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不妊治療に関する助成制度とは?対象となる治療や助成金を解説

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更新日:2021年10月25日

不妊治療にまつわる不安の一つに、経済的な負担があります。治療のステップや期間は人によって異なるため、どのくらいの費用がかかるのか始めるまで分かりません。

しかし、国や自治体の助成金制度や民間のサービスなど、不妊治療を経済面からサポートする取り組みが整いつつあります。制度の概要や適用条件などを把握して、治療計画に役立てましょう。

不妊治療とは?

そもそも不妊症とは、「妊娠を希望する男女が、一定期間避妊することなく性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠しないこと」を指します。公益社団法人日本産科婦人科学会は、この一定期間を「1年とするのが一般的」と定義しています。

こうした不妊症の男性や女性が子どもを授かるための治療を不妊治療といいます。不妊治療の種類はさまざまで、不妊の原因や治療を始める年齢、精子の状態などにより、選ぶ方法が異なります。


不妊治療の種類

不妊治療は、一般的にタイミング法から始まり、一定期間妊娠しない場合は次の治療法へステップアップしながら進められることがほとんどです。代表的な治療法を挙げました。

<一般不妊治療>
・タイミング法
・人工授精

<特定不妊治療>
・体外受精
・顕微授精

続いて、それぞれの治療法について確認しましょう。

一般不妊治療①タイミング法
基礎体温やおりものの状態、超音波による卵胞径の計測などから排卵日を把握し、性交渉のタイミングをはかることで自然妊娠を目指す方法です。排卵がなかったり、卵胞の発育が良くなかったりする場合には、排卵誘発剤を併用することもあります。

一般不妊治療②人工授精
採取した精液を洗浄し、細い管を子宮口から入れて子宮内腔に送り込む方法です。男性側の精子所見の悪い場合や性交障害、射精障害などの場合に用いられることが多いです。

特定不妊治療①体外受精
採取した卵子に精子をふりかけて体外で受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法です。医師が卵巣に針を刺して卵子を採取するため、点滴による静脈麻酔を使用します。体外受精は、人工授精を一定期間続けても妊娠しない場合や、精子の数が少ない場合などに用いられます。

特定不妊治療②顕微授精
体外受精の一種で、非常に細いガラス管などを使い体外で精子を卵子に注入して受精させる方法です。体外受精で妊娠しない、または妊娠しづらい場合や精子の数が非常に少ないときなどに用いられます。

不妊治療を受けられる機関

不妊治療は、指定の医療機関で受けられます。厚生労働省のサイトでは指定医療機関のリストを公表しているため、参考にするのも一つの方法です。クリニックによって治療方針や診療のレベルが異なるため、サイトを見たり、説明会などに参加したりして確認しておくといいでしょう。

不妊治療にかかる費用

不妊治療には保険適用されるものと自費で行われるものがあり、どの治療法を選択するかによって費用負担も変わります。医療機関によって異なりますが、不妊治療を考えるうえでの目安として一例を紹介します。

・検査
最初の基本的な検査(血液検査、超音波検査、卵管造影検査)の合計で4万〜6万円くらい

・タイミング法
1周期あたり1万〜2万円

・人工授精
1周期あたりの合計金額が2万〜3万円

・体外受精/顕微授精
15万円台50万円。この金額に加え、卵巣刺激に使用する薬代が10万〜20万円かかる

・胚(受精卵)移植
1周期あたり20万円前後。体外受精や胚(受精卵)移植になると、治療費が高額になることが分かります。

不妊治療に関する助成金

費用負担の大きい体外受精や顕微授精を行う夫婦を対象とした、国や自治体からの補助を受けられる可能性があります。

これまで支給要件が細かく設けられていましたが、2021年1月1日以降、不妊治療に対する助成の対象範囲が以下のように拡充されました。

拡充内容(※1)参照 https://www.mhlw.go.jp/content/000761345.pdf

治療終了日
/内容
令和2年12月31日まで 令和3年1月1日以降(※2)
所得制限 730万円未満(夫婦合算の所得) 撤廃
助成額 1回15万円 1回30万円
助成回数 生涯で通算6回まで(※3) 1子ごとに6回まで(※3)
対象年齢 妻の年齢が43歳未満 妻の年齢が43歳未満

※1 対象者については、原則、法律婚の夫婦を対象とするが、生まれてくる子の福祉に配慮しながら、事実婚関係にある者も対象とする
※2 申請期限は自治体によって異なるため、要確認
※3 40歳以上43歳未満は3回まで

この背景には、出産を望む世帯の支援を目的とした2022年4月からの不妊治療への保険適用に向けた動きがあります。この保険適用が実現されるまでの措置として、“現行の助成制度の拡充”という方法がとられています。

