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更新日:2022年3月28日

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企業・職種の選び方未経験

未経験の分野に転職したいけどチャレンジすべき?

事務職として新卒で入社して6年目です。現在の仕事はルーティンワークの要素が強く、自分の成長をあまり実感できません。30歳が近づくにつれて、自分の可能性をもっと試したいという気持ちがふくらみ、チャレンジしてみようと考えるようになりました。明確な希望職種があるわけではなく、漠然と未経験の分野に転職したいと考えているのですが…。

(28歳/メーカー・一般事務/未婚)

キャリアアドバイザーのA.をまとめると

回答したキャリアアドバイザーはこちら

時田絵里奈
国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士
国家資格 キャリアコンサルタント
FP3級

新卒で当社に入社。IT領域の派遣営業を経て、2011年よりキャリアアドバイザーとして従事。IT業界の職種を中心に幅広く転職サポート、これまでに3,000人以上のキャリアカウンセリングを担当。
2016年に長男を出産。自身もワーキングマザーであることから、働き方を変えたい、ワーク・ライフ・バランスを改善したい女性の転職サポートに強みを持つ。

未経験の分野に転職したい理由を明確に

未経験 転職

まずは、転職の目的が何かを、もう一度しっかりと見つめ直しましょう。未経験の分野への転職を検討中とのことですが、その背景にあるのは、現在の職場への不満からくる「とにかく環境を変えたい」という思いではないでしょうか。

もしそうなら、必ずしも職種を替える必要はありません。同じ事務職でも企業の規模や事業フェーズによって、業務内容や裁量の度合いには違いがあり、仕事へのやりがいや手応えも変わってくるでしょう。

「ある程度、自分の裁量で仕事に取り組める」「成果を評価してもらえる」などを希望条件として、事務職で転職先を探してみるのも選択肢の一つです。ですから、なぜ未経験分野にチャレンジしたいのか、理由を掘り下げて考えてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

仕事のやりがいを感じられない理由を分析する

「未経験分野に転職できればやりがいが感じられそう」という理由の場合、そもそも今の仕事にやりがいを感じられない原因を分析することも大切です。

仕事のやりがいは、一人ひとりの受け止め方に多少の違いはあるものの、主に「達成感」や「自己成長」、「報酬面の満足度」などに左右されます。

自分にしかできない仕事や、困難な仕事があっても、それを乗り越えることで大きな喜びや達成感を味わえれば、モチベーションを高く保つことができます。今までできなかったことができるようになったり、目に見える成果を出したりすることで自分の成長を感じられれば、さらなる努力につながります。また、担当業務に対して報酬面で満足できれば、「自分は評価されている」という実感が生まれるでしょう。

今回の質問者は、ルーティンワークの要素が強いため、新鮮味がなく達成感や自己成長を感じるのが難しいようですが、そこからさらに一歩踏み込んで、仕事にやりがいを感じられない理由を分析して言語化し、これからどうアクションを起こせば今の職場環境を変えられるのかを考える材料にしましょう。

どうしても今の部署では達成感や自己成長が望めないと感じるのなら、社内に制度があれば部署異動を希望して未経験の職種に挑戦してみるのもよいでしょう。「新たなスキルを得たい」「新しい挑戦をしたい」という前向きな理由を伝えれば受け入れてもらえる可能性は高まりますし、転職とは違って同じ会社内なので、ゼロからのスタートではない分、ハードルも下がります。

それでも、これ以上選択肢がないと感じるようであれば、積極的に転職を考えてみましょう。

未経験転職可のパターンと企業の採用目的を理解する

転職サイトや求人でよく見かける「未経験可」という文言。一見、その業界の知識や業務内容をまったく知らなくても問題なく、採用ハードルも低そうに見えるため、現在の仕事にやりがいを感じられていなかったり、新しい職種・業種で自分の力を試したいと考えたりしていた場合、目を引かれることも多いでしょう。

「未経験」とは本来、どういった状態を指すのでしょうか。それを知るためには、未経験転職可のパターンと企業の採用目的を理解する必要があります。

「未経験可」の3パターン

「未経験可」の求人は大きく3つに分けられます。

1つ目は、業界未経験者のパターンです。「ある業界では業務経験があるが、応募する業界では業務経験がない」というケースで、例えば、広告業界の営業職に就いていた人が同じ営業職で不動産業界への転職を希望する場合などが、これに当たります。

業界未経験者はその職種での実績やスキルがあるため、業界が変わって取り扱う商品やサービスが変わったとしても、過去の業務経験を活かした転職が可能でしょう。

2つ目は、職種未経験者のパターンです。「ある職種では業務経験があるが、応募する職種では業務経験がない」というケースで、例えば、IT業界のエンジニア職から同じIT業界の営業職への転職を希望する場合などが、これに当たります。

