働く女性が知っておきたい妊娠・出産・育児の制度


出産後の再就職を応援! 役立つ支援制度や職場探しのポイントとは
更新日:2021年5月31日
出産後に再就職を目指す女性は多いですが、いざ仕事を探そうとすると、子どもの預け先の確保や保育所の迎えの時間に間に合わせる必要があるなど、さまざまな制限やハードルが存在します。そこで今回は、出産後の再就職を応援する支援制度や、職場選びで重視すべきポイント、さらには再雇用制度についても解説します。
出産後の再就職について

妊娠や出産を理由に一度は会社を退職したものの、「やはり仕事を通じて社会とのつながりを持ちたい」と考えて再就職を望む女性は多くいます。とはいえ、慣れない子育てと仕事を両立するのには気力も体力も必要になり、さらには子どもを中心としたライフスタイルが基本になるため、働き方に対する考えもこれまでとは変えていかなければならないでしょう。
出産後の再就職にベストなタイミング
出産後の再就職について、産後の状態もふまえてベストなタイミングを考えてみましょう。
【産後6カ月まで】
産後6週間経過後に自ら働く意思を示し、かつ医師が認めた業務に限って就業する場合を除き、原則として産後8週間は法律で就労が禁止されており、体力の回復に向けた療養や生まれたばかりの子どもと一緒に過ごすことに専念する期間になります。8週間を超えると就労は可能ですが、授乳など世話に手がかかり、慣れない子育てで疲れがたまる時期です。そのため、再就職先を探す場合には慎重さが求められます。
【6カ月~3歳】
6カ月を過ぎると利用可能な託児所や保育所が増えるので、子どもを預けて再就職のための活動を進める人が見られます。出産直後に比べて体力的・精神的な余裕がやや増えることもあって、早期に再就職を目指すならこの時期はベストなタイミングの一つといえます。託児所や保育所は、地域によって1歳児よりも0歳児のほうが定員が多く、入所倍率が低い場合があります。募集状況を確認し、必要に応じて早めに動き出してもよいでしょう。
しかし、6カ月~3歳ごろまでは急な発熱など保育所からの呼び出しも多いため、家族のサポート体制を整えることが大切になります。
【3歳以降】
もう一つの再就職のタイミングは、子育てが少し落ち着く3歳ごろになってからです。預け先も比較的見つけやすく、子どもの体調も安定してくるため、職場選びの選択肢も広がります。
出産後の再就職に役立つ制度と支援サイト
一度退職してブランクができてしまうと、再就職して新しい環境に飛び込むことに勇気が必要になり、面接のポイントや履歴書の書き方など、一人で就職活動を行うには不安に感じることも。そこで、ここからは再就職に役立つ制度や支援サイトを紹介します。
再雇用制度を活用する
再雇用制度とは一度退職した社員を再び雇い入れる制度のことで、定年に達した社員が退職後に再度雇用される「定年後再雇用」と、妊娠や育児を理由として退職した女性社員が元の企業に再度雇用される「再雇用」の2パターンがあります。
再雇用制度を設けている企業の多くは、「これまでの業務経験を活かして働いてもらえる」「会社への愛着がある人を雇用できる」といった点を期待しています。求職者にとっても、慣れ親しんだ環境ならスムーズに溶け込め、即戦力として活躍できるなどメリットが大きいので、以前の勤務先が再雇用制度を導入している場合には、選択肢の一つとして検討してみましょう。
その際、離職前との業務内容の違い、雇用形態やその他の勤務条件をしっかりと確認し、事前に希望条件を伝えて相談することも忘れずに。
再雇用制度には、退職の理由に加えて、退職前の勤続期間、離職期間の上限などの条件が定められている場合があります。会社により異なりますので、再雇用を希望するタイミングでご自身が条件を満たしているか、会社の担当部署に確認をしましょう。
仕事と育児カムバック支援サイトをチェック
再就職に向けて一人での就職活動に不安がある場合には、「仕事と育児カムバック支援サイト
」を活用しましょう。仕事と育児カムバック支援サイトは厚生労働省が管轄しているもので、育児休業からの復職を支えるほか、育児などを機に退職した女性の再就職を支援するために運営されています。
全国の市町村ごとに検索できるので、居住地や希望する地域に絞っての再就職支援情報、保育所の状況や手続きについて効率的に情報を入手できます。そのほか、再就職のためのセミナーに関するコンテンツでは、自己分析や模擬面接などのセミナーや、スキルアップのためのOA関連講座などの情報が公開されています。
また、同じように子育てをしながら再就職を目指す女性が意見交換できる交流掲示板、悩みや疑問を相談できるコンテンツ、再就職経験者の体験談、不安解消のためのQ&A集も利用・閲覧できます。
再就職先を選ぶ際のポイント
出産後は子どもを中心としたライフスタイルにシフトせざるを得ません。そのため、再就職先の選択においては、これまでと同じようなキャリアや業務内容を活かしつつも、子育てとの両立ができるかどうかを確認することが大切です。そのために、再就職先を選ぶ際に重視すべきポイントや、効率よく求人情報を探す方法を押さえておきましょう。
出産後のママが働きやすい職場を探す
出産後の再就職先として重視すべきポイントの一つは、育児中の社員や産休中の女性が在籍しているかどうかです。同じ境遇の人が多くいる職場であれば、受け入れ体制が整っていて会社の理解もあり、働きやすい環境である可能性が高いでしょう。
また、有給休暇が取得しやすいかどうかも確認しておきましょう。子育て中は、子どもの急な病気や保育所の行事などで仕事を休まなければならないことが多くあります。有給休暇の取得率や振替休日について就業規則に規定があるか、半日休暇制度があるかなど、柔軟な働き方を推進しているかも調べておくようにします。さらに、保育所への送り迎えも考えると、通勤時間の少なさや残業の有無も重視すべきポイントになるでしょう。
しかし、福利厚生などの条件を過度に重視すると、仕事内容にミスマッチが発生することがあります。まずは自分のやりがいと会社の方向性が合っているかを確認し、面接で質問をする際には、必ず「長く働きたい」という意思が伝わるように心がけつつ言葉は慎重に選びましょう。
転職サービスを利用しよう
転職サイトに掲載されている求人を検索する際には、「子育て支援が豊富」といった細かな条件で絞り込みを行うとよいでしょう。
また、子育て中の社員が多い・有給休暇取得率が高いなど、出産後の女性が働きやすい会社は人気が高く、求人情報が非公開の場合もあるため、エージェントサービスを利用して求人を探すのもよいでしょう。
エージェントサービスでは、これまでのキャリアのヒアリングのほか、希望条件を元にした非公開の求人情報も含めたマッチング、履歴書の書き方や面接のアドバイス、さらには雇用条件の交渉などきめ細やかなサービスが受けられるため、スムーズに転職活動を進められます。また、福利厚生や子育て支援制度の取得実績といった直接企業に聞きづらい情報をキャリアアドバイザー経由で確認できるのも心強いポイントです。
出産後も安心して働ける制度がある求人特集
出産を機に退職した女性にとって、子どもを育てながら再就職に向けて一歩を踏み出すのはとても勇気がいることです。今回ご紹介した再就職先を選ぶ際に重視するポイントやさまざまな支援サービスを活用しながら、ライフスタイルの変化に合わせて自分自身が満足できる再就職を目指しましょう。
監修者:社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)
昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。
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