中途採用の面接で、採用担当者が「重視している」のはどのポイントか、逆に「実はあまり重視していない」のはどこか、中途採用の担当者1,000人にアンケートを実施して、職種ごとにそれぞれ上位5つを集計して分析しました。これから面接を受ける方は、重視されているポイントを意識して臨んでください。
また、面接中の目線についても解説します。面接中はどこを見るべきなのかも解説しているので、調査結果を確認して面接の対策を行って、万全の態勢で面接に挑みましょう。
※アンケートは、下記13のポイントの中から上位3つを選択してもらいました。 第一印象、身だしなみ、受け答えの仕方、経験、スキル、志望動機、熱意・積極性、誠実さ・素直さ、転職理由、仕事の成果、仕事で工夫・努力したこと、説明力、論理的思考力
面接官はどこを見る?ポイントは「第一印象」!?
面接官が「最も重視するポイント」は「第一印象」となりました。「技術系(メディカル/化学/食品/化粧品)」だけは2位となりましたが、それ以外の職種は回答率1位。法人顧客や個人顧客と直接やり取りをする「営業系」「販売/サービス系」はその割合が30%前後と高く、「第一印象」が特に重視されていることが分かります。意外にも「技術系(建築/土木)」も「第一印象」の回答率が高く、1位になっています。現場の作業員やゼネコンなど、社外とのやり取りが多いことや、経験や資格が重視される職種ということで、書類選考の時点である程度は判断されており、面接では人物面が評価されていると言えそうです。
「受け答えの仕方」もすべての職種で上位に。見た目での「第一印象」だけでなく、真摯に受け答えをしているか、横柄な態度を取っていないかという点が評価されているようです。このほか「営業系」は「誠実さ・素直さ」「身だしなみ」、「企画/管理系」は「論理的思考力」、「技術系(IT・通信)」は「第一印象」と並ぶぐらいの比率で「スキル」「経験」が、「販売/サービス系」は「第一印象」に続いて「受け答えの仕方」「身だしなみ」、「金融系専門職」は9職種中、唯一「仕事の成果」がランクインするなど、職種の特徴が表れる結果となりました。
当然のことではありますが「第一印象」「受け答えの仕方」「身だしなみ」など、書類上では分からないポイントが、面接選考ならではの判断材料になっています。直に会うことでしか分からないことなので「面接で重視する」ポイントとして挙げられていますが、この順位がそのまま合否を判断する「優先度」というわけではありません。これらは最低限のビジネスマナーとしてクリアしていて当然のことで、選考の合否の判断材料としてのウエイトは軽いというのが回答の大半ではないでしょうか。
以下9つのグラフは職種別の面接で面接官が重視して見ているポイントをまとめたものです。
【職種別】面接で重視するポイント
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面接で必ず聞かれる「転職理由」が”重視されない”!?
面接で「あまり重視していない」項目として、すべての職種で「転職理由」が2位以内に入りました。また「志望動機」も9職種中7職種でランクイン。「転職理由」も「志望動機」も、面接で必ず聞かれる質問であるにもかかわらず「あまり重視しない」の上位になるのは意外な結果です。
「志望動機」については、入社の熱意があることはプラスの評価にはなりますが、採用担当者としては「自社に入りたい気持ちが強い人」で、かつ「入社後に成果を出してくれる人」を採用したいと思っています。単に「御社のここに魅力を感じました」というだけでは表面的に聞こえてしまう可能性もあるので、面接の場では「これまでの経験を活かして、御社のこの分野で貢献したい」と、具体的な活躍をイメージしたアピールが必要です。
どちらも選考基準に合わない応募者は、書類選考の時点で不採用になっていて、面接の時点である程度のスクリーニングができているという理由がありそうです。面接で「転職理由」「志望動機」を聞く場合、理由や動機そのものを知りたいというよりも、理由と同期に矛盾がないか、納得できるつながりがあるかという観点を重視していることの表れかもしれません。
また、最も重視する項目だった「第一印象」も「販売/サービス系」以外で5位以内にランクイン。これは、本質的には「第一印象」だけで採用・不採用を決めているわけではなく、それ以外のポイントでもしっかり判断しているということが表れていると言えます。
【職種別】面接であまり重視しないポイント
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面接の質問に「早く答える」よりも大事なことは?
