Q. 妊娠中に転職活動はできる?転職を成功させるためのポイントや育休への影響は?
現在、正社員で就業中ですが、今の会社へ転職した直後に妊娠していることが分かりました。もともと環境や待遇に不満がありましたが、妊婦になってさらに悪くなってしまったと感じています。長い目で考えると転職が必要だと思うのですが、そもそも妊娠中の転職活動は可能なのでしょうか?(25歳/女性)
A. 転職活動は可能ですが、産後安定して働けるようになってからがおすすめ。
単に妊娠しているからという理由で選考が不利になることはないので、転職活動は可能です。しかし、中途採用をしている会社は即戦力としての人材を求めているため、入社数カ月後に数週間から数年の休みをとる可能性がある方には内定を出しづらいというのが実情でしょう。特定の分野におけるスペシャリストであれば、得難い人物として企業も採用したいと考えるかもしれません。ほかにも、定められた時間の継続勤務ができる、産休後すぐに復帰できる、といった会社が求める勤務状況をクリアできることを伝えられれば可能性はあります。ただし、それが妊娠中の女性にとって最善かどうかはいま一度考えてみる必要があるでしょう。
まずは、妊娠中や出産後、自分がどこまで仕事に時間を割くつもりか、育休はとるのか、保育園に預けるのかなど先々のことまで考慮した上で、転職活動をするべきか決めましょう。転職活動を始めるとしても、妊娠中より産後の復帰できるタイミングでの活動開始がおすすめです。理由は大きく3つあります。
育休の取得には条件があるため
育休は育児休業法に基づいた労働者の権利であり、会社に育児休暇の制度がなくても、条件に当てはまっていれば申請して取得することができます。ただし、就業期間1年未満など条件に満たない場合は取得できないケースもあるのです。通常、産休は産前6週間(双子以上の場合は産前14週間)・産後8週間で、だれでも取得することができます。一方、育休は雇用期間・所定労働日数など、取得できる方の要件が決まっているため、場合によっては取得することができません。この点を考慮すると、現在の会社に長年勤めているケースであれば妊娠中に転職するよりも、在職中に産休・育休を取得したほうがいいでしょう。
子どもの保育園への入園条件
地域により異なりますが、基本的に認可保育園は就労状況(フルタイム勤務か、就学中かなど)や健康状態(病気や障害など)といった、保護者の状況を加味する仕組みになっています。もし出産前に転職活動を始め、内定が決まらずに失業期間が長引いた場合、ますます保育園(認可・認可外・保育ママ)への入園は厳しくなり、働きだすタイミングが遅くなってしまうかもしれません。今の会社で育休から復帰し、入園先が決まった頃合いで転職活動するほうがリスクは少ないといえるでしょう。
妊娠中よりも復帰後のタイミングのほうが会社から内定をもらいやすいため
出産後のほうが個人側にとって先々まで安定して働ける見通しが立ちやすく、企業側も上記記載のとおり、さまざまな条件を考えたときに内定を出しやすいためです。
これら、3つの理由からも「きちんと勤務ができる」という土台を作ってから転職活動を始めるほうがメリットは大きいはずです。家族とも相談しながら決断することをおすすめします。出産という大きなイベントの前と後では大きく考えが変わる方も多いので、あまり急いで結論を出さず、慎重に行動することが重要です。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
松田 智恵子(まつだ・ちえこ)
【経歴】
金融機関の総合職で採用・法人営業を経験したのち、現職で12年間人材サービスに関わっています。担当領域は、全業界の営業・管理部門の方を担当し、エリアについては、関西、関東を経験。現在は、管理部門の方を専門とするキャリアアドバイザー組織の管理職に就いています。
【メッセージ】
時代の流れが速いことから、不安や悩みを抱えている方が年々増えていると感じています。なかなか周りに相談できない本音や不安を解消するお手伝いができれば幸いです。
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