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もっと、自分らしい働き方が見つかる女性向けイベントWoman's Career Meeting Report

Woman's Career Meeting Report Woman's Career Meeting Report
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掲載日:2013年11月11日

第1回 2013.10.02

キャリアアップのための『感情マネジメント』

Woman Career主催の「Woman's Career Meeting」は、各界で活躍する講師を招き、女性が「自分らしいキャリア」を真剣に考えるきっかけ作りを目指す女性向けイベントです。
10月2日(水)、東京・丸の内にて実施した第1回のテーマは「キャリアアップのための『感情マネジメント』」。ソウル五輪のシンクロナイズドスイミング(デュエット)銅メダリストの田中ウルヴェ京さんと、キャリアカウンセラーの藤井佐和子さんによるセミナーとトークショーに、多くの女性が集まりました。Woman Career編集部が当日の様子をレポートします。

profile 講師プロフィール

田中ウルヴェ京さん

田中ウルヴェ京さんメンタルトレーナー/国立鹿屋体育大学客員教授(スポーツ心理)

1967年生まれ。1988年ソウル五輪シンクロ・デュエットで銅メダル獲得。10年間の日米仏の代表チームコーチ業を経て、米国大学院留学で修士取得。認知行動療法などの心理学を学ぶ。2001年、心身の健康をテーマに起業。「心」の健康として、アスリートからビジネスパーソンなど広く一般にメンタル指導。「身体」の健康として、ピラティススタジオ『DMJボディバランシング』を持つ。『人生最強の自分に出会える感情ノート』(秀和システム)など著書、共著、訳著多数。

藤井佐和子さん

藤井佐和子さん株式会社キャリエーラ/キャリアカウンセラー

1968年生まれ。大学卒業後、大手カメラメーカーを経て、パーソルキャリア株式会社にて8年間勤務。派遣事業部や人材紹介事業部、さらに女性を対象とした転職支援チームを立ち上げ、数多くの転職を支援。その後、株式会社キャリエーラを立ち上げ、述べ13,000人以上のカウンセリング、年250日以上の講演、研修実績を持つ。『女性社員に支持されるできる上司の働き方』(WAVE出版)など著書多数。

section1

第1部:田中ウルヴェ京さんによるセミナー「感情マネジメント(コーピング)」

田中ウルヴェ京さん第1部の講師は、田中ウルヴェ京さん。メンタルトレーナーとして、プロスポーツ選手からビジネスパーソン、子育て中の女性などを対象に、コーピングと呼ばれるストレス対処法を使ったメンタルトレーニングをしているという自己紹介から始まり、1988年ソウル五輪のシンクロデュエットで小谷実可子さんとともに銅メダルを獲得した後に、キャリア形成で苦労した経験談を披露されました。引退後、シンクロのコーチとなりましたが、オリンピックが生活のすべてだったこともあり、目標を見失い、仕事でも生活でも他人の目を気にして自信が持てなかったと言います。そして「自分は本当は何がしたいのか」と考えるようになり、アメリカの大学院へ留学。そこでコーピングと出会い、弱ったメンタルを整え、自分のキャリアプランを再設定できました。輝かしい経歴を持つ田中さんが抱えていた意外な心の葛藤に、参加者は熱心に聞き入っていました。「キャリアアップを考える際にコーピングで感情をマネジメントすることで、自分の本当にやりたいことが見えてきます」と語る田中さん。次はいよいよ実践編です。

田中ウルヴェ京さん実践編は「今のストレスを、隣の人と5分交代で話してください」という課題からスタート。初対面にもかかわらず、参加者同士、日ごろのストレスを語り合いました。田中さんは、(1)「上司にしかられた」とストレスのきっかけを話す人(2)「イライラして嫌」と感情を話す人(3)「上司にしかられ、イライラした」と、きっかけと感情の両方を話す人の3タイプに分類。「(1)のようにストレスのきっかけは認識していながら、感情を外に出すのが苦手な女性が多い。いつも感情を抑えているので、自分がどんな物事にどう感じるのか分からなくなっていて、知らず知らずのうちにストレスをため込んでしまいます。すぐ実践できるコーピングとして(3)のようにきっかけと感情を分けて考え、喜怒哀楽を自覚することが、無駄なストレスをためないコツ」と解説しました。

さらに、この習慣が身につくと、きっかけと感情の間にある自分自身の「考え方のクセ」に気づきます。例えば、きっかけは同じ「上司にしかられた」ことでも「◯◯すべき」という“べき思考”のAさんは「人前でしかる“べき”じゃない」とイライラして、「どうせ◯◯だ」という“どうせ思考”のBさんは「またしかられた。“どうせ”自分はダメだから」と落ち込む。しかし“プラス思考”のCさんは「上司がしかってくれるのは、期待されているからだ」と前を向く。このように一つの事実に対しても、人によって受け取る感情は異なります。「つまり、感情の原因は他人でなく自分にある。自分の考え方のクセを知ることが、自分自身を知る手がかりになります」。田中さんの言葉に参加者は深くうなずいていました。