国の制度に加え、自治体が不妊治療の助成制度を設けているケースもあります。まずは、自治体のサイトなどで居住地域の制度について調べておくといいでしょう。

不妊検査に関する助成金

不妊治療を行う際の最初のステップとなる不妊検査。自治体によっては、この不妊検査にも助成制度が適用されます。たとえば、東京都は以下のような取り組みをしています。

自治体の助成制度の一例(東京都)
東京都では、保険医療機関で行った不妊検査および一般不妊治療にかかった費用(保険薬局の調剤を含む)について、5万円を上限に助成します。東京都不妊検査等助成事業

・助成の対象となるおもな不妊検査と一般不妊治療

不妊検査 精液検査、内分泌検査、画像検査、精子受精能検査、染色体・遺伝子検査など 超音波検査、内分泌検査、感染症検査、卵管疎通性検査、子宮鏡検査など
フーナーテスト
一般不妊治療 待機療法(タイミング指導)、薬物療法、人工授精など

※特定不妊治療(体外受精および顕微授精)および第三者を介する検査や治療は助成対象外
※入院時食事療養費、差額ベッド代および文書料など、不妊検査や一般不妊治療に直接関係ない費用は助成対象外

・助成の対象者
助成を受けるには、「検査開始日までに法律婚または事実婚の関係にある夫婦」であることに加え、以下の3つの要件を満たす必要があります。

要件 備考
1 法律婚の場合
検査開始日から申請日までの間、夫婦いずれかが継続して都内に住民登録をしていること。
夫婦いずれかが都外在住の場合、都内在住者が申請者となる。
事実婚の場合
1) 検査開始日から申請日までの間、夫婦いずれかが継続して都内に住民登録をしていること。
2) 検査開始日から申請日までの間、ほかに法律上の配偶者がいないこと。
3) 検査開始日から申請日までの間、事実婚の届け出をしていること。
1)〜3)の要件をすべて満たす人で、平成30年4月1日以降に不妊検査を開始した人が対象。
住民票の続柄で、事実婚であることが確認できない場合(「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がない)、下記2点を申立書(任意様式)により申告する必要があります。
1)2人が事実婚関係にあること。
2)治療の結果出生した子について認知を行う意向があること。
申立書の提出により助成の対象となるのは、令和3年4月1日以降に実施した検査および治療。
2 検査開始日における妻の年齢が40歳未満であること。 夫婦それぞれの検査開始日のいずれか早い方が対象となる。
3 助成対象期間内に保険医療機関において夫婦ともに助成対象の検査を受けていること。 夫婦いずれか一方が検査を受けただけでは対象とならない。

・助成対象期間
夫婦それぞれの検査開始日のうち、早いほうから起算して1年間です。ただし、検査開始日から1年以内であっても、次の2つが発生した時点で対象期間が終了します。
・妊娠が判明した場合
・特定不妊治療(体外受精および顕微授精)に移行した場合

・申請書類
申請には、以下の書類の原本が必要です。すべてそろえて東京都に郵送しましょう。
不妊検査等医療費助成申請書
不妊検査等助成事業受診等証明書 ※医療機関が記入する
・住民票の写し ※検査開始日と申請日時点で区市町村が異なる場合は、検査開始日の住所が記載された戸籍の附票の写し(原本)も提出する
・戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)

公的補助以外のサポートは?
・個人医療保険

保険会社では、特定不妊治療を受けた場合に給付金を受け取れるなど不妊治療を対象とした商材を扱っているケースもあります。

保険会社や加入期間によって保険料は異なります。自身が加入している保険の契約内容をよく確認することをおすすめします。

・銀行の不妊ローン

銀行の不妊治療関連のローンを活用するのも一つの方法です。特に、地方銀行でさまざまな取り組みをしています。

ローンの申し込み条件や利用限度額などは銀行によって異なります。まずは、自身が利用する銀行に不妊治療関連のローンがあるかどうかを確認しましょう。

不妊治療には時間や精神的・身体的なものまでさまざまな不安が生じますが、経済面の負担もその一つ。金銭面から不妊治療をあきらめざるを得ないケースもあります。負担をできる限り軽くするために、助成制度や民間のサービスを上手に活用しましょう。

(参考)
・『不妊治療を考えたら読む本』(講談社)
医療法人浅田レディースクリニック
日本産科婦人科学会
厚生労働省『不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック』

監修者:医療法人浅田レディースクリニック/理事長 浅田義正(あさだ・よしまさ)

医学博士/日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医・指導医/日本生殖医学会認定生殖医療専門医・指導医。
愛知・東京でクリニック展開する「医療法人浅田レディースクリニック」の理事長。 海外での体外受精研究実績を持ち、顕微授精の第一人者として活躍中。妊娠という“結果”を重視した「浅田式」不妊治療を行っている。

医療法人浅田レディースクリニック(https://ivf-asada.jp/)

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