「経験やスキルは十分だったにもかかわらず、面接選考で不合格を決めたポイントは」という設問には、以下のような回答が多くありました。見られている点を意識することで、面接官に好印象を与えることができるでしょう。
・目を見て話さない
・話に一貫性がない
・明らかにうそをついている
・遅刻してきた
・待遇面ばかり気にしている
・言葉遣い
・質問に対する回答が返ってこない
・協調性が感じられない
・やる気が感じられない
・話が長すぎる
・他人のせいにしたり、言い訳をしたりする
・服装の乱れや身だしなみ
・自信過剰
一方「経験やスキルは足りなかったが、面接選考で合格を決めたポイントは」という設問への回答としては以下のようなことが挙げられました。
・目の輝き
・話が面白い
・熱意が伝わってきた
・頼りになる、仕事を任せられるという手応えがあった
・学ぶ意欲が強い
・前向きな発言が多い
・自分が目指す姿が明確
・素直
「不合格を決めたポイント」としては「目を見ない」「一貫性がない」などが多く挙げられました。「目を見ない」というのは自信がないことの表れと捉えられている可能性があります。また「一貫性がない」については、前の質問の回答とつじつまを合わせようとしたり、早く答えようとするあまり、本心ではないことを言ったりすることがマイナスポイントとされているようです。回答に困った場合は、無理にすぐに答えようとせず、しっかり考えた上で「その点はまだ考えていませんでした」などと、率直に答えましょう。また「合格を決めたポイント」の「学ぶ意欲」「前向きな発言」などは、入社後の活躍を具体的にイメージした上で、未来の話をしている点が評価されています。経験やスキルだけを見ると採用要件を満たしていなくても、今後の活躍に対する期待値で採用を勝ち取っていると言えます。
面接ではどこを見るべき?目線はどこがいい?
これまで採用担当者が「重視している」ポイントを解説してきましたが、ここからは「面接中の目線」について解説します。目線によっても印象は大きく左右されますので、参考にしてみてください。
面接では、面接官の目をしっかり見て話すことが大切です。目線が下がってしまうことで、面接官に自信がない印象を与えてしまったり、目線が定まらないことで落ち着きがない印象を与えてしまったりすることがあります。相手の目を見て話すことで、入社を前向きに考えているなどの意欲が面接官に伝わりやすくなるでしょう。
また、Web面接(オンライン面接)では画面上の面接官を見てしまうと、目線が下がって見えます。カメラを見て話すことを心掛けるとよいでしょう。
面接官の目をずっと見るのはアリ? ナシ?
面接では、面接官の目を見るようにしましょう。ただ、ずっと目を見たままだと圧迫感を与えてしまう可能性があります。面接官が書類を見るために目線を落としているときは少し目線を外すなどして自然な状態を保ちましょう。
複数の面接官がいる場合は、基本的に質問している面接官に目線を合わせながら答えつつ、ときどきほかの面接官も見ると、面接官全員にアピールすることができ、好印象です。ただ、あまり目線ばかり意識しすぎると不自然な印象を与えてしまうこともあるので、友人と話しているときと同じような目線で話すと自然に感じるでしょう。
いかがでしょうか。面接選考は限られた時間で、自分の経験やスキル、熱意をアピールしなければなりません。そのためには、応募企業について調べることはもちろん、経験やスキルの整理に加えて、その企業で何がやりたいか、どう貢献したいのかを事前にしっかり考えておく必要があります。採用選考の場とはいえ、面接はコミュニケーションの場です。せっかく準備したことが無駄にならないように、面接の場では「第一印象」や「受け答えの仕方」を特に意識して、面接官と会話することを心掛けて臨みましょう。
調査概要
【対象データ】書類選考・面接選考を担当している採用担当者
【有効回答数】1,000件
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