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掲載日:2015年8月3日

女性が長く活躍できる会社選び
〜やりがいも、環境も手に入れる!〜

「doda女性のための転職フェア」が2015年5月29日(金)、30日(土)の両日、東京の渋谷ヒカリエにて開催されました。会場内で講演会も開かれ、各界で活躍する女性や、dodaの女性キャリアアドバイザーが、今後のキャリアや仕事に役立つテーマについて講演しました。

今回はその中から、dodaキャリアアドバイザー横山泉の講演の模様をWoman Career編集部がレポートします。

profile 講師プロフィール

横山 泉

横山 泉
パーソルキャリア株式会社
dodaキャリアアドバイザー マネジャー

dodaキャリアアドバイザーとして主にITエンジニア、ITコンサルタント、営業職種の方々の転職を400人以上サポートしてきた。2011年、マネジャーに就任。13年より社内の新規事業であるdodaエージェントサービスの運営に携わり、40人の部下をマネジメントしている。14年、ワーク・ライフ・バランス認定コンサルタントに。自ら「働くことと人生そのものを楽しむこと」を実践中。GDCFキャリアカウンセラー資格保有。

ネットにあふれるたくさんのデータから信頼性の高いものを選ぶことが大切

「女性が長く活躍できる企業を選ぶには、どんな指標を見ればいいのでしょうか」。転職を考える女性から多く寄せられる質問の一つです。今日はこの悩みにお答えする「企業選び」についてお話したいと思います。

最近、女性の活躍推進や育児支援に力を入れる企業は増えていて、求人票や企業ホームページには、制度の種類に加えて「女性社員比率」「育児休業からの復帰率」「勤続年数」など、さまざまなデータが掲載されています。このうち、どの指標をチェックすればいいのか、気になるところですよね。

「どの指標をチェックするか」ということの前に、データを見る際に重要なポイントが二つあります。一つ目は「一般的な水準や背景を知っておくこと」。データはそれ単体では単なる数値に過ぎず、比較するための基準となるものがあって初めて判断の材料となります。二つ目のポイントは「できるだけ信頼性の高いデータを選ぶこと」。インターネットをはじめ、メディアにあふれるさまざまなデータや情報の中から、より信頼できる情報を選ぶことが大切です。

「一般的な水準」を知るための参考資料を一つ紹介します。内閣府が2011年に発表した資料では、日本の企業において管理職に占める女性の割合は11%で、執行役員に占める女性の割合はわずか1%です。こうした数値を知っておくことで、企業の女性管理職の比率を見る時に、実際に女性の登用がどれだけ進んでいるか判断できると思います。また「信頼性の高いデータ」としては、経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」や、内閣府男女共同参画局の「女性の活躍見える化サイト」など、公的機関が出しているデータがあります。

女性の活躍を積極的に推進しようという企業は、業界や企業規模を問わず確実に増えてきているので、このような外部の調査データに加えて、個々の企業がどのような考え方で、どのような取り組みを進めているのかに目を向けて比較検討することが大切です。次は「個々の企業を見る」際のポイントについて説明します。

数値だけでは見えてこない女性活躍への取り組みの「質」をチェック

「2020年までに女性の管理職比率を30%に」という政府の掛け声もあり、各企業の女性の活躍支援の実態を知る目安としては、女性の採用人数や管理職比率など、「量」の側面がフォーカスされがちです。しかし最近は、そうした「量」の側面に加えて、女性の活躍をフォローするためにどのような仕組みを導入しているかなど、「質」の側面が重要視されるようになっています

「質」を測るポイントは、大きく二つあります。一つは、仕事と家庭の両立支援に関する仕組みや制度がどれくらい充実しているかという「支援充実度」。もう一つは、仕事の機会や評価、待遇においてどれだけ男女の区別なく活躍できているかという「均等度」です。

