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更新日:2020年10月12日

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仕事・キャリアの悩み管理職

会社から管理職を打診されたが自信がない

IT企業で法人営業をしています。上司から管理職を打診されているのですが、これまでマネジメントの経験は皆無で、まったく自信がありません。会社から期待され、認めてもらっていること自体はありがたいのですが、今までどおり現場の第一線で、営業の仕事を追求していきたいという思いもあります。

(34歳/IT・法人営業/未婚)

キャリアアドバイザーのA.をまとめると

回答したキャリアアドバイザーはこちら

高島佐代子
国家資格 キャリアコンサルタント

前職ではウェディングプランナーを経験。より個人に深く関わり、人生の大きな意思決定のサポートをしたいという思いでdodaキャリアアドバイザーに。
おもに営業職、事務職、販売サービス職を担当。女性のキャリア支援実績も多数。

新人時代を思い出して、思い切って一歩踏み出してみて

「管理職を打診されているけど、自分にできるか不安」という女性の声はしばしば耳にします。そうした女性のみなさんには、「迷っているならぜひ挑戦してみてください」とお伝えしたいです。そもそも管理職の打診があったということは、質問者も感じられているようにこれまでの仕事ぶりが認められているわけで、その上で会社が新しいキャリアを積む機会を提供してくれるのです。

今までよりも広い視野で仕事の流れや組織のしくみを見渡せるようになるなど、キャリアのステージが上がることで初めて見えてくる景色があるはずです。裁量が大きくなるにともない、自分なりに工夫する余地も増え、マネジメントの立場でしか得られない仕事のやりがいや面白さも出てくるのではないでしょうか。

自信は後からついてくるもの

そもそも、経験したことのない仕事や職務に対して自信がないのは当然のこと。仕事を始めた当初は、本当に実績を出せるのか不安に感じながらも、与えられた仕事に夢中で取り組んできたのではないでしょうか。その中でチャレンジと成果を一つずつ積み重ねることで自信がついてきたはずです。

しかし、社会人として経験を積んだ今は「失敗してはいけない」というプレッシャーが生まれ、二の足を踏んでしまっているのかもしれません。

初心に立ち返り、何もできないところから一つずつ積み上げていった新人時代を思い出してみてはどうでしょう。当時を振り返れば、今の自分の成長を実感できるはず。いつか「管理職を受けるかどうかで悩んでいた時期」を懐かしく思う日も来るのではないでしょうか。

管理職を一度経験してみることも大切

仮に管理職をやってみて、どうしても自分には向いていないと感じたら、営業の第一線に戻る選択肢もあるはずです。一貫して現場でプレーヤーに徹することもキャリアの一つです。その場合にも、管理職を経験することで得られたスキルが営業の現場で活きるかもしれません。いずれにしても、自身が望むキャリアの方向性について主体的に考えて、折々に上司ときちんと話し合いの機会を持つことが大切です。

管理職の役割について考えてみましょう

管理職

管理職は「難しそう」「責任が重そう」といったイメージが先行し、多くの人が不安を持つ要因になっています。では、実際に管理職はどういった仕事をして、どんな役割を果たしているのでしょう。

担当部門における業務目標の達成

管理職である以上、担当部門における業務目標の達成に責任が生じます。いちメンバーであれば自分の担当領域を達成すればよいですが、管理職である以上、担当部門全体を見渡すことが必要です。

業務目標ですぐに思いつくのが売り上げですが、ほかにも業種や職種、職責に応じたさまざまなものがあります。例えば、ITの法人営業で管理職になれば、売り上げや顧客単価、市場シェアや満足度などの指標をターゲットとしながら、各方面に幅広く目を向けていく必要が生じます。

新たな販売チャネルを開拓するためにマーケティング部門と協力したり、顧客の要望に応えるための仕様改善で、開発部門とすり合わせを行ったりするケースもあるでしょう。

また、印刷会社の発送部門の管理職であれば、「その月のうちに発送しなければならないダイレクトメールの数」が業務目標の一つになるかもしれません。この目標の達成に向けて、人手が足りなければ人員を増やす、印刷物が足りなければ印刷部門と調整するなどの業務が発生します。業務目標の達成に向けて足りない部分をフォローしながら仕事を進めていくのは、管理職の大切な仕事です。

スケジュール管理

管理職として業務目標の達成を目指す中で、日々の業務が滞りなく進むよう、部門全体のスケジュールの立案と管理をするのも欠かせません。

もしスケジュールどおりに業務が進んでいない場合は、遅れた原因や現時点での状況を把握し、メンバーの状態を見ながら適切なアサインをし直すなどの対応策を検討します。もちろん、その後の経過もウォッチする必要があるでしょう。さらに、業務効率化のために継続的なプロセス改善をするのも管理職の重要な役割です。

人材育成

管理職は、担当部門の各メンバーの適性に合わせてアサインをしたり、育成・指導をしたりしていきます。成果を上げるために、ある程度包括的に任せられたほうが真価を発揮できる人もいれば、順序立てたていねいな指導があったほうが自信を持って取り組める人もいます。

チームとして成果を最大化し目標を達成するためには、メンバーそれぞれの能力や適性を見極めて人材育成を行うことが大切で、これは優秀な管理職の資質の一つとも言えるでしょう。

また、新入社員や中途入社者が職場の雰囲気に溶け込めるようさりげなく声をかけたり、悩みがある人の話を聞いたりするなど、メンバーの仕事へのモチベーションや、会社・チームへの帰属意識を高めてあげるのも、管理職の腕の見せどころです。

管理職のメリットに目を向けてみましょう

管理職の打診を受けて、つい不安なことばかり思い浮かべてしまうかもしれませんが、メリットにも目を向けて、管理職を受けるかどうか前向きに判断してみてはいかがでしょう。

キャリアアップやスキルアップにつながる

管理職として業務を進める中でマネジメントスキルの向上が期待できることはもちろんですが、メンバーのときにはあまり見てこなかった、会社全体の売り上げや営業利益などと自分の担当部署とをつなげてどういった貢献ができるか、など視座高くビジネスを考えられるようになります。

実績に対する責任はこれまで以上に求められますが、それを乗り越えることで、結果的にさらなるキャリアアップやスキルアップにつながる可能性があります。

給料が上がる

管理職になると、多くの場合で管理職手当がついて給与水準が上がります。転職の際に前職での収入は一つの参考として見られることがありますから、将来的に転職を考えているのであれば、積極的に給与水準や職位を高めておくのも選択肢として考えられます。

一般的に、管理職になる時期には、子どもが成長して学費や習い事の負担が増えてくる家庭も多いため、今後のライフプラン次第では大きな支えになるでしょう。

しかし、管理職が労働基準法上の管理監督者にあたる場合は残業代の支払いが必要ないとされているので、その点は注意が必要です。

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