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更新日:2020年7月20日

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企業・職種の選び方育児

育児をしながら働くなら、大手に転職すべき?

社員300人の中小企業で働いています。あと数年のうちに子どもが欲しいと思っており、出産後も働き続けたいです。でも今の会社には、育児中の女性はおらず、時短や在宅勤務などの制度も整っていません。大手で働く友達の話を聞くと、大手は出産や育児のサポート体制が整っていて、育児をしながらでも活躍できそうです。今のうちに大手に転職すべきでしょうか…。

(28歳/既婚/子どもなし)

キャリアアドバイザーのA.をまとめると

回答したキャリアアドバイザーはこちら

時田絵里奈
国家資格 2級キャリアコンサルティング技能士
国家資格 キャリアコンサルタント
FP3級

新卒で当社に入社。IT領域の派遣営業を経て、2011年よりキャリアアドバイザーとして従事。IT業界の職種を中心に幅広く転職サポート、これまでに3,000人以上のキャリアカウンセリングを担当。
2016年に長男を出産。自身もワーキングマザーであることから、働き方を変えたい、ワーク・ライフ・バランスを改善したい女性の転職サポートに強みを持つ。

「大手だから育児制度が充実している」とは限りません

育児をしながら働くとなると心配はつきものですから、少しでも支援制度が整っている企業で就業したいですよね。ただ、大手は、時短・在宅勤務などの制度が充実しているというイメージはあるかもしれませんが、それらの福利厚生は会社ごとに決められているので、一概に「大手だから」「中小だから」「ベンチャーだから」と、規模やフェーズで判断はできません。

さらにいうと、近年は大手だけでなく中小企業も独自の規定を設けるなど福利厚生に力を入れている事例が増えています。

充実度だけでなくサポート体制もポイント

「福利厚生が充実している」企業といっても、それが実際にしっかりと機能していなければ意味がありません。社員が制度の利用を申請すれば勤務先はこれを拒否できませんが、利用したいのに条件が限定的、取得しても周囲の理解が得られない、という理由で転職・退職を希望する人も少なくないからです。

制度の充実度はもちろんのこと、これに加えて対象範囲が広く、サポート体制も確立されていることが、結果として取得実績につながります。企業ホームページなどで確認するのが望ましいですが、外部に公開されている情報だけでは実際に取得した人の感想が分かりにくいので、私たちキャリアアドバイザーにご相談いただくか、企業の面接の場などで確認してください。

育児と仕事を両立しやすい環境作りに取り組む企業は増えています

先述のとおり、今では中小企業でも、育児と仕事の両立を考える社員が働き続けられるよう、男性の育休・時短勤務の奨励や復職後の支援制度の拡充なども含めた育児支援制度の環境整備が進んでいますから、企業規模よりも、それぞれの企業の実態で判断したほうがよいでしょう。

多様化する育児中の働き方

法律で定められている制度としては、最長で子どもが2歳になるまで延長できる育児休業のほか、同じく子どもが3歳になるまで可能な時短勤務、小学校就学前まで取得できる看護休暇などがあります。

また、育児休業では「パパ・ママ育休プラス」を利用すると、育休期間が1年から1年2カ月まで延長になり、母親と父親が交互に育休を取得したり、重複して取得したりすることも可能になります。

育児中の働き方の選択肢は広がっていて、上記に加えてリモートワークの導入、社内保育所の設置、ベビーシッター割引、子連れ出勤制度の採用など、独自の仕組みを作る企業も増えてきました。ですから、大手か否かで判断するのではなく、今のご自身の状況に寄り添った制度があるかどうかが重要になるでしょう。

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育児と仕事を両立しやすい職種は?

保育園の送迎や通勤、買い物などをスムーズに済ませるためにはスケジュール管理が欠かせませんが、フレックスタイム制やシフト制を採用している職場であれば融通が利きやすいでしょうし、リモートワークが可能な仕事内容であれば、どうしても家から出られなくなってしまった場合にも対応できます。

ただ、両立のしやすさは人によって違うため、職種の傾向として一概に定義することはできません。ですから、まずはどんな働き方であれば両立しやすいのか考えて、その働き方が実現できる可能性が高い職種を検討しましょう。

とはいえ、両立がしやすいと思っても、一般的に未経験の仕事に就くことは難しいですから、基本的には、生産性高く仕事ができる経験が活かせる仕事をおすすめします。私たちキャリアアドバイザーに相談していただければ、将来を見据えた方向性を見つけられるかもしれません。

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仕事をしながら育児をするためのコツ

育児と仕事の両立のコツは、がんばりすぎないことです。無理をすると肉体的にも精神的にもどんどんつらくなり、かえってどちらにも悪影響が出るかもしれません。

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今の職場で育児との両立が難しいと感じたときに見直したいのは、時間の使い方。時間を有効に使うため、洗濯乾燥機やロボット掃除機など、便利家電やグッズをどんどん活用してみましょう。ネットスーパーや食材宅配サービスを利用すれば、買い物の時間も短縮できます。

料理は、作り置きできるものを休日に作っておくと、仕事から帰ったあとも余裕が生まれます。さらに、朝起きる時間を少し早くして軽く家事をすると、時間の制約から効率アップにつながるかもしれません。ほんの少しの時間が捻出できただけでも心に余裕が生まれますから、積極的に試してみてはいかがでしょう。

男性でも育休や時短勤務の取得は可能

仕事と育児を両立させるためには、パートナーの協力があると心強いでしょう。育休や時短勤務は男性でも取得できますから、現実的に可能であればパートナーの勤務先にも理解をしてもらって制度を活用し、夫婦で時間を調整して、保育園の送迎や家事を分担することも検討してみてください。何か得意な家事に絞ってお願いするという方法もおすすめです。

自分の負担が少しでも減るように心がけよう

子どもは急な発熱など体調をくずしやすいため、予定外の対応が多いもの。子育て中の人が多い職場は、子どもの急な体調不良のときにも理解が得られやすく、対応してもらいやすいでしょう。また、ご両親に協力してもらえる環境を整えておくと、いざというときに心強いでしょうから、無理のない範囲で頼らせてもらいましょう。

家族の協力は大きな力になりますが、どうしても難しい場合には育児のプロの力を借りる方法もあります。ファミリーサポートセンターや病気の子どもを預かってくれる病児保育など、地域の子育て支援サービスも調べておき、使い勝手が良さそうなサービスには事前登録をしておきましょう。

地域で子育てを支援するファミリーサポートセンター事業とは
共働きで子どもが病気にかかった場合は「病児保育」を活用しよう

人によって、転職先選びで最も大切にしたい条件は異なります。しかし、「育児をしながら活躍したい」ということであれば、限られた時間で成果を出さなければなりません。そのため、単に子育て支援制度や環境が整っているかどうかではなく、「自分の経験や強みを活かせ、やりがいを持って仕事に取り組めるか」という点も大切になってきます。

まずは、福利厚生だけでなく、やりたいこともベースにして候補を絞り、家族やご両親などの協力の可能性を踏まえながら、現実的に就業ができそうな企業を探していくとよいでしょう。

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