職種未経験者は、その業界の基礎知識を積み上げていて、仕事のやり方さえ覚えられればすぐに戦力となる可能性があるため、転職意欲をアピールできれば好材料になるでしょう。

3つ目は、業界も職種も未経験のパターンです。例えば、不動産業界の営業職から食品業界の広報職への転職を希望する場合などが、これに当たります。

業界・職種未経験者は、その職種や業界での実績やスキル、基礎知識が少ないものの、新入社員研修が充実している、あるいは、ポテンシャルや人柄を重視したいと考える企業から採用される可能性もあるでしょう。

企業が未経験者を募集する理由

企業が未経験者を募集するのには主に以下のような理由があります。

  • 業績が好調な企業や需要が高まっている産業、あるいは経験者が少なく採用が難しい職種などで慢性的に人材が不足しているため
  • 人が相手の仕事なので、人物重視での採用も行いたいため(販売・接客系など)
  • 研修制度が整っており、多くの未経験者を採用できる下地があるため
  • 自社の風土に愛着を持ってくれる人を育てたいため

このように、「未経験可」に込められている意図は企業によってさまざまです。求人ページの仕事内容や事業概要などを読み込むことで、その企業がどのような人材を求めているのかが見えてきます。

ただ、未経験者の応募が可能とはいえ、「経験者がいなければ未経験者を採用する場合がある」という意味合いが強いため、転職のハードルが高いことに変わりはないでしょう。

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未経験分野に転職する際のメリットとデメリットを把握する

未経験分野への転職は、新たなスキルを身につけられるなどプラスの面がある一方で、採用段階から入社後に至るまで多くのハードルがあることも意識しておくべきでしょう。

どんな転職にもメリットとデメリットはあると思いますが、未経験分野への転職のリスクやマイナスの側面にもあらかじめきちんと目を向けておくことは、入社後のミスマッチを防ぐために重要です。

未経験での転職のメリット

未経験の職種や業種に転職することで新しいスキルを身につけられたり、これまでにない経験を積めたりするのは大きなメリットです。同時に、自身の新たな能力や適性を発見できる可能性も広がるでしょう。経験を積んでまた転職をすることもできますし、長期的に見て新しいキャリアの発見にもつながります。

今回の質問者のようにルーティンワークが多い仕事では、「モチベーションが上がらず、マンネリ化して刺激を感じられない」と考える人や、「自分の成長が止まってしまうのではないか」という不安を感じる人もいるでしょう。そのような人は、新しい分野に飛び込むことで新鮮な気持ちで仕事に取り組めますし、スキルを身につけることで日々成長を実感でき、これまでよりも張り合いを持って働けるでしょう。

未経験での転職のデメリット

未経験分野への転職は、選考の難易度が高いことがデメリットの一つです。新卒採用とは違い、中途採用では即戦力や経験を問われるケースが多いため、「興味がある」や「やってみたい」という気持ちや意欲だけで採用されるのは難しいです。

面接でも、「未経験なのになぜ応募したのか」と問われると想定しておいてください。そこに対して明確に答えられないと、企業側は「イメージだけで希望しているのだな」と考え、不採用となってしまう可能性が高くなります。

漠然としたあこがれや興味だけではなく、なぜその分野を志望するのか、今までの経験をどう活かせるのかを、自分の言葉で話せるようになるまで準備しておきましょう。

また、転職に成功したとしても年収が一時的に下がる場合もあるでしょう。業務に必要な知識や手順を一から身につけるのには大きな労力も要します。これらを乗り越える覚悟があり、「それでも挑戦したい」という強い思いがあるかどうか、自分に問う必要があります。

業種が違えばやりがいが変わることも

未経験の分野を視野に入れて転職活動をする場合にも、これまでに身につけたスキルやキャリアをゼロにするのではなく、今までの経験を活かせる仕事を軸として考えてみてはいかがでしょうか。

職種変更にこだわらず未経験業種に挑戦するのであれば、スキルが活かせて有利になりますし、新たな環境でやりがいが生まれる可能性も高まります。企業側としても、他業種での経験を活かした新たな発想への期待もでき、転職活動がスムーズに進むことでしょう。

また、企業が変われば組織体制や業務フローも大きく異なりますので、新鮮な気持ちでやりがいを持って仕事に取り組めますし、これまでのルーティンワークでは見つけられなかったような新たな発見があるかもしれません。もちろん、未経験分野だからこそイメージだけで判断せず、私たちキャリアアドバイザーにご相談いただくなどして可能な限り情報収集に努めましょう。

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