「女性が長く活躍しやすい企業」と言えるのは、「支援充実度」「均等度」がともに高い企業です。ここに該当する企業は、女性社員の定着率や管理職比率が高く、また経常利益も高い傾向にあるという研究結果があります。成長企業として優秀な人材が集まることで、市場のニーズに合致した商品やサービスを提供でき、その結果、消費者の支持を得て、企業がさらに成長するというプラスの成長循環につながりやすいことも特長です。

志望する企業の「支援充実度」や「均等度」を知るためにも、求人票や企業ホームページで両立支援制度や女性社員の活躍事例などの情報を集めたり、面接の中でそれらについて質問をするなどして、取り組みや考えを確認してみましょう。

もう一つお伝えしたいのは、転職先を選ぶ際は「支援充実度」と「均等度」が高いかどうかということだけではなく、自分がやりがいを持って働き続けられる環境かどうか、という視点を忘れないでほしいということです。どのようなタイプの企業が最もマッチするかは、自身の価値観やライフステージなどによっても変わります。そのため、企業について知るだけでなく、「どう働いていきたいのか」「転職で何をかなえたいのか」という「自分の軸」をしっかりと持つことが、長く活躍できる企業を選ぶためにはとても重要です。

必要なスキルを意識的に磨きながら「長く活躍できる人材」へ成長を

ここまで「企業選び」という観点からお話をしてきましたが、女性が長く働き続けていくためには「長く活躍できる人材」になることが大切です。

「長く活躍する人材」となるために、女性が特に意識したいポイントが三つあります。

働き続けたいと思う意志 1アサーティブ・コミュニケーション 2 問題解決志向 3 一歩踏み出す勇気 プロセス改善 50%の自信

1.アサーティブ・コミュニケーション

アサーティブ・コミュニケーションとは、相手を尊重した上で自分の考えや要望を率直に伝えるコミュニケーション術のことで、私はこれを「しなやか交渉力」と呼んでいます。考えや要望を相手に伝える時、女性はしばしば直感や「何となくいいと思う」というような感情の面からアプローチしてしまいがちですが、そうではなくて、何のために必要なのか、どのような効果があるのか、なぜそう考えるのかということを整理して、「意図」と「事実」と「思い」を理論的に伝えるコミュニケーションを心掛けることで、交渉をよりスムーズに進めやすくなります。

2.問題解決思考

指示されたことを実行するだけではなく、自ら課題に気づき、解決のために行動する人は、職場で信頼され、活躍の機会を広げやすくなります。大きな課題でなくても、例えば「会議の時間を今より短くするにはどうすればいいか」などの身近なことについて、改善策や工夫点を考えてみましょう。「小さな改善」の積み重ねが、業務プロセスの見直しなど大きな課題の解決につながっていきます。

3.一歩踏み出す勇気

物事を始める時、一般的に男性は50%の自信があれば踏み出すのに対し、女性は95%の確信がないとチャレンジしない傾向にあると言われています。管理職への昇進や部署異動を打診された時に「自信がないから」とためらう女性も多いのではないでしょうか。長く活躍する人材になるには、こうした場面で一歩踏み出す勇気を持つことがとても大切です。一歩を踏み出すことで、社内のネットワークが広がり、新しいことに取り組む際の手助けやアドバイスを得やすくなりますし、これまで気づいていなかった自分の強み・弱みを再確認する機会にもなるでしょう。確たる自信はなくてもまずは挑戦してみることが、自分自身を大きく成長させることにつながります

最後に、みなさんにぜひお伝えしたいのは、働く企業と自分がパートナーの関係であると認識することがとても大切だということです。長く活躍できるかどうかは、入社した企業と良いパートナーシップを結べるかどうかにかかっています。自分に合った企業を選ぶと同時に、入社後も良好なパートナーシップを維持していくために、自身のワーキングパーソンとしてのスキルや資質を主体的に高めていく姿勢をぜひ大切にしてください。

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