それぞれ見ていきましょう。
働く20代女性のリアルな悩み:仕事編
リアルな悩みをもとに、働く20代女性のキャリアプランについてアドバイスをもらいました。まずは、将来の不安に関するこんな悩みから。
悩み①:資格は持っておいたほうがいい?
「将来への不安を感じています。副業をしたいけど、とくにスキルや資格があるわけでもなく、自分に何ができるのかも分かりません。
今のうちに何か手堅い資格を取ったほうがいいのでしょうか」(26歳/販売)
dodaキャリアアドバイザー
柏木あずさ(以下、柏木)
将来のことを考えると、どうしても不安を抱えてしまいがちですよね。何か取得したい資格があるのなら、挑戦してみるのもいいと思います。
ただし、興味の赴くままにあれこれ手を出すと、どれも中途半端になってしまう可能性も。
どんな資格を取ればいいのか分からない場合は、次の2つの観点から選んでみましょう。
1つ目は“「これまでの経験×資格」の掛け算をしたときに、メリットになる資格かどうか”ということ。
2つ目は、“自分が今いる業界で今後需要がありそうな資格かどうか”ということ。
手当たり次第に資格を取るのはやめましょう。
自分の経験が活かせて業界ニーズのある資格に的を絞り、一つずつ確実に取得することが大切だといえます。
転職に有利な資格は?女性のキャリアアップや将来の働き方に悩んでいます
悩み②:やりがいを感じない仕事、続けるべき?
「仕事の変化が少ない事務職の場合、このまま頑張っていても事務以外のキャリアは望めないように感じています。
30代を迎える前に、思い切って転職したほうがいいのでしょうか」(28歳/事務職)
柏木
どんな仕事にやりがいを感じるかは、人によって異なります。
あなたが今の仕事にやりがいを感じづらく、この先も仕事の広がりがないと感じているのであれば、20代のうちに転職を検討したほうがいいかもしれません。
ただ、現時点でどうすべきか悩まれているとなると、今の職場の人間関係が円滑だとか、年収がいいなどの転職を思いとどまらせる理由があるのだと思います。
まずは、“今の会社で働き続けている理由”と“仕事のやりがい”を天秤にかけてみましょう。どちらの比重が大きいかによって、やるべきことが見えてくるはず。
仕事のやりがいが勝るようであれば、選択肢が多い20代のうちに転職を検討することをおすすめします。
職場の人間関係や社風、残業の有無、年収など、仕事を取り巻く要素は実にさまざまです。
やりがいだけを求めて転職した結果、ほかの要素が満たされない可能性もゼロではありません。
自分が仕事に何を求めているのかが分かれば、選ぶ道もはっきりするはずです。
「やりたいこと」と「できること」。転職ではどちらを優先すべきでしょうか?
悩み③:転職回数が多いって印象悪い?
「20代のうちにいろいろな経験をしたいです。でも、3年未満に何回も転職ってアリですか?」(25歳/広報)
柏木
“状況によってはアリ”です。
たとえば、その“いろいろ”の内容がご自身のキャリアと地続きで一貫性があり、転職を重ねるごとにスキルを習得していて、転職活動でその関連性について説明がつくようであれば、いいと思います。
一方、それぞれのスキルに一貫性がないまま、あちこち転職してしまうのは考えものです。
仮に「この会社に腰を据えて働きたい!」と思える出会いがあったとしても、企業側から「転職を繰り返しているから、採用しても定着して働いてくれないのでは?」と懸念を持たれる恐れがあります。
このような方がどうしても新しいことにチャレンジしたい場合は、副業など別の方法を取ることも考えてみましょう。
まずは、自分のこれまでの転職経験がキャリアとひもづいているのかを見極めてみましょう。同じ職種でなくても、思わぬところに関連性はあるかもしれません。
働く20代女性のリアルな悩み:プライベート編
続いては、プライベートに比重を置きたいときのキャリアプランについて。仕事編と同様にリアルな悩みとあわせて紹介します。
悩み①:両親の老後が心配
「近ごろ、離れて暮らす両親の老後を漠然と考えるようになりました。
親が倒れたときにどのくらいの出費がかかるのか、一緒に暮らす選択肢(自分が実家に戻る・親に東京に来てもらう)を考えておいたほうがいいのかなど不安なことばかり。
でも、どういう想定で何を準備しておくべきか、そのために仕事はどうするべきかなど具体的なビジョンは見えていません」(27歳/編集者)
柏木
この先何が起きても対処できるよう選択肢を増やすためにも、まだ仕事に集中できる時期なのであれば、今のうちにできるだけキャリアを積んでおきたいですね。
「今後、家族を優先して職場や働き方を変えるべきか」というような将来の悩みに対するプランは、今の仕事内容や経験によっても変わってくると思います。
キャリアの積み方についてはキャリアアドバイザーに相談してもらえると、具体的にお話しできますよ。
また、一人で抱えずに、一度家族と話してみるのもいいかもしれません。
話した結果、自分がどうしてあげたいと思ったのかが、今後のキャリアの方向性を決めるヒントになりそうです。
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悩み②:理想のワーク・ライフ・バランスを取るには?