section2

第2部:田中ウルヴェ京さんと藤井佐和子さんによるトークショー「キャリアアップのために今日からできること」

藤井佐和子さん第2部は、キャリアカウンセラーの藤井佐和子さんが登場。日々、女性たちとカウンセリングをする中で感じているさまざまな課題について、田中さんと本音トークを展開しました。中でも盛り上がったのが、結婚・出産に関する話題。藤井さんは「仕事が忙しい中で、結婚もしたいし子どもも欲しい」という相談をよく受けるとのこと。それに対し「ストレスに強い人間が持っている特性の一つが、コントロールできないことに執着しないということ。例えば、もし『結婚したいのに相手がいない、仕事が忙しくて出会いがない』ということなら、相手が突如現れたり、仕事が急に減るというのは自分ではコントロールできません。そこに執着せず、じゃあ顔の広い友人に紹介してもらおうとか、結婚サービスに登録しようとか、現実的な行動を取ることが大事です。そもそも、『結婚しなければ』という思い込みがあるのかもしれない。自分が本当に結婚を望んでいるのか、そうではないのかを見極めて、自分がやりたいことをまずしっかりやるのが一番」と田中さん。そこから「既成概念と戦うこと」へと話が広がり「メンタルトレーナーになった13年前は、世間に受け入れてもらえなかった」と田中さんが言えば、藤井さんも「私も、女性一人ひとりのライフプランやキャリアの方向性に合ったカウンセリングをしたくて起業しました。2002年当時は『女性は結婚・出産でキャリアを中断するもの』という考えがまだ根強くありましたから、世の中にないものは起業しても成功しないと言われました」と、起業当時を振り返りました。

田中ウルヴェ京さんと藤井佐和子さんさらに「本当の自分の探し方で、一番簡単にできることは」という藤井さんの問いに「自分の行動や言動に対し、いちいち『なぜ?』と自分に聞くことです。そうすると、自分はいつも理由づけにこの判断を使っているという自分の価値観の軸が分かります」と、具体的な方法を教えてくれた田中さん。質疑応答では「やりたいことがたくさんあるがどう選択すればいい?」という参加者に、田中さんは「すぐできる思考の整理の習慣づけとして、毎日、夜寝る前に『ありがたい』と思うことを3つ書き続ける。それによって自分が、人や社会に本当は何がしたい人間なのかという軸が見えてくる。それが選択基準になるはず」とアドバイスをしました。

最後に「20代後半、コーピングを広めたいと、スポーツ選手や文化人のエージェントやプロダクションを回ったが、どこに行っても門前払いでした。コーピングの良さを理解してもらえない自分が悔しくて毎日泣きながら『The greatest thing in your life is being who you are(人生の中で最も偉大なことはあなた自身でいることだ)』と唱えていた。自分だけは自分のことを信じてあげようと思っていました」(田中さん)、「逃げないと決めた時から、強くなった気がします」(藤井さん)と、参加者にメッセージを送った2人。盛大な拍手のうちにセミナーは幕を閉じました。

講師と参加者の交流タイム「懇親会」

  • 交流タイム
  • 交流タイム
  • 交流タイム
  • 交流タイム

講師を交えた交流会は、あっという間に、田中さん、藤井さんの周りに輪ができ、「資格試験になかなか合格しないが、あきらめた方がいいか」「体調を崩してしまったけれど、この先どうキャリアを考えていくべきか迷っている」と、真剣な質問が飛び交いました。dodaの女性キャリアアドバイザーにキャリアの相談をしたり、参加者同士で意気投合して名刺交換したりする光景も見受けられました。互いにすっかり打ち解け合い、名残惜しそうに会場をあとにする参加者の姿が印象的でした。

参加者の声
  • 「落ち込むのも、怒るのも、自分の捉え方次第と思うとイライラも原動力に変えられそうです」(30歳・メーカー)
  • 「転職を考えていますが、今の仕事や私生活のこともあり、迷っていました。今回のイベントに参加し、自分自身の思考の整理ができました」(29歳・メディカル)
  • 「田中さんのお話がとても具体的で共感できました。仕事や恋愛のストレスが減らせると気づくことができたのが収穫でした」(44歳・メーカー)
  • 「明日からすぐできることに特化したお話だったので、自分に引き付けて聞くことができました」(25歳・サービス)
  • 「勇気をもらいました。新しい職場で心機一転頑張りたいと思います」
    (38歳・IT)
イベントを終えて、講師から

田中さん

みなさんと直接お話をして、私自身たくさんの元気をいただきました。本当にありがとうございました。講演でもお話しましたが「ストレスは自分次第」です。悪いストレスに操られるのも、悪いストレスをうまく操ってやる気のエネルギーに変えてしまうのも自分次第。自分だけは自分の味方であり続け、自分を励ますことを忘れず、日々たくさんの失敗を学びにして「頑張り過ぎずに」頑張りましょう。またお会いできることを楽しみにしています。

藤井さん

参加されたみなさんがとても真剣で、何か答えを見つけたい、学びたいという気持ちが強く伝わってきました。初めて会う方同士だったと思いますが、途中の演習も積極的に参加いただき、「まずはやってみよう」という高い意識の方が集まっていることを感じました。会場にも一体感が生まれていましたね。交流会も含めて、女性ならではの思いや考えを共有できたのではないかと思っています。今回のイベントで感じたことを活かして、これからも日々前向きに、少しずつ工夫しながら進んでいただけたらうれしいです。

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