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働く女性が知っておきたい妊娠・出産・育児の制度

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妊娠中は、無理せず通勤緩和を活用しよう

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更新日:2021年5月31日

在宅ワークやテレワーク、リモートワークなど、勤務形態の選択肢は増えていますが、それでも多くの人にとって通勤は避けて通れない問題です。妊娠中は通勤に対して特に不安になることもあるでしょう。そこで今回は、通勤手段別に気をつけるポイントや、満員電車を避ける制度「通勤緩和」について説明します。

妊娠中の通勤で気をつけるべきこと

妊娠中の通勤時に何を注意すればよいか、電車・自転車・自動車の通勤方法別に考えてみましょう

電車通勤の注意点

電車通勤で気がかりなのは、通常でも避けたい満員電車。車内には、冷暖房の効き過ぎや混雑のストレスによる体調不良、インフルエンザなどのウイルス感染、車内マナーをめぐるトラブルなどのさまざまなリスクがあります。

妊娠中はつわりや身体的・精神的ストレスによる体調不良が起こりやすく、本来ならば満員電車は避けたいもの。とはいえ、会社勤めの場合はそうも言っていられません。妊娠中の通勤電車では以下に気をつけて過ごしましょう。

  • ・冷房の効き過ぎ → 夏でも薄着はせず、羽織れる上着を持ち歩く
  • ・車内にこもった強いにおいで吐き気(つわり)が悪化 → 好きなにおいを染み込ませたマスクを着用する
  • ・空腹による体調不良 → 小さなおにぎりやアメを持ち歩く
  • ・急な眠気 → すいている時間帯や車両をチェックし、座れる機会を増やす

少しでも快適に通勤するための工夫も必要ですが、あわせてマタニティマークも活用しましょう。厚生労働省が2000年から取り組んだ「健やか親子21」で使われ始めるようになったこのマークは、外見からは見分けがつかない妊娠初期の妊婦が身につけ、周囲に妊婦であることを示すものです。交通機関で席を譲ってもらうためだけでなく、職場や飲食店で体調を崩したときに、周囲が妊娠中であることに気づくための目印にもなります。

しかし、「マタニティマークをつけているのに、席を譲ってもらえない」と考えてストレスが増えることもあるでしょう。過度なストレスは赤ちゃんにも影響する恐れがありますから、「配慮の仕方は、人それぞれ」ということを忘れないようにし、席を譲られた際には遠慮せず好意に甘えましょう。

自転車や自動車の利用はいいの?

妊娠中に自転車や自動車の運転は望ましいのでしょうか? また、どんなことに注意すればよいのでしょうか?

自転車通勤

【自転車】
妊娠中でも軽い運動をすることが推奨されており、自転車に乗ること自体に大きな問題はないといわれています。長い距離を歩くより身体への負担も少なくなるため、多くの妊婦が利用しています。

ただ、自転車を利用する際は以下の点に注意しましょう。

  • ・振動や段差の少ない経路を選択する
  • ・普段よりスピードを落として利用する
  • ・人の少ない時間帯を選んで利用する

しかし、安定期になりおなかが大きくなってくると、バランスがとりづらくなり、転倒する危険が高まります。「サドルの位置を普段より低く設定して足がつくようにする」といった工夫をして安全を心がけましょう。

【自動車】
妊娠中の自動車の運転は、転倒リスクがない点で自転車より安全に思えます。しかし、ホルモンバランスの変化による急な眠気や体調不良、身体的変化によるとっさの判断や行動の遅れなど、妊娠中に特有の症状による影響があるため、運転には注意が必要です。普段から休憩を多くとり、体調によっては乗らない選択ができる環境を作ることが大切です。

また、体形の変化による操作感覚の違いや着座ポイントのずれによる視界の変化などの影響もあるため、「通常時とは違う」という意識を常に持って運転しましょう。

妊娠中の体調の変化は個人によって異なり、自転車や自動車を利用するための明確な基準はありません。そのため、利用する際は事前に必ず主治医に相談しましょう。「子どもの送迎で週に何日、1回何時間くらい」と利用目的や頻度を明確に伝えると、的確なアドバイスをもらいやすくなります。

妊娠中は通勤緩和をしてもらおう

妊娠中の体調の変化は個人によって差がありますが、通勤のストレスがつわりの悪化や流産・早産につながる恐れもあります。これを避けるために、妊娠中は「通勤緩和」という制度の利用が認められています。

これは、男女雇用機会均等法によって定められた保健指導事項を守るために事業主が妊娠中の女性労働者に対してとるべき勤務の軽減措置で、医師などから通勤緩和の指導があった場合には、労働者が申請することにより、この措置を受けられます。

通勤緩和で受けられる措置の例

通勤緩和には、時差通勤や時短勤務が一般的な手段として用いられます。

時差通勤は満員電車を避けて混雑していない時間帯に通勤時間をずらすことで、時短勤務は文字どおり勤務時間を短縮する制度です。この2つの制度を利用すると、「出社時間を1時間遅く、かつ退社時間を1時間早くして勤務時間を2時間短縮する」という調整も可能になります。

公務員や一部の企業では、有給休暇を時間単位で取得できるようにし、勤務時間を短縮しても給料をそのまま維持できるようにしている例もありますが、有給休暇が利用できない企業の場合は、短縮された2時間分の給与は支払われないことが一般的なため、事前に確認しておきましょう。

通勤ストレスは「差・短・変」で和らげて

交通混雑によるストレスは、つわりの悪化や流産・早産などにつながる恐れがあるため、妊娠中は以下のような措置を取ってもらえるので、勤務先に相談してみましょう。公共交通機関のほか、マイカー通勤も対象となります。医師または助産師から通勤に関する指導があった場合には「母性健康管理指導事項連絡カード」を利用し、勤務先に伝えましょう。産後1年以内の女性も当てはまります。(男女雇用機会均等法第13条)

時差通勤
  • 始業時間および終業時間に、それぞれ30~60分程度の時差を設けること
  • フレックスタイム制度の適用(労働基準法第32条の3)
勤務時間の短縮医師または助産師からの指導事項を守るために必要な勤務時間の短縮
交通手段・
通勤経路の変更
混雑の少ない経路への変更

母性健康管理指導事項連絡カードもあわせて使おう

通勤の緩和措置は、男女雇用機会均等法の第13条に規定された「勤務の軽減等」にあたるものですが、実際の職場環境や妊娠中の体調には個人差があるため、法律では「保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるようにする」とされています。

実現のための措置には「通勤緩和(時差通勤、勤務時間の短縮等の措置)」「休憩に関する措置(休憩時間の延長、休憩回数の増加等の措置)」「症状などに対応する措置(作業の制限、休業等の措置)」がありますが、これらを適切に組み合わせて行うための判断はやはり医師が担うことになります。

そこで、医師や助産師からの指導内容を正しく職場に伝える方法として導入されているのが「母性健康管理指導事項連絡カード」です。これは、妊娠中だけでなく出産後・保育中にも活用できる制度です。


妊娠中は、つわりやホルモンバランスの変化による体調不良が起こりやすくなります。自分自身とおなかの赤ちゃんのためにも、通勤のストレスを緩和する通勤緩和を積極的に活用しましょう。

監修者:社会保険労務士法人クラシコ/代表 柴垣 和也(しばがき・かずや)

昭和59年大阪生まれ。人材派遣会社で営業、所長(岡山・大阪)を歴任、新店舗の立ち上げも手がけるなど活躍。企業の抱える人事・労務面を土台から支援したいと社会保険労務士として開業登録。講演実績多数。

社会保険労務士法人クラシコ(https://classico-os.com/)
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