「今まで仕事に打ち込んできたけど、プライベートも大事にしたいと思うようになりました。
いずれ結婚や出産をしたいし、趣味も見つけたい。でも、そのために働き方をどう見直すべきなのかが分かりません」(25歳/経理)
「前提として、仕事とプライベートのどちらかをあきらめる必要はなく、双方を両立させる選択肢もあると伝えたい」と柏木。
その上で、大きく分けて3つのパターンがあると言います。
パターンA:プライベートでやりたいことがはっきりしている
柏木
プライベートに比重を置く目的がはっきりしているのなら、仕事とプライベートのバランスを変えてみるのも一つの方法です。
たとえば、これまで仕事とプライベートのバランスが9:1だったとしたら、思い切ってプライベートを8割にしてしまうのもいいでしょう。
可能ならば、今後の働き方について上司に話してみましょう。
現在、マネジメントなどの役職に就いているのなら、スタッフに戻るのも一つの方法です。
相談するのが難しいのであれば、プライベートに比重を置いた働き方ができる会社に転職することを検討するのもいいですね。
パターンB:プライベートでやりたいことはないけど、少しゆっくりしたい
柏木
まずは、これまでの仕事を振り返ってみましょう。
仕事を頑張ってきた理由が、過度な責任感や「結果を出さなきゃいけない」というプレッシャーから来ているのであれば、今の働き方にこだわる必要はないかもしれません。
パターンAと同様に、上司に相談して業務量を減らす、責任ある立場にいるならそのポストから降りるなど、仕事にかかる負荷を軽くすることを考えてみてもいいと思います。
パターンC:将来を考えてプライベートに比重を置きたい
柏木
これまで仕事に打ち込んできたのなら、そこにはやりがいや面白さなどの理由があったのだと思います。
仮にそうであれば、プライベートに比重を置いたときに、仕事に見いだしていたやりがいや面白さ、ひいては自分の存在価値を見失ってしまうことも。
まずは、「何をいちばん大事にして仕事を頑張ってきたのか」を見直して、自分がなりたい姿をイメージしながらどうすべきかを考えましょう。
仕事とプライベートを両立させる方法は?働くうえで意識すべきポイントはありますか?
迷っているなら20代のうちは仕事優先がおすすめ
理想のワーク・ライフ・バランスは人それぞれ。
とはいえ、「やりたいことがあるから、プライベートを大事にしたい」といった明確な理由がないのなら、20代のうちは仕事を優先するのがおすすめだそうです。
その理由は大きく分けて3つあります。
理由①選択できる環境をつくれる
柏木
20代のうちに仕事でスキルや経験を積んでおけば、30代でプライベートに比重を置きたいと思ったときに、それを実現しやすくなります。
理由②新しいことにチャレンジしやすい
柏木
個人差はありますが、30代は結婚や出産などのライフイベントが生じやすい年代です。
それに比べると、20代は自分の興味関心で意思決定しやすく、自分のやりたいことに挑戦できるチャンスが多いといえます。
理由③転職の間口が広い
柏木
20代のうちは未経験でも採用される可能性がありますが、30代以降になると企業はリーダーや経験者などの即戦力を求める傾向に。
他社でも通用するようなポータブルスキルを20代のうちに身につけておくとよいでしょう。
まとめ
- Q.20代女性はキャリアに悩みがち…今のうちにやるべきことは?
-
・20代のうちはいろいろと挑戦するのもアリ。ただし、これまでのキャリアと関連性があるとよい。
・仕事とプライベートのどちらかをあきらめる必要はなく、目的に応じてバランスを変えれば両立できる。
・漠然とした理由でプライベートを優先するときは「これまで何を大事にして仕事に打ち込んできたのか」を見直してみよう。
・仕事とプライベートのどちらを優先するか明確でないなら、20代のうちは仕事を優先するのがおすすめ。
「これまでの仕事を見直す」「今後の仕事に活かせる資格を習得する」「仕事のやりがいを求めて転職する」など、30代を迎える前にできるアプローチはさまざまです。
一人で悩んでも答えが出ないときは、キャリアアドバイザーに相談すると解決へのヒントが見つかるかもしれません。
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識者プロフィール
- 柏木あずさ
国家資格キャリアコンサルタント
米国CCE,Inc.認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー - キャリアアドバイザーとしてインテリジェンス(現:パーソルキャリア)に入社後、10年以上にわたり営業・販売接客など顧客と接する部門での経験を持つ方の転職を幅広く支援。産休・育休を経て復帰してからは、女性の働き方はもちろん、キャリアとライフの双方の視点から転職活動を親身にサポートすることを心がけている。