女性のための
転職Q&A


更新日:2020年8月31日
派遣から正社員への転職を希望しているが、30代で正社員経験なしでも可能?
大学卒業以来約10年間、派遣の事務職として複数の職場で働いてきました。そのうち1社からは「正社員にならないか」と打診もされましたが、派遣という働き方に満足していたこともあり、そのまま派遣社員としてキャリアを積むことを選びました。しかし30代に入った今、この先のことを考えると、正社員として腰を落ち着けて働きたいとの気持ちが強まってきました。正規雇用の経験がまったくない30代でも、正社員への転職は可能でしょうか。
(31歳/派遣事務/未婚)
キャリアアドバイザーのA.をまとめると

石橋寿子(いしばし・ひさこ)
国家資格 キャリアコンサルタント
新卒で塾の運営会社へ入社。その後、英会話学校に転職し、約7年間、新規・既存顧客に対しカウンターセールスを担当。マネジメント経験を経て、当社に入社。現在、営業職・販売サービス職に従事している方々を中心に幅広く転職サポートを実施。
プライベートでは1児のママ。長期的なキャリアプラン、人生プランをともに考えるパートナーとなれるような提案を心がけている。
正社員経験なしでも転職に向けて一歩踏み出してみましょう

たしかに、正規雇用の経験がまったくない状態から正社員への転職を目指すのは簡単ではないでしょう。2020年8月現在、有効求人倍率は降下傾向ですし、これまで売り手市場だった採用マーケットも潮目が変わりはじめています。ですが、ご自身の年齢を考えたときに、景気がよくなるタイミングをただ待ち続けるのも得策ではありません。
転職においては、現在の転職市場の状況ももちろんのこと、ご自身の年齢的なタイミングも同じくらい大切です。派遣から正社員を目指すとなると、職務が変わり、覚えることや対応すべき範囲が増えるため、できるだけ早いタイミングでの転職活動のほうが選択肢は増えます。
簡単ではない転職活動にはなりますが、ポイントを押さえて戦略を立て、あきらめずに応募を重ねていけば、正社員への転職も可能です。まずは一歩を踏み出してみましょう。
企業が正社員として求めている人材は?
派遣社員はジョブ型雇用の側面が大きいため、あらかじめ職務内容が決まっていることが多く、入社してからの職務内容の変更はほぼありません。一方、正社員はメンバーシップ型雇用の側面が大きいため、各社員の能力や適性から判断された仕事が振られます。職務範囲は入社時に提示されたものに限定されないため、新しいチャレンジが求められたり、新しい知識の習得が必要となったりします。
これを踏まえて、企業が正社員としてどのような人材を求めているか知っておくことは、転職活動を成功させるうえで極めて重要です。多くの企業で求められる素養としては、主に以下の3つが挙げられます。
1つ目は、即戦力であることです。20代ではポテンシャルが評価される面もありますが、30代になると、能力やこれまでの経験を活かしてどのように会社に貢献できるのかが重要視される傾向にあります。
2つ目は、適応力があることです。新しい環境でもすぐになじめる柔軟性や、未経験の分野でもやってみようとするチャレンジ精神、クレームやトラブルへの対応などの困難な状況をうまく乗り越えられる能力を持っている人材は、会社にとって大変心強い存在になります。
3つ目は、習得力があることです。たとえ同業界であっても、会社によって「当たり前」の基準は異なります。新卒のように手取り足取り教えてもらうことはできないので、新しい環境に飛び込んで、素直に自ら学びインプットし、求められる成果をアウトプットできるかどうかが、積極的な姿勢とともに評価されます。
正社員への転職が実現した例として、大学卒業以来、アルバイトでテーマパークの接客スタッフとして働いてきた32歳の女性のケースをご紹介します。彼女はこれまで正社員の経験がありませんでしたが、面接では、接客の仕事で身につけたホスピタリティや人当たりの良さ、英語力などを高く評価してもらい、接客の正社員として採用が決まりました。これも、3つのポイントすべてで志望先企業が求める水準を満たした結果といえるでしょう。
派遣から正社員への転職を実現させるために押さえておくべきこと
派遣先からの評価が高い今回の質問者も、これまで派遣事務の業務に携わる中でさまざまなスキルを身につけているはずです。10年間をさかのぼってそれらを整理し、自身の得意分野や強みを洗い出すことから始めましょう。
職場での経験から得意分野や強みを見いだす
