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育児と仕事の両立:

共働きで子どもが病気にかかった場合は「病児保育」を活用しよう

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更新日:2021年5月31日

「子どもが突然発熱…でも、どうしても仕事は休めない」というときの心強い味方「病児保育」を知っていますか? 育児には不測の事態がつきものですが、夫婦共働きでも交代で休みを取るのはなかなか大変。いざというときにサポートしてくれる病児保育と病後児保育について説明します。

子どもの病気は共働き夫婦にとって最大の試練

小さな子どもには免疫力がしっかりとついていないため、多くの病気にかかります。つい昨日まで元気だったのに、あっという間に発熱することもしばしば。元気なときは保育園に預けられても、体調不良になると預けられません。祖父母などサポートしてくれる人が身近にいる場合はよいですが、サポートが望めない場合、夫婦どちらかが看病する必要があります。

子ども かぜ

子どものためとは思っても、看病の時間を捻出するのは働くパパ・ママにとって大変なこと。どうしても仕事を休めない場合もありますし、交代で子どもを見ることができても、毎回有給休暇を取得するとあっという間に使い切ってしまいます。さらに看護休暇の制度もありますが、年間に5日のみと、一度でも病気が長引くとすべて使い切ってしまうほどの日数です。まさに、子どもの病気は共働き夫婦にとって最大の試練と言ってよいでしょう。

覚えておきたい「病児保育」

「有休も看護休暇も使い切ってしまいそう…」。こんなときに助けとなるのが「病児保育」です。

病児保育とは

病児保育とは、病気やけがで登園・登校できない子どもを、保護者に代わって一時的にケアする制度です。「施設託児型」と「自宅訪問型」の2つのタイプがあり、「施設託児型」は保育園、認定こども園、病院、診療所などに併設された施設に子どもを預けるタイプ、「自宅訪問型」は、看護師や保育士が家庭に訪問するタイプになります。どちらも市区町村が地域の状況をふまえて運営しているため、利用条件はさまざまです。
※「自宅訪問型」はNPOや民間企業が運営しているケースもある

「施設託児型」と「自宅訪問型」

【施設託児型】
保育園などに併設される施設託児型の病児保育施設にも、常に子どもの体調を観察できるよう看護師や保育士が配置されています。

対象となる子どもは、乳幼児からおおむね10歳となっていますが、生後4カ月から小学3年生までのところもあれば、生後6カ月から小学校6年生まで可能な施設もあります。体調に関しては、「急変の可能性は低いものの、病気の回復期に至っていない急性期の子ども」が条件。該当する場合でも病状によって受け入れを行わない施設があるので、事前に確認しましょう。

利用には事前予約が必要な施設がほとんどで、お弁当やおやつ、おむつは持参のケースが多く、受け入れ人数が少ない点にも注意が必要です。
※市区町村によって違いがあるが、利用予約をした後に、医師から「診療情報報告書」を発行してもらい、利用当日に施設に持参する

【自宅訪問型】

自宅訪問型の病児保育は、一定の研修を受けた看護師や保育士などが自宅に訪問し、子どものケアをしてくれます。受け入れ数が比較的少なく、予約の取りづらい施設託児型の病児保育施設が使えないときに利用されるケースも多くあります。

急な発熱など思いもよらない病気の際にも時間によっては当日の依頼が可能で、施設託児型では預かりが難しい水ぼうそうなどの感染症にかかっている際にも対応可能な場合が多いのが特徴です。さらに、保育園で体調が悪くなった子どものお迎えや病院の付き添いなどのサービスを受けられる事業者もあるなど、幅広い支援が充実しています。

子どもにとって安心感のある自宅で過ごせ、かつ施設まで預けにいく必要がないため、負担も少なくなります。しかし、サービスが多岐にわたる分、施設託児型の病児保育に比べると利用料が割高になるのは避けられません。

回復期は病後児保育

病児保育制度には、病児保育のほかに病後児保育があります。どちらも病気の子どものケアを保護者に代わって行うものですが、子どもの体調によって受けられる制度が異なります。

前述のとおり、病児保育は「急変の可能性は低いものの回復期ではない急性期の子ども」が対象ですが、病後児保育は「急性期を過ぎ、回復期にある子ども」が対象となります。「回復期にある子ども」とは、発熱症状が治まって感染症の感染期を過ぎている状態の子どもを指し、医師に回復期と診断されたものの登園・登校が難しい場合に病後児保育が利用されることになります。

実施しているのは、病児保育と同じく保育園、認定こども園、病院、診療所などに併設された施設で、看護師などの配置人数や要件も病児保育と同様です。

ファミリーサポートセンターでの病児保育

子どもが急病の際に保護者に代わって対応を行うファミリーサポートセンター事業については、2009年に新設された「病児・緊急対応強化事業」によって病児保育や病後児保育が可能になり、今では多くの市区町村で実施されています。

ファミリーサポートセンターでの病児・病後児保育の際には、通常必要な書類に加えて、子どもの様子を記入する病児依頼連絡票や投薬の依頼に欠かせない投薬依頼書、医療機関からの診療情報などが必要になります。各センターに問い合わせのうえ、忘れずに用意しましょう。

病児保育の利用料金

市区町村が運営している施設託児型の病児保育と、NPOや民間企業による運営が多い自宅訪問型の病児保育では、料金システムに大きな差があります。以下は一例になりますが、それぞれ見ていきましょう。

【施設託児型】
・1日(8時間)当たり2,000円から3,000円程度
・お昼ごはん、おやつ、おむつなどに関して、持参したものに不足が出た場合は追加料金が必要
・生活保護世帯および住民税非課税世帯は費用が減免される

【自宅訪問型】
・1時間当たり2,000円から2,500円程度
・早朝および夜間、土日祝日の対応には割増料金が発生することがある
・入会金や年会費として数万円が必要となる
・保育士等の交通費がかかる

自宅訪問型の病児保育は当日や早朝・夜間・土日祝日にもサービスを受けられるなど融通が利くため、施設託児型の病児保育に比べて割高になります。どちらのタイプも常に候補をピックアップしておき、仕事の状況やサービス内容をふまえて、予約が可能な場合は施設託児型を、緊急時は自宅訪問型を選択するなど、状況に応じて判断するとよいでしょう。

病児保育は「幼児教育・保育の無償化」の対象になる?

2019年10月に開始された「幼児教育・保育の無償化」は、病児保育の利用も対象となっています。

ただし、対象となるには「保育の必要性が認定されている」「認可保育所や認定こども園を利用できない」など、一定の要件を満たす必要があります。3歳から5歳では月額上限37,000円まで、0~2歳の子どもがいる住民税非課税世帯は、月額上限42,000円までが無償になります。


病児保育は、体調の優れない子どもを看病してくれる、働くパパ・ママにとってありがたい制度です。施設託児型と自宅訪問型の2タイプがありますが、子どもの体調に加えて仕事の状況や金額を考慮することはもちろん、いざというときに慌てないよう、事前の登録やリサーチはできるだけ早めに行っておきましょう。


監修者:社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)

昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。

社会保険労務士法人クラシコ(https://classico-os.com/)

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