どんな働き方や仕事内容でも、その経験からアピールできる得意分野や強みを見いだすことはできます。派遣社員や契約社員でも、特定の業務の責任者だったり、とりまとめや指導の経験があったりすれば、それらも立派なアピール材料となりますから、正社員の経験がないことをネガティブに捉えすぎず、自分に自信を持ちましょう。
そのためにも、まずはこれまでに担当した業務や身につけたスキル、仕事を進めるうえで工夫したことなどを書き出してみましょう。このとき、思いがけず周囲から評価を受けたこと、失敗や苦手な仕事にどのように対処してきたかなども具体的に整理してみると、得意分野や強みに転換できることがあります。
また、質問者は正社員への打診を受けた経験があるようですが、そのときに会社から何を評価されたのか思い出してみるとよいでしょう。正社員として求められる能力があると判断された事実があるわけですから、当時の働き方や考え方を言語化すると、何かヒントが生まれるかもしれません。
転職エージェントを活用する
派遣社員から正社員を目指すというチャレンジに足がすくんでしまうこともあるでしょう。もし転職活動を一人で進めることに不安を感じるようでしたら、第三者のアドバイスを活用してみてはどうでしょうか。
例えばdodaエージェントサービスの場合、キャリアアドバイザーが過去の経歴を客観的に分析して、あなたの強みやアピールポイントを引き出し、希望に沿った企業の紹介や面接に向けてのアドバイスをするなど、さまざまな面からのサポートを提供しています。困ったときに相談できるサポーターがいることで、自信を持って転職活動を行えるようになるはずです。
派遣から直接雇用を目指す方法も選択肢の一つに
派遣から正社員になるためには、現在働いている派遣先で正社員として雇用される「直接雇用」という手段も視野に入れてみてはいかがでしょうか。派遣先企業に派遣社員や契約社員から正社員への登用の仕組みがあれば、派遣会社に相談をしてみるとよいでしょう。
これまでの派遣での実績を評価してもらえれば、直接雇用につながる可能性も高まります。もし直接雇用制度があるか調べたい場合には、必ず派遣会社に伝えて確認を取ってもらいましょう。
紹介予定派遣制度を利用する
「紹介予定派遣制度」を利用して派遣会社に就業先を紹介してもらい、直接雇用を目指す方法もあります。
紹介予定派遣は、直接雇用を前提に派遣社員として一定期間就業する制度で、派遣契約の終了後に派遣先企業と本人の双方の合意により直接雇用されるシステムです。正社員になる前に、自分にマッチした仕事かどうか、職場の雰囲気も含めて見極められるのが大きなメリットでしょう。企業側としても、人柄や働きぶりを事前に評価でき、正社員採用後には即戦力として活躍してもらえます。
双方にとってミスマッチが起こりにくい紹介予定派遣制度は、利用する企業も増加傾向にありますから、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
直接雇用における注意点
派遣勤務先に直接雇用されるメリットは、上述のとおり、求職者が仕事内容や職場の雰囲気を見てから入社を決められることに加えて、面接だけでは伝わりにくい自分の強みや仕事に対する姿勢、具体的な能力を実際の職場で発揮できることも挙げられます。
ただ、必ずしも正社員での直接雇用になるとは限らず、場合によっては契約社員や嘱託社員など別の雇用形態を勧められることもあります。事前に派遣会社へ自分の希望をしっかりと伝え、認識の齟齬が起こらないよう、条件を確認して合意したうえで働き始めましょう。
無期雇用派遣で働く
派遣社員と正社員の中間のような仕組みとして、無期雇用派遣という働き方があります。無期雇用派遣は、派遣会社と期限を定めない雇用契約を結んで、その派遣会社の派遣社員として働く仕組みです。
無期雇用派遣によって、労働者派遣法で定められている「同一の組織で3年以上の勤務ができない」という制約がなくなるため、これまでよりも安定したスキルアップやキャリア形成が期待できます。また、派遣会社に常時雇用される形のため、たとえ派遣先が決まっていない期間でも一定の収入を得られるメリットもあります。
さらに、無期雇用派遣を行う派遣会社には、キャリア形成のための支援制度を設けることが義務づけられており、派遣社員は各種研修やキャリアアドバイスが受けられ、これによって長期的なキャリア形成が目指せます。
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